2018年10月22日月曜日

霜降(二十四節気)霜始降(七十二候)10月23日~27日 深まる秋の気配 「写生コンクール」展示 「むら」の”十三夜”は”二胡”の演奏会 6深裂の”センブリ” 花?”ツチグリ”です

 二十四節気は「霜降」になり、七十二候は「霜始降(しもはじめてふる)」ですが、「房総半島」に霜が降るのはまだ先ですね。しかし、季節は着実に進んでいるようで、“サザンカ(山茶花)”も咲きはじめました。
 「風土記の丘資料館」の”町道”や、「古墳広場」の”サザンカ”は花がかなり咲いています。
 穏やかな秋の日に、「総屋」前の「よしず屋根」の下で”写生”をする方がいらっしゃいました。お話をさせていただくと、定年退職され”スケッチブック”をもって日本だけではなく、世界中を回っているようです。”スケッチブック”にあった「手賀沼」「アンコールワット」の絵も拝見させていただきました。「房総のむら」は初めての来館とのことで、滞在時間が2時間しかないので、入館して目の前の「商家の町並み」を描いているとのことでした。とても上手な絵でした。是非、「房総のむらの写生コンクール」にも出品されるようお願いしました。
 ということで、「風土記の丘資料館」では、今年度の「写生コンクール」の入選作品の展示が始まりました。11月18日まで展示しておりますので、是非ご覧ください。今年度の「写生コンクール」の入選作品などについては、当ブログ「第40回房総のむら写生コンクール審査結果」をご覧ください。
 秋の深まりとともに、”ススキ(薄)”の穂も随分大きくなり風に揺れる様子は“秋の深まり”を感じる風情です(写真:上左)。「房総のむら」には、数種類の”野菊”の仲間があるようですが写真は”シロヨメナ(白嫁菜)”でしょうか(写真:上右)。”フジバカマ(藤袴)”がようやく花が咲き出しました(写真:中左)。”センボンヤリ(千本槍)”の種が球形に拡がったものをやっと見ることができました(写真:中右)。”ミツバアケビ(三葉木通)”も実が割れて、白い綿状のものに包まれた黒い種が見えます(写真:下左)。”アケビ”の実はたくさんあったのですが、”食べごろ”になったためでしょうか、残念ながらほとんどなくなってしまいました。(悲しいです)春から初夏にかけてあの独特の形の花が咲いた”マムシグサ(蝮草)”の実が、オレンジ色になってきました(写真:下右)。緑の草の中で一際目立つ存在です。
 そして、「房総のむら」では、“十五夜”に続いて“十三夜”の展示です。千葉県では、「片月見はするものではない」「十五夜の月見をしたら必ず十三夜月見もする」と言われています。また、“十五夜”の月は“芋名月”、”十三夜の月”は“栗名月”とも呼ばれ、“十三夜の月”は“十五夜の月”に次いできれいな月とも言われています。「房総のむら」では、「武家屋敷」「上総の農家」「下総の農家」で“ススキ”や“ワレモコウ”にやっと花が咲きだした“フジバカマ(藤袴)”など”秋の七草”と”月見団子”などを飾りました。ちなみに、”十三夜”の”月見団子”は13個です。
 今年の「十三夜(旧暦の9月13日)」は、10月21日でした。「房総のむら」では”片月見”にならないように、「十五夜の月見会」に続いて「十三夜の月見会」も開催しました。夕方からの”月見”の前に重要文化財「旧学習院初等科正堂」で「二胡の夕べ」の演奏会を開きました。中国の楽器”二胡(にこ)”の独特の音色で、「ムーンリバー」「蘇州夜曲」「荒城の月」など、”月”や”秋”に因んだ曲を演奏していただきました。途中、”南京玉すだれ”の”お月様”に、かわいい”うさぎさん”達も登場していただきました。ご協力ありがとうございました。とても気持ちの良い演奏会でした。「旧学習院初等科正堂」での”二胡”の演奏を楽しんでいただけましたか。演奏会終了後には、「房総のむら」「菓子の店」で作った「月見団子」のサービスも行ないました。
”十五夜”の日は少し”雲”がありましたが、”十三夜”のこの日は雲一つない快晴の空でした。演奏終了時には、既に”十三夜の月”は「旧学習院初等科正堂」の屋根の上でした(写真:上)。もしもの雨の時のためにと、前日「商家の町並み」の上の”十二夜の月”を撮っておきました(写真:下)。”十三夜の月”が、少しですが丸みを帯びているのがわかります。
 「月見会」はいつものように、この周辺では一番高い国史跡「岩屋古墳」の”墳頂”でおこないました。”十五夜”とは違い、夕暮れ前の空のかなり上に”十三夜の月”が上っていました(写真:上左)。”月”と反対の”西の空”は、”太陽”が沈んですぐの時間には”夕焼け空”でした(写真:上右)。「岩屋古墳」の東の下から”古墳”を見上げると、”三段築成”の最上段の部分がきれいな”シルエット”になっていました。皆さん”月見の飾り”を入れて写真撮影です(写真:中)。とてもきれいな”十三夜の月見会”でした。遅くまで、高い所まで「月見会」への参加ありがとうございました。「来年もやってね」といわれ、「今年は天気に恵まれ”片月見”でなくてよかったけど、お天気次第だな」とも思います。(来年もいい「月見会」をしたいものです)
 「商家の町並み」「細工の店」では、篠笛作り」の体験です。指導は、実際に”佐原の祭り屋台”にも乗って”笛”を吹く「赤坂 明」さんです。午前中の“篠笛作りの実演”に続き、午後は“篠笛作り”の指導していただきました。「赤坂」さんの指導で”笛”を吹く練習もする「篠笛作り」の体験の詳細は、当ブログ「商家の町並み・細工の店 篠笛作り」をご覧ください。
 「房総のむら」の正面玄関「大木戸」近くでは、「商家の町並み」「木工所」の「左官の技」の体験が行われました。昔ながらの“土壁の作り方の実演と体験”です。多くの方々に”壁塗り”の体験をしていただきました。指導の「大﨑英雄」さんがおっしゃるには、「まずは“コテ(鏝)”で塗土をうまく取れるようになることが重要で、そうすれば“壁塗り”ができる」とのことでした(写真:中)。あれあれ?“塗ったばかりの壁”に“落書き”をしたのは誰ですか?と思ったら、スタッフのいたずらでした。「しーちゃん」も“左官の技”を体験してくれました。
 「商家の町並み」「薬の店」では“漢方薬”の一種「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」作りの実演が行われました。指導の「麻生潤子」さんが“薬研(やげん)”で“桂皮(けいひ)”をすり潰しています(写真:左)。海外からお見えの方に“薬研”の使い方を説明・指導もしていただきました。(写真:右下)。“薬研”は前後に動かして使うのではなく、“輪”の先端の横の部分を“舟”にこすり付けるようにして動かすのだそうです。この日は、「薬の店」に“桂皮=シナモン”の甘い香りが漂っていました。
 “薬研”の体験をされた訪日外国人の方々は、地元栄町の事業で「房総のむら」においでになった方々です。”時代衣装”に着替え、外国語ボランティアさんの説明で熱心に館内を見学されていました。
 ”センブリ(千振)”が咲きはじめたことは、前回紹介しましたが、その時の花は”4深裂”でした(写真:右上)。一般的に”センブリ”の花は”5深裂”のようです(写真:右中)が、なんと”6深裂”の花がありました(写真:下)。”ボランティア”さんが見つけてくれました。
 ”松林”や”雑木林”も多く、”自然環境”が維持されている「房総のむら」には、”キノコ”もよく生育していますので、”日々のキノコ”については、「ブログ」でも紹介しています。そして、「自然観察会」の一環として、年に数回「野生のきのこの観察会」も開催しております。ニュースでもこの時期になるとしばしば報道されるのが”毒キノコ”です。”キノコ”の同定は非常に難しく素人にはできませんので、千葉県立中央博物館の”キノコの専門家”に講師をお願いしています。時々、珍しい”キノコ”も現れます。白い帽子のようなのは”ササクレヒトヨタケ(ささくれ一夜茸)(写真:上右)、昨年名前が付いたばかりだそうですが”コトヒラテングタケ(琴平天狗茸)(写真:下左)”、そして、花が咲いたように開いているのは”ツチグリ(土栗)属(専門家の回答)”だそうです(写真:下右)。この日も、何度か紹介してきた夏のキノコ真っ赤な”タマゴタケ(卵茸)”もありました。”真っ赤”や”真っ白”な”キノコ”を見て毒々しいからと、蹴ったり、折ったりしないでください。それを見に来る方、調査に来る方もいる「房総のむら」の大事な”自然のいきもの”です。

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