2017年6月30日金曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、炭焼き小屋、上総の農家から武家屋敷裏を巡って資料館へ戻りました。

●ハンゲショウの葉の白が最盛期です。
●クズの葉は日光が強すぎると判断すると、真ん中の葉の角度を変えて、受ける光を調整しています。
●アゼムシロ(別名ミゾカクシ)が上総の田んぼの畔で、昨年より沢山増えています。
●クララの名前は、根汁をなめると、目が眩むほど「クラクラ」するところからの命名です。
●マメコガネがモミジイチゴの葉を食べていました。天敵の少ない北アメリカでは大繁殖していますが、日本では天敵が多いため大繁殖は抑えられています。
●オオカモメヅルの蔓の先に虫こぶが出来ていました。「オオカモメヅルメフクレフシ」といい、「オオカモメヅルの芽を膨らませる虫こぶ」という名前の付け方になっています。
●昔は、ハエドクソウの根を煮詰めた汁でハエ取り紙を作っていました。
●上総の小池で、カルガモが羽を繕っていました。水鳥は羽に油を塗り付け、水上での動きに備えています。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。6月23日(金)の観察に基づいています。 (風) 



※自然観察会のお知らせ 
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。 
 7月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。
○日時: 7月16日(日)午前10時30分から1時間程度(雨天中止)
○集合場所: 総屋前 
○今月のテーマ: 「ユリ」 
○参加費: 無料(むらの入場券必要)

2017年6月27日火曜日

どこから来たのでしょうか?

今日の成田市は気温25度、湿度80%で蒸し暑く感じる1日でした。
現在、房総のむらでは7月7日の七夕飾りにむけ準備を行っています。
(※商家町並みでは6月30日(金)から7月7日(金)まで笹飾りに皆さんの願いを受け付けています。)

その七夕飾り用の竹を古民家周辺(平野家・御子神家)と旧学習院初等科正堂へ探しにいきました。
古民家周辺で手ごろな竹を見繕うことができ、安心し、一応学習院周辺も見ておこうと、行った際、正堂の横、正面から見て左側でミシシッピアカミミガメが産卵をしていました。

卵は蚕の繭のくらいの大きさで、長さ約2~3cmを5から6個産卵し、埋めていきました。
孵化までは60日ほどかかるようです。

坂田ヶ池公園から上がってきたのでしょうか?(I)

※3枚目に添付した地図で直線距離を出して見ると約200mでした。
産卵時の様子


無事産み終わり、埋め戻しています。

坂田ヶ池公園から直線距離で約200m(国土地理院地図より)

七夕の準備!


やっと梅雨らしい天気が続き、当館の畑や田んぼにも潤いの命の水が供給されるようになってきた今日この頃です(実は、今月中旬まで当館の水がめである調整池が干上がりそうで、水田がピンチでした)。 

間もなく7月に入りますが、7月と言えば、「七夕」です。
七夕飾りの様々なものの一部です。紙を切ったり、色を塗ったりする作業を商家「本・瓦版の店」「瀬戸物の店」の職員に手伝っていただき、できあがったものです。

見本は、歌川広重による『名所江戸百景』の中の一枚「市中繁栄七夕祭」です。昨年は町並みに13本立てましたが、1315m程の真竹が確保できないため、今年は1本のみとしました。
1日から町並みで見ることができますので、お楽しみに!(フ)

2017年6月25日日曜日

夏至(二十四節気)菖蒲華(七十二候)旧閏5月3日~閏5月8日

このハナショウブは、20日に撮影したものです。その後、大風と雨で急速にしぼんでしまったので、26日の七十二候「菖蒲華(あやめはなさく)」には、見られません。
上総の農家の畑のベニバナも咲き始めました。梅雨の合間ですが、空は夏空を思わせる青に白い雲です。


上総の農家では、「わらぞうり」作りの実演をしていました。


こちらは、千葉県立成田国際高校と姉妹校交流をしているアメリカJOHN F. KENNEDY HIGH SCHOOL の生徒さんです。甲冑と打掛の試着は、とても評判との先生のお話でした。

2017年6月23日金曜日

ヤマユリ情報(6月23日)

6月23日のヤマユリの状況です。房総のむら全域にヤマユリはありますが、その中でもこのヤマユリは蕾が多いものです。


2017年6月22日木曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館から上総の田んぼ、竹林の坂、炭焼き小屋、上総の農家から武家屋敷前、堀割広場を通って資料館へ戻りました。


●ムラサキシキブの花は、今年はどこでもよく咲きそうです。

●ハンゲショウの花が白くなり始めました。地味な花をカバーするように,花が咲く時期だけ葉が白くなり、花の役目をしています。

●オカトラノオが咲き始めました。

●クリ、クヌギ、シラカシの果実(ドングリ)が出来始めました。

●春に咲いた花が果実になる時期です。ゴンズイ、ガマズミ、ヒメコウゾ、フタリシズカ、カリン、シロヤマブキ、ヤマボウシ、ヤマザクラなどが観察できました。

●サルトリイバラは樹木の一種ですが、単体では立ち上がれないため、葉柄に生じた托葉から変化した巻きヒゲで、他の植物などにつかまり伸びていきます。

●サカキの葉が枝に密生して咲いています。いい香りがしています。

●ヤマユリの開花時期が気になります。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。6月16日(金)の観察に基づいています。 (風)

約束どおり、安房の農家のバッチ笠


聞きなれない言葉でしょうが、「バッチ笠」。
似たような発音の言葉に「ボッチ笠」があります。
いずれも、かぶりものとしての笠ですが、前者は雨用でハチクの皮を使ったおさえ笠、後者はイグサを使った日除け用の編み笠です。安房地方では先日紹介した「ケダイ」とともに農作業時の雨具として使われていたものです。

この笠は、肩が濡れない程度の大きさで、直径50cm程を測ります。
材料のハチクはマダケ属(他にモウソウチク、マダケ、ホテイチク、クロチク)ですが、皮にはモウソウチクに見られるような黒い斑点文様がなく、薄い桃色をしています。この皮は竹が数メートルにまで伸びてから地上に落ちてきます(写真上は6月中旬撮影ですが、まだ稈から剥がれていません)

笠の骨組みに竹の皮を当て、表裏から竹ひごで皮を挟んで外側から中央に向かい木綿糸で2cm程の間隔で縫っていきます。
実はこの日行っている二人は、「針に糸を通すのが一番大変(笑!)」とのことで、下総・安房の職員で最も若いIさんに糸通しを手伝ってもらいました。

皮は幅が広く長いものが良いのですが、竹の稈に付くものですから、太い根元に近い幅広は短く、長いものは竹が細くなっている部分のため幅が狭いということになり、結局計1315枚の皮を要しました。(フ)

2017年6月21日水曜日

夏至(二十四節気)乃東枯(七十二候)旧5月27日~閏5月2日

乃東(なつくさ)が枯れる頃。「乃東」は、「夏枯草」「靫草(うつぼくさ)」のこと。房総のむらでも、あちこちに群生しています。緑の中に淡い紫色が印象的です。

「オカトラノオ」の群生も、よく見られます。太い部分を一番上にして、そこから尖った先に向かって少し反って伸びている姿が、なんとも「尾っぽ」に見えますね。

房総のむらの近くの、千葉県立成田西陵高校で育てられた観賞用の鉢植えのメロンです。畑ではなく、鉢植えです。植木鉢でもメロンが栽培できるなんて、すごいですね。「総屋」に展示しています。


2017年6月20日火曜日

下総の農家で饅頭の試作


619日(日)は、下総の農家で「ばらっぱ饅頭作り」の体験がありました。これは、むらで生産された小麦粉を餡で包み、サルトリイバラの葉に乗せて蒸かす自家製の饅頭です。午前・午後ともに各5人の定員が満員になりました。
この工程で最も大変なのは何度もふるいにかけて小麦をきめ細かい粉にするところでしょうか(何と言っても、道具がむかしながらのものですから)。 

体験終了後同じく饅頭を蒸かして表面に焼き鏝で押印してみました。焼き鏝は「房総のむら」と「(ぼうじろー)」の二種類です。
直火式の鏝ですので、容易に温度を上げるため、七輪で真赤に加熱し、蒸け上がった饅頭に「ジュッ」といった感じで、上手くできました。一度の加熱で8個程は連続して押印できましたが、鏝の熱が下がってくると、饅頭表面の生地が鏝に貼りついてしまい失敗作品になってしまいます。

どのような形でお見せできるか?お楽しみに!(フ)

2017年6月17日土曜日

安房の農家で「ケダイ作り」


「ケダイ」って「?」ですよね。昔のミノ(雨具)で、現代風に言えば「合羽・レインコート」のようなものです。でも、何と!「稲わら」でできています。 

わらの製品には色々なものがあり、基本となる縄、履物(ぞうり、わらじ等)、入れ物(俵、もっこ、おひつ入れ)、敷物(むしろ、鍋敷き)、儀式・行事などでの飾り物(注連飾り、災いよけの人形・蛇)などの他、建物の一部(土壁の中の混ぜ物、かやぶき屋根の最下段に使用)、家畜の飼料にも使われます。

わらは、現在ではコンバインの普及によりほとんど見られなくなりましたが、昔はなくてはならいものであり、最後は畑の堆肥として農地に還元されるという資源循環型社会の代表的なものです。 

ケダイは編み台を使って作りますが、年に1回の実演のため、作り手も大変でメモを見ることも。 

ちょっと着てみましたが、クゴ・チガヤで作るミノよりも、固くて体にフィットせず、さらに、わら10本を1束にして縄で編み込むため、縄の太さの分だけ隙間ができ、「これを着て雨にあったら、濡れちゃうな」が感想です。
 
なお、写真上の丸いものは「バッチ笠」という雨具としての笠で、こちらはハチクという竹の皮で作られています。この実演は来週2122日に行いますので、詳細は後日。(フ)

2017年6月16日金曜日

芒種(二十四節気)梅子黄(七十二候)旧5月22日~5月26日



房総のむらの梅の収穫は終わりました。残っていた梅は黄色く熟し落下しています。わずかに木に残った梅を見つけました。

6月15日は、明治6年のこの日千葉県が誕生したこと由来する「千葉県民の日」でした。多くの家族連れの方々が来館され、いろいろな体験をしていました。
下総の農家では、ボランティアの指導で「コマ・ベーゴマ回し」です。子どもさんよりも、お父さんたちの方が熱くなり、最後は曲芸をマスターして満足のようでした。


今回の収穫体験は、玉ねぎの収穫です。畑から自分で玉ねぎを抜きました。
こちらは、町並み呉服の店の体験、「合羽摺り」です。綿布製のバックに型紙をあてて、顔料を刷り込みます。
町並み瀬戸物の店の「製陶蹴ろくろ」です。自分の足でろくろの下部を蹴って回して回転させた台の上で器を作ります。お母さんも驚きの、集中力だそうです。
町並み木工所で「ミニ樽のキーホルダー」づくりです。小さな樽型の木製挽き材に、細い竹を編んで作ったタガをはめ込みます。



町並み本・瓦版の店「ぽち袋」づくりです。版木にを使い紙に絵を摺り、ぽち袋の形にします。




















   

























最後は、町並みめし屋の「太巻き寿司」の実演です。今回の模様は、今が旬のビワです。「千葉県民の日」を来館者がそれぞれの楽しんでいました。



2017年6月15日木曜日

ヤマユリ情報

房総のむらのヤマユリのつぼみも少しづづ大きくなっています。今年は、いつ花が開くでしょうか。


2017年6月13日火曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し上総の田んぼ、炭焼き小屋、上総の農家から安房・下総の農家、水車小屋を巡り、総屋前を通って資料館へ戻りました。

●オカトラノオ、ムラサキシキブ、クリの花が咲き始めました。
●ドクダミの花があちらこちらで沢山咲いています。別名「十薬」と言われるように薬効が豊富です。
●ウグイスカグラ、サワフタギ、カスミザクラ、ヤマグワなど早春の花が実を結ぶ季節です。
●蚕(カイコ)が食べる桑(マグワ)はヤマグワの改良種です。マグワとヤマグワは葉での見分けは難しいですが、果実に付く髭のような突起の長さが長い方がヤマグワです。蚕はヤマグワの葉も食べます。
●安房の農家と下総の農家の間にあるトチノキに、果実が出来ているのを初めて観察しました。
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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。6月9日(金)の観察に基づいています。 (風)

※自然観察会のお知らせ 
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 6月は下記の予定で行います。興味のある方、是非ご参加下さい。
○日時: 6月18日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)
○集合場所: 総屋前
○今月のテーマ: 「里山の樹木」
○参加費: 無料(むらの入場券必要)

芒種(二十四節気)腐草為蛍(七十二候)旧5月19日

蛍はまだですが、ほたるぶくろです。 
焙炉の上で蒸した茶葉を揉んで針状にまとめる、手もみ茶製茶の実演風景。美味しいお茶をいただきました。
収穫体験(じゃがいも掘り)
びわの実も色づいてきました


房総座の開演です。今回の出演は、柳家三三(さんざ)師匠です。10年以上続けて出演いただいております。小学生も聞いていました。

変わり咲き朝顔です。双葉から本葉が出はじめ、鉢に植え替えました。そろそろ”変わり”が出てくるかな。

2017年6月11日日曜日

オカトラノオが咲き始めました!


茶店から水車小屋へ下る園路や安房の農家への近道あたりで、オカトラノオが咲き始めました。
 
白い小さな花は下から順に咲きだし、数えてはいませんが、100を超えるものと思います。(フ)

2017年6月8日木曜日

芒種(二十四節気)螳螂生(七十二候)旧5月14日




梅雨入り直前です。房総のむらの田では、いろいろな種類の稲もすくすく育ています。







房総のむらの苗床です。
この中で、さつまいもの苗が育っています。









下総の農家の近くに、ざくろの花が咲いています。









 



あじさいも咲いています。






2017年6月6日火曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館から上総の田んぼ、炭焼き小屋、上総の農家から安房・下総の農家、水車小屋を巡り、堀割を通って資料館へ戻りました。

●アカメヤナギの種子が沢山風に乗って飛んでいました。とても小さい綿毛の付いた種子は、少しの風にも乗りやすくなっています。
●クリの花が咲きました。茎に最も近い部分に雌花、花穂の先の方が雄花です。これから独特の香りを放ちます。
●ウグイスカグラの果実が沢山出来ました。
●上総の農家のナツグミとしていたものに大きな果実が出来ました。ダイオウグミ(ビックリグミ)に訂正します。
●ユズリハに小さな果実が出来、ヤマモモの果実はどんどん大きくなってきました。
●上総の農家の庭で、サカキにツボミが出来ました。ヒサカキは春先に開花しましたが、サカキはこれからの開花で、花は良い香りがします。
●マテバシイとタブノキは、葉での見分けは難しいのですが、冬芽ではマテバシイはごく小さく、タブノキは大きく赤く尖ります。
●安房の農家横では、大きなタイサンボクが咲き、クロガネモチの地味な小さな花も咲きました。
●キキョウソウは茎の下方から花が咲き始め、上に向かって段々と咲いて行きます。ダンダンギキョウの別名があります。
●ヤマボウシの花は中心の丸いところです。一見花に見える白いところは「総苞片」と言います。中心には小さな花が集まって咲いています。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。6月2日(金)の観察に基づいています。 (風)




※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日を利用して来館者を対象とした“自然観察会”を開催しています。
 6月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。
○日時: 6月18日(日) 午後1時30分から1時間程度(雨天中止)
○集合場所: 総屋前
○今月のテーマ: 「里山と樹木」
○参加費: 無料(むらの入場券必要)