2019年3月20日水曜日

春分(二十四節気)雀始巣(七十二候)3月21日~25日 雀が”チュンチュン” 春の彼岸は”牡丹餅” ”うぐいす笛””紙漉き” 考古学と昔の暮らしの勉強 🌸サクラ・ハクモクレン咲く 春爛漫近し 

 21日は、「春分」です。「冬至」から少しずつ伸びてきた昼の時間が、夜の時間とほぼ同じになりました。(実際は、昼の方が約14分ほど長いそうですが)これからが、”春本番”といったところでしょうか。七十二候は「雀始巣(すずめはじめてすくう)」になります。「商家の町並み」に”雀(スズメ)”がいました。時折、降りて”天水桶”で水浴びもしていました。”瓦屋根”のこのあたりから”チュンチュン”としきりに鳴き声がしますので、この近くに”巣”を作ったのかもしれません。
 ”スズメ”繋がりで、”スズメノヤリ(雀の槍)”です。”スズメノヤリ”が”穂”を伸ばし、その先端にたくさんの”赤褐色の粒状の花”が頭状になっています。見かけでは”花”ははっきりしてなく、”花”といわれてもピンときません。その上方から3本に割れた淡黄色の毛のような”雌しべ”の先端の”柱頭”が出ています。植物の名前には、しばしば動物や鳥の名前が入っていますが、”スズメノヤリ(雀の槍)”の語源は、”穂”が大名行列の先頭の”毛槍”に似ていて、そして小さいので”雀”が付けられたようです。
 ”春分の日”、”春のお彼岸”といえば、”牡丹餅(ぼたもち)”ですね。「房総のむら」では、「商家の町並み」「菓子の店」で毎年この時期にお菓子作りの指導者匝瑳市「鶴泉堂」の「大川功修」さんに「牡丹餅」作りの実演と、体験の指導をしていただいています。”牡丹餅”は3種類で、普通の”餡”で包んだもの(写真:中央)と、中央に”つぶ餡”が入り”きな粉”で包んだ餅(”空也餅”と呼ぶ地域もあるそうです)(写真:右)、それに今年は”白あん”が入った”黒ゴマ”をまぶした餅(写真:左)の3種類の”牡丹餅”を披露していただきました。春の彼岸で”牡丹餅”と書きましたが、”お萩(おはぎ)”との違いはわかりますか。名前については”こし餡”と”つぶ餡”とか諸説があるようですが、漢字を見ていただければわかるようにその季節に咲く花になぞらえて、一般的には”春のお彼岸が牡丹餅”で、”秋のお彼岸がお萩”と呼ばれることが多いようです。
 「大川」さんからは、昨年は”ゴマで包まれた牡丹餅”の”餡”が珍しい”白い小豆”であること、”お菓子屋”さんでは「小豆」は”アズキ”とは読まず”ショウズ”と読むことなどを教えていただきましたが、今年は「鶴泉堂」さんの”もち米”の”半殺し”の仕方を教えていただきました。蒸した”もち米”に少量の塩をまぶし(写真:上左)、そこに大量のお湯を加え(写真:上右)て捏ねて少し置いたものを(写真:下左)、再度蒸していました(写真:下右)。やはり、もち米は”半殺し”にしないとうまく団子にはしにくいそうですが、蒸した”もち米”は潰していわゆる”半殺し”にすると思っていたので、大量のお湯を使う”老舗の店”の技に驚きです。
 既に紹介されていますが、「上総の農家」の「うぐいす笛」作りの体験です。年に一度、”うぐいす”が鳴くこの時期だけの体験です。”篠”を切ったパーツを接着剤で張り付けて作ります。初めに”胴体(太い篠)”に、空気を送る”尻尾(細い篠)”の部分を付けます。斜めに固定しますが、何度か吹きながら一番音がよく出る角度に調整して固定します。できたら、飾りに”うぐいす”の”頭”になる部分を付けます。このお子さんは、”頭”のパーツを横方向に付けました。最後に、より”うぐいす”らしく目や羽根を描けば完成ですが、残念ながらバスツアーで来館していて集合時間になってしまいましたので、仕上げはご自宅でお願いします。素朴な”おもちゃ”ですが、”穴(唄口)”に向かって唇の角度をうまく合わせないと音が出ない”篠笛”と違って、空気を送る”篠”が音が出るように付けられていますから、間違いなく音がでます。そして「ホーホケキョ」ですが、空気を送りながら指で塞いだ”胴体の太い篠”の前後を開けたり閉めたりして、音を作ります。練習してみてください。
 「商家の町並み」「紙の店」では「かんたん和紙作り」の体験です。”紙漉き”については、これまでも何度か紹介してきましたが、今回紙を漉くのは簾ではなく体験者の作っていただきました。周りに釘が打たれた木枠に自由に色とりどりの糸を張っていただいたもので紙を原料を漉いていただきます。糸の張り方や色糸の配色でオリジナルの和紙ができます。糸が張れたら、和紙の原料の入ったフネの中に入れ和紙の原料を漉くます(写真:中左)。糸の上に和紙の原料がのったら、釘に引っかけられた糸を切り離します(写真:中右)。この後、乾燥させれば完成です。大きなサイズのものを作れば、ランプシェードなんかにも利用できそうです。皆さん上手にできました。
 香取市立神南小学校と福田小学校の体験学習のようすです。初めの授業は、「風土記の丘」で考古学の勉強です。神南小学校の校長先生も発掘調査に参加した「浅間山古墳」の”石室”などを見学した後、「竪穴住居」の見学です(写真:上)。古墳時代の「竪穴住居」では燻蒸中だったので住居内に入ると煙たかったようです(写真:上左)。(申し訳ありませんでした)当ブログでも紹介していますが、改修工事中の弥生時代の「竪穴住居」も見ていただきました(写真:上右)。茅葺屋根の作り方はわかりましたか。次の授業は、「総屋」2階に移動して”灯りの歴史”の勉強です。この時間では時代とともに変わってきた”火起こし”の方法などを勉強した後、「房総のむら」の定番体験の”千代紙ろうそく”作りを体験していただきました。午後からは、「上総の農家」で”昔の暮らし”の見学です。担当職員の説明で電気やガスがなかった時代の生活について勉強していただきました。いかがだったですか、勉強になりましたか。今回は時間が短かったようですから、次はご家族で体験に来てください。
 最近の暖かい気候に誘われたか、ついに”サクラ”が咲きました。今年も最初の”サクラ”の花は、「風土記の丘資料館」横の”コヒガン(小彼岸)”です(写真:上左)。昨年とほぼ同じ時期の開花です。しかし、昨年はすぐ隣の”ベニシダレ(紅枝垂れ)”も同日に咲いたのですが、こちらはまだのようです。そして、「農村歌舞伎舞台」近くの”ソメイヨシノ(染井吉野)”も、蕾がかなり膨らんできました(写真:上右)。「下総の農家」の”コウメザクラ(小梅桜)”も小さな蕾が真っ赤になってきました。すぐ隣で”梅”という名前が付いていてまだ開花していない”ユスラウメ(梅桃)”は、蕾の先端に少し花びらが見えてきました。「房総のむら」もそろそろ桜の季節がやってきますよ。今年の”さくらまつり”は4月6日・7日に開催しますが、”サクラ”の開花が早くなりそうなので30日・31日にもイベントを行いますので、是非ご来館ください。
 「春分の日」を迎え、”サクラ”の花が咲き始めましたが、他の草花も花が咲き出しています。畑では、「上総の農家」の”ナノハナ(菜の花)”も随分花が増えてきました(写真:上左)。「安房の農家」前の畑の”大麦(オオムギ)”も”穂”を出しました(写真:上右)。館内各所の”レンギョウ(連翹)”も黄色の花が咲き始めました(写真:下)。この上の”サクラ”が咲くと、ピンク色と黄色のコラボがきれいです。
 ”コブシ(辛夷)”に続いて、”ハクモクレン(白木蓮)”も花が開き始めました(写真:左)。完全に開ききった花よりもこれくらいの状態がいいですね。中にはまだ帽子を脱ぎきれない花もありますが、少しづつ帽子を脱いでいるようです(写真:上右)。”コブシ”の花のようにあちこち向いている(写真:下右)のではなく、みな天空に向かって咲いていて、そして花は”コブシ”よりも大きいので、すっきりした感じで見栄えがするような気がします。
 こちらの紫の花は、「上総の農家」近くに咲いた”ムラサキハナナ(紫花菜)”です(写真:上)。別名”オオアラセイトウ(大紫羅欄花)”、”ショカツサイ(諸葛菜)”とも呼ばれます。花はハナダイコンにも似ているようです。「農村歌舞伎舞台」の近くの”スイセン(水仙)”の中に、”スノーフレーク”が咲いています(写真:下)。”スノー”は雪、”フレーク”は塊で、小さな雪の塊といったところでしょうか。和名は”オオマツユキソウ(大待雪草)”、別名は”スズランスイセン(鈴蘭水仙)”だそうです。”スイセン”に似たすらりとした葉に”スズラン”のようなベル形の花が下向きに咲いています。中には横を向いて花びらを大きく広げているものもありました。白い花弁の先端の緑色の斑点が愛らしいです。
 ”フキノトウ(蕗の薹)”の背が伸びてきました(写真:上)。しかし、この”フキノトウ”、一見すると皆同じに見えるかもしれませんが、実は”オス”と”メス”があることを知っていますか。でも、どれが”オス”で、どれが”メス”かなかなかわかりません。”オス・メス”の判断で一番確実なのは、そのまま大きくなるのを待って”薹”が立ち、さらに小さなタンポポのような綿毛をたくさんつけるのが”メス”だということです。今の時点での”オス・メス”は、花の先端を”よーくよーく”見ると白い細い糸状のものがでているのが”雌しべの固まりのメス”(写真:下左)で、少し黄色みをおび小さな袋状のものが開いて花びらを開いているのが”オス”(写真:下右)です。ちなみに、”薹が立つ”という言葉は、花茎が成長して葉や茎が固くなり食べ頃を過ぎることを意味しますね。

2019年3月16日土曜日

寒暖上手 二十三


寒暖上手二十二でウグイスの鳴き声をお届けしましたが

今日は、館内のいたるところでウグイスのような声が聞こえてきます

「ような」と書いたように、よく聞くと、あれ?と思うのです

「ピーピー」音がする上総の農家をのぞくと

細い竹がたくさん用意されています

そう、うぐいす笛でした

本物のウグイスと同じように、子どもたちも最初は「ピーヨピヨ」からスタートです



今日のウグイスの大部分は本物ではありませんでしたが

鳥の中には、鳴きまね上手の鳥がかなりいます

インコがしゃべったりするのもその一つですが

キビタキがコジュケイの真似をしたりと、おもしろい世界です

県立中央博物館のデジタルミュージアム「音の標本箱」にも

二ホンアマガエルの鳴きまねをするキビタキの声が収録されています(や)

2019年3月15日金曜日

復元竪穴住居(弥生時代)修繕作業始まりました【その2】

 木と竹による住居の骨組みが完成し、いよいよ本日から茅葺き職人さんによる作業が始まりました。
 
 骨組みに使用した材料の内、木材類にはこの竪穴住居周辺の林の中からクヌギ、コナラなどを主に選び使用しました。これらの木々は、真っ直ぐなものが少ないため、組み合わせるのに大変苦労したようですが、そこはプロの仕事、見事な骨組みが出来上がりました。
 
 そして、本日茅葺き職人さんにバトンタッチしました。
 茅を手に持てるくらいの太さに束ね、それを少しずつ重ね積み上げてゆく、技と根気のいる仕事のようです。
 

 これから2週間くらいかけて造り上げて行く予定です。この間に、房総のむらに来館されましたら是非、風土記の丘資料館脇の竪穴住居エリアまで足を伸ばして下さい。 (風)

啓蟄(二十四節気)菜虫化蝶(七十二候)3月16日~20日 ”キタテハ・キタキチョウ”飛ぶ ”研ぎ”の体験 ”紙漉き”体験 ”桃笑う” ”思いのまま”満開 ”コブシ”咲く ”モンロー・リップ”

 「啓蟄」の最後の七十二候は、「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」です。今年になって既に数匹の”蝶”を確認していたので、この時期になったので、「菜虫化蝶」で今年孵化した”蝶”が見られればと思ったのですが、成虫で越冬した”キタテハ(黄立羽)”のようです。厳しい冬を乗り越えた証拠に”翅”の一部がちぎれていました。”翅”の表の先端近くの輪郭に青い線が見え、裏は外側が明るく内側が濃い茶色です。ちなみに、昨年の「啓蟄 菜虫化蝶(3月16日~)」で報告したのは”ルリタテハ(瑠璃立羽)”でした。
 こちらは、1か月近く前になります2月17日に「風土記の丘」「竪穴住居」の近くで見かけた”キタキチョウ(北黄蝶)”です。今年初めての”蝶”の写真でしたが、「菜虫化蝶」に報告しようと保存していた写真です。弱々しい飛び方で、枝の陰に入ってしまいましたが、留まってくれたので写真が撮れました。現在、「風土記の丘資料館」で開催中のトピックス展「むらの昆虫」は、春休みの子どもさんたちにも見ていただけるよう4月14日まで会期を延長することにしましたが、”キタキチョウ”もその中に展示されています。花にも虫たちも集まってきていますが、これから”蝶”たちもたくさん飛び回ると思います。「房総のむら」で観察できる”昆虫”を見に来ませんか
 「商家の町並み」「鍛冶屋」では「小刀」作りの体験が行われていましたが、今日は仕上げの”研ぎ”を紹介します。体験では、”総火造り(”鋏”の握りの輪の部分も鍛造で作ってしまいます)”で”鋏”を作る「北島和男」さんの指導で”小刀”を作りますが、最後に出来上がった”小刀”を”砥石”で研いで切れるようにします。まずは、「北島」さんの”研ぎ”のお手本を見てから実践です(写真:下左)。「北島」さんの”砥石”にあてる角度などの細かい指導を受けながら、”砥石”で研いでいきます(写真:下中)。少し研ぐと「先生、どうでしょう」「まだまだ。こんなことでは今日一日かかるなぁ。帰るのは明日になるなぁ。どれ、かしてごらん。」(写真:下右)(写真:上:左)てな感じで、体験時間内に切れ味鋭い”小刀”が完成しました。”小刀”作りの体験を一度経験したからといって、”鍛冶の技”が習得できるわけではありません。さらなる”研鑽”が必要です。次回はさらにレベルを上げて”草取り鎌”作りに挑戦してみませんか。
 「商家の町並み」「紙の店」では、「紙漉き体験」です。この日は、”はがき”の大きさの紙を漉いていただきました。まずは、スタッフの説明を聞いてから、”紙の原料”が溶けている大きな水槽(漉き舟)に”簀子”が張られた枠(漉簀)を入れて紙の原料をすくい取ります。”はがき”にするためには、普通の和紙の厚さでは薄いので、同じ工程を5回繰り返して和紙の厚さを増します。この日も暖かくなってきたとはいっても、やはり水は冷たく「冷たい」と顔をしかめるお子さんもいらっしゃいました。”簀子”の上に紙の原料がのったら、次は乾燥ですが、その前に”はがき”にアクセントとして千代紙の花びらを散らし、その上にさらに紙の原料一回分を重ねます。乾燥は、本来は木の板などに張り付けて自然に乾燥するのを待つのですが、体験した日にお持ち帰りいただくために、水切りとその後の乾燥作業は現代の力を使います。冷たい水の中での作業、お疲れさまでした。でも、いい思い出が出来上がったと思います。
 前回の「啓蟄 桃始笑(3月11日~)」には間に合いませんでしたが、「おまつり広場」の”ハナモモ(花桃)”がやっと”笑い”始めました。この花は、白い花びら(写真:左)に、薄緑色の萼(写真:右)が爽やかな感じがします。
 いわゆる”源平咲き”の梅「武家屋敷」近くの”梅”、”思いのまま”も花がずいぶん増えてきました。”源平咲きとは、”昔から日本では大きく二つに分かれて分かれて戦う時、”紅白戦”などと呼ばれてきたようですが、もともと”源氏の旗が白”、”平氏の旗が赤”だったことから”そう呼ばれるようになったようです。全体としては白い花が多いのですが、一本の梅の白い花にピンク色の花が混じります。枝ごとピンク色の花がついたり(写真:上)、一本の枝の中で白とピンクの花が混じったりしています(写真:下)。
 同じく「武家屋敷」近くの梅の花です。早くに咲き出した白梅は散り始めていますが、”萼”が赤いために花がピンク色に見える梅の花は今が盛りです(写真:上)。もう一本の、白い花に薄いピンク色の花びらが混じる梅の花もほぼ満開になっています(写真:下)。
 以前、毛に被われた蕾を紹介した”コブシ(辛夷)”も花を開きました(写真:上)。まだまだ咲き出したところですので、これから館内各所で”コブシ”の白い花が咲き出します。また、「風土記の丘 資料館」などの”トサミズキ(土佐水木)”も少し緑がかった花が咲き出しています(写真:中)。前々回開花を紹介した「旧御子神家住宅」の”サンシュユ(山茱萸)”(写真:上左)は、ほぼ満開に近くなってきました(写真:下)。
 通常の蕾が赤い”ジンチョウゲ(沈丁花)”(上総の農家)(写真:上)と白い蕾の”ジンチョウゲ”(商家の町並み)(写真:下)も花を増やしています。
 園路を歩いていると、水路の横に石垣が積まれたところなどで、ちょうど目の高さで”すっく”と伸びた細い筆のような植物を目にしました。”ヒメカンスゲ(姫寒菅)”です。数日前には小さな槍のように茶色の穂の状態でしたが(写真:上)、あっという間に花が咲き出しました。茎の先端に房のように見える薄い黄緑色の短い針状の”雄小穂”が集まり、下方にさらに細い糸状の”雌小穂”がついています(写真:下右)。
 「房総のむら」の”コケ(苔)”などについては、ブログの「花だより」でも紹介されていますが、古くなった”手すり”や”境界”、”土階段”などの”木杭”の上の”コケ”も目に付いたので集めました。「房総のむら」では、「茅葺農家」の屋根や古くなった切り株などでも”コケ”が見られますが、木杭の上でも結構”コケ”が見られます。”コケ”が付いた木杭は林の中の半日蔭の場所にあり、陽が当たると輝いているようにも見えました(写真:中)。また、植物のボランティアさんに教えていただいた”モンロー・リップ(マリリンモンローの唇)”の真っ赤な”アカミゴケ(赤実苔)”もありました(写真:下右)。”コケ”とはいっても”地衣類”だそうですが、”茅葺屋根”などでよく見られます。狭い杭の上に”コケ”たちが作った小さな林です。

2019年3月14日木曜日

組紐コース作品展

小間物の店先では、3月30日(土)まで、平成30年の組紐コース(高台・丸台)に参加されたお客様の作品を展示しております。
組紐は糸の組み合わせや、組み方の違いでさまざまな模様、形になるのが魅力です。素敵な作品をたくさん展示しておりますので、房総のむらにお越しの際は、小間物の店にぜひお立ち寄りください。(が)

2019年3月13日水曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、資料館連絡通路、堀割広場、鍛冶屋裏、武家屋敷、上総の農家、竹林の坂、上総の田んぼを観察しました。


●春を待つ根生葉に力がみなぎってきました。キツネノカミソリの葉の群生があちこちで見られます。

●冬芽が膨らんできて、赤や緑など色づいてきました。

●小さな野の花が咲き始めました。ホトケノザとヒメオドリコソウの花の形がそっくりです。ホトケノザの方が花の付け根が細長く伸びています。

●マンサクの花が咲きました。ここでは、木のてっぺんにしか咲かないので、間近に見られないのが残念です。トサミズキが咲き始めこれから本番です。

●ツチグリが10個以上まとまってありました。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。3月8日(金)の観察に基づいています。 (風)



※自然観察会のお知らせ
自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 3月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 3月17日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「春の妖精(スプリング・エフェメラル)の少しだけのご案内」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

2019年3月10日日曜日

啓蟄(二十四節気)桃始笑(七十二候)3月11日~15日 桃"笑わず ”もちびやり” ”篠笛講習会”で船頭小唄(^^♪~ ”浮世絵講習会上級”最終回 ”薬研”の使い方 ”シュンラン”咲く ”イラガの繭”


 七十二候は「桃始笑(ももはじめてさく)」になります。「笑」で「さく」と読むのは、初めは「咲」も「笑」の意味であったものが、花が開くことをほほ笑みに例えて「咲」が使われたことにあるようです。ちなみに、中国の七十二候では「桃始華」とあらわされています。「房総のむら」の”ハナモモ”も蕾がかなり大きくはなりましたが、”笑う”ところまではいきませんでした。
 「安房の農家」の「モチビヤリ」の再現展示です。「雨水 土脉潤起(2月19日~)」で県内の「オビシャ」の事例を紹介しましたが、安房地方では「モチビヤリ」を行います。”ヒヤリ”とは”日遣り”であり、本格的な農作業が始まる前に地区の人たちが集まって飲食して時を過ごします。日本人は、飲食をともにすることによって、互いに離れがたい”縁”で結ばれるものだと信じることが多いといわれています。再現展示は、南房総市旧三芳村山名地区での「モチビヤリ」の事例で、農作業の取り決めなどを行った後に共同飲食します。個人の膳には”海苔巻き”や”煮しめ”などが並べられ(写真:下左)、中央には”黄粉をまぶした大福餅”が大皿にのせられ番号が付けられています(写真:上、下右)。同じ番号の”こよりのくじ”を引いた人が持って帰る慣習があります。
 「商家の町並み」「細工の店」の体験、「篠笛講習会」のようすです。「細工の店」では「篠笛作り」の体験が行われます(「商家・細工の店『篠笛作り』参照)が、その体験で作った”篠笛”を使って実際に音を出す吹き方の練習もします。講師は、「篠笛作り」の指導もしていただいている佐原囃子の「赤坂 明」さんです。”篠笛”が吹ける経験者の方々は、太鼓の「音に合わせて”佐原囃子”の練習です(写真:左下)。初心者の方は、「赤坂」さんに”笛”の持ち方から教えていただき、最後には練習曲として「船頭小唄」を吹きました(写真:右)。しかし、2、3時間の練習ですぐに完全に”篠笛”が吹けるようになるものではなく、なによりも練習が大切なようです。地域に受け継がれてきた”獅子舞”や”踊り”などの”民俗芸能”の”お囃子”の”篠笛”も、現代の生活の中では日々の練習がなかなかできないこともあってか”篠笛”の後継者が少なくなって困っているようです。”祭り”や”民俗芸能”の継承のためにも、皆さんも”篠笛”の吹き方を覚えてみてはいかがですか。
 「商家の町並み」「本・瓦版の店」では「浮世絵講習会(上級)」の体験です。”浮世絵の摺り”の体験のようすはこれまでも何度か紹介してきました(「大寒 水沢腹堅(1月25日~)など)が、その中でも最難関の「浮世絵講習会(上級)」はこの日が最終日です。体験者の方々が摺るのは、ご存知「喜多川歌麿 婦女人相十品」の一枚「ポッピン(ビードロ)を吹く女」です(写真:左)。サイズもこれまでの”小判”や”中判”ではなく、大きな”大判錦絵”(25.2cm×37.3cm)になりますので、それだけでも難しいと想像できます。しかも、この絵の場合は、”髪の毛の生え際”などがきれいに出せるかといった点も”摺り”には難しい絵のようです。実際、使用する”和紙”が大きくなったことで、”見当”をうまくあてたはずなのに”ズレ”が生じたりと大変のようでした。指導の「松崎啓三郎」さんが摺ったもの(写真:左)は、背景が”雲母(うんも)”の光沢で光る(雲母を見えやすく光に反射させました=写真:上右)”雲母(きら)摺り”ですが、今回は”雲母”は使用はしませんでしたが、それでもかなり難しそうでした。体験者の皆さん、お疲れさまでした。やはり伝統的な技術や技の習得には、時間がかかりますね。
 こちらは、「商家の町並み」「薬の店」の「七味唐辛子」作りの体験のようすです。「七味唐辛子」作りについても「大寒 鶏始乳(1月30日~)」などで紹介しましたが、この日も体験者の方が”薬研”で材料の”トウガラシ(唐辛子)”などを摺り潰していました。”薬研”は、中央部がV字形に深く窪んだ船形をした”受皿”の中で、やはり先端がV字形(最先端は丸みを帯びている)の”円盤”の中央についた握り手で動かして薬などの原料を砕いて粉にする道具です。時代劇などで”薬研”の”円盤”の動かし方を見ていると、前後させて作業をしているように見えたのではないかと思いますが、実は”円盤”をただ前後に動かすだけでは原料は粉にならないのです。”薬研”は、”V字円盤”の先端手前と”V字受皿”の底より少し上の平らな部分で原料を摺り潰すことで粉にすることができるのです。ですから、”円盤”は少し斜めにして”受皿”の壁にそって押すようにして回転させます。わかっていただけたでしょうか。ちなみに、”薬研堀”という”堀”は、堀の形状が”薬研”の”受皿”のようにV字形の”堀”のことです。
 「下総の農家」の”シュンラン(春蘭)”が咲きました。庭に移植されていて観察しやすいのですが、地面には落ち葉などがないために雨で跳ね返った土が付着して汚れているのが少し残念です。
 「武家屋敷」隣の梅のなかでも開花が遅れていた、一本の木に赤白の花が咲くいわゆる”源平咲き”の梅も咲き始めました(写真:上)。近くの木の萼が赤い梅の花を下から覗くと、全体にピンクがかって見えます(写真:中)。開放している「上総の農家」の「梅林」の梅はかなり花が咲いています(写真:下)。
 「風土記の丘」の園路に”キジムシロ(雉蓆)”が咲いていました。後方にはまだ花びらを開き切っていない”スミレ(菫)”もありました(写真:上)。「上総の農家」の田んぼのまわりの黄色い花は”ミツバツチグリ(三葉土栗)”です(写真:下左)。近くに”コハコベ(小繁縷)”も咲いていました(写真:下右)。
 ”ユスラウメ(梅桃、山桜桃梅)”はまだ咲きませんが、枝の二股のところに”イラガ(刺蛾)”の”繭”がありました(写真:右)。下から見ると茶色の縞模様がついています(写真:左)。”繭”と聞くとやわらかい形状のものを想像するかもしれませんが、茶色の線が入った”イラガの繭”は白く硬い卵状の殻で日本の昆虫がつくる”繭”の中では最も固いそうです。