2018年8月27日月曜日

処暑(二十四節気)天地始粛(七十二候)8月28日~9月1日 「二百十日」台風シーズン到来? ”ゆうがお細工” ”雁首草” 「むら」からNHK「あさイチ」生放送 

 二十四節気「処暑」の七十二候の次候は、「天地始粛(てんちはじめてさむし)」です。先週は少し涼しくなってきたかと思いましたが、台風接近の影響もあり南からの湿った風が入り込み、またまた”ムシムシした真夏状態”です。「農家」の”ケイトウ(鶏頭)”が燃えるような真っ赤な色の”トサカ(鶏冠)”を大きくしています。今年は9月1日が「立春」から数えて210日目で、昔からこの頃”台風”がやってきて農作物や生活にも大きな影響を与えることが多く、特に「二百十日」と呼ばれ”農家の厄日”とされています。今年は、これまでも”台風”が数回接近していますが、これからが本番ですかね。災害につながるような”台風”が来なければよいのですが、”台風到来”に備えて日頃から準備はしておきましょう。
 「上総の農家」の畑の真っ赤な”ケイトウ”の中に、黄色とピンク色をした”ケイトウ”も混じっています。
 ”青刈り”して”天日干しをした稲”のその後です。「上総の農家」では、部屋の中に寝かして乾燥を続け(写真:上左)、その後、束ねて「長屋門」の「屋根裏部屋」の”竿”に下げました(写真:上右)。「安房の農家」では、束ねて裾を拡げ”ぼっち”のような形で乾燥を続け(写真:下左)、最後に”ごみ(枯れた葉など=地元では”しび”と呼ぶ)”を取り除き束ねていました(写真:下中)。保管時には、束ねて立てておきます(写真:下右)。保管方法が違うのは、この”青稲”を使う”正月飾り”にありそうです。「上総の農家」の”正月飾り”は”青稲の根元”部分を多く使う”相撲のさがり”のような形で、「安房の農家」の”伊勢海老”形や「下総の農家」の”ごぼう締め”は”稲藁”全体を使います。ですから、「上総の農家」では、”根元”を大事にして床に触れないように下げているのかもしれないとのことでした。納得です。”農家の正月飾り”は、当ブログ「大雪 鱖魚群(12月17日~)」をご覧ください。
 「下総の農家」では、この時期だけの「ゆうがお細工」の体験です。毎年体験される”常連さん”もいる人気の体験です。昔の人は、身近なものを使って生活に必要な道具などを作ったわけですが、実が大きくなる”干瓢(かんぴょう)”の原料の”ユウガオ”が、”外皮”を乾燥させると固くなる特徴を生かし、物入などを作っていたわけです。体験者のお二人は、あまり大きくないものを選び、”たわし”や”ヤスリ”で磨いていましたが、一つはプレゼントで、もう一つは何か物入れにするとのことでした。”炭入れ”、”ランプシェード”、”インテリア”、”花入れ”、”猫などペットの寝床”などなど、皆さんもお一ついかがですか。今年は、もう一回9月22日にも体験がありますが、予約体験です。事前の予約の申し込みをよろしくお願いします。この体験も「房総のむら」でないとできない体験だと思います。
 同じ「下総の農家」「機小屋(はたごや)」の前の”千成瓢箪”です。葉がほとんど落ちて、中央がくびれた独特の形の小さな”瓢箪”がたくさんぶら下がっています。これも加工して、”唐辛子入”か何かにしたいですね。
 「上総の農家」では、畑に長く”蔓”を伸ばしていた作物の最終収穫をしていました(写真:上)。中には”江戸野菜プロジェクト”で栽培している”昔のメロン”といわれる”甘露まくわ瓜”や”冬瓜(とうがん)”にまじって、”神田小菊南瓜(かぼちゃ)”などもありました。「下総の農家」でも、”南瓜”(写真:下左)のほかに、スープにしておいしいあの”つる首南瓜”が販売されていました(写真:下右)。今年も”つる首南瓜”のスープが飲めそうです。
 「農家」の畑の豆類の状況です。”ささげ(大角豆)”はまだ花が残っていますが(写真:上右)、枝の先端から上に向かって豆の”莢(さや)”が伸び、重さで垂れています。何かを「ささげ」でいるように見えますか?(写真:上左)。次は”だいず(大豆)”、わかり安く言えば(?)”えだまめ(枝豆)”です(写真:中)。でも”大豆の花”ってどこに咲くか知ってますか?”枝豆”を”枝”から外したことのある方ならばわかるかもしれませんが。中心の太い枝からでる葉の根元に花は咲きます(写真:中中)。小さくて白い花で目立たないので(写真:中右)、わかりにくいのですが。おいしい”枝豆の収穫体験”が待ち遠しいです。黄色い花は、”あずき(小豆)”の花です(写真:下左)。”なたまめ(刀豆)”は、大きくなったものは”莢”がもう20cmを超えています(写真:下右)。
 「農家」の畑の”落花生(ラッカセイ)”です。花の後ろの部分が伸びて地面に達した”柄”も太くなってきました。9月の”落花生の収穫”体験が楽しみです。”枝豆”にも勝るとも劣らぬ(?)”生のゆで落花生”は、”収穫体験”した人だけの楽しみですね。
 早くも”栗(くり)”です。「上総の農家」の”早生栗(わせぐり)”、”盆栗(ぼんくり)”とも呼ばれる”栗”が強風のせいでしょうかたくさん落ちていました。”丹波栗”は、まだ”イガイガ”が青い状態です。
 空中に”丸い輪”を見つけました。小さな打ち上げ花火のようにも見えます。一つは”タラノキ(楤木)”です(写真:左)。花が終わった後に見事に実がリング状についています。初めのうちは緑色です(写真:上左)が、熟すると黒紫色になってきます(写真:左下)。遠くから見ると、空中に黒いリングが浮いているようです(写真:左中)。もう一つは、”タラの芽”とともに若い芽がお美味しい”春の山菜”の代表の”ウド(独活)”です(写真:右)。こちらは、”輪”ではなく”花火のように球状”に花がついています(写真:右中、右下)。しかし、下から見上げると”タラノキ”と同じようにリング状に見えます(写真:右上)。もう少し経つと、こちらも黒っぽくなってくるでしょう。
 こちらは、”サジガンクビソウ(匙雁首草)”です。”雁首(がんくび)”とは、”煙管(きせる)”の先端の”刻み煙草(きざみたばこ)の葉”を詰める”火皿(ひざら)がついた金属の部分のことですが、まっすぐ伸びた茎から直角に曲がって扁平円形にぷっくらした様子は、まさに”煙管の雁首”そのものですね。林の中の日陰に、しかも下向きで咲いているのであまり目立ちませんが、まっすぐ伸びた茎の先端の下向きに曲がった”雁首”は、特徴的な形状ですのでわかります。もっと太くて大きければ、”パイプソウ”と呼ばれたのですかね。いやいや”ナンバンギセル(南蛮煙管)”というのがありました。
 総状に薄紫の花をつける初秋の花です。「下総の農家」の”カクトラノオ(角虎の尾)”が咲き始めました(写真:上)。”茎”が上から見ると四角の、薄い紫色の花のトラノオです。日陰には、”ヤブラン(藪蘭)”(写真:中)と”ツルボ(蔓穂)”(写真:下)です。
 紫色と白色の”ハギ(萩)”です。”ハギ”は初夏から咲いていましたが、やはりこの時期に合う花ですね。
 今年二度目の”タマゴタケ(卵茸)”です。今年は6月に出現したことについては、当ブログ「夏至 菖蒲華(6月27~)」でも紹介しましたが、当然、本来のこの時期になって、館内のあちこちで見られるようになりました。
 8月22日午前9時26分から、「房総のむら」からNHKの「あさイチ」の生放送がありました。前日から、中継車も到着して準備をしておりました(写真:下右)。番組は、お隣の「コスプレの館」の時代衣裳に着替えた「藤原 薫」さんがレポーターです(写真:上左)。本番では「細工の店」で”房州うちわ”の製作風景をレポート(写真:上右)し、「商家の町並み」を歩き「お茶の店」でお茶をいただき(写真:中左)、最後に「呉服の店」で”生葉”を使った”藍のうつし染”の体験(写真:中右)レポートもしていただきました。番組の最後は、「呉服の店」に生中継に出演した当館職員が全員集合してお別れの挨拶です(写真:下左)。(”藍のうつし染”につきましては、当ブログ「大暑 大雨時行(8月2日~)」をご覧ください。)
 「番外編」です。カメラが回っていないところでは、リラックスして「房総のむら」に溶け込んだポーズをとっていた「藤原 薫」さんです(写真:左上)。生放送終了後の”ホッ”としているところです(写真:上右)。本番前の「呉服の店」で、やり取りを確認をしているところです(写真:中右)。本番終了後に改めて「お茶の店」で休憩です(写真:下左)。”お茶”と”くずもち”を召し上がっていただき、”暑い中をご苦労様でした”ということで当館職員が”扇”で風を送っています(写真:下左)。本番終了後の「呉服の店」で、サインをいただきました。隣では、当館スタッフが本番では体験途中になっていた”藍の写し染”を完成させてプレゼントしました。「藤原 薫」さん、映画やドラマなどの撮影でまた「房総のむら」に来られることをお待ちしております。「房総のむら」では、”映画”、”テレビドラマ”、”CM”など、かなりの数のロケなどが行われておりますが、公開されるまではロケが行われたことが発表できないことが残念です(制作者からの要請)。テレビ、映画など時代物などの場合にはよく見ていると、「房総のむら」が出てきます。今年の秋も、テレビで放送予定のものもいくつかあります。(開館日のロケの際には、見学できない施設がある場合もありますのでご理解願います。申し訳ありません。)

0 件のコメント:

コメントを投稿