2018年6月30日土曜日

夏の和菓子



6月22日(金)23日(土)に年に1度の水羊羹作りの予約体験をおこないました。水羊羹といえば、つるんとした口当たりが特徴の寒天を使った和菓子です。





右が小豆羊羹で左が抹茶羊羹です。見た目も味も夏らしく涼しげです。
写真には写っていませんが、他にも「コーヒー羊羹」を作りました。珍しい羊羹ということで参加された方々は驚いていらっしゃいましたが、食べてみるととても美味しいと評判でした。


また、明日の7月1日(日)からは、羊羹と同じ寒天を使ったお菓子の体験をおこないます!



こちらが、カップを金魚鉢に見立て、2匹の金魚が泳いでいるかのように見える「金魚鉢のおかし」です。

材料は、寒天や牛乳などを使用していますので、お子様でも食べやすい味です。

寒天は固いというイメージを持っている方も多いと思いますが、このお菓子の寒天はつるんとして柔らかいです。

身近な材料を使っていますので、ご自宅でも気軽に作ることができます。ぜひ一度体験をしてみませんか?


期間:7月中 (実施していない日もありますので、詳しくは房総のむらHPの演目ごよみをご覧ください)
体験費:200円
対象:5歳以上(小学4年生以下は引率者の補助が必要です)

お待ちしております!!(細)













6月30日の きのこ


いつもは、アップするきのこの10倍くらいの本数を撮影するのですが

今日は、ほぼ全部を使いました

あっという間の梅雨明けと、連日の晴天

さらに、追い打ちをかけるような強い南風が続き

新たに出てくるきのこもきわめて少なく

また、出てきても、干しシイタケのように乾ききっています(や)

2018年6月28日木曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の池、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家からおまつり広場、水車小屋まで足を伸ばし、帰りに武家屋敷裏を通って戻りました。
 今回は、観察の途中に樹木の名札を10種ほど取り付けました。


●樹木の果実が沢山実っています。今回観察できたのは、イボタノキ、ガマズミ、ナワシロイチゴ、ウワミズザクラ、ヒメコウゾ、サワフタギ、ヤマモモ、コナラ、ヒノキ、エゴノキです。

●サワヒヨドリとヒヨドリバナは、まだツボミですが、もうすぐ開花しそうです。

●オオバノトンボソウの花がトンボの形になってきました。見方によると水泳のバタフライにも似ています。

●茶屋の右側のネムノキの花が咲きました。

●アカメガシワは雌雄異株です。雄花の木はすでに花が咲き、遅れて雌花が今、盛んに咲いています。

●ルリニワゼキショウがおまつり広場の北側で、まだ咲いていました。

●チダケサシは茶店下と上総の池手前の小池の2か所で咲いています。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。6月22日(金)の観察に基づいています。 (風)

2018年6月26日火曜日

6月26日の きのこ

ニイニイゼミが鳴きはじめました

先週に続き、コテングタケモドキが絶好調ですが

タマゴタケが勢いついてきました

鮮明な色なので目立ちますが

傘が小さかったり、目立たないきのこは

残念ながら、私の眼にはとまりません(や)

2018年6月25日月曜日

夏至(二十四節気)菖蒲華(七十二候)6月27日~7月1日 ”竹かご”と”バッチ笠” ”ヤマホトトギス” に"タマゴタケ"出現 ”昆虫歳時記” 4度目の”ピーター”登場

 二十四節気「夏至」の七十二候次候は、「菖蒲華(あやめはなさく)」です。この”菖蒲”は、”アヤメ””カキツバタ””ショウブ”等どの花のことなのでしょうか。しかし、いずれにしてもこの時期では、遅い”ハナショウブ(花菖蒲)”が咲いている程度でしょうか。「房総のむら」の入口「大木戸」に飾られた”ハナショウブ”です。撮影は6月12日です。
 「房総のむら」では、「風土記の丘資料館」に向かう途中の”池”のほとり(写真:左=6月9日撮影)や、「水車小屋」の下の水田近くの”湿地”(写真:右=6月6日撮影)に”ハナショウブ”が咲いていましたが、すでに終わっています。”池”のほとりの”ハナショウブ”は、後ろの”半夏生”の葉が白くなり始めた頃に撮影しました。この場所は、現在は”ハンゲショウ(半夏生)”が真っ盛りです。今年は、草花の開花が早いこともありますが、「房総のむら」では、”菖蒲”は既に終わってしましました。
 「商家の町並み」「細工の店」の「竹細工講習会」の紹介です。指導は、お馴染みの「間野政勝」さんです。今回は”房州メダケ(雌竹)”を材料にして、”かご”の基本である”四つ目かご”を製作しました。体験では、材料の”房州メダケ”を細かく割いて薄い”竹ひご”を作ることから始めます(写真:上右)。”竹を編む”よりも難しい作業ですし、きれいに仕上げるためには重要な作業ですね。写真下は、「間野」さんの”四ツ目カゴ”のお手本です。今回の体験では、右端の”取っ手の付いたカゴ”を作りました。
 同じ”竹”の利用ですが、こちらは”竹の皮”を使った体験です。”竹の皮”を使った”実演・体験”では「上総の農家」の「竹の皮ぞうり」作りを紹介したこともあります(「寒露」「蟋蟀在戸」(昨年10月))が、「安房の農家」では”竹の皮の笠”に雨があたると”バチバチ”音がすることから「バッチ笠」(写真:上、中)と呼ばれるの”笠”の”製作実演”です。”竹の皮の笠”は、”日よけ”や”雨よけ”に使われますが、形や作り方は地方によっていろいろあるようです。”安房地方”では、”ハチク(淡竹)”の”皮”(写真:下左)で”笠”を作ります。”ハチク”は、”モウソウチク(孟宗竹)”より”筍(たけのこ)”がおいしいといわれる”竹”で、少し前が”たけのこ”の時期でしたが、そのまま大きくなると上の方から”皮”が剥がれて落ちてきます。”竹の皮”は普通(”モウソウチク”や”マダケ”など)、黒褐色の”まだら模様”がありますが、”ハチク”の皮は淡紅色で模様はないのが特徴です。”竹の皮”は、乾燥して”丸まった”まま(写真:下左)では固くてそのままでは加工できませんので、水に浸し柔らかくし、”丸まった皮”を伸ばし板に挟んで”重し”を乗せて一晩”プレス”します(写真:下右)。
 ”笠”は、細く割った竹で”骨組み”を作ります(写真:上左)。そこに、”伸ばした竹の皮”を張っていきます(写真:上左)。一気に”竹の皮”を全部張ると乾燥してしまうので、半分ずつ張っていきます。次に”笠”の端の内側に”竹ひご”をいれ、”竹の皮”を縫い付けていきます(写真:中左)。その後、”笠”の上にも”竹ひご”をのせ、”竹の皮”の上下から挟むようにして縫い付けていきます(写真:中右)。縫い付ける間隔が一定だときれいに見えるそうです。(写真:下左=笠の上から、下右=笠の内側)。”竹の皮”が乾燥すると針で縫う時に”皮”が裂けてしまうので、乾燥しないように湿らせながら作業を続けます。出来上がった”笠”が、前段写真上・中の”笠”です。”頭”に安定させるために、内側に”座布団”と”紐”をつけて完成です。”ぼっち笠”よりも軽く、被りよさそうです。
 埼玉県からおいでの皆さんが、全員そろって「時代衣裳」の”変身体験”です。5人が「風土記の丘」の「古代衣装」(写真後列)で、他の方々も「時代衣裳」(写真前列)に変身です。とても楽しそうでした。「風土記の丘」は「古代衣装」で、「商家の町並み」は”侍・忍者・町娘”の衣装で記念撮影でしょうか。
 「商家の町並み」「菓子の店」の”季節のお菓子”作りは、「水羊羹」です。今回も「大川功修」さんのご指導でおいしい”水羊羹”ができました。これからの季節にぴったりですね。「菓子の店」の7月の体験は、「金魚鉢のおかし」作りです。”水羊羹作りの技術”を生かした、おいしい「金魚鉢のお菓子」作りに挑戦してみませんか。
 ヤマホトトギス(山杜鵑)”が咲きました。小さな花ですが、”紅紫色の斑点”がとてもきれいです。大きく反り返った花弁が特徴的です(写真:下左)。横から見ても、真上から見ても3枚づつの外と内の”花弁”、”花柱”が上部で3本に裂け、”花糸”は6本(3本は放射状に広がった”花頭”の下)が規則正しく配列されていることがわかります。細く3裂した頂部の”花頭”には小さな水滴のような”腺毛状突起”も密集しています(写真:下右)。鮮やかな色に加え、配列の規則正しさもあり、神秘的な感じもする美しさです。
 「房総のむら」では、館内のいたるところで”オカトラノオ(丘虎ノ尾)”の花を見ることができますが、その中でも一番広く群生している”オカトラノオ”です。その範囲は、40m×20mほどでしょうか。ご覧のように一面”真白”です。皆が一斉に同じ方向に”お辞儀”をしているようでもあり、何とも不思議な”姿”ですね。花をよく観察すると、花弁の先端が”星形に尖った花弁”(写真:下左)と”丸い花弁”(写真:下右)があります。「房総のむら」の”オカトラノオ”の花は、そろそろおしまいになります。
 ”オカトラノオ”の花には、”蝶”や”虫”たちもたくさん訪れます。”ヒョウモンチョウ”の仲間が一番多く集まってくるようです(写真:右=”ミドリヒョウモン”)。今回出会ったのは、”ブルー”の色も鮮やかな”カラスアゲハ(烏揚羽)”です(写真:左)。”花”に止まっても、大きな”翅”を忙しく動かす、落ち着かない”カラスアゲハ”でした。
 ”蝶”を紹介したので、続いて”トンボ(蜻蛉)”です。最近は、大きな”トンボ”も見かけたりで、種類も随分増えてきたようです。よく見かける翅の先端が黒い”ノシメトンボ(熨斗目蜻蛉)”です(写真:上左)。全体に”シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)”よりも青味が強い灰褐色で、尻尾(腹部)の先端の黒い部分が少ない”オオシオカラトンボ(大塩辛蜻蛉)”です(写真:上右)。羽の根元が茶色がかったのは”ショウジョウトンボ”の”メス”だそうです(写真:中左)。”オス”はよく知っている”猩猩(しょうじょう)色”で真っ赤ですが、”メス”は茶色っぽいのだそうです。全体に薄いオレンジ色をしているのは”アキアカネ”だそうです(写真:中右)。初夏に生まれて、これから出かけて秋に帰ってくる頃には体が赤くなっているのですね。全身が黒で腹の一部が白い”モノトーン”の”トンボ”は”コシアキトンボ(腰空蜻蛉)”です(写真:下左)。生まれたばかりなのか、弱々しい飛び方で透明な”翅”がきらきら光っているのは”アカネ属”の”雄”だそうです(写真:下右)。今回も虫たちについては、「昆虫談話会」さんにお世話になりました。
 ”トンボ”つながりで、”オオバノトンボソウ(大葉ノ蜻蛉草)”です。上方では葉が小さくなっていますが、根元の葉が大きいことと、花が”トンボ”の姿に似ていることからの命名だそうです。館内あちこちで見られ、数日前までは花は咲いてなく、茎から”頭に尻尾が付いた(卵型の”蕾”に”距(きょ)”が付いた)”ものが出ている状態でしたが、小さな花が開きました。花が開いて、”雄しべ”の先端の”葯(やく)”が”目”のようにも見えます(写真:右下)。左右後ろに大きく反り返った”萼(がく)”と花の後ろに”角状”に突き出した”距”を、”トンボ”の”翅”と”尻尾(腹部)”に見立てたのでしょう。私は、水泳の”バタフライ”の選手のようにも見えるのですが、皆さんはいかがですか。”トンボ”に見えますか。
 ”ネムノキ(合歓木)”の花です。花が咲き始めたことは、前々回 、前回でお知らせしましたが、咲くとすぐに散ってしまうのでまだまだ蕾は多いのですが、”何とも言えないやさしい花”の感じがよかったのでアップしました。
 ”ネムノキの花”にしがみついている虫がいました。調べてみると”ヤブキリ”のようです。4月頃”孵化”し梅雨の今頃に”成虫”となり、若い時には”花粉”や”花弁”を食べ、成長とともに樹上などの高いところに移るようです。しかし、”ネムノキ”は既に十分高いですよ。これから”脱皮”を繰り返し、徐々に”肉食”に適した体になるのだそうです。
 出ました”タマゴタケ(卵茸)”です。去年は、8月末に確認していますが、今年はまだ6月ですので、2か月早いことになります。”タマゴタケ”を見たとの情報で、急ぎ出かけました。雨の中で20日には”笠”が少し開き始め(写真:上左)、21日にはほとんど開きました(写真:上右)。一緒に見ていた人が、「あっ、毒キノコ!」といわれましたので、「赤い色が鮮やかなので、そう見えるのかもしれませんが、毒キノコではありません。”タマゴタケ”です」と説明しました。見かけたら、そっとしておいてください。写真下は、別の”タマゴタケ”です。小さい”赤い笠”が、”白い殻”からでてこようとしています(写真:下左)。明るいところで見ると、赤い色がとても鮮やかな”タマゴタケ”です(写真:下右)。
 ”クワ”の葉の上に、小さな小さな”カタツムリ(蝸牛)”がいました。”殻(から)”の大きさは、5mmほどです。生まれたばかりでしょうか。小さな”カタツム”、”ヒダリマキマイマイ”だそうです。一丁前に”ツノ”や”ヤリ”も出しています。
 ”クワガタ(鍬形)”も発見されました(写真:左)。「房総のむら」には、夏になると”カブトムシ”や”クワガタ”をたくさん見ることができます。先週でした、来館者の方が「”クワガタ”がいた」とおっしゃっていましたが、やはりもういました。しかし、この”ノコギリクワガタ(鋸鍬形)”は”鋸状のハサミ”も左右対称ではなく、”脚”も悪そうでした。写真右は、この時のために撮っておいた写真です。当ブログ「小満」「紅花栄」で紹介しましたが、”伝統的工芸品製作者”で”鍛冶屋”の指導者の「北島和男」さん製作の”虫たち”です。この”クワガタ”と”カマキリ”は、”前回のトンボのような鉄製”ではなく”木”を削って作られています(写真:右)。”形”だけではなく”茶色がかった黒色の具合”までそっくりです。ちなみに、来館者の方がこの”クワガタ”を本物だと思ってさわろうとしたので、「本物ではありません。木でできた非常に繊細な展示品です」と説明しました。それくらい質感も本物そっくりです。ご覧の通り、本物と比べても来館者の方が間違うのもうなずける出来栄えです。”鉄を打つ”「北島」さんですが、その繊細な技にも脱帽です。
 当ブログには4度目の登場の「むら」の”ピーターラビット”(ノウサギ)です。前回(「小満」「麦秋至」)に比べ、毛の色が少し明るくなったような気がします。前回からあまり時間が経っていないので、気のせいでしょうか。”ジッ”としていると少し近寄ってくるのですが、カメラを”ウサギ目線”に構えようと姿勢を低くすると、”ピョンピョン”跳ねて遠ざかります。しかし、”ジッ”としていると、また少し近づいてきます。でも、また遠ざかります。4度目の出会いで、少し慣れてきましたかね?”ピーター”に遊ばれました。また、どこかで会うことを楽しみにしています。

2018年6月24日日曜日

6月24日の きのこ


「もどき」の意味は簡単にいうと、まがい物でしょうか

「コテングタケモドキ」「タマゴテングタケモドキ」など

どのあたりが「もどき」なのか、私にはわかりません

今日は、この「もどき」が勢力を拡大していました(や)


2018年6月22日金曜日

6月22日の きのこ


6月21日は、丁寧なコメントをいただいたので

続けてのアップです

昨日に続いてタマゴタケも目にしたのですが

傘が開きはじめのテングタケが美しくもあり

妖しい光沢をはなっていました(や)

2018年6月21日木曜日

6月21日 2階建て きのこ


雨あ降るたびに、新しいきのこが出てきます。

なんと、きのこの上から違うきのこが出ていました。

上のきのこの菌糸はどうなっているのでしょうか(や)


2018年6月20日水曜日

夏至(二十四節気)乃東枯(七十二候)6月21日~26日 雨の「千葉県民の日」「お点前」体験 「梅酒」造り ”ヤマユリ”残念

 二十四節気は「夏至」です。21日は、一年で”昼の時間”が一番長い日ですね。でも”日の出”が一番早いのは”夏至”より前で、”日の入り”が一番遅いのは”夏至”の後のようです。七十二候は、「乃東枯(なつかれくさかるる)」です。”乃東(なつかれくさ)”は”夏枯草(かごそう)”のことで、一般には”ウツボグサ(靫草)”の方がなじみがありますかね。その”夏枯草”が枯れる頃だそうですが、”ウツボグサ”は今が盛りです。
 七十二候には、「鴻雁来」⇔「鴻雁北」、「玄鳥至」⇔「玄鳥去」、「蟄虫啓戸」⇔「蟄虫坏戸」のように”対”になっているものがあります。「乃東枯」も、「冬至」の初候「乃東生」と”対”になっています。”冬至”に芽が出始め、”夏至”には枯れるというのです。”夏枯草”は、昔から生薬として知られ、そしてどこでも見られれる一般的な草だったので、七十二候にも取り上げられたのでしょうか。「風土記の丘」には、いたるところに”ウツボグサ”が咲いている”古墳”があります。さしずめ”ウツボグサ古墳”といったところでしょうか。
 6月15日は「千葉県民の日」で、休みの学校もあり、”雨のち曇り”のあいにくの天気でしたが、大勢の方に来館いただきました。ありがとうございました。現在の千葉県の県域は、古代から”上総国”、”安房国”、”下総国”の三国で構成されていました。国としては”房総三国”ということになりますが、江戸時代の”藩”は幕末には17藩があり、明治時代になると一時24藩ありました。その結果、明治4年7月の”廃藩置県”では26県が置かれることとなりました。しかし、直後の11月には全国的な県の廃合で、”新治県”、”木更津県”、”印旛県”に統合され、さらに、明治6年6月15日に”印旛県”と”木更津県”が合併して”千葉県”が誕生します。それで、6月15日が「千葉県民の日」となっているわけです。雨の中、「総屋」では”南京玉すだれ”の実演と体験です。初めに、音楽にあわせ調子よく出される”南京玉すだれ”の技を見せていただいた後に、実際に”南京玉すだれ”で”円(後光・満月などとも)”を作り(写真:下左)”、最後は皆さんで”花火を打ち上げ(”しだれ柳”とも)”ていただきました(写真:下右)。終了後に、「これは面白い」「これがほしい」という声も聞かれ、雨の中でも大変盛り上がった”南京玉すだれ”でした。
 こちらは、「商家の町並み」「めし屋」の「太巻き寿司」の実演と販売です。今回の”太巻き寿司”の絵柄は、季節の”アヤメ””アジサイ”それに”ビワ”でした。多くの方が”太巻き寿司”の作り方を熱心にご覧になっていましたが、出来上がって、”では販売”となると、お土産用にと大量にまとめ買いの方もいらっしゃって、あっという間に売り切れてしましました。房総の”郷土料理”の一つ”太巻き寿司”のお味はいかがでしたか。
 「商家の町並み」「薬の店」の「薬研でつくるシナモンパウダー」作りの体験に、シカゴからのお客様です。”V字型”の”薬研(やげん)”に”シナモン”の”粗い粉(桂皮片)”を入れ、”中心に”握手”の付いた円盤”を前後させて挽いていきます。”桂皮”が砕かれて”粉”になっていくことに驚いていました(写真:上左)。ある程度粉状になったら、目の細かい”ふるい”にかけて”きめの細かい粉”だけを取り出します(写真:上右)。出来上がった”シナモンパウダー”からは、何とも言えない”さわやかな甘い香り”が漂います。”シナモンティー”や”トースト”にも合うようです。”シナモン”の”香り”について聞いてみると、これは”smell”ではない”aroma”だと。”good”いただきました。

 「武家屋敷」の「茶室」では「茶の湯・お点前体験」です。”お茶の体験”は、お子さんから大人の方、そして外国人にも人気の”体験演目”です。「茶室」は、本格的な道具が揃っていて、日本の伝統的な”雰囲気”もあります。そのためか、”お茶”に興味があるのか外から覗きますが、「これは”礼儀作法”が大変そうだ」「それはできない」と思うのか、そのまま帰ってします方もいらっしゃるのが”残念”です。しかし、決してそんなことはありません。”礼儀作法”は重要ですが、初めてならば”作法”は知らなくて当然ですし、知らないことは教えてもらえばよいのです。何よりも”体験”なのですから、堅苦しい”礼儀作法”よりも”お茶”を楽しんでいただきたいのです。まさに”掛軸”の”喫茶去(きっさこ)(難しい解釈は別に、”まあお茶でも飲みましょう”の意)”です。大事なことは、”型通りの作法”ではなく、お茶をいただくことに”感謝の気持ち”で対応することです。ですから、自然体で「いただきます」「ありがとうございました」と”礼”をすれば大丈夫です。
 そんな「茶室」に、”千葉県のいいところを見つけて紹介する”というお二人がお見えになりました。(よくぞ、「房総のむら」においでいただきました。感謝。)今回は、”お茶をいただく”だけではなく、自分で”お茶も点(た)てる””お点前(てまえ)”の体験です。「むら」の職員から説明を聞きながら、”お釜”からお湯を汲んで”茶碗”に注ぎ、”茶筅(ちゃせん)”を使って”お茶を点て”ます(写真:上)。次に、”お茶のいただき方”です。①”お茶”が出されたら、右手で”茶碗”を”畳のヘリ(縁)”の内側に引きます(写真:中左)。②ここで、畳に手をついて”亭主”に”礼”です。③右手で左手の上に”茶碗”をのせ、”軽く押し頂きます”(写真:中右)。④右手で時計方向に2度回し”絵柄(茶碗の正面)”を左側に移動させます。⑤3回くらいで”お茶”を飲み干します。最後に”全部飲み干しました”と、”すする音”を出します(音は無理に出さなくてもいいですよ)(写真:下左)。⑥”茶碗の口を付けたところ”を右手の”指先”で拭き、その指は”懐紙(お菓子ののっていた紙)”で拭きます。⑦時計と反対方向に2度回し、”絵柄”が自分に向かうようにしてから、”畳のヘリ”の内側に置きます。⑧畳に両手をついて”茶碗”を拝見します。膝に腕を付けたままの低い姿勢で”高台”も見ます(写真:下右)。⑨”茶碗”を返すために、茶碗をもち右手で時計と反対方向に回して”絵柄”を亭主に向けて”畳のヘリ”の外に置きます。⑩茶碗を取りに来たら、畳に手をついて”礼”をします。一通りの”お茶のいただき方”を学んでいただきました。「房総のむら」の「茶室」での「お点前の体験」はいかがでしたか。よかったら、またおいでください。「房総のむら」は、2年連続で ”TripAdvaisor (旅行の関する口コミサイトで世界で一番閲覧数のあるWEBサイトからの認証)”もいただいています。いい報告を期待しています。
 お子さんたちも、”お茶の体験”に来てくれました。⓪まずはじめに、”懐紙”にのせて出されたお菓子をいただきます(写真:上左)。①②お茶が出されたら、”畳のヘリ”の内側に移動し、ここで”礼(いただきます)”です(写真:上右)。④次に”茶碗”をもって2度回し”絵柄”をずらします(写真:下左)。そして、⑤お茶をいただきます(写真:下右)。この後、”茶碗を拝見”し、茶碗を返し”礼(ごちそうさま)”をしておしまいです。”お茶の体験”はいかがでしたか。「”お茶”はおいしかった」そうです。普段から”お茶”が好きなお子さんたちでした。
 「商家の町並み」「酒・燃料の店」の実演です。講師は「菅谷敦子」さんです(写真:左)。いわゆる”梅酒”づくりですが、昔ながらの方法の紹介です。まず、梅は”木灰(もくばい)を”まぶして”一晩置くそうです(写真:右下方の茶~灰色の梅)。理由はよくわからないとのことですが、”あく抜き”ではないかとのことでした。その後、水でよく洗い水分を切った後に、”へた”(梅の実の枝が付いていた窪み)に”ご飯粒”を詰めるのだそうです(写真:右上方の青梅)。こちらは、江戸時代には”砂糖”は大変貴重品だったので、甘みを出す工夫ではとのことでした。あとは、広口の瓶に”梅”と”氷さとう”と”焼酎”を入れて、熟成を待ちます。おいしい、”梅酒が”が待ち遠しいですね。でもこれは、薬ですよ。疲労回復、血行促進、食欲増進、整腸作用、冷え性、不眠症、、、まさに”万能薬”ですね。でも、この焼酎で”梅酒”を家庭で造るのが許可されたのは、昭和37年と最近のことなのですね。驚きました。
 残念な報告です。これまで紹介してきた、20個以上の蕾が付いた”ヤマユリ(山百合)”が折れて倒れてしまいました。折れたところを見ると”黄色いオガクズ状のもの”が付いていて、”虫”にやられたようです。そろそろ支え棒を付けなくては、と思っていた矢先でした。現在は、「下総の農家」の水の入った”桶”に入れられています(写真:左)。花が咲くとよいのですが、、、同じように”茎”が太く、蕾がたくさん付いた”ヤマユリ”が近くにありました(写真:右上)。また、館内あちこちの”ヤマユリ”の”蕾”も大きくなってきています(写真:右下)。「ヤマユリ情報」が始まりましたが、”蕾のたくさん付いたヤマユリ”についてはここで紹介してきたので、”折れた”こともここで報告しました。
 本格的に”梅雨”に入り、雨の日が多くなってきましたが、”アジサイ(紫陽花)”も随分咲いてきました。写真は、「風土記の丘」「水生植物園」近くの”アジサイ”です。
 そんな時期の花たちです。”ネムノキ(合歓木)”の花が雨に濡れています(写真:上左)。”ネムノキ”の花は、咲いたと思ったらもう散り始めています。”ゴボウ(牛蒡)”の花も随分咲いてきました。花の下の”総苞片”の”棘”の先端は”釣り針”のように丸まっています。ゴボウはもともとは薬用として中国から来たようですね。薄暗い林の中にひっそり咲く”イチヤクソウ(一薬草)”です(写真:下左)。名前の通り、薬としたことが名前の由来だそうです。「商家の町並み」の「堀割」では”キキョウ(桔梗)”も花が咲き出しました(写真:下右)。
 「上総の農家」と「風土記の丘資料館」の間の池のほとりの”ミズトクサ(水木賊)”です(写真:左)。普通の”トクサ”からみるととても細く、繊細な感じがします。林の中のあちこちで、とても細く小さな”ササ”のような植物を見かけます。暗いのでうまく撮れませんが”アズマネザサ(東根笹)”だとか(写真:右)
 ”ナワシロイチゴ(苗代苺)”です。5月18日には”花”が咲いたり、しぼんだ状態でした(写真:左)が、”苺”が実りました(写真:中)。中には色づき始めたものもあります(写真:右)。こうしてみると、花の時に見られる”萼(がく)”はそのまま残り、受粉後に一度閉じて、果実の成長とともに再び開くのですね。
 ”ノカンゾウ”の蜜を吸う”キアゲハ(黄揚羽)”です(写真:上左)。”オカトラノオ”の近くに”ジャノメチョウ(蛇目蝶)”がやってきました(写真:上右)。なかなか翅を拡げてくれない”ベニシジミ(紅小灰)”がやっと翅を拡げてくれました(写真:中左)。”キチョウ(黄蝶)”も”ノアザミ”の蜜を吸っています(写真:中右)。”モンキチョウ(紋黄蝶)”の”ペアー”が”空中デート”です(写真:下左)。奥の”黄色い蝶が雄”で、手前の”白い蝶が雌”だそうです。”イチモンジセセリ(一文字挵)”も求愛行動でしょうか(写真:下右)。

2018年6月19日火曜日

6月19日の きのこ


毎回、違う種類というわけにはいかなくなってきましたが

6月19日、梅雨の晴れ間に見られた きのこ です (や)

2018年6月15日金曜日

水羊羹つくり体験 参加者募集中!!



6月22日(金)、23日(土)に水羊羹つくりの体験をおこないます。

当日は、匝瑳市「鶴泉堂」の大川功修先生をお招きし、ご指導していただきます。先生は、冗談を交えながら気さくにお話をしてくださいますので、本格的な和菓子つくりを体験しながら、楽しいひとときを過ごすことができます!!


日程:6月22日(金)、6月23日(土)

時間:午前10:00~12:00 午後13:30~15:30 

対象:小学3年生以上 ※小学生は引率者の補助が必要です

持ち物:三角巾、エプロン、マスク、菓子を持ち帰るための容器

予約制となりますので、参加希望の方は電話でのご予約をお願いします。


水羊羹は、今の時期にぴったりな和菓子です。ぜひ、ご家族や友人同士で参加してみませんか?(細)



房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家から武家屋敷前、堀割を回って戻りました。

●先週、上総の農家の裏庭でハンゲショウが咲き出しましたが、上総の田んぼ手前の池のそばのハンゲショウも、葉が白くなりツボミが出来ていました。
●オカトラノオの花が盛んに咲いています。
●ヤマハッカやアゼムシロの花が咲き出しました。
●クマノミズキの木に花が咲いています。北総地域にはミズキは少なく、クマノミズキが多く生えています。クマノミズキはミズキより1か月ほど遅く開花し、葉が対生です。
●オオカモメヅルが竹林で沢山生えていて、花が多くなってきました。
●オオバノトンボソウも沢山生えました。ツボミが膨らんできて、トンボの頭のようになっています。
●キキョウソウの果実が熟すと、果実の横に穴が開いて、そこから種子をこぼれ落とす仕組みになっています。キキョウやヒナギキョウも同じです。

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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。6月8日(金)の観察に基づいています。 (風)



※自然観察会のお知らせ 
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 6月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 6月17日(日)午後1時30分から1時間程度

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「夏至の頃 むらで観られる植物」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

芒種(二十四節気)梅子黄(七十二候)6月16日~20日 ”梅もぎ”に”新鮮野菜の収穫体験” ”むらの達人コース組紐” ”ノカンゾウ”咲く 今度は”蓑虫”です


 二十四節気「芒種」の七十二候の次候は、「梅子黄(うめのみきばむ)」です。今年の”梅”は、豊作でした。この時期になると、落下した黄ばんだ梅の実が目立ちます(写真:右)。まだ多くの”梅の実”が木に付いていますが、こちらもかなり黄ばんおり、木の下にいると時々自然に落下してきます(写真:左)。
 「房総のむら」では6月2日・3日に「梅もぎ」の体験がありました。この時にも落下した”黄ばんだ梅の実”もありましたが、木には”青い梅の実”がいっぱいです(写真:左)。ご自宅で”梅漬け”や”梅ジュース”を作るために”もいで”いる方もいらっしゃいましたが、お子さんたちに”自分の手で実際に梅の木から梅の実を採る体験”をさせることを目的にしている方もいらしゃいました(写真:右)。
 こちらは、「上総の農家」の「新鮮野菜の収穫体験」です。このご家族のお目当ては、”ジャガイモ(馬鈴薯)”で、お父さんと娘さんが土の中から”ジャガイモ”を探していました(写真:上左)。そして、驚いたことには、例の”ミニトマト”(当ブログ「芒種」「螳螂生」の項参照)にも気がつきました(写真:中左)。”ジャガイモ掘り”が楽しかったようで、続いて畑に少し顔を出した”タマネギ(玉葱)”もあっという間に”抜きました”(写真:中右)。それで終わりかと思ったら、近くに”ダイコン(大根)”もあると知り、幼稚園で掘ったことがあるとのことで三度挑戦です。しかし、”ダイコン”は、”タマネギ”のように少しぐらい引っ張っても抜けません。”ダイコン”のまわりを少し掘っては、”葉っぱ”をもって「エ~イ」(写真:下左)。「やったー!」、やっと抜くことができました(写真:下右)。”新鮮野菜の収穫”に大変満足していただきました。おいしくいただいてください。自分で収穫した”野菜”ですから、絶対おいしいですよ。でも、お父さん急に荷物が増えてしまいましたね。
 「上総の農家」の”ゴボウ(牛蒡)”の花が咲きました(写真:左)。背丈ほどに大きくなった”木”の先に、”アザミ(薊)”の花のような形と色のきれいな花が咲いているので、チョット見るとあの”ゴボウ”の花だとは信じられないくらいです。畑に蒔かれた”ラッカセイ(落花生)”からは”芽”がでました(写真:右)。”種”が赤いことをお気づきですか。赤い”ラッカセイ”ですかって?違います。畑に蒔いた”種豆”が”カラス(烏)”などの”鳥”に食べられるのを避けるために、事前に色を付けてあるのです。”ラッカセイ”も今から収穫が楽しみです。”生のゆでラッカセイ”のおいしさを今から想像してしまいます。ですから、”カラス”さん”ハト”さんいたずらしないでください。”カカシ”警備隊員が出動しますよ。
 七十二候「紅花栄」(5月26日~30日)では、”花”さえ開かなかった「上総の農家」の”ベニバナ(紅花)”が今やっと”盛り”になってきました。「延喜式」(927年完成)には、ベニバナの生産地として”上総国”、”下総国”、”安房国”の”房州三国”も記されています。”ベニバナ”は「房総半島でも古くから栽培されていたんです。
 「上総の農家」では、”ワラボッチ”を作っていました(写真:左)。これから畑などで使う”ワラ(藁)”を、畑の隅に積んでおきます。表面は雨で濡れますが、一番上の”ワラ”が屋根のように積まれているので、中の”ワラ”はきれいに保たれます。手前の”ワラボッチ”は昨年作ったものです。”農家の畑の景観”にも欠かせない”アイテム”です(写真:右)。
 「商家の町並み」「小間物の店」の「むらの達人講座」「組紐木曜コース」のようすです。指導は「佐久間さち子」さんです(写真:上左の上)。”達人講座”ですので、基本的な「組紐講習会」を終了した方々の体験です。当然、かなり高度な技術を必要とします。使用する組台は、「高台(たかだい)」「丸台(まるだい)」です。出来上がった作品は、来年3月に「組紐コース作品展」として店先に展示します。サンプルの”組紐”(写真:上右)は、左から”高麗組””畝組””笹浪組””常組”で、ここまでが「高台」で組み上げた”紐”です。5本目から「丸台」で組み上げた”紐”で、左から”白菊”、6本目と7本目は”冠組”、8本目と9本目が”奈良組”、10本目から12本目までが”唐組”、13本目が”笹浪組”、14本目は”御岳組”、右端の2本は”丸源氏組”だそうです。いずれも、20本ほどの細い”絹糸”を1束として、”玉(又は”コマ”)”と呼ばれる、中心に”おもり”が入った糸車状のものに巻かれた糸を組んでいきます。この”玉”は16個、24個、32個と、組む”紐”により”玉数”を変えるそうです。よく順番を間違わないですね。もはや、”職人技”ですね。
 「高台(たかだい)」です。”椅子”に座って作業をします。横方向からの糸を”ヘラ”(竹を薄くした”物差し”のような物)で打ち込みながら組んでいきます。セットしてあるのは、上下二枚物になる「西海波組」です。上下二段の糸の色を変えることで部分的に模様を出すことができ、”玉数”を多く使えるので模様の変化も多く複雑な柄出しができるそうです。
 こちらは、体験では使いませんが「綾竹台(あやたけだい)」です。糸は「高台」のように横からではなく、手前に並んだ”矢羽根”状に切り込みの入った板に掛けられた”上の糸”と、枠から下がった”下の糸”の間に、左右の枠に掛けられた”緯糸(よこいと)”を入れ、”ヘラ”で打ちながら組んでいきます。組み方は”平組”ですが、伸縮が少ない”紐”が組めるそうです。この台の”紐”は柄が多いそうですが、いずれも線を基調としたバリエーションのようです。セットされているのは、「西海波組」です。
「丸台(まるだい)」です。シンプルでありながら、いろいろなものが組める”万能台”だそうです。”上板の穴”から”玉に巻いた糸”を出し、”組みあがった紐”は下に下がっていきます。セットされているのは、”玉”を32個使った「御岳組」です。「丸台」に4個の玉を使った”四ツ組”で組む”眼鏡紐”でも、2時間はかかる体験です。サンプルのような鮮やかの模様の”帯締め”や”羽織紐”(予約体験)など作るためには、大変な技術と時間がかかるのですね。”達人コース”の皆さん頑張ってください。「佐久間」先生、ご指導よろしくお願いします。
 今が見頃の”オカトラノオ(丘虎の尾)”です。館内のあちこちで”群落”を見ることができます。「風土記の丘」では、古墳の大部分が”オカトラノオ”で被われている古墳もあります。(”オカトラノオ古墳”とでも呼びましょうか)一つの群落の”オカトラノオ”は、すべて同じ方向に”尾=花穂(かすい)”が向いています(写真:上)。”尾”の下面には花はありません(写真:下左)。花が少ないこの時期にあって、林の中などに”白い花”はよく目立ちます。同じ花ですが全面に花が付き、直立し”尾”が短いものもあります(写真:下右)。
 ノカンゾウ(野萱草)”の花が咲きました。今回は、「風土記の丘」の1基の古墳だけでしか確認できませんでした。古墳の”墳丘”に”群生”していました。”木々の葉や草の緑”の中で”オレンジ色の花”ひときわ目立っています。「小満(二十四節気)蚕起食桑(七十二候)」で紹介した”ワラビ塚古墳”、そして前項の”オカトラノオ古墳”に続き、この古墳は”ノカンゾウ古墳”と呼びたいです。
 ”ノカンゾウ(野萱草)”です。”ヤマユリ(山百合)”の開花の前に先に咲きました(写真:上左)。「万葉集」では”萱草(わすれぐさ)”、「古今和歌集」では”忘れくさ”として詠われているようです。「商家の町並み」「辻広場」の「よしず屋根」の上の”ノウゼンカズラ(凌霄花)”が咲きました(写真:上右)。「風土記の丘」「万葉植物園」の”インドハマユウ(印度浜木綿)”も花が咲きました。「万葉集」の「柿本人麻呂」の歌に”浜木綿(ハマユウ)”がでてきます(写真:中左)。「下総の農家」の白い”ムクゲ(槿)”の花も咲きました(写真:中右)。同じ「下総の農家」の”ネムノキ(合歓木)”の花です(写真:下左)。下方が白く徐々にピンク色となり、扇形に拡がった様子が何とも言えない”やわらさ”を感じます。最後は、来館されていた方に教えていただいた”チダケサシ(乳茸刺)”です(写真:下右)。白色から薄桃色といった感じの小さな花が咲き始めました。似た花は”園芸種”にあるそうですが、そのもととなった”原種”だそうです。ご教示ありがとうございました。これからが見頃ですね。
 「安房の農家」の”ユズリハ(楪、譲葉)”には”新しい葉”が伸びてきました。それに伴って、”古い葉”は垂れ下がっています。”新しい葉”が出ると、昨年の”古い葉”が”新しい葉”に”代”を”譲る”ように落葉します。このことを親から子への継承に見たて、”縁起物”として”お正月の飾り”などに使われます。
 ”アジサイ(紫陽花)”の”葉”に”カタツムリ(蝸牛)”がいました。昆虫談話会さんに確認したところ”ニッポンマイマイ(日本舞々)”だそうです。”梅雨”の季節に合う風景です。
 ”ナンテン(南天)”の”花”を見ていたら(写真:上左)、”ミノムシ(蓑虫)”がぶら下がっているのを見つけました(写真:上右)。”ミノムシ”は秋から冬の”風物詩”、”越冬”の姿だと思っていたので、”季節外れ”だと思いながら見ていると、なんと左右に動くのです。さらに見ていると、”蓑”の上部から”虫”がでてきました。”虫”は、目だけが大きく爪のような足先で枝を掴みながら先端の葉に向かい(写真:中左)、ついには口で葉を折ってしましました(写真:中右)。その後、”蓑”のところまで運んでいきました(写真:下左)。”ナンテン”の”葉”は餌なのでしょうか、”蓑”を大きくするための材料なのでしょうか。”蓑虫”といえば、有名なのが「枕草子」ですね。「蓑虫いとあわれなり。鬼のうみたりければ、親に似てこれも恐ろしき心あらむとて、親のあやしき衣ひき着せて、、、、」まさにそんな感じでした。枝を固めた”みすぼらしい衣”を着て”怖い顔”をしていました。”心は恐ろしい”のでしょうか。「昆虫談話会」からの情報では”チャミノガ”の幼虫のようです。よく見たら、1本の”ナンテン”の木にたくさんの”蓑虫”がぶら下がっていました(写真:下右)。(黒く見える”蓑虫”が7匹?以上ぶら下がっています。)