2018年7月6日金曜日

小暑(二十四節気)温風至(七十二候)7月7日~11日 ”江戸風景”屋根より高い「むら」の「七夕」飾り ”ケダイ”に”竹の皮ぞうり”作り ”変わり朝顔”開花

 ”梅雨明け”とともに暑くなってきました。二十四節気は「小暑」です。江戸時代の文献には「大暑来れる前なれば也」とかかれています。やはり、これからもっと暑くなるのでしょうね。 七十二候は「温風至(あつかぜいたる)」です。「商家の町並み」を”温風”が吹き抜けば、”打ち水”です。随分しっかりして青々となってきた”稲”も、強い風で揺らされ”波”を打っています。
 ”浮世絵”は、「歌川広重」の「名所江戸百景」から「市中繁栄七夕祭」です。”七夕祭り”の”江戸の風景”です。屋根より高く上げられた”笹竹”には、短冊のほかに”西瓜”、”瓢箪”、”そろばん”、”大福帳”など色とりどりの”七夕飾り”が風になびいています(写真:左)。”江戸の町”では”天の神様”への目印として”笹竹”をたてる風習があったそうで、「房総のむら」でもこの様子を再現しました(写真:右)。

 「房総のむら」では、”屋根より高い七夕飾り”を4本立てましたが、強風で2本が折れてしまいました(写真:上、上右)。残念ですが、風はおさまりそうにないので、折れた”笹竹”の先端の部分を飾りました(写真:中左)。ここ数日の強風のため、「農家」では、”土間”に飾っています。”童謡””たなばたさま”の歌詞のように「♪ささ(笹)の葉 さらさら のきば(軒端)に ゆ(揺)れる、、、、」とはいきませんが、一年に一度の”星に願い”を”短冊”に書いて”笹竹”に結んでください。「総屋」の前では、”短い笹竹”のプレゼントもしています。是非ご家庭でも”七夕”をお楽しみください。
 昨年度、”茅葺屋根”の改修工事が終わった「安房の農家」の「主屋(おもや)」の”囲炉裏”に火が入りました。”茅葺屋根”を守るためには、虫などが付かないようにすることが重要になります。「主屋」に”かまど(竃)”がある建物ならば、”かまど”からでる”煙”で虫を退治する”燻蒸”もできるわけですが、「主屋」と”かまど”がある「台所棟」が別の”分棟型”の「安房の農家」ではそうはいきませんので、”囲炉裏”に火を入れました。火が入ると生活感がでてきます。(常時、囲炉裏に火が入っているわけではありません)
 その「安房の農家」の実演は、「ケダイ作り」です。”ケダイ”とは、千葉県南部(南房総)”安房地方”で雨天時に使われた”ミノ(蓑)”のことで、前々回「夏至」「菖蒲華」で紹介した”竹の皮”でできた”バッチ笠”とともに使われました(写真:上左)。”ミノ”にはいろいろな種類がありますが、製作したのは”両肩”から”背中”・”腰部”を被う”胴みの”です。材料は”わら”を使い、”わら”10本くらいを1束にして、”編み台”を使って”細縄”で編んでいきます。最後に内側に”肩ひも”を付け(写真:下右)、先端を”鋏”で整えて完成です。詳細は、当ブログ昨年6月17日公開の「安房の農家で『ケダイ作り』」をご覧ください。(「安房の農家でケダイ作り」で検索)
 こちらは、「上総の農家」の「竹の皮ぞうり」作りです。”竹の皮ぞうり”についても、当ブログでこれまで何度か紹介してきましたが、”チョット”と人気の演目です。この”ぞうり”を作るための”竹の皮”は、”マダケ(真竹)”の”皮”を使います。ですから、「安房の農家」の”バッチ笠”を作った模様のない”ハチク(淡竹)”ではなく、”竹の皮”といえばお馴染みの”まだら模様”が入ります。幅2cm程に縦に割いた”竹の皮”を水に漬けて柔らかして(写真:下左)、”わらぞうり”と同じ要領で”編み台”を使って編んでいきます(写真:下右)。左右の”ぞうり”を進捗合わせながら作っていきますので、左右交互に作っていきます。履いた時に”わらぞうり”はちょっと硬くて痛い感じがする感じかもしれませんが、”竹の皮ぞうり”は”ソフト”な足ざわりが若い方にも気に入られているようです。
 「総屋」「大木戸」の”アサガオ(朝顔)”が咲き始めました。小さいですが、こういう種類です。”江戸の花卉””変り咲きアサガオ”の”木立”です。もう少したつとあの”海老茶色”の”団十郎”も咲きますよ。
 「商家の町並み」「辻広場」の”ノウゼンカズラ(凌霄花)”です。夏の青空に合う花ですね。背景の「商家の町並み」にも似合います。

  「上総の農家」の畑の”ホオズキ(鬼灯)”です。随分色がついてきました。”ホオズキ”は、白い花が終わった後の”萼(ガク)”が果実を包み込んで袋状になります。熟してくるとオレンジ色になります。”お盆”には、この形状を”先祖の霊を呼ぶ提灯”に見立て、”盆飾り”などに使います。子供の頃”ホオズキ”の果実の中身を丁寧に掻き出して、小さな風船状にして”ブーブー”鳴らしたことを思い出します。
 ”キボウシ(擬宝珠)”(写真:左)や”ヒメヒオウギスズイセン(姫檜扇水仙)(写真:右)”も咲いています。
 「桃栗3年柿8年」といわれます。”桃”や”栗”などに実がなるようになるまでは実際に年月がかかるわけですが、このことわざは、「何事も成し遂げるまで、それ相応の時間がかかる」との意だそうです。「上総の農家」から”桃栗”などの現状を紹介します。つい最近まで残っていた”桃”です(写真:上左)。しかし、この”桃”も落下してしましました。”栗”も”イガ”が目立つようになってきました(写真:上右)。去年は”柿”が大豊作でした。”茅葺農家”を背景に葉が落ちた木に”柿色の実”がとても印象的で、写真に撮る人も大勢いましたが、今年はどうでしょうか(写真:中左)。春にきれいな花を見せてくれた”梨”ですが、こちらも大きくなってきました。どこまで大きくなるか楽しみです(写真:中右)。”カリン(花梨)”も少ないですが、実ができています(写真:下左)。最後は、”スモモ(李)”です(写真:下右)。食べごろでしょうか。真っ赤に色づいてきました。
 館内の”ヤマユリ(山百合)”は、かなり咲いてきました。
 ”強風”にあおられて倒れている”ヤマユリ”も多い中で、見事に咲いています。強風がおさまれば、”芳醇な甘い香り”の中でゆっくりと写真も撮れるのですが、残念です。”ヤマユリ”の状況については、「ヤマユリ情報」もご覧ください。
 前回も、紹介しましたが”チョウトンボ(蝶蜻蛉)”です。「農村歌舞伎舞台」前の「おまつり広場」では、ゆっくりと”ヒラヒラ”飛び回る”チョウトンボ”をかなりの確率で見ることができます。また、「上総の農家」や「下総の農家」では、”垣根”にとまったところも見ることができます。光線の当たり方と見る方向によって、”翅”の色も変わって見えます。”チョウトンボ”の観察は、今がチャンスです
 春先には「上総の農家」の水田近くの”睡蓮”の咲く「池」でしか見られなかった”メダカ(目高)”ですが、最近は「下総の農家」の水田や水路にもたくさん”群れ”を成しています。”大きなメダカ”の周りには、”小さなメダカ”もたくさんいます。
 夏の暑さをさらに盛り上げてくれる?”ニイニイゼミ(蟪蛄)”です。朝から晩まで”ニィー、♯ニィー”、”ジィー、♯ジィー”です。”抜け殻”もたくさん幹についています(写真:左)。普通”セミの抜け殻”は茶色で透明ですが、”ニイニイゼミの抜け殻”は、表面に泥が付いていて小さく丸っこい感じですのですぐにわかります。”ニイニイゼミ”の特徴は、”翅”にまだら模様があることだそうです(写真:右)。

0 件のコメント:

コメントを投稿