2021年8月29日日曜日

むらの花だより

現在活動は中止中ですが、房総のむら自然ガイドボランティアさんの有志より花情報をいただきました。(風)

●観察日 令和3年8月27日(金)

●観察者のコメント

・堀割の向こう岸に、オトコエシとオミナエシが咲きました。こちら岸にはツルボが咲いています。

・とても似ている花ですが、雄しべの少ないヒメキンミズヒキと雄しべの多いキンミズヒキの両方が上総の森で咲いています。

・コバギボウシの花はそろそろ終わりで、果実が目立つようになりました。

・商家町並みの辻広場では、花や葉が変化した珍しいアサガオを見ることができます。



●観察された植物と場所

・ツルボ(堀割) ・シロヨメナ(上総の田んぼ排水路) ・アキノタムラソウ(上総の田んぼ排水路) ・キンミズヒキ(上総の林) ・ヒメキンミズヒキ(上総の林) ・オトギリソウ(上総の田んぼ排水路) ・ムベ:果実(上総の農家) ・サルスベリ(上総の林) ・コバギボウシ(上総の林) ・アメリカイヌホオズキ(竹林の坂) ・アキカラマツ(上総の田んぼ排水路) ・ヒヨドリバナ(上総の田んぼ排水路) ・クサギ(上総の林) ・オトコエシ(堀割) ・オミナエシ(堀割) ・アサガオ(商家町並み)

8月26日 博物館実習2日目 綿布団作成体験

令和3年8月26日(木)、体験実習で綿布団を作成しました。 
綿布団とは、資料を保護・梱包する時に使用するもので、手作業で作成しています!


 【材料】 ・薄葉紙 ・真綿 ・紙テープ

【作り方】
 ①真綿を資料の大きさに合わせて切る。


②薄葉紙は表と裏があり、資料を傷つけないように、つるつるした方を表にする。裏面に真綿を置き、三分の一に合わせ目がくるように包む。 

③テープで合わせ目を止め、端を折り込みテープで止めて完成!! 


以前はセロハンテープを使用していたそうですが、劣化して黄色くなってしまうため紙テープなったそうです。

そして、残った薄葉紙で資料を包む際に使用する紐も製作しました。薄葉紙は長い繊維で作られていて、一定方向にしか切れません。薄葉紙を裂くときは快感でした!ねじるとより強度が増し、丈夫な紐が完成しました。


資料をこのように包み、博物館では大切に保管していると学べました!


(この記事は実習の一環として博物館実習生が作成しました。)

博物館実習3日目(文書整理)

8月27日(金)、文書の整理をしました。明治時代の個人的な手紙や株式会社からの通知など、さまざまなものがあります。


手を清潔に保つ!汗をたらさない!腕時計などは外す!これらのことに気を付けます。
資料の取り扱いでは白い手袋を着けるイメージがありますが、実は紙の資料に触るときには着けません。繊維どうしが引っかかって資料を傷つけてしまう恐れがあるからです。そのため、素手で紙を開いていきます。



(破かないようみんな慎重です…)

今回扱った資料は約100年ぶりに開封されたそうです。このような場面に立ち会えるのは非常に貴重な経験で、ドキドキしながら資料に向き合いました。
江戸時代の文字の書き方は御家流(将軍家の流派)で統一していたけれど、明治時代以降では個人の自由な書き方が用いられるようになったことなど、新しい学びがいっぱいです。

(資料を解読している様子)

資料を読むときは、「いつ」「だれが」「だれに」「どのような用件」で送ったのかを中心に読み込んでいきます。内容から、その資料が個人的な手紙なのか、会社からの通知なのかを分類し、わかりやすい名前をつけて目録にしました。

一見むずかしそうで、読むのをあきらめてしまうような文書でも、読んでみたら驚くような発見があるかもしれません。文書の展示を見かけたときには、立ち止まって読んでみてはいかがでしょうか。



(この記事は実習の一環として博物館実習生が作成しました。)





2021年8月26日木曜日

江戸の花卉(かき)-朝顔

 現在、商家町並み辻広場では江戸の花卉朝顔を展示しています(~912日まで)。

 朝顔は夏の朝を飾る草花としてなじみ深いものです。奈良時代は薬草として利用されていましたが、江戸時代の文化文政期(18041830年)には突然変異によって生まれた珍しい朝顔を愛でることが大流行し、さまざまな変化朝顔が生み出されました。

 この変化朝顔ですが、大きく二つの分類にわけることができます。まず一つは、「正木(まさき)系統」と呼ばれ、朝顔の花が単純な変化はするものの種子を残すため栽培は比較的簡単です。もう一つは、「出物(でもの)系統」と呼ばれ、一見朝顔には見えないような変わった花や葉を持ち、種子ができないのが特徴です。

 

 今回むらで紹介する朝顔は、正木系統が45鉢、出物系統23鉢となっています。

 

正木系統「黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(きせみはくりかわちゃまるざきたいりん)
(通称:団十郎)

 花の色は柿と呼ばれる茶系統で、市川団十郎が好んだ色にちなんで「団十郎」と呼ばれています。

正木系統「青水晶斑入姫葉紅覆輪丸咲(あおすいしょうふいりひめはべにふくりん)」
(通称:紅ちどり)

 今年は朝顔の開花が遅く、初秋にかけて花も増えてきましたので、またブログで朝顔の開花状況をお知らせしたいと思います。

 朝が見頃ですが、ご来館の折には鮮やかに咲き誇る花々をぜひご覧ください。(み)



2021年8月25日水曜日

木版染め

 現在、酒・燃料の店では、「木版染め」という演目を行っています。

  本演目では、木版で図柄を押した木綿のコースター2枚にハケで色をすりこみ、オリジナルのコースターを作ます。


 選べる図柄は全部で6種類!夏の風物詩、セミやクワガタの絵柄もあります。
  たくさんあって迷ってしまいますね。


 コースターを選び終わったら、次はいよいよ色付けです。色は赤、青、黄、緑、ピンクの5色。線からはみ出ないよう、慎重にすりこんでいきます。
  体験者は、お友達と楽しそうに体験されていました。


 臨時の「木版染め」は、8月28日(土)まで実施しています。夏の思い出がまだ作れていないという方は、この機に是非、体験されてみてはいかがでしょうか。(あ)



むらの花だより

現在活動は中止中ですが、房総のむら自然ガイドボランティアさんの有志より花情報をいただきました。(風)

●観察日 令和3年8月20日(金)

●観察者のコメント

・水車小屋前の道のキツネノカミソリは、盛りを過ぎつつあります。

・水車小屋横にはヌスビトハギの小さな花が、沢山咲いています。

・ワレモコウやシロヨメナが咲き始めました。

・ザクロやガマズミの果実が色づいています。

・おまつり広場のジュウガツザクラの花が、ポツポツ咲いています。

・秋の七草の一つのオミナエシが、下総の農家の庭で沢山咲いています。

・鉢植えのアサガオが総屋の前や商家町並みの店先に展示されています。



●観察された植物と場所

・キツネノカミソリ(水車小屋前) ・ジュウガツザクラ(おまつり広場) ・オミナエシ(下総の農家) ・ヌスビトハギ(水車小屋横) ・ワレモコウ(水車小屋前) ・オトギリソウ(上総の田んぼ排水路脇) ・ハナトラノオ(下総の農家) ・アサガオ(総屋前) ・ツリガネニンジン(水車小屋前) ・ザクロ:果実(下総の農家) ・コナラ:果実(おまつり広場) ・ガマズミ:果実(下総の農家) ・ネムノキ:果実(おまつり広場) ・タラノキ:果実(竹林の坂) ・アキノタムラソウ(上総の林) ・シロヨメナ(上総の田んぼ排水路脇) ・アキカラマツ(上総の田んぼ排水路脇) ・ヒヨドリバナ(上総の田んぼ排水路脇)

和ろうそく作り体験特集

    酒・燃料の店では、和ろうそくを作る体験を行っています。

 今回は、先月行った予約体験、「和ろうそく作り」と「夏休み親子小さな和ろうそく作り教室」の2演目についてご紹介します。


①予約体験「和ろうそく作り」

 今年に入り、本ブログで50グラム程度の和ろうそくが作れる「小さな和ろうそく作り」体験の様子をご案内しましたが、今回ご紹介する「和ろうそく作り」では、その約倍の100グラム程度の和ろうそくを作ることができます。

 この体験では、芯に溶かした木ろうを何度も塗り付けます。木ろうとは、ハゼの木の実から採取される脂肪のことです。


 最後に、先端と底部の形を整えて、できあがりです!地道な作業ですが、だんだんと大きくなっていく様子に、やりがいを感じられます。体験者の方も、無事完成して嬉しでした。


②予約体験「夏休み親子小さな和ろうそく作り教室」

 この体験では、親子で1本、50グラム程度の小さな和ろうそくを作ることができます。 

 はじめに、灯火具や燃料、火をつける道具についてお話を聞きます。「灯りの歴史」を通し、昔の人の生活や知恵を学んだあとは、いよいよ小さな和ろうそく作り体験です。




 慎重に、慎重に塗っていきます。何度も塗っていたら、手がろうで固まってしまいました!頑張った証です。


 お母さんにバトンタッチ!和ろうそく作りは、長い時間立って行う根気のいる作業です。交代しながら丁寧に仕上げていきます。


 完成した和ろうそくと記念写真!夏のいい思い出になりましたね。

 

 以上が、和ろうそく作り体験特集になります。

 小さな和ろうそく作り体験は、3月にも行う予定です。ご興味のある方は、総合案内所(総屋)にお尋ねください。(あ)


2021年8月21日土曜日

紅花と紅餅

皆さんは紅花という花をご存じでしょうか?

紅花とは、黄色・紅色の染料や紅花油(サフラワー油)になる花です。

原産地は、中央アジアかエジプトのナイル川流域あたりだと言われています。布を染める染料や化粧の紅としてさかんに栽培されていました。

今回は紅花(べにばな)と紅餅(べにもち)作りについて紹介します。

 

この紅花を材料に作ったものが紅餅です。
紅餅とは、紅花の紅をねり出すための加工法のひとつで、紅花を発酵させたものを搗(つ)いて、煎餅のように薄く延ばし、乾燥させたものを指します。このように加工することで、効率よく紅の色素を取り出すことができます。摘んだ花を乾燥させただけの乱花(らんか)よりもかさばらず、「200年、300年もつ」と言われるくらい非常に長持ちします。

[紅餅の作り方]


①収穫した紅花を発酵させます。

 (左 これから発酵させる紅花/右 23日発酵させた紅花)


②発酵させた紅花を搗きます。

③絞るようにして水分を取り除きます。

 発酵して出た汁も染料になります。

  亀裂が入らないように形を整えます。

 一週間ほど乾燥させて完成です。

 乾燥前と比べて一回り小さくなりました。

⑥紅餅を作り終えた後の手です。

 はじめは黄色に見えますが、時間が経つと空気に触れた紅の色が発色します。


作業工程から、紅餅は時間と手間をかけて作られていることがわかります。

また、紅の色素は花びら1キログラムからわずか35グラムほどしか取り出せないため大変貴重なものであったことがわかります。江戸時代においても紅餅は高級品で、「米の百倍、金の十倍」といわれていたそうです。そのため、紅染めの着物は限られた人しか着ることのできないものでした。

江戸時代になると栽培地が全国各地に広がり、中でも出羽の国(現在の山形県)の最上川流域の平野は紅花の一大産地となります。その質の良さから「最上紅花」として全国に知られていました。

演目にはありませんが、下総の農家では木綿糸の染料にするために紅花を育てて紅餅を作っています。作った紅餅の一部は下総の農家の機小屋で展示をしています。

(現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、機小屋の中にはお入りいただけません。観覧をご希望のお客様は、職員にお声がけください。)

(そ)


2021年8月9日月曜日

「関東地区魅力発信ツアー」動画で房総のむら紹介中!

 

日本青年会議所の関東地区チームの皆様による、関東各県の楽しい動画が現在、公開中です。

 

千葉県版では、前半に成田空港を、後半に房総のむらをご紹介いただいています。

 

英語で世界中に関東の魅力をご紹介する企画で、千葉県版はチーバくんがいっぱい登場する楽しい映像です。ぜひご覧ください。

 

こんな時だからこそ世界へ届け、関東地区の魅力! ~関東地区(カンチク)魅力発信オンラインツアープロジェクト!~ | 告知 | 2021年度 公益社団法人日本青年会議所 関東地区協議会 (jaycee.or.jp)

 



 

2021年8月8日日曜日

むらの花だより

 現在活動は中止中ですが、房総のむら自然ガイドボランティアさんの有志より花情報をいただきました。(風)

●観察日 令和3年8月6日(金)

●観察者のコメント

・水車小屋前の道では、キツネノカミソリが盛んに咲いています。上総の林でも、まとまって咲いているのが見られます。

・上総の林では、コバギボウシも沢山咲いています。また、よく似たキンミズヒキとヒメキンミズヒキが咲いています。両者の見分け方は、雄しべの数が沢山なのがキンミズヒキ、数本しかないのがヒメキンミズヒキです。

・サルスベリの花が、下総の農家の庭で満開です。

・クズの花の数が増えてきました。

・野菊の一つ、シロヨメナが咲き始めました。

・竹林の坂では、カラマツ、サワフタギ、ガマズミの色づく前の小さな果実が実っています。



●観察された植物と場所

・キツネノカミソリ(水車小屋前の道ほか) ・サルスベリ(下総の農家) ・コバギボウシ(上総の林) ・ヒメキンミズヒキ(上総の林) ・キンミズヒキ(上総の林) ・クサギ(堀割前の林) ・クズ(上総のため池前) ・キツネノマゴ(上総の農家の田んぼ) ・シロヨメナ(上総の農家の田んぼ脇) ・ヘクソカズラ(上総の農家の田んぼ脇) ・タカトウダイ(上総の農家の田んぼ脇) ・オミナエシ(下総の農家) ・アキカラマツ(上総の農家の田んぼ脇) ・カマツカ:果実(竹林の坂) ・サワフタギ:果実(竹林の坂) ・ガマズミ:果実(竹林の坂) ・クリ:果実(竹林の坂)  

2021年8月6日金曜日

8月13日NHKBS「こわでん」再放送で房総のむらのロケシーンが放映されます

  令和3年8月13日(金)午後11時45分から再放送されるNHKBSプレミアム『こわでん~怖い伝説~1』『こわでん~怖い伝説~3』に、房総のむらでロケ撮影された場面が放映されます。

 1は2019年8月7日放送分の再放送、3は2021年1月22日放送分の再放送です。

 本番組は、日本各地に伝わる「コワイ伝説」に注目して、その裏に隠れている本当の意味を紐解くという内容です。なかなか眠れない熱帯夜にピッたりかもしれません。

 のどかな房総のむらの景観もお楽しみください。







2021年8月4日水曜日

藍建②

以前のブログで、呉服・小間物の店の職員が行った藍建についてご案内しましたが、今回はその後の工程をご紹介します。




一つ目は、「中石」と呼ばれる作業です。この作業では、建てた藍の様子をみながら、貝灰や日本酒、灰汁を足し、藍に適したpHとなるよう調整します(右上の写真は、日本酒を入れている様子です)。



続いて、「止石」と呼ばれる作業も行いました。藍建の最終作業である「止石」では、大量の灰汁を投入し、かさ上げします。



一通りの作業が終わった数日後…藍の花が咲きました!


ここまでで、藍建の一通りの作業が完了します。但し、藍は生きているため、その後もpHや温度管理が欠かせません。


房総のむらでは、「うつし染」や「生葉染」など、藍に関する様々な演目を行っています。どれも素敵な藍色に染まりそうです。


また、令和4年2月1日(火)~6日(日)に、小間物の店の店先で仕込みの様子をスライド紹介する予定です。少し先にはなりますが、ご興味のある方は、是非ご覧ください。(あ)