2018年2月28日水曜日

雨水(二十四節気)草木萌動(七十二候)3月1日~5日 「梅の香ほのか」で「草木染」「三三」師匠登場 「北斎」幻の「総州銚子」復刻


 暦は3月です。七十二候は、「草木萌動(そうもくめばえいずる)」です。”草木”も本格的に活動を始めたようですが、今回は「むらの梅」の紹介です。今年も梅の花は、「武家屋敷」「茶室」の”八重の紅梅”から咲き始め、「上総の農家」の”白梅”が咲いたことも紹介してきましたが、「風土記の丘水生植物園」の”紅梅白梅”(写真:上左)、「旧平野家住宅」の”赤っぽい梅”、「旧御子神家住宅」の”額が青っぽい梅”(写真:上中2枚)、「武家屋敷」の”赤い額が目立つ梅”(写真:上右)、そして「水車小屋」周辺や「下総の農家」(写真:中右)などでも咲き始めました。「房総のむら」の広い館内には、いろいろな種類の”梅の花”が咲きますので、そこも見どころです。「上総の農家」の”梅林”でも花が大分増えてきました(写真:下左)ので、”梅林”を公開しました。”梅の木”の下まで近寄ることができますので、間近で”梅の香ほのか”をお楽しみください。
 「二十四節気」の「草木萌動」に関連して、「むらの草木染」です。「草木染」については、これまでも紹介してきましたが(ブログ:12月16日公開)、こちらは(別の)12月16日公開のブログ「大雪 鱖魚群」で紹介した「商家の町並み」「呉服の店」の年間6回で体験する「草木による型染」の続きになります。前回は、自分で作った”型紙”を使って”糊を置き”、さらに”豆汁(ごじる)”を引きました。今回は、”染料”を作り、その”染液で引き染め”します。”染料”は、「房総のむら」の体験「果樹の手入れ」で「上総の農家」の梅林で剪定された「梅の木」を使いました(写真:左上)。”染料”を6回ほど引き、その後”媒染”(アルミ)→”染料”→”媒染”→”染料”引きを繰り返し、部分的に色を変える箇所は、”鉄”や”銅”の”媒染”で”色さし”をしました。指導者の「安井永子」さんは、「草木染」について「自然の植物を利用するため、計量的な操作はできにくく、勘が必要になります。多くの体験を通して学んでください」とのことです。
 こちらは、「下総の農家」「機織り(はたおり)」の「草木染ストール」です。使用する木綿糸は、「房総のむら」の”草木”などで染めた糸を使います。「下総の農家」では、染める原料としては、”ケヤキ””ザクロ””ウメ””ヤマモモ””ガマズミ”などの樹木や”ベニバナ””コブナグサ””ヨモギ””フキ”などの植物などを使用します。”染料”が”化学染料”ではない植物ですので、濃い鮮やかな色ではありませんが、やわらかい、落ち着いた感じのする”色合い”が素敵です。体験では、幅25cmで長さが130cmのストールや、幅40cmで長さ180cmのストールを1日かけて織り上げます。
 今回、木綿糸を染めるのに使用した原料は、”ケヤキ”です。①材料となる”ケヤキ”の木を鍋に入る大きさに切り、染料が出やすくするために木を割って沸騰してから約20分煮出します(写真:上左)。②”染液”を”さらし布”で濾します。3番液くらいまで取ります(写真:上右)。③糸は湯につけて十分に空気を抜いて、”染液”が染み込みやすくしておきます(写真:中左の右端)。④”染液”に糸を棒に通して繰りながら沸騰して20分ほど”煮染”します(写真:中右)。⑤”媒染液(アルミ液)”に20分浸して(写真:下左)から水洗いし、糸が冷えたら洗って干します。⑥「下総の農家」の「機小屋」の前でよく目にする光景です。”染め”を重ねられた糸が干されています(写真:下右)。そして、1か月から1年置いて、また”煮染”をします。この作業を繰り返して、”染めを重ね”て色を濃くしていきます
 染め上がった糸は、1年ほど”寝かし”色が落ち着いてから”機織り”に使用します。写真左上方の白い糸は”染めていない糸(購入した糸の場合は、水気をはじく油分などの不純物が含まれているのでそれらを取り除く”精錬”の作業をします)”で、手前の淡いピンク色の糸は昨年度”ケヤキ”で染めた糸です。このような”草木”で染めた糸を使った”機織り”体験では、”ストール”のほかに”テーブルセンター”や”コースター”なども織ることができます。ご自分で、オリジナルの”マイストール”を織ってみませんか。
 「商家の町並み」「呉服の店」の”藍甕”です。”植物染料”の中で青を発色するのは、”藍”だけです。しかし、”藍”は、水に溶けませんので、”草木染”のように煮出して”染料”を取り出すことはできません。そこで、水に溶けない”藍”を発酵という過程で染色可能な状態にすることを”藍を建てる”といいます。12月に新たに”藍を建て”始めたことは紹介しましたが、順調に育っているようです。表面には”ギラッ”と”紫金色”の”還元膜”が光り、中央には”泡(華)”が盛り上がっています
 満員御礼!「房総のむら」の「落語会」「房総座」には、「柳家三三」師匠の登場です。この日も大勢のお客さんが「総屋」2階に詰めかけました。今回のお召し物は、濃い緑色の着物です。素敵ですね。”二つ目”時代から「房総座」には出演していただいておりますが、初めの頃は「三三」という名前を説明していたように記憶していますが、今や押しも押されぬ有名落語家です。今回は、”二番煎じ””たいこ腹””しの字嫌い”を披露していただきました。お酒を飲む”仕草”、主人と奉公人の”掛け合い”、人物の入れ替わりのタイミング、とにかく聞いていて落語の”リズム”が”心地”いいんです。「引っかかって”し”を言ってしまいそう」「素人に”ハリ”を打たれたら怖いだろうな」「お茶といってお酒を飲むんだよな」などと想像させられ、その世界に引き込まれてしまいます。次回の出演も楽しみにしています。

 「総屋」2階に並んだお二人(写真:左)は、”当館ブログ”にもしばしば登場いただいている、匝瑳市八日市場の江戸時代から続く和菓子店「鶴泉堂」店主の「大川功修」さん(左)と、現代の”浮世絵摺り”の第一人者「松﨑啓三郎」さん(右)です。お二人とも、「房総のむら」で技術指導や実演などをしていただいております。この日は、「鶴泉堂」さん所蔵の”浮世絵”を「松﨑先生」に見ていただきました。「松﨑先生」曰く、「すばらしい」「特に彫りがすばらしい」「大事にしたほうがいいですよ」と、さすが江戸時代から続く老舗の”お宝”です。「鶴泉堂」さんの現在の建物は、国登録文化財(建造物)に指定されていますが、”お宝”は建物だけではないようです
 そこで、”浮世絵”のお話です。「葛飾北斎」といえば、『富嶽三十六景』で知られる”浮世絵師”ですが、その「北斎」の作品で残されている版(浮世絵)が非常に少なく”幻の作品”とされるのが『千絵の海』(10編で構成)シリーズです。このシリーズは各地の河川や海で漁をする人々の様子を描いています。その中には千葉県の「総州銚子」「下総登戸」「総州利根川」の3編もありますが、その中でも特に「総州銚子」は世界中で現在6枚しか確認されていない”幻中の幻”です。総州銚子」は千葉県銚子沖の波の激しさをよく表し、手前に大きな波を描き遠くに富士山が見えるあの有名な「神奈川沖波裏図」に匹敵する作品と評されます。今回、「房総のむら」では「松﨑啓三郎」さんにその「総州銚子」の”復刻”をお願いし、完成した”版木”を「房総のむら」の「浮世絵講習会」で摺り上げていただきました。写真は”初摺り(しょずり)”で、下の写真は”後摺り(あとずり)”です。”初摺り”とは、”版木”に初めて色を付けて摺った1枚目の絵のことです。”版木”は”ヤマザクラ”の”無垢材”ですが、”無垢材”だと湿気や乾燥による歪み、割れが少ないそうです。しかし、初めて使用する”版木”は乾燥が進み、どうしても”ゆがみ”が生じ、さらに乾燥したことで”絵具がなかなかのらない”のです。そのため”初摺り”は端の方が少し”ズレ”ていて、また、色がのらないために”かすれ”ているところもあります。これが”初摺りの特徴”です。
 こちらは、”浮世絵”らしい”ビビット”な印象ですが、これが”後摺り”と呼ばれるものです。”初摺り”から時間がだいぶたち、”版木”に色が馴染み”板”に十分な水分が行きわたったことで摺りやすくなっています。”初摺り”を基に修正を加えたことで、”後摺り”は”ズレ”が少なく、色も濃くよくのっている印象を与えます。”摺師”は、”初摺り”の絵を基にして”ズレ”を修正し、絵具を余分につけたり減らしたり、また色を変えてしまう場合もあります。なお、浮世絵は”版元”が売り出しますが、その最初に売り出された分(初版)を”初摺り”、その後の分(二版・三版、、)を”後摺り”と呼んでもいるようですが、「松﨑先生」は、「本来”初摺り”は”最初の一枚目”」とのことです。浮世絵を摺り上げるためには、奥が深い”技”や”技術”がたくさん盛り込まれています。「浮世絵講習会」では、体験者の皆さんに”浮世絵の摺り”の技術をわかりやすくお教えいたします。ぜひ体験においでください。

2018年2月23日金曜日

雨水(二十四節気)霞始靆(七十二候)2月24日~28日 「女オビシャ」に「ビックリひなまつり」

 二十四節気「雨水」の次候の七十二候は、「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」です。まだ、「霞」がたなびくという感じはありません。先日は、「商家の町並み」を”春一番”を思わせる強風が吹きました。職員が必死になって水を撒いて砂埃を押さえました。”梅の花”もほころび始めましたが、まだ寒い日が続いています。”立春”が過ぎましたので”三寒四温”ではないでしょうが、♪~春よ来い 早く来い、、、。
 「下総の農家」では、旧暦の1月7日(2月22日)に「七草」です。正月7日の朝に”七草粥”を作り”歳神”などに供え、家族が病気にかからないよう願い”七草粥”を食べる行事です。成田市台方では、7種類の青菜にモチを入れた粥を作り、”神棚”や”氏神様”といった”神の宿るところ”にお供えました。展示の”七草籠”には、「セリ、ナズナ(ぺんぺん草)、ゴギョウ(母子草)、ハコベラ(はこべ)、ホトケノザ、ナズナ(蕪)、スズシロ(大根)」が入っています。
 「上総の農家」の「わらぞうり」作りの体験です。以前から興味があったそうで、お子さんたちが”わらぞうり”を作っていました。”編み機”に”紐縄”をひっかけ、そこに”わら”を編みこんで”ぞうり”を作ります。履き心地はどうですかね。
 おなじ「上総の農家」の「小さな炭俵作り」の体験です。”ミニサイズの俵”を作りますので、”編機”もミニサイズです。”わら”を数本入れては”紐”を絡めて、編み上げていきます。編みあがったら、「上総の農家」焼いた”炭”を包んで完成です。消臭剤やインテリアとしてご利用ください。
 そして、こちらは「下総の農家」の「むしろ織り」です。”わら”を使った”むしろ織り”は、江戸時代になると”俵編機”よりさらに大掛かりな”むしろ編み機”が作られ、農家の副業として発達しました。”縦紐”には”細い縄”を使います。”縦紐”の間に”わら”を5本くらいずつ差し込み、押さえながら編んでいきます。
 「下総の農家」では、香取郡多古町多古地区の「女オビシャ」の再現です。”オビシャ”とは、主に関東地方で行われる”春の行事”で、なかでも千葉県の北部と中央部は盛んにおこなわれてきた地域です。いずれも年の始めの1月から2月にかけて行われるところが多く、元来は”弓を射て”その年の作物の作柄などの神意を占う”予祝行事”であったと思われます。”オビシャ”には、”御奉射””御備射””御歩射”などの漢字があてられ、一説では馬に乗って矢を射る”流鏑馬””騎射”に対して馬に乗らない”歩射”と考えられています。このように本来は”弓矢で的を射る神事”が”オビシャ”行事ですが、次第にその形式が薄れて、単に村人が”寄合”、”会食”をするだけの行事になっている例も多く見られます。香取郡多古町周辺では、男女別々に行っており、”女オビシャ”は”子孫繁栄”を願って女性だけで行われます。飲食とともにめでたい歌を歌って”当番の引継ぎ”が行われます。見学者のご家族は、伝統的な飾りや食事の展示に関心を持たれたようでした。
 既に紹介されていますが、”「女」つながり”で、「農村歌舞伎舞台」のお雛様の展示「ビックリひなまつり」です。多くの方々から提供されたお雛様をご覧ください。”金屏風”や”雪洞”などは場所もとりますので展示していませんが、飾り方は七段飾りに合わせています。一番上が”内裏雛”、二段目が”三人官女”、三段目は”五人囃子”、四段目が”随人”、五段目が”衛士”、そして最下段の六段目と七段目が”道具”類です。

2018年2月20日火曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の林の中道、上総の農家、むらの架け橋、おまつり広場を巡り、武家屋敷を経由して戻りました。


●冬越しをする草の形であるロゼット(根生葉)は、寒い日が続いているためその姿を保っています。
 木々の冬芽も膨らんできていますが、しばらくはその形のままと思われます。

●上総の林の中道では、モグラが作った土の塊が方々で見られます。土が崩れトンネルの壁が見えるものがありました。その壁は意外にもツルツルとしたきれいな表面でした。

●ソシンロウバイの花はピークを迎え、萎えた花が目立つようになりました。
 一方、コセリバオウレンは今が盛りと咲いています。

●おまつり広場の柵の外側に、ヒノキとサワラの両方が生えています。
 ◇ヒノキの葉の先端は丸く、葉の裏の白い模様はYの字の形
 ◇サワラの葉の先端は尖り、葉の裏の白い模様はXの字の形  
   という違いがあります。先週に引き続き記録しました。
 白い模様は気孔帯といい、植物が呼吸する部分です。また、全体を見た場合、ヒノキよりもサワラは枝の本数が少ないです。

●武家屋敷の紅梅の花数が増えましたが、白梅は1~2輪の開花で、やっと咲き始めました。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。2月16日(金)の観察に基づいています。 (風)

三回目を迎えた「ビックりひなまつり」


勝浦市のように数万体の人形を飾るわけではありませんが、一般家庭の飾りよりははるかに大きく、農村歌舞伎舞台の中に並べていることなどから「ビック」に「り」を付けて「
()(ビック(・・・)()ひなまつり」と名付けたもので今季ました

今年は2月に1セット寄贈を受けたため、内裏雛15組、三人官女13組、五人囃子以下12組のセットになり、人形数は計189体となりました。 

昭和50年代の人形が多く、寄贈された中で最も古いと思われるものは向かって右から2列目のもので、昭和33年に内裏雛を購入し、以後毎年買い揃えたと伺っています。 


向かって右側のお雛様は、今から36年ほどの前のものだそうですが、切れ長の細い目が特徴です。なお、このセットの「仕丁」は他のセットと異なり、わらじを履いています(写真中)。 
 

飾り付け前日にゼミテーブル、コンテナ、足場板などの組合せで幅7.2mの七段を作っておき、当日は総勢20人がかりで、毛氈敷設(写真下)、人形飾りなどを行いました。人形・道具類を並べるだけでも、2時間近くかかっていますので、勝浦市など本当にビックなひなまつりは相当大変だろうと思います。 
 
なお、今回は上段が暗くて見えにくいとのご意見がありましたので、照明を付けました。3月4日(日)まで農村歌舞伎舞台に展示していますので、どうぞご覧ください。(フ)

 

上総の農家でも梅が咲き始めました


昨年12月3日に「果樹の手入れ(梅)」で剪定した上総の農家前の梅がほころび始めています。

その折の宮崎講師の説明によれば、剪定には「①形を整える、②花や実つきを良くする、③樹木の実用的な機能を高める」の目的があるとのことで、当日は②(花をつける枝を増やし、その枝に陽があたるよう不要な枝を取り除く)を主な目的として①も含めた作業を体験者6名と当館職員が梅の木と格闘しながら行いました。

今咲いている梅は6月上旬の「梅もぎ」の体験で実の収穫をすることができます(フ)。

2018年2月18日日曜日

雨水(二十四節気)土脉潤起(七十二候)2月19日~23日 「オウレン」の雄花・両性花 「安房の農家」公開再開

 二十四節気は「雨水」です。空から降ってくるのが”雪”から”雨”になり、”氷”が溶けて”水”になるという意味だそうです。七十二候は「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」で、雨が降って土が湿り気を含む頃だそうです。そろそろ草木が芽生え始める頃で、昔は農耕の準備を始める目安とされてきたそうです。春一番の季節でもありますね。写真は、すでに”粗起こし”されている「下総の農家」の水田(写真:左)と「上総の農家」の麦畑の”麦踏”の様子です。”麦”は踏まれて、茎が折れ曲がったり傷がついて水分を吸い上げる力が弱まり、寒さや乾燥に強くなります。また、根の成長や増加を促進し、根がしっかり張りまっすぐ伸びる丈夫な”麦”になります。
 「安房の農家」の”小松菜”の”寒冷紗のトンネル”の中に、思わぬ”闖入者”がありました。一方が開いた20mほどのトンネル状の被いの中で、鳥が”バタバタ”やっていました。よく見ると”ヒヨドリ”のようです。このあと、奥から開口部の方に追うと、無事外にでていきました。鳥も新鮮な”小松菜”が食べたかったのですかね。
 「商家の町並み」「木工所」の実演・体験です。指導者は、栃木県の”伝統的工芸品製作者”に認定されている栃木市の「萩原幹雄」さんです。「萩原」さんは、「房総のむら」で長く”桶・樽作り”の指導をしてきた”野田和樽で”千葉県の”伝統的工芸品製作者”に認定されていた「玉ノ井芳雄」さんのもとで修業された方です。この日は、”樽”に使う”杉板”を緩いカーブのある道具で削るところを実演していただきました(写真:上左)。また、”桶・樽”の細い板を締める”タガ”作りの技法を応用して、長さ40cm、幅2.5mm、厚さは1mmもない”ペラペラ”な緑色の”竹の皮”の薄く細い”竹ひご”を円形に丸めて小さな”タガ”の”指輪”作りの指導もしていただきました(写真:上右・中)。写真右は、「房総のむら」の体験「竹のタガのキーホルダー」(写真:中央、外側は通常の”タガ”です)です。”指輪”は、写真下左の右側のリングのように編みますが、”キーホルダー”は左側のタガ状に丸めたものです。
 「房総のむら」には寒い冬季でも、多くの子どもさんたちが勉強に来ています。写真は、「下総の農家」で館の職員から「昔の暮らし」の説明を聞いているところです。
 そして、その「下総の農家」は休日になると、子どもさんたちの元気な声に包まれます。特に「昔の遊び」「ベーゴマ」は人気です。このご家族は、他施設で「ベーゴマ」の回し方を覚えたそうですが、自前の「ベーゴマ」”名付けて「トトロ川上」”を持参しての来館です。「房総のむら」に”樽”に”幌布”が張られたベーゴマ回しの”土俵”があるのを知っていて来たそうです。当然、難しい”紐巻き”も自分たちでします(写真:上左)。お話しでは、”「トトロ川上」最強節”があるそうで、それを守れるか敗れるか勝負のポイントのようでした。このご家族は、高さが低い扁平な”ベーゴマ”が強いことも知っているようでした。それにしても、楽しそうに何度も繰り返していました。負けるな最強伝説の「トトロ川上」!
    今が見所でしょうか「上総の農家」の「コセリバオウレン」です。この小さな可憐な花には、”雄花””雌花””両性花”があるそうです。みんな同じような”花”に見えますが、真ん中が赤くない”真っ白い花”があるのがわかりますか、それが”雄花”です(写真:下右はすべて”雄花”)。真ん中が赤く、その回りに白い”雄しべ”があるのが”両性花”です。”雌花”はなかなか見つからないようですが、「むら」でも見ていません。
 「安房の農家」の「茅屋根葺替え」工事は完全に終了し、”作業用の足場”も撤去されました。遠くから見ると、”分棟型”の主屋の2つの屋根(カッテなどとダイドコロ)と”馬小屋””灰小屋”の4つの屋根の中で、今回”葺替え”た真新しい屋根が一際まぶしく見えます。「房総のむら」ではロケもかなり行われていますが、ロケの関係者は大抵この新しい屋根を嫌います。今にも朽ちて落ちそうな屋根や、”苔むした”屋根が好きなようです。
 ”足場”からの近景はこれまでも紹介してきましたが、”足場”がなくなりましたので、”皆さんが見られる目線”で再度載せておきます。”軒下”から上を見上げると”棟”の”竹簾(たけす)”は見えません(写真:中右)。これは「安房の農家」の屋根が全体に少し丸みを帯びているからです。また、南西隅の”軒先”を見ると、”表層の葺替え”をしたところと”差茅”をしたところの境部もわかります(写真:下右)。それにしても、工事の違いでこれほどの”段差”ができるとは思いませんでした(写真:下左)。予算を”ケチ”って、工事が途中で終わってしまったのではなく、これも昔からの伝統的な工法・仕上げ方です。16日から「安房の農家」の見学も再開しましたので、遠くから、近くからご覧ください。

2018年2月13日火曜日

立春(二十四節気)魚上氷(七十二候)2月14日~18日 「初午」「針供養」 茅屋根葺替え終わる 白梅も咲く

  二十四節気「立春」も末候の「魚上氷(うおこおりをいずる)」です。気温が上がり、割れてきた氷の間から魚が飛び出る頃とのことですが、「掘割」の”鯉”も、氷の下(写真上方)にはあまりいないで、氷が解けたところに多くいますが、まだまだ動きは緩慢な感じです。
 「商家の町並み」の「稲荷境内」の、2月最初の”午(うま)の日”(2月7日)の”お稲荷様のおまつり”「初午(はつうま)」の展示です。昔の暦では日にちも”十二支”で数えるので、”午の日”もあります。もともと農耕の神であった”稲荷神”は、町場でも”商売繁盛””病気平癒”などにご利益があるとされて広く信仰を集めました。「初午」は子供が中心の行事で、前日には”ヨミヤ(宵宮)”に子供たちが旗を売り歩て”小遣い”にしたり、太鼓を叩いたり歌を歌って楽しく過ごしたそうです。”お稲荷様”の”お供え”は、”大根””人参”と定番の”油揚げ”です。”昔のくらし”の勉強に来ていた小学生が参拝していました。
 「商家の町並み」「お茶の店」と「本・瓦版の店」の間の「お地蔵さん」です。奥まったところに”いらっしゃいます”ので気づかないかもしれません。2月8日には、折れたり、曲がったり、錆びて使えなくなった”針”を豆腐にさした「針供養」の再現です。2月8日が”事始めの日”なので、この日に行います。12月8日の”事納め”で仕事を休み、”事始め”から農耕や裁縫が始まるとされ、この日は”針仕事”を休み、”使えなくなった針”を神社等に納めたり、豆腐や蒟蒻のように柔らかいものに刺して供養して、裁縫の上達を祈りました。
 ”鯉”(写真:上左)は、昔から最も”高価な魚”とされ、”鯉”が成長すると”龍”になる伝説(”登竜門”の語源)もあり、”鯉”は”力強い勇気の象徴”、さらには”立身出世”などにも結び付けられ、”端午の節句”の”鯉のぼり”にもなっていることはご存知のとおりです。”鯉”は、春と冬が旬で特に冬の”寒鯉”は美味とされ、利根川流域でも昔から食べられてきました。そこで、「商家の町並み」「川魚の店」の冬季の実演・体験の「鯉料理」です。指導者は、茨城県稲敷市の「髙城良平」さん(写真:中左)です。「房総のむら」では、佐原の”麻兆”さんとともに「すずめ焼き」の指導もしていただいてきた”川魚料理の達人”です。まず、”鯉”の大きな”うろこ”を落としてから料理ははじまります(写真:上中=”うろこ”を落とす前、右=”うろこ”がかなり落ちたところ。私はこの”うろこ”も好きなのですが)。”鯉料理”で大切なことは、”脾臓”を潰すと”体全体”に”苦み”がまわってしまうので、潰さないように”脾臓”をとることだそうです。頭を落とし、そこから指を入れて内臓を探り、”いとも簡単に””脾臓”を取り出しながら話してくれました(写真:中中=右下のブルーの丸い塊)。長年の”経験と技”です。実演・体験では、利根川流域に伝わる「うま煮」「鯉こく」「洗い」(写真:下右)を作っていただきました。「うま煮」作り(写真:下左)で、”落とし蓋”をして弱火で煮ている時に、「髙城」さんが「いつ火を止めるかが難しい」と、「焦げないところで火を止めるタイミングは先輩も教えてくれなかった、”落とし蓋”の間から出る泡の大きさをみているとわかる」と。またまた、経験ですね。さらに、「海魚は毎日食べると飽きてくるが、川魚は飽きない」とも。でもそれは”おいしく料理ができることが前提”だと思います。大変おいしくいただきました。
 「安房の農家」の「茅屋根葺替え」の様子です。”茅葺屋根”の改修は屋根の傷み具合によって、”茅屋根全体の葺替え”、”茅屋根”の”表層の葺替え”、そして”差茅”などの局所的な修理などを行います。「安房の農家」では、南面と東面は”表層の葺替え”、北面と西面は”差茅”で修理しました。これまでに”表層の葺替え”と”棟造り”も終わり、最後の作業は部分的に”茅”を追加する”差茅”です。屋根をよく観察し、”ガンギ”と呼ばれる道具で”茅屋根”の表面を整えながら、屋根の傷んでいるところを探します(写真:上左)。小さな修理は、手で”隙間”を作り新しい”茅”を差し込んで修理します(写真:上右)。傷みが激しく窪んだ箇所などは、”支柱で支えた棒”で既存の”茅”を持ち上げ、古くなった”傷んだ茅”や”表面に出てきた下層の茅”を取り除き(写真:中左)、”空間”を作って(写真:中右)、そこに新しい”茅”を差込み(写真:下左)、隙間なく十分に押し込んでいきます(写真:下右)。
 ”差茅”をしては屋根を調べ、また傷んだ部分に”茅”を差し込んでいます(写真:上左)。”差茅”も完了が近づき、”軒先”も刈り込んで揃えられました(写真:上右)。”表層を葺替えた部分”と”既存の茅屋根”に”差茅”修理した屋根では、”茅”の厚さに”差”ができるので”段差”ができます。その”段差”も”バリカン”(写真:中左)や”先端に向かってゆるくカーブした大きな鋏”(写真:中右)で切り揃えます。屋根の表面には”差茅”した”茅の束”が突出しています(写真:下左)が、最後に上方からこの”茅”を刈り込んで平らしていきます(写真:下右)。
 「葺替え」作業が終了し、”足場丸太”がすべて外されました。”茅”材の違いによる縞模様も鮮やかです(写真:上左)。棟の両端もきれいに仕上がりました(写真:上右=東端)。”表層葺替え”と”差茅”修理の境目の”段差”も整えられました(写真:中左、下左)。屋根の隅(南西)の部分の”軒先”です(写真:中右)。写真中央から右側が”表層葺替え”、左端は”差茅”をしましたが、”差茅”修理をした部分は、上方の”茅”が落ちてきて軒先の”水切り茅”もはっきりわからなくなっています。”主屋”の裏側の北面と西面の”差茅”修理をした屋根を見ると、その部分は”茅”が薄く一段低くなっています(写真:下右)。「安房の農家」の屋根は、屋根の”中腹が膨らみ”、屋根全体が少し”丸み”を帯びているのも特徴です。
 「安房の農家」の「茅屋根葺替え」のために”軒先”の高さに設置された”足場”からの写真も、これが最後になります。屋根西面の新たに造られた”棟”の下の”差茅”修理をした既存の屋根面との”段差”は、新たな”茅”が刈り揃えられ、種類の違う”茅”の断面がきれいです(写真:上左)。南面の軒先先端の”水切り茅”が少し出ているところです。きれいに切り揃えられています(写真:上右)。雨上がりのこの日は、日が当たらない北面には刈り込まれた屋根の表面に水滴が残り(写真:下左)、日が当たり始めた南面からは”湯気”が上がっていました。写真奥の昨年度屋根を葺替えた「台所」の屋根の湯気がよくわかります。隣の「馬小屋」と「灰小屋」の茅屋根からも、湯気が上がっていました(写真:下右)。
 「房総のむら」の”白梅”も、”紅梅”に続き花が開きました。”立春”が過ぎても、”雪”や”寒い日”が続き、”白梅”はなかなか花が開きませんでしたが、ようやく「上総の農家」の”梅畑”の”梅の花”がほころびました。まもなく「梅畑」も公開します。「武家屋敷」隣の”白梅”も咲き始めてくると、「房総のむら」も”梅の香ほのか”の季節になります。

2018年2月11日日曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家からむらの架け橋を渡りおまつり広場を巡って、武家屋敷、梅林を経由して戻りました。梅林の梅はツボミのままでした。

●シュンランはツボミが3個増えていました。開くのはまだ先のようです。
●ソシンロウバイは更に咲き誇っています。コセリバオウレンの花も増えました。
●ヤブツバキが咲き始め、季節はサザンカからツバキに移ってきています。
●いつも話題となるヒノキとサワラを見分けるための葉裏の白い気孔帯を観察しました。
●スダジイは照葉樹林帯を代表する樹木ですが、むらには下総の田んぼに下りていく坂道の途中に数本あるだけでした。
 今回、初めておまつり広場の裏の周囲に植生していることが確認できました。
 スダジイを区別するには、葉裏の色を見ます。灰褐色であればスダジイです。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。2月10日(金)の観察に基づいています。 (風)

※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 2月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。
○日時: 2月18日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)
○集合場所: 総屋前
○今月のテーマ: 「房総のむらで観られる 樹木の堅さ(比重)の違いとそれぞれの用途」
○参加費: 無料(むらの入場券必要)

2018年2月8日木曜日

立春(二十四節気)黄鶯睍睆(七十二候)2月9日~13日 陶芸「板づくり」 茅葺屋根葺替え マラソン「むら」を走る

 七十二候は「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」です。残念ながら、「房総のむら」では「鶯の初音」はまだ聞かれませんし、「ウグイス」も撮影できませんでしたので、代わりに”季節の鳥たち”です。「職員駐車場」の「セグロセキレイ」(写真:左端)、「管理棟」の近くにいた「ジョウビタキ」(写真:左から2枚目)、「上総の農家」の水田近くの「メジロ」(写真:中央)と「ヤマガラ」(写真:右から2枚目)、そして「風土記の丘資料館」前の「ロウバイ」の上の桜の枝にとまっていた「ツグミ」(写真:右端)です。
 「房総のむら」から見た「富士山」です。写真左は、寒い朝に”きっかり”見えた「富士山」です。写真右は、夕日が沈む「富士山」です。1月の末から「ダイアモンド富士」を狙っていましたが、毎日雲がかかり確認できませんでした。今日(2月7日)こそはと勇んで出かけましたが、「富士山」の上に大きな黒い雲です。しかも、”案の定”「ダイアモンド富士」は数日前だったようです。今回は「富士山」に夕日がかかる映像は撮れそうないので、アップしておきます。右端の「東京スカイツリー」がはっきりわかります。

 「商家の町並み」「瀬戸物の店」の「陶芸 手びねり」の実演です。「陶芸」の成形にはいろいろなやり方があります。大きくは、「ろくろ」を使うか使わないかで二分されます。「瀬戸物の店」の店先にも「蹴ろくろ」が設置されています(写真)。「蹴ろくろ」は、“回転力”を利用して粘土を成形するので、”丸皿”や”湯飲み””鉢”などのように基本形が“円形の作品”を作るのに向いています。
 今回は、「ろくろ」を使わない「手びねり」の実演です。「手びねり」ですから、”粘土の塊”からいきなり作品を作ることもできますが、「紐」や「板」状にした粘土で成形することもできます。今回は、そのような「手びねり」のなかで、”ろくろ成形”ではできない”楕円や角型”の”皿”や”鉢”を作るのに向いている「板づくり」を紹介します。使用する粘土は、「信楽の赤粘土」です。まず、購入した粘土をよく練って、粘土の硬さを均一にし、適度な粘り気を与え気泡を抜く作業を行います。①はじめに、粘土を“俵状”に丸めます(写真:上左)。②この粘土を「菊練り」していきます。「菊練り」と聞くと「そば打ち」を想像する人もいるかもしれませんね。“空気を抜く”という点では同じで、練った痕が“菊の花”のような模様になることから「菊練り」と呼ばれているようです。俵状の粘土の一方を両手で持ち、体全体を使って少しづつ回転させながら、右手を軸にして左手で手前から奥に向かって練っていきます(写真:上中)。その時に左手の掌の“小指側のふくらみ”(小指球(しょうしきゅう))の痕がきれいな「菊の花」を作り出します(写真:上右)。練りあがったら、同じ動きを続けながら徐々にまとめていきます(写真:中左)。④作る作品の大きさに合わせて“隅丸方形”の直方体、昔の”弁当箱”のような形に整えます(写真:中中)。⑤同じ厚さの粘土板を作るために、“糸(細い針金)”で切ります。そのために同じ厚さの木片(「たたら板」)を何枚も用意し二組に分け”弁当箱”型の粘土塊の両脇に積み、水平にするために両方同じ枚数にします。次に、“取っ手をつけた細い針金”で、「たたら板」に沿って粘土を薄く切りとっていきます(写真:中右)。⑥スライスした土は、そ~っと持ち上げます。指で持つと、そこだけ土が伸び、曲げると土に”クセ”が付きますので、一辺をそっと挟んでゆっくり持ち上げ、折れ曲がらないようにして掌にのせて新聞紙の上に移動します(写真:下左)。これを繰り返して、同じ厚さの粘土板を準備します。⑦作品を作る前には陶芸専用の「包丁」(薄い“ヘラ”)で表面をならして”糸切りの痕”なども消します(写真:下中)。これで「板づくり」の準備ができました。⑧平らな薄い粘土ですから、”皿”の”立ち上がり”などを作る場合には、粘土の端をつまんでたてながら粘土をしっかり締めなければなりません(写真:下右)。うまく締めないと、平らに戻ってしまいます。
 「陶芸 手びねり」の紹介が、「板づくり」の”粘土板づくり”が中心になりました。次回は、素焼きしたものや完成した作品なども紹介します。
 「安房の農家」の「茅葺屋根改修工事」の進捗状況です。前回、”棟”の両端を造っているところを紹介しましたが、”棟”全体が出来上がりました(写真:下)。”棟”の一番上は、”瓦”や”千木(ちぎ)”をのせる地域(建物)もあるようですが、”房州”「安房地方」のこの建物は、”竹簾(たけす)”がのせられています。”茅”の上に”杉皮”をのせ、その上に”竹簾”が被せられました(写真:上右)。古い茅屋根の”棟”を解体した時に外された”まくら”も、新しくなりました。”茅屋根”の最後の仕上げは、”バリカン”状の道具で表面を整え(写真:中左)、さらに大きな”刈り込み鋏”で丁寧に仕上げています(写真:中右)。”床屋”さんのようですね。仕上げは”棟”から”軒先”に向かって下りてきますが、あわせて”足場”も一段づつはずされていきます。きれいに仕上げられた茅葺屋根表面の淡黄色の”茅の切口”に、緑色も鮮やかな”棟”の”竹簾”が印象的です。あとは、裏面の”差し茅”になります。
 先週の雪で、花の開き具合はあまり進んでいません。最近は、”可憐な小さいな白い花”「コセリバオウレン」”狙い”の方が多いですが、「立春」も過ぎ、確実に「梅」も花が増えてきています。「上総の農家」の「ソシンロウバイ」は今が盛りでしょうか(写真:上左)。「風土記の丘資料館」前の「ロウバイ」もしっかり咲いています(写真:上右)。「武家屋敷 茶室」の前の「紅梅」も随分花が増えてきました。でも、同じ「武家屋敷」の隣の「梅林」の「白梅」は、やっと”蕾”が膨らんできたところです(写真:下右)。
   今年も、栄町の「リバーサイドマラソン」が「房総のむら」にやってきました。本来は、「むら」の「農家」から「大木戸」間も走る予定でしたが、先週の大雪で”土の園路”部分が”グチャグチャ”なために急遽コースが変更になりました。写真は、「房総のむら」「 風土記の丘エリア」の舗装された町道を走るランナーの方々です。(写真:上左=重要文化財「旧御子神家住宅」付近、上右=「房総のむら 南門」付近、下左=「風土記の丘資料館」付近、下右=左右に史跡「龍角寺古墳群・岩屋古墳」)