2018年4月29日日曜日

”安産祈願”に「下総の農家」で「犬供養」


4月28日(土)に下総の農家において「犬供養」を行いました。
「犬供養」とは、女性が安産を願い犬の供養をする行事です。
安産祈願で犬の供養を行うのには、犬は「お産が軽い」と考えられており、
それにあやかりたいという思いが込められています。

利根川下流域の犬供養では、「犬卒塔婆」または
「ザガマタ」と呼ばれるY字型の木に供養の文言を書き、
道の分かれている所に立てる風習が見られます。
ザガマタ

房総のむらでは印旛郡栄町龍角寺の事例を再現しており、
ネムの木を削って供養の文言を書いた「ザガマタ」を
村はずれの道の分かれている所に立て、
握り飯を入れた「ツトッコ」と呼ばれる藁束を掛けます。

実演ではありますが、来館者の方にも参加していただき一緒にお供えをしました。
年に1回の行事ですが、偶然にも近々出産を控えている方や、
お孫さんが生まれる予定の方などにご参加いただき、不思議なご縁が感じられます。

無事に元気なお子様が生まれますようお祈りしています。(は)


穀雨(二十四節気)牡丹華(七十二候)4月30日~5月4日 新緑の「むら」八十八夜で「茶摘み」🎏「春のまつり」

 七十二候は、「牡丹華(ぼたんはなさく)」です。「武家屋敷」の”ボタン”の大きな花が”暦どおり”に咲きましたが、あっという間に終わってしまいました。隣の”シャクヤク”も花が咲きそうです。「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)、歩く姿は百合(ユリ)の花」といわれますが、”シャクヤクは華麗さ”、”ボタンは清楚なさま”、”ユリは美しさ”を表現しているのだそうです。
 「上総の農家」の”お茶の葉”です。まだ濃い緑ではない淡緑色の”新芽”が随分伸びてきて、”茶摘み”を待つばかりです。5月2日は「立春」(2月4日)から数えて88日目で、いわゆる”八十八夜”です。”♪夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る、あれに見えるは茶摘みじゃないか、、、♪”ということで、「上総の農家」では4月30日と5月2日に”茶摘み”の体験ができます。”八十八夜”を過ぎると、数日で二十四節気は「立夏」(5月5日)となります。暦の上では、もう夏が来るのです。もう”セミ”も鳴き始めています。
 同じ「上総の農家」の”そば”です。”そば”は、夏と秋に収穫されますが、”夏そば”の花が咲き出しました。
 「上総の農家」の続きです。庭にある”ホオノキ”の花です。高いところに花が付くので見落としがちで、しかも、きれいに咲いている期間も短く、なかなか撮れませんでした。”葉”もかなり大きくなってきています。これなら料理などにも使えそうですね。
 館内のあちこちにある”サワフタギ”も花が咲き始めました。小さな白い花ですがたくさんの”雄しべ”が広がり、横に拡がった木全体が白く見えます。
 ”フタリシズカ”です。こちらも館内の林の中にたくさん見られます。しかし、”フタリシズカ”とはいっても、花は2本とは限らず、1本のものもあり、3本、4本とまちまちです。「房総のむら」では見られませんが、”ヒトリシズカ”が名前の通り花が1本なのに対し、”フタリシズカ”は多様です。
 ”ギンラン”に続いて、似たような白い花”ササバギンラン”も咲き出しています(写真:上左)。”カントウマムシグサ”の”頭”の部分です(写真:上右)。”肋骨”のように葉が開いた”ナルコユリ”も咲き始めました(写真:中左)。「風土記の丘 旧御子神家住宅」の”ベニバナニシキウツギ”です(写真:中右)。同じ「旧御子神家住宅」の”キリ”の花です(写真:下左)。館内には、北総の景観を代表する松もたくさんありますが、今が花の時期です。”アカマツ”の花です(写真:下右)。
 「商家の町並み」の「堀割」近くでは”ヤナギ”の葉も長くなり、”コテマリ”も咲いています(写真:上左)。その奥の「藤棚」では、少しピンク色を帯びた”フジ”の花も伸びてきました(写真:上右)。さらに進んで、「風土記の丘資料館」に向かう途中の雑木林も淡い緑色の葉で被われ、”木漏れ日”に光り輝いています(写真:中左)。「風土記の丘資料館」に行く手前の連絡通路の”ツツジ”も咲いています(写真:中右)。その「風土記の丘エリア」の「旧御子神家住宅」と”ヤマツツジ”です(写真:下左)。最後は、「下総の農家」の”アヤメ”です(写真:下右)。
 5月3日~5日は、毎年多くの来館者のある「房総のむら 春のまつり」です。お馴染みの”時代衣裳の変身体験”や”千代紙ろうそく””野点”などのほかに、”春のまつり”だけの体験としては、「瀬戸物の店」の”手形・足形作り”があります(写真:上左)。”石こう”などで型どりする”手形・足形”はあるかもしれませんが、「瀬戸物の店」では”焼き物”にします。お子様の”成長の記録”として、一生の思い出になると思います。是非体験してみてはいかがですか。
 「房総のむら」では、外国からのお客様に”日本の昔ながらの遊び”も楽しんでいただけます。こちらの方々は、成田空港からの定期観光バスでおいでになりました。「上総の農家」で、”竹馬”で遊んだ後に、”輪投げ”に挑戦です。なかなか成功せず、何度も”縄の輪”を拾っては投げていましたが、最後は見事成功して大喜びでした。

2018年4月28日土曜日

型染コース(全6回)


 呉服の店の予約体験「型染コース(全6回)」が始まりました。この体験は1年間を通じて行うコースで、第1回目は型紙のデザインを考えます。午前中は講師の安井永子先生と体験者の方々は、館内スケッチに赴きます。(写真左)午後は先生の指導のもと、染めた時にバランスが良くなるよう、スケッチを元に型紙に美濃紙を貼りデザインしていきます。
先日藍建が終わった「らんこ(左)」と冬に建てた「あいこ(右)」のどちらが使われるのでしょうか。
 外の畑では、夏の体験用の藍を植えています。夏休み親子体験の演目に「藍の生葉染め」のために育てています。親子体験の申し込みは71日からですので、興味のある方はお電話にてお申し込みください。
(が)



ハルゼミ


一見、ただの松林の写真に見えます

そうです、ただの松林です

しかし、絶対、写真の中にいるはずなんです

見えないのです

大型連休に入り

お祭り広場から下総の農家へ向かう坂の途中

「ぎーぎーぎ」とハルゼミの声

(や)

2018年4月27日金曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、上総の農家からむらの架け橋を渡り、安房の農家、下総の農家まで足を伸ばし、帰りに武家屋敷を経由して戻りました。


●田んぼの農道には極小の花が何種類も咲いています。それぞれの花の径を測ってみました。
 トキワハゼ(10mm)、オランダミミナグサ(6mm)、ノミノフスマ(5mm)、ノミノツヅリ(5mm)、コハコベ(6mm)、タチイヌノフグリ(4mm)、キュウリグサ(2mm)、ノヂシャ(2mm)、オオイヌノフグリ(10mm)

●チゴユリの花は終末を迎えましたが、キンランは全盛でむらの各所で咲いています。ギンランやササバギンランも咲き始めました。フデリンドウも相変わらず盛んです。

●今年のゲンゲ(レンゲソウ)は育ちが悪く、田んぼ一面に咲くことはありませんでした。田のふちに少しだけ咲きました。

●サワフタギのツボミが膨らみました。その葉を食べるシロシタホタルガ(蛾の仲間)の幼虫を1匹見かけました。1本の木の葉を食べつくすほど発生することがあります。

●武家屋敷の土手に、葉緑素を持たず他の植物に寄生するヤセウツボが現れました。


-------------------------------
◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。4月20日(金)の観察に基づいています。(風)

2018年4月26日木曜日

「春のまつり」まであと1週間です

 ホームページでもすでにお知らせ済みですが「春のまつり」を5月3日(木祝)~5日(土祝)に開催いたします。
民俗芸能や大道芸、昔のあそび体験など、お子様から大人まで楽しんでいただけるイベントが盛りだくさんです。
大人気の時代衣裳変身体験も行います。
チラシ持参の方(チラシのプリントアウトや画面の提示でも可)は入場料2割引き(1枚につき2名まで)です。
ご家族揃ってご来場ください。

なお、当日は駐車場が大変混雑いたします。

公共交通機関をぜひご利用ください。
11月25日までの土・日・祝日は、JR成田駅西口から、9:45と10:10に房総のむら駐車場への路線バスも運行いたします。





 

2018年4月24日火曜日

穀雨(二十四節気)霜止出苗(七十二候)4月25日~29日 ”稲の種蒔き”で「水口祭り」「ボッチ笠」「藍染」「サクラソウ」

 「穀雨」で、田にも十分な水が入りました(写真:左)。動物などに荒らされた”クロ”もきれいに直され(写真:右)、田植えの準備が整ってきました。
 七十二候は、「霜止出苗(しもやんでなえいづる)」です。霜も終わり稲の苗が生長する頃です。でも、「房総のむら」「上総の農家」では、21日に体験者とともに、”苗床”を作り(写真:上左)”稲の種”を蒔いたところです(写真:上右)。稲の苗の生長はこれからです。例年は、水田の”苗代(なわしろ)”に蒔くのですが、今年は”箱”に蒔きました。今回は、正月飾りなどに使う背が高くなる”ヤマトニシキ”と、天皇陛下のお手植えにも使われる”マンゲツモチ”を蒔きました。事前に1週間ほどを”種籾”を消毒液につけておきましたが、”マンゲツモチ”は小さな”芽”が出て(写真:下右)、”ヤマトニシキ”も”芽”とともに”芒(のぎ)”も出ています(写真:下左)。種を蒔いた後には、田に水を入れる場所で”水口祭り”を行いました。一番上の水田近くの”イボタノキ”に、保管しておいた”正月飾り”を立て”季節の花”や”焼き米”を供え、豊作を祈りました(写真:下)。
 農家の畑でも作物の芽が出始めています。”ホウレンソウ”(写真:上左)、”ダイコン”(写真:上右)、”長ネギ”(写真:下左)、”子安三寸人参”(写真:下右)です。
 「上総の農家」の”江戸野菜””のらぼう菜”が大人気です。数年前からの”江戸野菜プロジェクト”の一環で栽培を始めた”のらぼう菜”ですが、”甘みがありくせがない”ためか非常に人気で、朝収穫するとすぐに購入希望者が集まってきて完売してしまいます。もう花も咲き始めています(写真:右)が、花が咲く前にも太めの茎と葉(写真:左)を食べます。生で食べても、”エグミ”もなく”甘さ”を感じます。今月中くらいは収穫できそうです。”江戸野菜”の”食の体験”もしてみてください。
 「下総の農家」の「ぼっち笠」作りです。前にも紹介しましたが、今回は少し細かく紹介します。①”イグサ”を親指と人差し指でつかめる量をとり、根もとを揃えます(写真:上左)。根もとから36cmのところで針金を二巻し、1.5cmのところで切る(写真:上右)。③”ぼっち”の真ん中に編み台の竹棒を刺して、”ぼっち”の部分から編み始めます。3段目ができたら竹棒を抜き上から押しつぶし、3段目のところを”イグサ繩”で縛ります(写真:下右)。これで”ぼっち”ができました。
 次は、笠の部分になります。傘を広げるためには”イグサ”を足していきますが、先が笠の裏側になるように新しい”イグサ”を入れていきます。④4段目からは、笠が広がるように”イグサ”の取り方を少なくしてしていきます(写真:上右)。⑤ボッチの縛ったところから20cmのところまで編み、そこに補強のための”竹ひご”を”イグサ”でとめていきます(写真:中)。⑥最後に、編み残った”イグサ”を三つ編みの要領で編み、内側に出た”イグサ”を切り揃えます(写真:下)。
 ⑦笠ができたら、緒をつければ完成です。笠をきれいに広げるのはなかなか熟練の作業です。”ぼっち笠”を使っている「房総のむら」の女性の方は、「布製の農作業用帽子だと顔にまとわりつくが、”ぼっち笠”だと軽くて風通しもいい」といいますが、最近は”ぼっち笠”を被って農作業する姿もあまり見られなくなりました。でも、この”ぼっち笠”作りの技術は継承していきたいものです。
 「下総の農家」の「足踏み式製繩機」での”繩綯い”の様子です。農家の作業には欠かせない”藁繩”ですが、”縄綯い”はある程度の熟練技術と経験が必要で、大量の縄を作ることは大変な作業にもなります。そこで、明治時代末期に開発されたのが”製繩機”です。”藁縄”は、手作業の場合、”藁”を”よじり”、”ねじり”、さらに”引っ張る”作業を連続することで作られますが、その作業をこの機械が行ってくれます。右側の2つの”ラッパ管”から数本の藁を入れ、2本の”ペダル”を交互に踏むと”クランク軸”、”クランクシャフト”に組み込まれた”歯車”が回転し、”ラッパ管でよじり”が行われ、そののちに”回転でねじり”が加えられながら1本の”よじり繩がねじられます”。出来上がった”縄”は、”引っ張り”ながらドラムに巻き上げられる構造になっています。”製繩機”は足踏み式の後に動力式のものも開発されていますが、”繩綯い”の手作業を忠実に再現するこの機械は優れものです。
 「商家の町並み」「呉服の店」の「藍染」です。これまでも、「呉服の店」で”藍を建てている”ことは紹介してきました(「大寒 款冬華」を参照)が、今回はその”藍”を使った”藍染”の紹介です。店先には、”藍”で染めた布などが展示されています(写真:上左)。今年の1月に建てた”藍甕”に生地やシャツなどを浸して染めます(写真:上右、中左)。その後、水洗いをします。今回はこの作業を2回繰り返しました。”藍染”したシャツなどが干されています(写真:下左)。”藍”も芽をだしています。夏には”藍の生葉染”などに利用します(写真:下右)。
 「上総の農家」では、”孟宗竹”の”節”のところを利用した「竹のぽっくり」作りです。自分で竹を切りますが、”鋸”をまっすぐに引くことが大変そうでした。早速出来上がった「ぽっくり」を履いて、”ポカポカ”歩いていましたあ(写真:上、中)。中には、「ぽっくり」が気に入って、商家の町並みまで歩いてきた子どもさんもいました(写真:下)。初めは”こわごわ”のようですが、慣れてくると楽しそうに歩いていました。
 「商家の町並み」「めし屋」の「せりご飯」の体験です。”かまど”で炊いたご飯に、季節の”セリ”を使ったご飯を作りました。「おいしそうですね」と声をかけると、「ここで作るものはみんなおいしいよ」との回答でした。
 「商家の町並み」では「サクラソウ」の展示も始まりました。今年は、全ての草花の開花が早いようですが、「サクラソウ」もすでに満開状態です。「辻広場」には16種の「サクラソウ」が展示されています(写真:上)。それぞれの店先にも数鉢づつ展示してあります(写真:中)。写真下は左から「大朝日」「重遊の宴」「瑠璃殿」「有明」です。是非、実物をご覧ください。
 「房総のむら」の雑木林の中は、どこを見ても”キンラン”が咲いています。その中でも、今年一番でしょうか、5株が固まって咲いていました(写真:左、右上)。少し離れたところでは20株ほどが密集して咲いていました(写真:右下)。今が盛りの”キンラン”です。
 「上総の農家」の”シラン”が咲きました。見ていると”ハチ”がやってきて、中央の小さな筒の中に入ってしまいました。”ハチ”の大きさから”まさか”と思いましたが、”すっぽり”と頭から入り、少し経つと出てきて飛び去りました。

鯉のぼりの展示をはじめました

4月もあっという間に下旬に突入してしまいましたね。
激しい気温の変化に対応するのにも一苦労ですが、皆さんはいかがお過ごしですか?

さて、今年も鯉のぼの展示をはじめました。

鯉のぼりの展示風景

むらのかけ橋を渡った向こう側、農村歌舞伎舞台前のおまつり広場で30旒の鯉のぼりが泳いでいます。(「旒」というのは旗やのぼりなどに用いる単位です)
2月から3月にかけて展示した「ビックりひなまつり」に続いて、今回の鯉のぼりも大規模な展示になっています。
来館者の皆さんに鯉のぼりを寄付していただき、このような大規模な展示が可能になっています。
いつもありがとうございます。
なお、展示は5月6日の日曜日までの予定です。

また、5月の3日~5日の3日間は「春のまつり」を開催予定です。
民俗芸能や大道芸、「春のまつり」だけの特別演目など盛りだくさんです。
詳細は当館ホームページでご確認ください。
「春のまつり」のご案内はこちら

ゴールデンウィークは男の子も女の子も大人の方も房総のむらへ遊びに来てくださいね!
皆さんのご来館お待ちしています!

それでは!
     (月)  

2018年4月22日日曜日

小刀作り入門


房総のむらで、18歳以上限定の体験に刃物作りがあります

今日は、小刀作り入門

”入門”といえども、かなり立派な小刀が作れます

真っ赤になった鉄を、カンコンたたいて

かたちを作っていきます

この演目、女性にも大人気

今日も、炉の熱さに負けず、ひたすら鉄を打つ女性の姿が(石)


無事できあがりました!

完成!!





2018年4月19日木曜日

穀雨(二十四節気)葭始生(七十二候)4月20日~24日 閲覧者30万人突破!「雛祭り」「柏餅」 結婚記念ロケ撮影

 二十四節気は「穀雨」です。この日の雨は、少し強い”春雨”でした。”穀物”にとっては、”恵みの雨”となったようで、「上総の農家」(写真:上左)や「下総の農家」(写真:上右)の畑の”大麦(写真:下左)”、”小麦(写真:下右)”もますます青みを増してきています。さて、「房総のむら」のこの「歳時記ブログ」は平成22年7月に開設しましたが、4月14日に閲覧数が30万回を突破しました。閲覧者の方々に御礼申し上げます。これからも、「房総のむら」の年中行事や歳時記、草花の開花状況などとともにイベントなどの最新情報もお知らせしていきたいと思いますので、「房総のむら」に来館前には是非ご覧ください。
 七十二候は、「葭始生(あしはじめてしょうず)」です。「上総の農家」や「下総の農家」近くの池のほとりの”葭”もかなり伸びてきました。
 ”カラスビシャク”です(写真:左)。別名は”半夏(はんげ)”です。”ウラシマソウ”を小さくしたような形をしています。二十四節気「夏至」の末候の七十二候が「半夏生(はんげしょうず)」(カラスビシャクが生える)で、今年は7月2日からです。その”カラスビシャク”がもう”生えて”います。右の写真は、”マムシグサ”です(写真:右)。”ウラシマソウ”に似ていますが、あの”釣り糸”はありません(「春分」「雀始巣」参照)。花の色は薄緑色と紫色があります。”茎”のような部分の文様が”まむし”の”まだら模様”に似ていることから”マムシグサ”と呼ばれているそうです。少し不気味な感じがしますね。
 今年はじめての”ヤマユリ情報”になります。2年前のこの時期の調査では、有料エリア(ふるさと技体験エリア)だけでもおよそ2,600本の”ヤマユリ”が確認されており、単純に面積で計算すると「房総のむら」全体では4,300本ほどの”ヤマユリ”があることになります。その”ヤマユリ”もずいぶん大きくなってきました。中には、先端に落ち葉が付いているものもあります(写真:右)。これは、”ヤマユリ”の芽の先端が尖っているため(写真:左)、地上に頭が出た時に落ち葉を突き通してそのまま大きくなったためです。28年は7月1日、昨年は7月4日に開花を確認した”ヤマユリ”ですが、今年はいつになるでしょうか。
 「武家屋敷」隣の梅園の”梅”です。”梅の実”もずいぶん大きくなってきました。「上総の農家」の「梅もぎ」の体験は、6月2日・3日です。
 4月18日は旧暦の3月3日にあたり、「房総のむら」の農家では「雛祭り」の展示を行いました。もともとは「雛祭り」は年に1回とは限らず、子どもが病にかかるたびに人形を山や川に送り、災厄を除くための行事でしたが、室町時代には3月上巳の行事として行われ、江戸時代になると3月3日に行われるようになったようです。「雛祭り」は、別名「桃の節句」とも呼ばれ、例年ならばこの時期に”桃の花”が咲いているのですが、これまでも紹介してきたように既に”桃の花”の時期は過ぎてしましました。「上総の農家」では、住宅のモデルの大網白里市の「秋葉家」の「雛祭り」を再現しています。座敷に”掛軸雛”を飾り、”甘酒”と”黄粉がのせられた大きな草餅”が供えられています。「安房の農家」では、南房総市旧三芳村の事例の再現です。主屋の”床の間”に”掛軸雛”を掛け、”お膳”には”赤飯・尾頭付・刺身・太巻き寿司”などとともに”甘酒”が並べられ、”草餅”も添えられています。豪華なお膳です。
 「雛祭り」がおわると、次は「端午の節句」です。そして「端午の節句」といえば”柏餅”ですね。ということで、「商家の町並み」「菓子の店」では「柏餅」作りの体験です。指導は、匝瑳市「鶴泉堂」の「大川功修」さんです。①耳たぶほどの柔らかさに捏ねた”新粉”を一握りずつにして蒸したものを臼に入れる(写真:上左)。②”餅”を搗く時と同じく、初めにある程度”杵”でまとめる(写真:上右)。③”杵”で搗く(写真:中左)。”新粉”の”ザラザラ”がなくなってきたら搗きあがりだそうです。④搗きあがったら、まだ熱い状態の”餅”を手で捏ねます(写真:中右)。この作業が一番の重労働だそうです。⑤水に入れしばらく冷やしたのちに、”片栗粉”を入れ再び手で捏ねる(写真:下左)。水も加えながら柔らかな”モチモチ”状態にする。⑥体験者の方々が、出来上がった柔らかな”餅”の表面の”ツルツル”感を触って確かめました(写真:下右)。
 このあとは、大きな”餅”の塊から手でちぎって小さな”団子”を作り、それを手の平で伸ばして”餡”をくるみます。①初めに「大川」さんの”お手本”と説明です(写真:上)。②各人がそれぞれ、団子を手の平で伸ばして皮を作り、餡をくるみます。(写真:中)。③太った”ギョウザ”のような形に出来上がりました。「大川」さんが、確認して手直ししています(写真:下左)。④出来上がったら”蒸篭(せいろ)”に並べて蒸します(写真:下右)。この後で、柏の葉でくるんで完成です。
 今回は、2種類の”柏餅”を作りました。緑色の”柏の葉”に包まれているのが”白みそ餡”、茶褐色の”柏の葉”に包まれているのが”こし餡”の”柏餅”です。葉をめくるとうっすら”餡”の色が判ります。”こし餡”ははもちろんですが、”白みそ餡”が絶品です。みそ汁用の味噌ではなく、お菓子用の味噌を使っているとのことで、しょっぱさはなく甘すぎずおいしいです。そして、とにかく”新粉の皮”が歯ざわりもよく”モチモチ”です。今回もおいしくいただきました。「お茶の店」の2階「喫茶」でも販売したのですが、すぐに完売してしましました。「端午の節句」も旧暦で6月頃に行えば”柏の葉”も今年の”葉”が使えるのですが、この時期ではそうはいかないので昨年の”葉”を使っているそうです。
 「上総の農家」では「たけのこ掘り」の体験です。大きな”たけのこ”もありますが、あまり大きくない柔らかいものを選んで掘っていただきました。竹の根があってなかなか掘りにくそうでしたが、2kgと4kgほどの”たけのこ”をゲットです。お母さんは”たけのこご飯”かな、といってました。”旬”の”たけのこ”を味わってください。
 結婚式を前に、「房総のむら」でロケーション撮影をされたカップルの方がおりました。神社などでのロケーション撮影は聞いたことがありますが、「房総のむら」もいいですね。町並み以外に、”桜”や”菜の花”を背景にしても撮影されていました。お幸せに!