2018年8月31日金曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、復元竪穴住居、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家からむらの架け橋を渡り、茶店脇の坂から水車小屋、下総の農家まで足を伸ばし、帰りには呉服の店、堀割を経由して戻りました。

●資料館脇のオミナエシは20株。すぐそばの78号古墳には10株生えています。見頃です。
●草刈により一時消えていたカラスビシャクが沢山復活しました。葉の付け根にムカゴを付けているものもありました。
●アカメガシワは雄花が終了した後、雌花が出番となります。赤い柱頭が目立つものと、すでに黒い果実が出来たものがありました。
●キツネノカミソリの花は終期を迎えています。
●稲刈り後の田んぼには、沢山の種類の野草が出現します。今回、コナギの紫色のツボミが出来ていました。
●オトコエシが茶店の左の坂の途中に咲いています。
●ヒメキンミズヒキの雄しべ5~6個、花びらの幅が狭い。キンミズヒキの雄しべ約12個、花びらの幅が広い。こんな違いがあります。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。8月24日(金)の観察に基づいています。 (風)



※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日を利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 9月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。
○日時 : 9月16日(日)午前10時30分から1時間程度(雨天中止)
○集合場所 : 総屋前
○今月のテーマ : 「エゴノキの実とヤマガラ、求愛給餌とは? 貯食とは?」
○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

2018年8月29日水曜日

8月29日の きのこ


8月も最後の週となりました

前線の影響で、はっきりしない天気ですが

房総のむらには大した雨も降らず

乾き気味です

8月26日に続き、きのこの数は少ないままでした(や)

2018年8月28日火曜日

本・瓦版の店「木版摺り初級コース」体験者募集!


 本・瓦版の店では,むらの達人講座として,伝統工芸士の摺師の指導を受けて,月に1回の割合で,手彫りの版木を使って,木版摺りの練習をします。一版摺りから始めて,二版摺り,三版摺りと進み,ずれのない千代紙等を作ります。紙切りや,色作りの研修なども行います。本演目は人気のコースとなっております。ぜひ皆様のお申込み,ご参加をお待ちしております。(前)
体験時間:9:30~16:00(6時間30分)
定  員:4人
体験費用:6,000円
締  切:9月7日16:30
対  象:16歳以上
体  験  日:原則として9月~2月の毎月第2土曜日です。

2018年8月27日月曜日

処暑(二十四節気)天地始粛(七十二候)8月28日~9月1日 「二百十日」台風シーズン到来? ”ゆうがお細工” ”雁首草” 「むら」からNHK「あさイチ」生放送 

 二十四節気「処暑」の七十二候の次候は、「天地始粛(てんちはじめてさむし)」です。先週は少し涼しくなってきたかと思いましたが、台風接近の影響もあり南からの湿った風が入り込み、またまた”ムシムシした真夏状態”です。「農家」の”ケイトウ(鶏頭)”が燃えるような真っ赤な色の”トサカ(鶏冠)”を大きくしています。今年は9月1日が「立春」から数えて210日目で、昔からこの頃”台風”がやってきて農作物や生活にも大きな影響を与えることが多く、特に「二百十日」と呼ばれ”農家の厄日”とされています。今年は、これまでも”台風”が数回接近していますが、これからが本番ですかね。災害につながるような”台風”が来なければよいのですが、”台風到来”に備えて日頃から準備はしておきましょう。
 「上総の農家」の畑の真っ赤な”ケイトウ”の中に、黄色とピンク色をした”ケイトウ”も混じっています。
 ”青刈り”して”天日干しをした稲”のその後です。「上総の農家」では、部屋の中に寝かして乾燥を続け(写真:上左)、その後、束ねて「長屋門」の「屋根裏部屋」の”竿”に下げました(写真:上右)。「安房の農家」では、束ねて裾を拡げ”ぼっち”のような形で乾燥を続け(写真:下左)、最後に”ごみ(枯れた葉など=地元では”しび”と呼ぶ)”を取り除き束ねていました(写真:下中)。保管時には、束ねて立てておきます(写真:下右)。保管方法が違うのは、この”青稲”を使う”正月飾り”にありそうです。「上総の農家」の”正月飾り”は”青稲の根元”部分を多く使う”相撲のさがり”のような形で、「安房の農家」の”伊勢海老”形や「下総の農家」の”ごぼう締め”は”稲藁”全体を使います。ですから、「上総の農家」では、”根元”を大事にして床に触れないように下げているのかもしれないとのことでした。納得です。”農家の正月飾り”は、当ブログ「大雪 鱖魚群(12月17日~)」をご覧ください。
 「下総の農家」では、この時期だけの「ゆうがお細工」の体験です。毎年体験される”常連さん”もいる人気の体験です。昔の人は、身近なものを使って生活に必要な道具などを作ったわけですが、実が大きくなる”干瓢(かんぴょう)”の原料の”ユウガオ”が、”外皮”を乾燥させると固くなる特徴を生かし、物入などを作っていたわけです。体験者のお二人は、あまり大きくないものを選び、”たわし”や”ヤスリ”で磨いていましたが、一つはプレゼントで、もう一つは何か物入れにするとのことでした。”炭入れ”、”ランプシェード”、”インテリア”、”花入れ”、”猫などペットの寝床”などなど、皆さんもお一ついかがですか。今年は、もう一回9月22日にも体験がありますが、予約体験です。事前の予約の申し込みをよろしくお願いします。この体験も「房総のむら」でないとできない体験だと思います。
 同じ「下総の農家」「機小屋(はたごや)」の前の”千成瓢箪”です。葉がほとんど落ちて、中央がくびれた独特の形の小さな”瓢箪”がたくさんぶら下がっています。これも加工して、”唐辛子入”か何かにしたいですね。
 「上総の農家」では、畑に長く”蔓”を伸ばしていた作物の最終収穫をしていました(写真:上)。中には”江戸野菜プロジェクト”で栽培している”昔のメロン”といわれる”甘露まくわ瓜”や”冬瓜(とうがん)”にまじって、”神田小菊南瓜(かぼちゃ)”などもありました。「下総の農家」でも、”南瓜”(写真:下左)のほかに、スープにしておいしいあの”つる首南瓜”が販売されていました(写真:下右)。今年も”つる首南瓜”のスープが飲めそうです。
 「農家」の畑の豆類の状況です。”ささげ(大角豆)”はまだ花が残っていますが(写真:上右)、枝の先端から上に向かって豆の”莢(さや)”が伸び、重さで垂れています。何かを「ささげ」でいるように見えますか?(写真:上左)。次は”だいず(大豆)”、わかり安く言えば(?)”えだまめ(枝豆)”です(写真:中)。でも”大豆の花”ってどこに咲くか知ってますか?”枝豆”を”枝”から外したことのある方ならばわかるかもしれませんが。中心の太い枝からでる葉の根元に花は咲きます(写真:中中)。小さくて白い花で目立たないので(写真:中右)、わかりにくいのですが。おいしい”枝豆の収穫体験”が待ち遠しいです。黄色い花は、”あずき(小豆)”の花です(写真:下左)。”なたまめ(刀豆)”は、大きくなったものは”莢”がもう20cmを超えています(写真:下右)。
 「農家」の畑の”落花生(ラッカセイ)”です。花の後ろの部分が伸びて地面に達した”柄”も太くなってきました。9月の”落花生の収穫”体験が楽しみです。”枝豆”にも勝るとも劣らぬ(?)”生のゆで落花生”は、”収穫体験”した人だけの楽しみですね。
 早くも”栗(くり)”です。「上総の農家」の”早生栗(わせぐり)”、”盆栗(ぼんくり)”とも呼ばれる”栗”が強風のせいでしょうかたくさん落ちていました。”丹波栗”は、まだ”イガイガ”が青い状態です。
 空中に”丸い輪”を見つけました。小さな打ち上げ花火のようにも見えます。一つは”タラノキ(楤木)”です(写真:左)。花が終わった後に見事に実がリング状についています。初めのうちは緑色です(写真:上左)が、熟すると黒紫色になってきます(写真:左下)。遠くから見ると、空中に黒いリングが浮いているようです(写真:左中)。もう一つは、”タラの芽”とともに若い芽がお美味しい”春の山菜”の代表の”ウド(独活)”です(写真:右)。こちらは、”輪”ではなく”花火のように球状”に花がついています(写真:右中、右下)。しかし、下から見上げると”タラノキ”と同じようにリング状に見えます(写真:右上)。もう少し経つと、こちらも黒っぽくなってくるでしょう。
 こちらは、”サジガンクビソウ(匙雁首草)”です。”雁首(がんくび)”とは、”煙管(きせる)”の先端の”刻み煙草(きざみたばこ)の葉”を詰める”火皿(ひざら)がついた金属の部分のことですが、まっすぐ伸びた茎から直角に曲がって扁平円形にぷっくらした様子は、まさに”煙管の雁首”そのものですね。林の中の日陰に、しかも下向きで咲いているのであまり目立ちませんが、まっすぐ伸びた茎の先端の下向きに曲がった”雁首”は、特徴的な形状ですのでわかります。もっと太くて大きければ、”パイプソウ”と呼ばれたのですかね。いやいや”ナンバンギセル(南蛮煙管)”というのがありました。
 総状に薄紫の花をつける初秋の花です。「下総の農家」の”カクトラノオ(角虎の尾)”が咲き始めました(写真:上)。”茎”が上から見ると四角の、薄い紫色の花のトラノオです。日陰には、”ヤブラン(藪蘭)”(写真:中)と”ツルボ(蔓穂)”(写真:下)です。
 紫色と白色の”ハギ(萩)”です。”ハギ”は初夏から咲いていましたが、やはりこの時期に合う花ですね。
 今年二度目の”タマゴタケ(卵茸)”です。今年は6月に出現したことについては、当ブログ「夏至 菖蒲華(6月27~)」でも紹介しましたが、当然、本来のこの時期になって、館内のあちこちで見られるようになりました。
 8月22日午前9時26分から、「房総のむら」からNHKの「あさイチ」の生放送がありました。前日から、中継車も到着して準備をしておりました(写真:下右)。番組は、お隣の「コスプレの館」の時代衣裳に着替えた「藤原 薫」さんがレポーターです(写真:上左)。本番では「細工の店」で”房州うちわ”の製作風景をレポート(写真:上右)し、「商家の町並み」を歩き「お茶の店」でお茶をいただき(写真:中左)、最後に「呉服の店」で”生葉”を使った”藍のうつし染”の体験(写真:中右)レポートもしていただきました。番組の最後は、「呉服の店」に生中継に出演した当館職員が全員集合してお別れの挨拶です(写真:下左)。(”藍のうつし染”につきましては、当ブログ「大暑 大雨時行(8月2日~)」をご覧ください。)
 「番外編」です。カメラが回っていないところでは、リラックスして「房総のむら」に溶け込んだポーズをとっていた「藤原 薫」さんです(写真:左上)。生放送終了後の”ホッ”としているところです(写真:上右)。本番前の「呉服の店」で、やり取りを確認をしているところです(写真:中右)。本番終了後に改めて「お茶の店」で休憩です(写真:下左)。”お茶”と”くずもち”を召し上がっていただき、”暑い中をご苦労様でした”ということで当館職員が”扇”で風を送っています(写真:下左)。本番終了後の「呉服の店」で、サインをいただきました。隣では、当館スタッフが本番では体験途中になっていた”藍の写し染”を完成させてプレゼントしました。「藤原 薫」さん、映画やドラマなどの撮影でまた「房総のむら」に来られることをお待ちしております。「房総のむら」では、”映画”、”テレビドラマ”、”CM”など、かなりの数のロケなどが行われておりますが、公開されるまではロケが行われたことが発表できないことが残念です(制作者からの要請)。テレビ、映画など時代物などの場合にはよく見ていると、「房総のむら」が出てきます。今年の秋も、テレビで放送予定のものもいくつかあります。(開館日のロケの際には、見学できない施設がある場合もありますのでご理解願います。申し訳ありません。)

2018年8月26日日曜日

防腐剤として使われた柿渋に挑戦

 鎌倉時代から作られていた柿の渋は、漆の高価なものであるのに対して、比較的手道な物で簡単に作られてきました。
 柿の渋の用途は、うちわや番笠、和紙、木製品などの防虫剤や防腐剤としての効果があり、染色材としても使われてきました。
 今回は全2回の工程の1回目です。体験者は、予約体験者と博物館実習生の計7名が柿渋に挑戦しました。
 柿は豆柿を収穫。3㎝前後のものが一番渋が多く、8月中旬から9月中旬にかけて収穫します。              
                      


渋柿の豆柿を使用




 今回は23㎏を収穫して、臼に入れて杵で優しく潰します。潰した柿は、容器に移して柿と同量の割合で、水を入れます。
 2回目は10日後、9月9日(日)に行います。袋に入れた柿を絞ります。(1番渋)
その後、残りの絞りカスに水を加えて数日後再度絞ります。(2番渋)
そして、冷暗所に保存して、2年後に使用します。(ひ)
 















大好評!!親子で太巻き寿司



8月25日(土)、26日(日)の2日間、先週に引き続き、親子で参加できる太巻き寿司講習会をおこないました。

今回の柄は「さざえ」です。巻き貝のさざえです。ちょっと地味で微妙かも・・・と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、太巻き寿司で作るさざえはとってもカラフルでかわいいんです!!


いかがでしょうか?赤黄色緑など、いろいろな色が入って鮮やかに仕上がっています。
また、一見複雑そうにみえますが、「親子太巻き寿司講習会」ということで、お子様でも作れる難易度になっています。



今回参加された男の子が、上手に巻けたさざえを見せてくれました。





とても上手に巻けていますね!包丁で切るのも、お母さんに手伝ってもらいながらがんばったそうです!
これからもっとお料理に興味をもってくれるとうれしいなあ


今年度の「親子太巻き寿司講習会」は終了しました。来年度もまた夏休み期間に合わせて実施予定です。来年の柄はいったい何になるのか今から楽しみです!



本日参加された方々暑い中、お疲れ様でした。(細)








8月26日の きのこ

8月最後の日曜日です

本日も猛暑日の予報ですが、夏休みの宿題はいかがでしょうか

房総のむらでの夏休む向け体験も、今日が最後です

さて、本日のきのこ

先日、幼菌だったものは、すでに傘も開き終わり

全体としてあまり多くはありませんでした(や)

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家と畑を巡って、武家屋敷裏、呉服の店脇、堀割を経由して戻りました。


●資料館脇にオミナエシが咲き始めました。上総の農家の畑のものよりだいぶ遅い開花です。

●キツネノカミソリが沢山咲いています。すでに果実が出来ているものもありました。


●ツルボが咲き始めました。

●炭焼き小屋前のイヌシデの果実が落ちていました。この果実の形がしめ縄にぶら下がる紙(紙垂)に似ているとされます。

●ツユクサの白い花が咲いていました。

●秋にかけてのアキノタムラソウ、ツリガネニンジン、ヤマハギ、アマチャヅルが咲いています。田んぼではコケオトギリが咲きました。

●ナタマメはまだ花が咲いていますが、莢の長さが20~30cmのものが実って沢山ぶら下がっています。

畑では雑草とされるザクロソウが咲いています。小さな花がきれいです。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。8月17日(金)の観察に基づいています。(風)

2018年8月25日土曜日

親子で楽しく学ぶ 太巻き寿司~さざえ~



本日は先週に引き続き、親子太巻き寿司の体験がありました。今回の柄は「さざえ」です。



カラフルでとってもかわいいですよね!!

オレンジは山ごぼう、緑は野沢菜、赤は紅しょうが、黄色は卵、茶色はかんぴょうです。よくご覧になっていただくとわかりますが、色の配置が違うことにお気づきでしょうか?

色の配置は自由に決めることができます。本日参加された方の中には、紅しょうがが苦手だから卵に差し替えて欲しいということがありました。
そのように自由な色と配置で、好みのさざえを作ることができます!

明日も同様の体験がございます。

時間:10:30~11:30
    13:30~14:30
各回定員5名です。5歳以上の方であれば参加出来ます。「親子太巻き寿司教室」でお問い合わせください。ぜひ親子で参加してみませんか?(細)





2018年8月22日水曜日

処暑(二十四節気)綿柎開(七十二候)8月23日~27日 ”綿花”開かずで似た花三種 夏の”昔あそび” ”琥珀玉” 「商家の町並み」に”珍獣”現る

 二十四節気は、一つ進んで「処暑」です。暑さがおさまる頃、とのことです。確かに昼間はまだまだ暑いですが、朝夕は少し涼しくなってきました。七十二候は「綿柎開(わたのはなしべひらく)」です。綿は、7月に花を咲かせ、その後実が大きくなっていますが、まだはじけません。はじけて現れる”フワフワ”の綿が”綿花”と呼ばれるわけですが、そのため、種を包む”フワフワ”の繊維の”綿花”をくるんでいる”柎(花のガク)”が開くと表現したのでしょう。大きくなってきた実は、重みがあり下向きで”萼”に被われているのでなかなか見つけにくいのですが、少し見えました。
 ”綿(ワタ)”は、葉をたくさんつけ高さが1mほどになっており、まだ淡黄色の花や少し時間が経ちピンク色に変色したした花も咲いています(写真:上左)。そこで、似たような花三種の紹介です。写真右上が”コットンボール”ができる”綿”の花です(写真:上右)。見た通り上向きに”オクラ(秋葵)”が付いているのが”オクラ”の花(写真:下左)で、手を広げたように葉が広がっているのが”紙漉き”の原料に入れて”ぬめり”をつけると”トロロアオイ(黄蜀葵)”の花です。「呉服の店」の裏の畑で咲いています。花の状態によっては、見間違えてしまいそうなほどよく似た”アオイ(葵)科”の三種の植物です。詳細は、当ブログ2015年8月28日公開「似た花三種ー綿・オクラ・トロロアオイー」をご覧ください。

 太陽が”ジリジリ”照り付ける時に役に立っているのが、「房総のむら」ではお馴染みの”ぼっち笠”と”日ごも”です(写真:右)。”ぼっち笠”については、これまでも何度か紹介してきましたが、”日ごも”ははじめてでしょうか。刈り取った”麦”を脱穀し残った”麦わら(ストロー)”を編み上げて作ります。強い日差しから背中を守ってくれます。”ぼっち笠”に”日ごも”姿の「上総の農家」(写真:左)の人が、「商家の町並み」から帰るところを後ろから撮りました。「振り向かないで~ 上総の人」
 ”お正月飾り”や”注連縄”などの材料とするために青刈りした稲”ヤマトニシキ”の「上総の農家」の”天日干し”の様子は紹介されていますが、「下総の農家」でも庭一面に”稲”と”チガヤ(茅)”が並べられました(写真:下)。”チガヤ”の”芯とり”と”天日干し”については当ブログ「小暑 鷹乃学習」7月18~でも紹介しましたが、”ミノ(蓑)”作りにはたくさんの量が必要になりますので、天気の良いこの時期には”お手伝い”もお願いして作業をします(写真:上左)。”チガヤは”芯をとった後、室内で”蓆(むしろ)”の上に並べて”陰干し”(写真:上右)し、そのあと”天日干し”(写真:中左)をします。”チガヤ”は、一気に”天日干し”をすると2,3本が絡まったりしてしまうそうです。干し始めは鮮やかな緑色ですが、乾燥してくると淡緑色になってきます(写真:中右)。地面に直接並べてあるのは”ヤマトニシキ”です(写真:下左)。
 アメリカから訪日中のお二人が、「房総のむら」で”日本文化”の勉強です。英語が堪能なボランティアさんのガイドで、「商家の町並み」などをゆっくり見学し、”綱つり”の説明を受けたり(写真:上左)、「上総の農家」では”ミノ”と”ぼっち笠”の試着体験もしていました(写真:下左)。ガイドさんにお聞きしたところ、”日本文化”を知るのに「房総のむら」がいいと紹介されて来たということで、ガイド終了後も熱心に見学していました。

 「商家の町並み」「細工の店」では、「房州うちわ」作りの体験です。講師は、”千葉県の伝統的工芸品製作者”にも認定されている「太田美津江」さんです(写真:上左奥)。「房総のむら」では当初はお父さんに指導していただいた、開館時から続く体験です。「房州うちわ」は、「千葉県指定伝統的工芸品」ですが、千葉県内では唯一「経済産業大臣指定伝統的工芸品」にも指定されている南房総地方の伝統的な工芸品です。南房総地域には”うちわ”作りに適した良質な”女竹(メダケ)”があり、江戸時代には江戸で作る”うちわ”の”女竹”の産地でしたが、明治に入ってから地元でも生産が始まりました。”女竹”を骨の部分に、”真竹”を弓部分に使用し(写真:下左)、”京うちわの差柄”、”丸亀うちわの平柄”に対して、”丸柄”であることと、丈夫で半円の格子模様が美しい”うちわ”として知られます(写真:下左)。”柄”を両手で挟み、回して遊びました。”柄”が平たいほかの”うちわ”ではできませんよ。
 「商家の町並み」「木工所」の「親子木箱作り教室」が大盛況です。「木箱作り教室」は以前にも紹介しましたが、夏休みも終盤にちかくなってきたためでしょうか大勢の方が木箱を作っています。自分で、”釘”を打ち(写真:上左)、親子で”曲尺(かねじゃく)”を使い寸法測り(写真:上中)、”鋸”も自分で挽いて(写真:上右)”木箱”の完成です。大きな箱をつくったお子さんは、この中に「房総のむら」つくった作品をいれるそうです(写真:下右)。少し涼しくなってきましたので、工作だけではなく、建物、草花や畑の作物の観察など、夏休みの自由研究に役立つ「房総のむら」です。残り少ない夏休みを「房総のむら」でお楽しみください。(またまた、台風の接近が心配ですが)
 でもやっぱり遊びが一番です。「房総のむら」の昔ながらの遊びの紹介です。前回紹介した「上総の農家」の「竹のブンブン蝉」も大盛況でした。”松脂”の部分に”紐”をひっかけて回すと、先端の”鳴動器”で増幅された音が”ブーンブーン”とうるさいくらい鳴ります。「なぜ音が出るのか」と、結構大人の方も楽しんでおられました。この日の「房総のむら」は、上からは”本物の蝉”の声が、地上からは”ブンブン蝉”の音が鳴り響いていました。
 「むらのかけ橋」を渡った「おまつり広場」では、”竹トンボ”ならぬ”紙トンボ”を飛ばしていました。厚紙で作る”トンボ”ですが、よく飛ぶのです。しかも、補助の道具を使うと10m近くも上がるのです。こちらでも小さいお子さんから大人の方まで楽しそうに、真剣に遊んでいました。
 夏の遊びはやっぱり”水鉄砲”でしょうか。「下総の農家」の昔ながらの「竹の水鉄砲」です。”竹筒”の中に入れて水を押し出す棒の先端の”スポンジ”と”布”の巻き方・太さが、”水鉄砲作り”のポイントです。太いと”竹筒”に入りませんし、細すぎると”竹筒”に隙間ができると水はあまり飛びません。”竹筒”に入れてみて、調整しながら作ります。あとは水を飛ばすだけです。昔ながらの”竹の水鉄砲”ですが、勢いよく飛ぶ水に感激のようでした。
 「房総のむら」では”昔ながらの遊び”として”竹馬”や”竹ポックリ”を準備しています。写真は、常連さんもいる「下総の農家」の”コマ”と”ベーゴマ”です。紐を巻くのが難しいので、初心者用にボランティアさんが”紐”を巻いて準備してあります。こちらも、うまく回り、さらに手の上で”コマ”を回せれば感激すること間違いなしです。こちらは、小さいお子さんよりは、大きなお子さんと大人の方が時間も忘れるほど楽しめる遊びです。
 「商家の町並み」に、「風土記の丘資料館」で「琥珀玉」作りの体験された皆さんがいらっしゃいました。”琥珀(コハク)”は、”再生琥珀”で”天然琥珀”ではありませんが、磨けば色・ツヤ・光沢は本物に見劣りしません(写真:右)。まず、”直方体の琥珀”(写真:右の左上、下左)を”砥石”で粗削りして形を成形し、おおよその形ができたら(写真:右:左下)、”紙ヤスリ”で表面を磨き上げます。固くて加工・研磨が大変なのですが、磨き上げると、まさに”半透明の琥珀色”に輝くアクセサリーの完成です(写真:下右)。こちらの皆さんも2時間かけて磨いてきたとのことでしたが、完成した”琥珀玉”に「大満足」と。家に帰ってからも磨くそうです。
 さて、そんな皆さんを「商家の町並み」でお迎えしたのは”珍獣”ではなく、”ガマガエル(蝦蟇夷)=ヒキガエル(蟾蜍(せんじょ))”です。夜行性のようですので、昼間人気の多いところに出てくるのは珍しいでしょう。「商家の町並み」に遊びに来たのでしょうか。皆さん興味深く見ていました。しかし、職員が「”ガマガエル”は皮膚からをだしますので、注意してください」と説明すると、少し驚いていました。”ガマガエル”というと昔から”ガマの油”などとしても馴染みのある”カエル”ですが、普段はほとんど目にすることがありませんので毒のことなど知りませんね。「房総のむら」には、”マムシ”や”ヤマカガシ”などの”毒をもつヘビ”などもいますので、気を付けてください
 「上総の農家」の”ヘチマ”も大きくなってきました。このままでは、”自重”で落ちてしましそうなので、”繩”で釣りました。
 花については、「房総のむらの花だより」や「むらの花情報」にも紹介されていますが、いくつか紹介します。まずはじめは、”カラスビシャク(烏柄杓)”です。この植物については、今年は4月14日に開花を確認したことなどを当ブログ「夏至 半夏生(7月2日~)」でも紹介しましたが、今年2度目の花が咲きました(写真:上左)。どうなっているのでしょうか?”コバギボウシ(小葉擬宝珠)”には”ハチ”も潜っていました(写真:上右)。小さな花たちです。秋に釣鐘状の花が咲き、根が朝鮮人参に似ていることから”ツリガネニンジン(釣鐘人参)”だそうです(写真:中左)。商家の町並みの壁の”ガガイモ”です(写真:中中)。淡紫色の小さな花ですが、5弁の花の内側には長い毛が密集しています。次は、葉や茎に悪臭があることから”ヘクソカズラ(屁屎葛)です。きれいな花なのですが。”キツネノマゴ(狐ノ孫)も可憐な花です(写真:下左)。どこが”キツネ”なのでしょうか?最後は、今が盛りの”キツネノカミソリ(狐ノ剃刀)”です。花の時期には葉がありませんが、春先に見られる葉が剃刀のように鋭く見えることからの命名のようです。当ブログ「春分 雀始巣(3月21日~)」もご覧ください。
 「下総の農家」「長屋門」前の”ススキ(薄、芒)も穂が出始めました(写真:左)。「おまつり広場」から続く坂道の横の”ススキ”は、花が咲いていました(写真:右)”ワレモコウ(吾亦紅)”も咲き出したようですし、秋の植物が目立ちだし、涼しい朝夕の”ヒグラシ(蜩)”と夜の虫たちの鳴き声に、どことなくいく夏を惜しむようなわびしさを感じます。”秋きぬと目にはさやか”に見えてきました
 「下総の農家」の”おかぼ(陸稲)”です(写真:上左)。今年は生育はあまりよくなく丈も少し低めですが、その根元に”イトトンボ(糸蜻蛉)”がいました(写真:上右)。下の写真は、少し前の”おかぼ”の様子ですが、遠くから見てもわかるように、たくさんの黒い虫がうごめいています(写真:下左)。近づいてみると”マメハンミョウ(豆斑猫)”でした。こちらも体液が強力な炎症性のをもつそうです。要注意です。ストライプが入った黒のスーツにオレンジ色の頭、見るからに悪そうですか(写真:下右)?
 やけに”ショウリョウバッタ(精霊蝗虫)”が目立ったので載せました。草むらの中にいる”ショウリョウバッタ”はどこにいるのかわからないくらい、周りの草色に溶け込んでいます(写真:上左)。綿には、薄い茶色の”ショウリョウバッタ”がいました(写真:上右)。「商家の町並み」にも現れました(写真:下左)。そして、”イナゴ(蝗)”もたくさん見かけます(写真:下右)。