2017年9月28日木曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館から上総の田んぼ、炭焼き小屋、竹林の坂を巡り、呉服店裏、堀割を通って資料館へ戻りました。

●今年沢山生えたノダケに、花がいっせいに咲きました。
●むらの中では、シラヤマギクやシロヨメナの野菊が最盛期です。また、キバナアキギリは、今年は見事な群落になりそうです。
●サジガンクビソウの果実は「ひっつき虫」で、衣服や動物の体に付いて運ばれます。
●ノササゲの黄色い花が、竹林の坂で沢山咲きました。果実はきれいな紫色になります。
●イノコヅチは女性的なヒナタイノコズチと、男性的なヒカゲイノコズチがあります。
●ミズヒキの花が、開いているところが観察できました。
●サンショウの実が弾け、黒い種子が現れました。また、チャノキの果実には、普通3つの種子が出来ますが、1個や2個のものありました。
●商家の町並みにある、お稲荷さんの入り口のキンモクセイのツボミが、膨らみました。すでに良い香りが漂っています。
●堀割の岸にゲンノショウコの白花と赤花の両方が咲いています。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。9月22日(金)の観察に基づいています。 (風)


※自然観察会のお知らせ 
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 10月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。
○日時 :10月8日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)
○集合場所 :総屋前
○今月のテーマ :「名前に『キリ』がつく植物」
○参加費 :無料(むらの入場券必要)



秋分(二十四節気)蟄虫坏戸(七十二候)9月28日~10月2日 むらの音楽会近づく


七十二候は蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)です。虫が土中に掘った穴をふさぐ頃だそうです。まだまだ虫はたくさんいるような気がしますが。館内のあちこちで「キンモクセイ」が強い香りを漂わせていますが、こちらは「商家の町並み」「稲荷境内」に咲く「キンモクセイ」です。
 「キバナアキギリ」は「安房の農家」近くだけでなく、「房総のむらのエリア」と「風土記の丘エリア」の間の雑木林の中にも、「キバナアキギリ」が群生しています。花の先端の「雌しべ」がわかりますか。
白い壁に、青い柱、スレート葺きの黒い屋根、手前の広い芝生広場と、秋の青い空がよく似合う「重要文化財 旧学習院初等科正堂」です。今週と来週は、この建物の中でコンサート(ソプラノコンサート、まりこふんトーク&ライブ、千葉交響楽団 弦楽四重奏)が開かれます。是非おいでください。


 「旧学習院初等科正堂」近くの「龍角寺101号墳」の埴輪群です。発掘調査で出土した埴輪が再現されています。少し、秋の感じ?

2017年9月26日火曜日

十月桜・キバナアキギリ咲いています!


農村歌舞伎舞台の横で「十月桜」が咲きだしました。
数年前に調べたところ、一輪の花でこの時期には咲き始めから散るまで10日程楽しむことができます。次々に咲きながら、来年の2・3月まで見ることができます(場所が分からないようでしたら、農村歌舞伎舞台の近くにある茶店にてお尋ねください)。


 
 
 
 

安房の農家への近道の右側斜面に群生して咲いている「キバナアキギリ(黄花秋桐)」が見頃です。
 

この花は、秋に紫色の花が咲き、花の形が桐の花に似ているアキギリに対し、花が黄色のため、キバナアキギリの名前がついています。

サルビアの仲間ですが、キバナアキギリは日本固有種で、学名はサルビア・ニッポニカだそうです(フ)。
 
 

2017年9月24日日曜日

下総の水田で稲刈り!


昨日の上総の水田で栄町ドラム自然学校による稲刈りに続き、今日は下総の田んぼで「日の丸リムジン」の皆様(大人・子供22名)による稲刈りがありました。
この田は527日にマンゲツモチの田植えを行った水田で、4カ月経過して「こんなに生長している」と驚いている方も。


鎌で1株ずつ刈り取って、10株分をわらで結いてオダ掛けにする作業ですが、鎌を使うのは兎も角として、わらで結わく作業は初めてのためか?「田植えより10倍くらい難しい」と言った声も聞かれました。
二日前から昨日早朝まで降った雨により、水田には水たまりもありましたが、11時過ぎから1時間程行い、380㎡の水田のほとんどが終わりました。

日の丸リムジンの皆様、お疲れ様でした!(フ)

2017年9月21日木曜日

秋分(二十四節気)雷乃収声(七十二候)9月23日~27日 台風一過、稲穂まつり終わる

 房総のむらの「稲穂まつり」が終わりました。台風の影響で、開催演目も中止や変更せざるを得ない状況でしたが、大勢の方々のご来館ありがとうございました。
二十四節気は、”暑さ寒さも彼岸まで”の「秋分」です。七十二候は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」です。今年は、まだ雷が暴れているようですが、春分に活動を始めた雷が、夏に大暴れし、秋分になると鳴りをひそめる、雲も夏の入道雲に代わり秋の鱗雲が現れる頃ということだそうです。秋の花、ヒガンバナですが、「上総の農家」の白いヒガンバナです。 
今回の「稲穂まつり」のために、茶室には「稲穂」を入れた秋の草花が竹の花器に活けられました。この部屋でお茶の体験をしていただきました。 
 「お囃子」と「弓術」は残念ながら中止となりましたが、大道芸は実施しました。1日目は雨天のため野外では上演はできず、「総屋」で行いました(1日目の様子は、当館ブログの「白露 玄鳥去 稲穂まつり1日目」をご覧ください)。2日目は台風一過の秋空の下(真夏のようでした)の「商家の町並み」や「おまつりひろば」で上演しました。江戸太神楽(だいかぐら)で、傘の上で鞠(まり)や一升枡(ます)を回しています。 
口に咥えた撥の上で、土瓶を操っています。近くで見ていると、今にも落ちそうで冷や冷やしますが、芸人さんはとても暑そうで汗だくです。
「輪鼓(りゅうご)」の芸です。「輪鼓」とは、独楽の一種で空中独楽とも呼ばれ、名前の通り、普通の独楽とは違って、地面で回さずに空中で操る独楽だそうです。胴の中ほどがくびれた鼓(つづみ)のような形をしており、くびれた部分に紐を巻きつけて回しながら投げ上げたり、受け止めたりする芸です。平安時代からある曲芸だそうです。
「輪鼓」が「農村歌舞伎舞台」の屋根よりも高く投げ上げられています。背景の青く澄んだ秋空がなんともいい雰囲気です。 
「稲穂まつり」では、稲刈りの体験も予定されていましたが、こちらも残念ながら中止です。
写真は、「上総の農家」の「昔の農具を使ってみよう」のコーナーです。電気やエンジンを使わない昔の農具を使って、ボランティアさんたちの指導で、稲穂の状態から米にします。「千歯こき」で稲穂から米粒を外す「脱穀」をして→「木摺臼(きずるす)」で「籾摺り(もみすり)」をして米に被っているもみ殻を取り除き→その後に、「唐箕(とうみ)」を使って、籾殻などを吹き飛ばして玄米だけにする。この作業を体験していただきました。 
最初に行う脱穀の体験の様子です。「千歯こき」を使って、稲穂から米粒(籾)をそぎ落します。「千歯こき」を抑えながら、稲穂を引くためになかなか力が必要です。稲穂を「千歯こき」を通して引っ張ると、米粒だけがバラバラと落ちるのに驚いたり、感心したりの体験だったようです。 
「上総の農家」の「わらぼうき」作りの体験です。一束にまとめられたわらで、ほうきを作る体験です。少し根気がいる体験ですが、できたときには達成感味わえたと思います。 
「下総の農家」では、落花生の収穫体験です。当然、収穫した生落花生は、茹でて食べるそうです。千葉県名物の茹でた生落花生です。二人のとも、葉の部分を引っ張って土の中から落花生が出てきた時には、感激していました。満足げな笑顔です。 
「小間物の店」先で作業をしているのは、千葉県伝統的工芸品「江戸つまみかんざし」製作者の穂積実御夫妻です。和服の女性の髪に似合う「つまみかんざし」ですが、今風の髪留めなども作っていました。 
「安房の農家」での「ざる・かご作り」の実演風景です。作っているのは、竹製の目の大きな竹製の「かご」です。今では、このような実用的な竹製のかごを作れる方も少なくなりました。作っているのは岩立佐太雄さんです。
 こちらも房総のむらではお馴染みですが、目の前でお客様の注文に応じて水飴を動物の形に作る伝統的な「飴細工」づくりです。完成した飴細工は、芸術作品ですね。女性の職人さんは、込田匡美さんです。 
「時代衣装変身体験」です。房総のむらでは映画やテレビの時代劇のロケが多いことから、この体験を始めました。毎年、春と秋に開催しています。お殿様やお姫様、新選組隊士や町娘に忍者の衣装などもあります。写真の外国人の方は、この体験の常連さんです。

2017年9月20日水曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館から上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家、むらの架け橋、そして町並みに戻り呉服店裏、武家屋敷横、割割りを巡って資料館へ戻りました。

●資料館脇のオミナエシが、まだまだ咲き続けています。
●ツユクサの花びらの青色は、秋になると色が濃くなるようです。
●草木染めに利用されるアカネの小さな花が、沢山咲いています。
●ジャノメチョウの仲間は、羽の丸い模様の違いがぞれぞれハッキリしているので同定しやすいです。
●台風が近づいているので、先日設置した草丈2m超のハバヤマボクチの支柱を補強しました。
●チャノキに花が咲き始めました。
●呉服店の畑で藍の花が咲きました。そして藍染めの作業見学をさせてもらいました。
 また、藍の畑横のサンショウに赤い果実が沢山付いたのが観察できました。
●武家屋敷の庭で、フユノハナワラビの胞子が伸び始めました。
 また、フヨウとムクゲが咲いています。雌しべの先端の違いは、フヨウは鉤形に曲がり、ムクゲは真っ直ぐです。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。9月15日(金)の観察に基づいています。 (風)

2017年9月18日月曜日

白露(二十四節気)玄鳥去(七十二候)9月18日~22日 稲穂まつり1日目

 七十二候は玄鳥去(つばめさる)です。夏場に日本で子育てをしたツバメも、寒くなる前に南国に帰る季節になりました。もうツバメは見かけなくなりましたかね。朝夕、涼しい日が多くなってきました。 
16日に「成田伝統芸能まつり」に参加してきました。ブースを設けていただき、「昔のあそび」の体験をしていただきました。ご年配の方々が「ベーゴマ」にはまり、コマを“バチバチ”戦わせていました。子供の時を思い出したようで、とても楽しそうでした。房総のむらのマスコットキャラクター「ぼうじろー」がなかなかの人気です。でも、多くの方が、モデルは“スズメ”と思っていたようです。モデルは、「千葉県の鳥」“ホウジロ”です。 
 17日からは房総のむらの「稲穂まつり」です。しかし、あいにくの天気になってしましました。台風の接近を前に、一日中雨が降り続きました。雨に濡れた町並みのヒガンバナです。
台風情報と雨のためか、1日目の「稲穂まつり」の入場者は500人ほどでしたが、うれしいことに、この時期のお楽しみ「落花生」の収穫体験(生ゆで落花生をたべるためです)をするために来館したという方もおりました。「かぼちゃのポタージュ」に「ふかしじゃがいも」も好評でした。
 「稲穂まつり」にちなんで、入場者には「稲穂」のプレゼントをしました。また、売店では房総のむらで収穫した「新米」を1300円で販売しましたが、予定数は完売してしましました。これを目当ての来館者もおりました。一家族様、1袋の限定で申し訳ありません。
 「総屋」では、「雨にも負けず」来館いただいた方々に、大道芸をみていただきました。大道芸をするには、天井も低い狭い場所ですが、時間を忘れて楽しんでいただきました。
 18日は台風一過の晴天だと思います。

ぜひ、房総のむら「稲穂まつり」においでください。



2017年9月15日金曜日

ヒガンバナが開く

房総のむらのヒガンバナも開き始めています。白い「ヤマユリ」、オレンジ色の「キツネノカミソリ」に続いて真っ赤な「ヒガンバナ」です。背景は、下総の農家の長屋門です。
千葉県指定文化財「旧平野家住宅」の近くです。 
風土記の丘のエリアの「印旛沼が見える遊歩道」です。


古墳の中腹に密集するヒガンバナです。

  下総の農家近くの石造物群の周辺です。
 密集するヒガンバナを、真上から撮ってみました。台風が近づいています。これらのヒガンバナが、折れなければよいのですが。(それよりも、「稲穂まつり」の開催も心配です)




2017年9月13日水曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館から上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家、むらの架け橋を巡って町並みに戻り呉服店裏、武家屋敷横、堀割を通り資料館へ戻りました。

●資料館脇のオミナエシが盛んに咲いています。
●ウワミズザクラの果実が大きくなり熟しています。
●ヨモギの上部の葉の幅は細く、切れ込みがありません。
●キバナアキギリの開花したものが大分目立ってきました。
●ハバヤマボクチの草丈が2m位になり、数年ぶりにツボミが10個出来ています。風で倒されないよう支柱を立てました。
●ネジバナの花期は手持ちの参考書(千葉県植物ハンドブック)に6~7・9~10月と記載されていました。2期咲きです。
●コミカンソウの柄の半分から先に雄花が咲き、付け根に近い方に雌花が咲いて、果実が出来ていました。
●シラヤマギクの葉にハモグリバエ(葉潜り蠅)の幼虫の動いた跡がありました。成虫は葉の中に卵を産み付け、幼虫は葉の内部で動きながら葉を食べ大きくなります。
●ゲンノショウコの赤花が堀割の岸で咲き始めました。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。9月8日(金)の観察に基づいています。 (風)

2017年9月12日火曜日

白露(二十四節気)鶺鴒鳴(七十二候)9月12日~17日 指導は伝統技術保有者です

「ツルボ」です。この季節に、房総のむらのあちこちで見られます。七十二候では「鶺鴒鳴(せきれいなく)」ですが、あの少し長めの尻尾を振る姿を撮ることができませんでしたので、季節の花の紹介です。

季節の花でもう一枚。「ミソハギ」です。風土記の丘の水生植物園です。
 葉っぱが、たくさん広がっています。落花生です。落花生のでき方は、知ってますよね。花から伸びた子房柄が、根のように下に向かって伸びて土の中にもぐりこみ、地中で落花生の実が成長するのです。写真には、根のようなものが、地面に向かってたくさん伸びているのがわかりますか。「稲穂まつり」には、「落花生の収穫」が予定されています。お楽しみに。生の落花生を茹でて食べるのが大好きです(千葉県流?)。 
房総のむらの、体験の指導者の先生方を紹介します。まず始めに、「下総鋏」の「二代目平三郎」の北島和男さんです。北島さんは、全て手造りの「総火造り」ができる数少ない職人です。「下総鋏」は伝統的な工芸品で、その技術を生かして「切出し」「篆刻刀」「ラシャ切鋏」なども鍛えています。平成4年に千葉県指定伝統的工芸品製作者に認定され、平成10年には千葉県の卓越技能章(現代の名工)を受賞しています。テレビにもしばしば出演している、「むらの鍛冶屋」の名物指導者です。 
「木版摺師」の「松崎啓三郎」さんです。平成23年に、荒川区無形文化財保持者に指定されています。松崎さんの技術が、文化財として認められたということです。浮世絵は、絵師とその絵を版木に彫る彫師がいて、さらに、摺師の巧妙な色使いと摺り方で、浮世絵という芸術が生まれるのです。松崎さんには、房総のむらの開館当時から、「木版摺り」を指導していただいています。(松崎さんが摺った浮世絵などは、高いですよ。他の先生の作品も高いですね。) 
最後は、竹細工の指導者「間野政勝」さんです。「房総のむら」では親子二代にわたって、竹製の「ざる」「籠」「竹細工」の指導をお願いしています。熟練者の技・仕事ぶりは、見ていて飽きない、引き込まれてしまうような手さばきです。是非房総のむらで、実演をご覧ください。また、写真のように、伝統的な高度な技の直接指導を受けることもできます。これが「房総のむら」です。

2017年9月7日木曜日

ゴマの葉につく虫


5月下旬に種を播いた黒ゴマは、薄い紫色の花も咲き終わり、緑色の実が実って、今月下旬には収穫の時期となります。
 

このゴマには一月も前から食害がでています。その原因は写真に写っている蛾の幼虫によるものです。
体長9cm程のこの幼虫は、恐らくシモフリスズメガ(又はクロメンガタスズメガ)という種類で、頭部を下に向けた格好でゴマの(実ではなく)葉を食べています。



緑色をしているため、ゴマの葉や実に紛れ、ちょっと見つけにくいのですが、下の写真のように地面に径5~6mmの大きさの糞が多量に落ちているので、地面を見れば発見は容易です(フ)。