2019年3月30日土曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、資料館連絡通路、総屋前、おまつり広場、武家屋敷周辺を観察しました。また、観察しながら「サクラいろいろガイド」の準備の一環として、サクラの開花状況を調べました。

●資料館脇のベニシダレは満開、そばのヤエベニシダレは開花が始まり、コヒガンが木の上の方で咲いています。
●上総のため池そばのウワミズザクラのツボミが膨らみました。
●資料館連絡通路のヤエザクラは、茶色の葉といっしょに咲いています。
●堀割広場のカンザンはまだツボミ、ソメイヨシノは3分咲きです。
●木工所裏のオオシマザクラの大きな花が見頃です。
●総屋から上総の農家へのソメイヨシノは3分咲きです。
●おまつり広場では、ソメイヨシノ、ヤマザクラが3分咲き、ジュウガツザクラがチラホラ、ウコンはまだツボミです。茶屋前のヤエベニシダレはやっと咲き始めです。カスミザクラは当分咲きそうにありません。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。3月29日(金)の観察に基づいています。 (風) 
 
 
※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 4月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。


○日時 : 4月14日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「春たけなわの“むら”の植物と雌雄異株の草木」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

春分(二十四節気)雷乃発声(七十二候)3月31日~4月4日 サクラ🌸も咲いて春爛漫の「房総のむら」 新規演目「七宝勾玉」 「二十四節気 七十二候」シリーズ最終回です

 二十四節気「春分」の七十二候の末候は「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」で、遠くで雷の音がする時期になります。寒冷前線が通過する時に雷が発生し、”雹(ひょう)なども降るようです。「房総のむら」でも、先日短い時間でしたが”雹”も降りました。この時期の”雷”は”春雷”とも呼ばれ、春の到来を告げる”雷”ともいわれます。また、”雷鳴”に驚き冬眠していた地中の虫たちが目ざめるということで”虫出しの雷”とも呼ばれるようです。先週は温かい天気が続き、「上総の農家」の”ナノハナ(菜の花)”も随分大きく伸びてきています。外国からのお客様はじめ多くの方が、”ナノハナ”を背景にして記念撮影をしている姿を見かけます。
 「房総のむら」では、24日に”桜の開花宣言”をしましたが、あっという間に花が増えてきました。しかし、その後気温が上がらず一気に”満開”とはいきませんが、「農村歌舞伎舞台」近くの”桜の花”の下でお弁当を広げているグループの方がいらしゃいました。この日は少し肌寒でしたが、楽しそうに食事をしていました。
 「農村歌舞伎舞台」周辺の桜は、かなり花が開いてきています(写真:上)。「房総のむら」入口手前の「管理棟」近くの桜も花が開いてきています(写真:中左)。「風土記の丘エリア」の「旧平野家住宅」でも花が開き始めました(写真:中右)。「農家」「商家の町並み」や「風土記の丘」でも”ソメイヨシノ(染井吉野)”は咲き始めています。しかし、ここのところ気温が低いこともあり、予想したほど開花速度は早くはありません。このようすなら、今年は長い期間桜が楽しめそうです。
 館内各地点で撮影した桜の花です。
 「上総の農家」の畑近くの「果樹園」では、”サクラ”の仲間の”ハナモモ(花桃)”も咲き始めています。赤い花は八重咲です(写真:中左)。まさに桃色の花は、花弁の先端が尖っています(写真:上右)。紅白の花の”ハナモモ”も咲き始めました(写真:中右)があります。写真の下段は”スモモ(李)”です。私の地元では”ハタンキョウ(巴旦杏)”と呼んでいた日本”スモモ(李)”(写真:下左)と、日本の”スモモ”がアメリカにわたり品種改良され逆輸入された”プラム(=西洋スモモ)”です(写真:下右)。
 「上総の農家」近くの”コセリバオウレン(小芹葉黄連)”の現在のようすです。花が終わった後、果実をつけ緑色からやがて淡褐色に熟します。果実は袋状(袋果)で、放射状に柄の先につき全体としては風車状になります。先端に小さな穴が開いています。 
 「上総の農家」の”サヤエンドウ(莢豌豆)”も花が咲き出しています(写真:上)。”野菜炒め”や”みそ汁の具”等として”エンドウ”の未熟な”莢”を食用とするので”サヤエンドウ”と呼ばれるようです。これから蔓を長く伸ばしていきますので竹の手が付けらています(写真:下)。
 こちらは、平成31年度から「風土記の丘資料館」の新たな体験演目になる「七宝勾玉」です。普通の”七宝”は金属片の上にガラス片を置き窯で焼いてガラスを溶かして模様を作りますが、「風土記の丘資料館」の「勾玉七宝」は”製陶”に使う粘土の上にガラス片をのせます。ちょうど、粘土で土台となる”勾玉形”を作っていた(写真:上右)ので、サンプルを作ってみました(写真:下)。土台の粘土は、ガラスがのりやすいように中央が少し窪んだ扁平にして素焼きしたものです(写真:下左)。そこに全体にガラスの粉を置きその上に模様となるガラス片を置いて(写真:下中)、窯で700~800度で焼き上げれば完成です。”勾玉”は本来石を磨いて作りますが、色や模様は石材で決まってしましますが、こちらは”七宝焼き”ですので、自分でお気に入りの色づけや模様を付けることができます。是非、華やかな「七宝勾玉」を作ってみてください。
 甲高く”チョットコイ、チョットコイ”と鳴き声は、しょっちゅう聞いていたのですが、やっと出会うことができました。”コジュケイ(小綬鶏)”です。すこし離れていましたが、”カサカサ”と落ち葉を踏む足音を立てながら目の前を横切って林の中に消えてしましました。もう少しゆっくり見ていたかったのですが。
 ”二ホンアマガエル(日本雨蛙)”を見かけることが多くなりました。冬眠から目ざめたところでしょうか。”カエル”の鳴き声も聞こえます。体色は腹側が白色、背中側が黄緑色ですが、背中側は”保護色”で淡灰色に変わることでも知られます。林の中では灰色の”二ホンアマガエル”も見かけました(写真:下)。
 池の水温も上がってきたのでしょう「上総の農家」の水田の上の「池」の”メダカ(目高)”が元気に泳いでいました。岸近くの落ち葉が積もって浅くなった場所に集まっているのは、この場所の水温が暖かいためでしょうか。
「上総の農家」の「炭焼き小屋」の近くで小さな”ノウサギ”を見かけましたが、カメラを向ける前に走り去ってしまいました。当ブログにこれまでも何度か登場した”ピーター”の子どもでしょうか。豊かな里山環境の「房総のむら」には、草花に昆虫そして小動物なども生息しており、かつては日本のどこでも見られた風景が維持されています。

 2年近くにわたって、「房総のむら」の四季折々の草花や歳時記、イベントなどを紹介してきた「二十四節気 七十二候」シリーズは、今回で終了とさせていただきます。多くの方々にご覧いただいたことに感謝いたします。今後とも四季折々の自然や昔からの年中行事などを見ることができて、そして体験することができる「体験博物館 房総のむら」をお楽しみください。

2019年3月29日金曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、資料館連絡通路、総屋前、おまつり広場、上総の森、復元竪穴住居周辺を観察しました。
 また、観察しながら「サクラいろいろガイド」の準備の一環として、桜の木に名札を付けました。

●ベニシダレは資料館脇は2分咲き、茶屋前ではツボミでした。ソメイヨシノはおまつり広場で2~3輪、コヒガンは木のてっぺんで花数は少ないですが咲いています。ウワミズザクラにはツボミが出来ていました。

●ムラサキシキブ、ヤマグワ、アカメガシワの冬芽が大きくなってきました。ガマズミの冬芽はすでに葉になっていました。

●タチツボスミレがあちこちで咲きました。(風土記の丘エリアではニオイタチツボスミレが咲いています。)

●むらの中で、今年初めてツクシを観察しました。

●ヒサカキが咲き、独特の香りを放っています。モミジイチゴの白い花があちこちで咲きました。
 チョウセンレンギョウの黄色い花が華やかです。最盛期を迎えました。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。3月22日(金)の観察に基づいています。 (風)


※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 4月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 4月14日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「春たけなわの“むら”の植物と雌雄異株の草木」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

2019年3月25日月曜日

春分(二十四節気)桜始開(七十二候)3月26日~30日 ”桜開花宣言” ”祝言の料理”で”祝言”(昭和の婚礼再現) イモの植え付け アケビ・フデリンドウ スプリングエフェメラル(カタクリ・ニリンソウ)

 七十二候は「桜始開(さくらはじめてさく)」です。東京では、21日「春分の日」に例年より5日早く“桜の開花宣言”がありました。「房総のむら」でも22日には数輪の”桜”の花を確認し、24日には「房総のむら」の”桜開花の標準木”としている「総屋」前の”桜”でも五輪の花を確認しましたので、”桜の開花宣言”です。「房総のむら」では、ほぼ七十二候「桜始開」とおりですね。
 「房総のむら」で一番最初に”ソメイヨシノ(染井吉野)”の開花を確認したのは、「農村歌舞伎舞台」近くの木でした。その後、「上総の農家」「風土記の丘」「商家の町並み」「管理棟」などでも開花を確認しています。どの木もまだまだ数輪程度ですが、このままの気候ならばおそらく週末には満開に近くなるものと思われます。”ソメイヨシノ”に続いては、”オオヤマザクラ(大山桜)や”オオシマザクラ(大島桜)”なども咲き出すと思います。さくらまつり」は4月6日・7日ですが、30日・31日にもイベントを開催します。今年の花見は、「房総のむら」でお楽しみください。
 前回、「風土記の丘資料館」の”コヒガン(小彼岸)”(写真:右下)の開花は紹介しましたが、その翌日にすぐ近くの”ベニシダレ(紅枝垂)”も開花しました(写真:左、上右)。どちらも花びらが小さな”桜”です。一日遅れて咲いた”ベニシダレ”はピンクが濃い”花で早くも見頃を迎えましたが、”コヒガン”はまだ木の上の方だけに白い花が咲いたところです。
 最後の”梅”の開花です。「下総の農家」の”ユスラウメ(梅桃)”も咲き出しました(写真:上)。”梅”の花に比べると花はとても小さく、実も”梅”というよりは”サクランボ”といった感じです。隣の”コウメザクラ(小梅桜)”も咲き始めました(写真:下)。どちらも小さな花ですが、花びらがしっかりしていて白の輪郭、濃いピンク色の輪郭がはっきりしています。
 「商家の町並み」「めし屋」の「祝言の料理」の展示については、既に当ブログで紹介されていますので、”祝言”のなかでの”料理”の順番などについて紹介します。現在結婚式は、式場やホテルなどで行うのが当たり前になってきていますが、明治以降昭和30年代頃までは”婚礼”は各家で行われていました。そこでふるまわれた”本膳”を用いた料理は、郷土色豊かな料理でした。展示した料理は、千葉県印旛郡栄町龍角寺で昭和20年代に”もてなしの料理を作る仕事を頼まれた「料理番」”と呼ばれる方のお話をもとに再現したもので、当時の家々で行われた”祝言”の様子がうかがえます。では、祝言の様子を料理で見ていきましょう。まず”祝言”の時には、あらかじめ「料理番」が”蓬莱山”を作って式の間”床の間”に飾っておきます。”蓬莱山”は、米を一升山盛りにし、この上に”半紙で折った鶴”と、”聖護院大根を半分に切り墨でこけら(甲羅)を書き、頭と手足は里芋でかたどった亀”を飾ります(写真:⓪)。
 ”仲人さん”に連れられてやってきた”花嫁さん”は、新しい家に嫁ぐためにそれまでのことをすべて祓うために、頭上に”三度笠”がかかげられ、小さな”松明”が焚かれ上を越えて、婚家の敷居を跨いで入ります(写真:下左)。そして、この後、ここまで履いてきた”草履”から婚家が準備した”下駄”を履きます。ちょっとした儀式ですが、新しい家に嫁ぐ、お嫁さんを迎えるにあたっての当時の考え方の一端を知ることができるような感じがします。なお、白黒の写真は、今回の”祝言”の再現実演にかかわった「房総のむら」職員と関係者です。昔の”祝言”では、”写真屋”さんがやってきて、こんな感じの写真が撮られていたのだと思います。
 さて、”お嫁さん”が床の間の前に座ると、まず”お茶とお菓子”を出します(写真:①)。戦前は、”八重桜の蕾”を塩漬けしておいたものに湯を注いだ”桜湯”を出したそうです。お菓子は、主に饅頭だったようです。次に、「落ち着き」として、”赤飯”と”きんぴらごぼう”、”豆腐の吸い物”が出されます(写真:②)。これには、”酒宴の腹ごしらえ”としての意味もあるそうです。その後に、”蛤の吸い物”がでます(写真:③)。夫婦が仲良くなるようにと、一つの椀に二つの蛤を互い違いに組んで入れてあります。しかし、客はここではこの”吸い物”を食べてはいけないそうです。そして、”仲人”の采配で、子どもが扮する”オチョメチョ(雄蝶雌蝶)”が”三三九度”(写真:④)を行い、銚子を回し杯を酌み交わして式は終了となり、ここで”鮒の腹合わせ”(写真:⑤)を”床も間”に飾ります。本当は”鯉”を使うようですが、この地域では”鮒”を使うことが多かったそうです。”腹合わせ”が出たら宴会となり、客はようやく”蛤の吸い物”を口にすることができます。その後、写真の⑥~⑨の料理が次々に出されます。これらの料理が出る合間に、途中で「一の折り」が、大きな家では「二の折り」も出されたそうです。「一の折り」は、奥に”鯛の尾頭付”、”海老”、手前中央に”かまぼこ”、”伊達巻”、”錦巻”、”白豆のきんとん”、”羊羹”などが詰められています(写真:⑪)。宴がお開きになる時には、「本膳」が出されます。”白飯”、”鮒のたたき汁”に”たくあん”や”白菜の漬物”が付きます(写真:⑩)。最後に”お嫁さん”が入れた”お茶”(写真:⑫)がふるまわれて”お開き”となり、”新婦の仲人”などは婚家に人たちに見送られ”お土産”を持って帰ります。
 「商家の町並み」「めし屋」で、このような意味のある「祝言の料理」の再現展示をしていることから、当時の”祝言”のようすも再現したいと以前から考えておりましたが、ようやく実現できました。料理が昭和20年代の再現ですから、当然”衣裳”も昭和期のものです。ご協力いただいたのは、当館の「まつり」の時に「時代衣裳の変身体験」に協力していただいているテレビ・映画のロケ等の衣裳も担当している「東京衣裳」さんです。いかがですか、「房総のむら」の「商家の町並み」や「農家」にはぴったりの”衣裳”だと思いますが、新郎新婦もまんざらではないようす。新しいデザインの着物もいいですが、古い着物もいいですね。「東京衣裳」さんの話では、「昔の白黒写真では、”角隠し”は白く見えるが色が付いている。そして、今のものと比べると幅が狭い」そうです。仲人として「今日の日を忘れないで、お幸せに」
 「上総の農家」では、”ジャガイモ(馬鈴薯)”の植え付けです。”ジャガイモ”は、”芽”がどちらにもあるように縦に半分に切ります。切り口には消毒のために”灰”をつけます。50cmほどの間隔で少し窪めた畑に植え付けます。”種芋”の間に”肥料”を施して完了です。6月には”ジャガイモ”の収穫体験の予定です。今年の出来はどうでしょうか。楽しみにしていてください。
 そして、こちらは”サツマイモ(薩摩芋)”の植え付けの準備です。”サツマイモ”も”ジャガイモ”と同じように”種芋”を植えて育てるかと思うと違います。”サツマイモ”は”種芋”からのびた”芽”を大きくしたものを採取してそれを”苗”として植えるのです。そのために、”サツマイモ”の”種芋”から長い”苗”を取るために”芽”が出やすいように”ベット”を作っているのです。それが「上総の農家」と「下総の農家」に”ワラ”で囲われた大きな箱状のものです。中には”落ち葉”と”ワラ”がたくさん詰めら、そこに”糠(米ぬか)”と水を加えながら足で踏んで固めていきます。この状態で少し置いておくと醗酵してきて”苗床”の温度が上がってきます。そこに、”種芋”となる”サツマイモ”を入れて、”苗”が伸びてきたらそれを切り取って畑に植えるわけです。
 「風土記の丘資料館」近くの”ハクモクレン(白木蓮)”が花を大きく開きました(写真:上、中)。しかし、ここ数日の風であっという間に変色し、大きな花びらも散り始めています。既に咲いた”コブシ(辛夷)”も今が盛りです(写真:下)。早い木では、葉の緑も目立つようになってきました(写真:下右)
 ”アケビ”の花も咲き始めところです(写真:上)。”アケビ”も”雄花”と”雌花”があるようですが、写真上左の”アケビ(通草)”の左上の白い花びらの中央に濃紫色の塊があるのは”雄花”のようです(写真:上左)。写真上右は”ミツバアケビ(三葉通草)”ですが、濃紫色の花びらの中央に円柱状の”雌しべ”がありますので”雌花”のようです(写真:上右)。満開になった”トサミズキ(土佐水木)”が遠くから見ると霞がかかったように淡い黄色がとても目立ちます(写真:下左)。一方”ユキヤナギ(雪柳)”は、はっきりした純白が一際目を引きます(写真:下右)。
 「風土記の丘資料館」近くで、一本だけですが”フデリンドウ(筆竜胆)”が咲きました(写真:上左)。すぐ近くの土手にはオレンジ色が鮮やかな”クサボケ(草木瓜)”も咲き始めました(写真:上右)。「旧御子神家住宅」近くの白色が鮮明な”ニリンソウ(二輪草)”です(写真:中左)。「風土記の丘エリア」には”ツツジ(躑躅)”もたくさんありますが、一輪だけ花が咲いていました(写真:中右)。館内のあちこちで”ウラシマソウ(浦島草)”が葉を大きく広げ”釣り糸”も伸ばしています(写真:下左)。「商家の町並み」では、白い”ハナニラ(花韮)”が咲き始めました(写真:下右)。
 ”スミレ(菫)”の仲間も咲き始めています。ここ数日で花がかなり増えてきています。薄い紫色の花びらは、”タチツボスミレ(立坪菫)”でしょうか(写真:左)。花びらの紫色が濃いのは、”ニオイタチツボスミレ(匂い立坪菫)でしょうか(写真:右)。花弁がまとまっていて、中心の白い部分がはっきりしています(写真:上右)。花の後ろの”距”も少し太めです(写真:上中)。
 「房総のむら」の”カタクリ(片栗)”はまだ咲きませんので、隣の「ドラムの里」の”カタクリ”です。残念なことに成長が早かった「房総のむら」の”カタクリ”は、数株”盗掘”されてしまいました。整備された里山の中で咲く”カタクリ”だから綺麗なのだと思います。博物館内の大事に育てている植物や生き物などは、”写真に撮る”だけにして、持ち帰らないでください。

2019年3月24日日曜日

寒暖上手 二十四


イネ科の植物、稲や麦の茎を干したものをワラと呼んでいます

麦のワラで作った帽子は、麦わら帽子

このワラ、日本では稲作が始まったのち

石包丁での穂だけの収穫から、鉄製の鎌を使った根元からの収穫へ変化したことで、

副産物として利用されるようになったと言われています

イネ科植物の茎は、比較的細く、縦方向の引っ張りに強いため

その利用価値はとても高くなりました

1本でも、それなりに強いワラ、しかし柔軟に折り曲げることができ

これを束ねれば、多種多様な用途に使える製品を作ることができます

編めばムシロに、撚れば縄となり、写真のような米俵にもなります

さて、畑のなかにある四角いものは、種イモを保存する「芋床」です

茎は中空で、保温性にも優れ、種イモの保存にうってつけです(や)



2019年3月23日土曜日

嫁ぐ日に・・・



本日、商家町並みと上総の農家では、特別企画「祝言の料理―嫁ぐ日に―」を行いました。

今回は、印旛郡栄町にて昭和期に行われていた祝言を実演というかたちで再現しました。

花嫁の実家となる商家町並み・総屋から仲人と共に出発し、嫁ぎ先である上総の農家へ向かいます。

総屋を出発する様子


仲人に連れられ歩く花嫁


途中のあずま屋まで花婿が迎えに来て、その後花嫁行列となり、上総の農家で祝言を挙げます。


花嫁行列

実は、花嫁と花婿は新婚のご夫婦なんです!幸せそうな笑顔が印象的でした!



上総の農家での祝言の様子

あいにくの天気となってしまいましたが、美しい花嫁をお披露目することができました!!



実演スタッフ一同


来館してくださった方々、ありがとうございました!!(細)





2019年3月22日金曜日

新しい甲冑のお披露目です!

昨日、3月21日に都内では、桜の開花宣言が出され、房総のむらの桜もだんだんと蕾が大きくなってきました。
ここ数日でむらの開花宣言が出せるのではないでしょうか。

本日から4月12日(金)まで総合案内所「総屋」1階で甲冑を展示しています。この甲冑はご予約いただければ4月以降試着できます。
この甲冑は戦国期に現れた当世具足の一種で、「黒糸威黒艶消鋲綴二枚胴具足(くろいとおどしくろつやけしびょうとじにまいどうぐそく)」といいます。
華美ではなく極めて実践・実用的な様式の鎧です。
この甲冑を身にまとい、鎧武者に大変身してみてください。(Zi)

※なお、4月中は、武家屋敷で4月13日(土)・4月20日(土)・4月29日(祝月)のお日にちで、甲冑と打掛の試着体験を実施する予定です。ご予約お待ちしております!




祝言の料理



商家・めし屋では「祝言の料理」の展示を行っています。






こちらの料理は、印旛郡栄町で昭和期に行われていた祝言の料理を参考に、再現しています。
「祝言の料理」の展示は今日と明日の2日間実施します。ぜひお立ち寄りください。
※展示の料理はすべて本物です。お手を触れないようにお願いします



また、明日3月23日(土)には、今回だけの特別企画である「祝言の料理―嫁ぐ日に―」を行います!商家と上総の農家を使い、昭和期の祝言の様子を実演します。

町並みを花嫁が仲人をともない、列をなして歩き、上総の農家で結婚の儀式をとりおこなうまでをご覧いただけます。

上総の農家でのリハーサルの様子


日程:3月23日(土)
時間:10:00に商家を出発します
場所:商家・上総の農家

花嫁と花婿は実際の夫婦がつとめます。昨年ご結婚されたばかりですので、一緒に夫婦の門出をお祝いしてください!!お待ちしています!(細)

   


2019年3月21日木曜日

復元竪穴住居(弥生時代)修繕作業が終了しました。


 2月上旬から始まりました修繕作業が、春休みの始まる前までに完成し、多くの方々にご覧いただきたいと言う思いと茅葺き職人さんたちの頑張りにより、予定より早く完成し、本日よりお披露目することなりました。
 室内は新しい茅の匂いでいっぱいです。現代の私たちと同様に新築住宅には当時の人々もワクワクしたことと思います。
 久しぶりに古墳時代の竪穴住居と伴に2棟の竪穴住居が建ち並ぶ姿が見られます。古墳時代と弥生時代の住居の違いをよく観察して下さい。
 そして、待ちに待った桜の開花も秒読み段階。春の花々と一緒に、是非、竪穴住居の見学はいかがでしょうか。 (風) 

2019年3月20日水曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、資料館連絡通路、堀割広場、鍛冶屋裏、武家屋敷、上総の農家、竹林の坂、上総の田んぼを観察しました。


●まだまだ根生葉の状態の方が多い野草ですが、ポツポツと花が咲き始めたものがあります。ヒメカンスゲ、ノボロギク、タンポポ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トキワハゼなどです。

●樹木の冬芽では、マユミ、ニワトコ、イロハモミジ、カリン、ナツグミ、ウワミズザクラなどの冬芽が目立って大きくなりました。
 また、ミツマタの開花が進み、チョウセンレンギョウがポツポツと咲き始めました。

●草本のソクズは別名「草ニワトコ」と呼ばれます。これは葉の状態が木本のニワトコに良く似ているからです。両者はレンプクソウ科ニワトコ属に分類されます。

●カタクリの葉が現れました。上総の小池近くには8枚ありました。(旧平野家住宅近くでは10枚以上あります。)

●オオアラセイトウは、ムラサキハナナ、ハナダイコン、ショカツサイとも言われます。(手持ちの図鑑にはオオアラセイトウと記載されていました。)


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。3月15日(金)の観察に基づいています。(風)