2015年5月28日木曜日

畦を越えて!


下総の農家西側の代掻き後の水田に亀の足跡がみつかりました。
水田の隣りに調整池があるので、そこから這い上がり、水田に下り、高さ30cm程の畦を3か所越えて、また、戻るといった行動の軌跡です。
4枚の田に残っている足跡から、総延長約200mの早朝(-想像です-)のお散歩でした!
それにしても、どのくらいの時間がかかったのでしょうか?(フ)

2015年5月27日水曜日

5月の風景


チガヤはイネ科の植物で日当たりのよいところに生えているので、よく目立つ植物です。当館のものは白い花穂が終わりに近く、ふわふわとした綿のようですが、もう少し前や道すがらに見えるチガヤは、風のある日は風になびいて輝き、無風のときは白い穂があたかも筆が立っているかのように見えます。
このチガヤ、庭などに出てくると1本のみ引き抜いても、地下で茎がつながっているので抜けきれない非常に厄介な植物で、世界最強の雑草とも言われているそうです。
房総のむらではこのチガヤを材料にして雨具としての「蓑」を作っています。蓑1着を作るのに、おそらく2500~3000本程要するのではないか思います。
上段の写真は、北側の水田付近のチガヤで、周囲には、同じく蓑作りに必要なクゴと同居しています。下段は蓑の裏側の写真で、葉の中央の芯(葉脈)を取り除いたチガヤを6~8本の束としてクゴの網に編み込んだものです。
因みに、子どもの時に葉に包まれている頃の穂を取り出して、食べたことがあります。当時、私が住んでいた茨城県北部ではツバナと呼んでいました。口に含み、噛んでいるとわずかに甘味がしたような記憶があります。甘い物に飢えていた昭和の話です(笑)。(フ)

房総のむらの花だより

 本日の観察は、資料館から上総の田んぼ、竹林の坂、炭焼き小屋、上総の農家、武家屋敷を巡るいつものルートとなりました。初夏らしい気持ちの良い観察日和でした。
●資料館連絡通路脇には、ヌカボ、ナギナタガヤ、アオカモジグサ、オオスズメノカタビラ等の数種類のイネ科植物が生えています。そして、ノブドウのツボミやスイカズラの花も観察できます。
●コウヤワラビ(シダの仲間)はゼンマイの葉と形、大きさが良く似ていますが、コウヤワラビの茎には翼があるので区別ができます。
●上総の田んぼ手前の池の周りで、カガイモの葉を見つけました。個性的な果実ができるので今から楽しみです。
●上総の田んぼの脇にアメリカフウロの果実が実っています。ゲンノショウコの果実のように種を飛ばした後の形が、神輿の飾りに似ています。
●竹林の坂、炭焼き小屋の周りで、ハバヤマボクチ、オオバノトンボソウ、シオデが観察できました。
●上総の農家の畑周辺で、大きなビックリグミの実や、熟したウグイスカグラの実を見ることができます。
●前回報告しましたヒトフサニワゼキショウが資料館連絡通路入口近くに、キキョウソウが上総の農家の畑周辺にもあることが分かりました。
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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。5月22日(金)の観察に基づいています。  (風)

2015年5月26日火曜日

体長30cm程のこの細長い生きものは!


コウガイビルと言います。幅3mm程の体に3本の筋が入っているので、外来種の「オオミスジコウガイビル」でしょう。コウガイビルは、頭と呼ばれる先端が扇形に広がり、笄に似ていることから、漢字で書くと「笄蛭」となります。頭とは言っても、口がそこにあるのではなく、体の中央に肛門と兼用の口があり、ミミズやカタツムリなどに巻き付いて食べるそうです。
ヒルの名前がついていても、環形動物のヒルやミミズの仲間ではなく、平たくなったり、細くなったりする扁形動物です
下総の農家付近でみつけました。大きいものでは1mにもなるそうですが、30cm程とは言え、何とも不気味な生きものですね。(フ)
*上段写真:左側が頭部、下段写真:頭部の拡大

 

2015年5月19日火曜日

房総のむらの花だより

 本日の観察は、資料館から上総の田んぼ、竹林の坂、炭焼き小屋、上総の農家からよしず小屋前を通り武家屋敷を巡って資料館へ戻るルートとなりました。
●資料館脇のユリノキに花が咲き出しました。
●上総の田んぼ手前の池で、ショウブの花が咲いています。花はトウモロコシの皮をむいたような形をしています。
●上総の田んぼの周りで、イネ科の植物を沢山見ることができます。今の季節が観察に最適です。その一つのカモガヤは、花のかたまりが鴨の足に似ていることから名付けられました。
●上総の田んぼ近くの地面に、沢山のエゴノキの花が散っているのを見つけました。そして、その上の木の高い所に花が咲いているのを観察することができました。
●よしず小屋前で、沢山のヤマボウシの白い花が咲いています。
●武家屋敷前で、アカバナユウゲショウの花が咲いているのが観察できます。この花は夕方に花咲くと思われたことから「夕化粧」と名が付きましたが、実際は朝から花が咲いています。
●武家屋敷の近くで、ヒトフサニワゼキショウの花を発見しました。大きな特徴として、花弁の先が細長く針状になっています。
●蝶のルリタテハが、春の日をいっぱいに浴びながら舞っていました。
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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。5月15日(金)の観察に基づいています。  (風)

2015年5月17日日曜日

ナルコユリとエゴノキ


下に向いて咲く花を紹介します。ナルコユリとエゴノキです。

ナルコユリは、名前のとおりユリ科の植物で、花は葉のわきから垂れ下がった花軸に付いています。写真では16の花軸に長さ2cm程の筒状の白い花が3~6個付いており、計67個の花がみられます。根元に近い側が多く、先端部に近いほど花の数が減っています。緑色の先端部のみが膨らんで開きかけています。なお、隣のものは83個の花が付いていました。
名前の由来は、麦などを荒らす鳥を追い払うための鳥威しの鳴子に似ているからだそうです。


 
エゴノキにややつぼみ加減の白い花がたくさん咲いています。下から見上げるととてもきれいですが、真上を眺めていたので首が痛くなってしまいました(笑)。(フ)




 
 
 

2015年5月14日木曜日

房総のむらの花だより

 本日の観察は、資料館から上総の斜面林の中道、上総の農家、そして、むらの架け橋を渡って茶屋の左側の坂を下り、安房の農家、下総の農家、下総の田んぼを巡って、武家屋敷裏を経て資料館へ戻りました。この時期、日ごとに観察できる草花や動物たちの種類や数が増えています。

●資料館脇でニワゼキショウが咲き出しました。
●いつもの観察会ではあまり通らない上総の斜面林の中道では、イヌブナ、カマツカ、ヤマグワ、ニガナ、ヤブタビラコ、コバギボウシ、アマチャヅル等を観察することができました。
●キンラン、ギンランは、やや盛りを過ぎつつあるようです。
●下総の農家ではカラタネオガタマがすでに開花しています。花はマスクメロンやバナナのような良い香りを放っています。
●むらの架け橋脇にあるクリに雄花のツボミが観察できます。同時に沢山の虫こぶが付いているのも見られます。
●木苺の一種のナワシロイチゴの花が咲いているのが観察できます。木苺は同じ種類でも場所により開花時期に差異が生じるようです。
●ベニシジミやヒメウラナミシジミ等の蝶やトカゲの姿を良く見かけます。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。5月8日(金)の観察に基づいています。  (風)

2015年5月10日日曜日

江戸野菜栽培の充実-茄子の鉢上げ-


房総のむらでは、昨年度から農林水産省の交付金を得て、江戸野菜プロジェクトを進めています。昨年度は、子安三寸人参、東京長カブ、金町小カブ、ごせこ晩生小松菜、練馬大根などを試行として、上総・下総・安房の農家の畑ほか、県立下総高校、県立成田西陵高校や農家の方の協力を得て、栽培し、当館でのイベント時や栄町の産業祭・大鷲神社での祭礼時に多くの方に試食していただき、美味しいとのご意見をいただきました。
今年度は、ナス、キュウリなど品種を増やして、栽培することにしました。今日は、4月上旬に種を蒔いた「早生真黒茄子」が4~5cmになったので、鉢上げして、ポットへの植え替え作業をしました。これからは同様に、順次「東京大白瓜」「甘露まくわ瓜」「相模半白胡瓜」などの鉢上げ、定植をする予定です。
当館では、ナス・キュウリなど種蒔きから始めるのは初めてですが、今から生長・収穫が楽しみです。(フ)

2015年5月5日火曜日

房総のむらの花だより

 本日の観察は、資料館から上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家を巡るいつものコースに加え、呉服の店で開催される『初心者の草木染〈春〉』に関わる草木の観察を演目スタッフと一緒に行いました。日陰がちょうど良い気温でした。この暖かい気候のためか、館内の草花が急に活気づいたようです。
●草木染の対象となるスイバ、ギシギシ、ハルジオン、ワラビ、カラスノエンドウ、キショウブ、ドクダミ等を探しましたが、ギシギシ、キショウブを確認することができませんでした。
●竪穴住居そばにセンブリの群落があるのを確認しました。
●今年はキンランの当たり年のようで、沢山見ることができます。しかし、ギンランは例年どおり少ないです。
●フタリシズカのツボミが観察できます。
●シラヤマギクとキバナアキギリの葉は良く似ていまが、キバナアキギリの葉柄には翼があります。
●呉服の店裏庭で、ヤマアジサイと思われる植物を観察することができました。アマチャはヤマアジサイの変種です。葉を乾燥して甘茶が作られます。
●風土記の丘資料館連絡通路で甲虫のツチハンミョウを見ました。体内に有毒物質を持っているため、素手で潰すと皮膚炎症を起こします。
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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。5月1日(金)の観察に基づいています。   (風)

2015年5月4日月曜日

春のまつり2日目スタート!

今日も天気に恵まれそうです。
春のまつり2日目の今日も開館前に130人ほどのお客様が並ぶような状況でした。
このため、通常より10分ほど前に開館しました。
朝早くから並んでいただいたお客様、ありがとうございます。
今日は、県指定無形民俗文化財である香取市扇島地区の「おらんだ楽隊」の演奏が披露されます。
このほかにも様々な催し物を行いますので、是非お出でください。(フ)

2015年5月3日日曜日

ギンランが咲きだしました

 
安房の農家や下総の農家付近でギンランが咲きだしました。
今日から3日間房総のむらでは「春のまつり」が始まりました。初日の今日は好天に恵まれ、大勢の家族連れで賑わいました。
そんな中で、草花の情報です
前回4月22日にキンランの報告をしましたが、今回はギンランの情報です。安房の農家や下総の農家付近で見られます。
草丈30cm程で、葉の位置が花の高さまであるので、「ササバギンラン」ではないかと思います。房総のむらではキンランはいたるところで咲いていますが、ギンランの方が少ないような気がします。
また、キンランの変わったところでは、茎や葉の緑が薄くて黄緑色のもの、真っ白のものが見つかりました。(フ)