2018年10月17日水曜日

寒露(二十四節気)蟋蟀在戸(七十二候)10月18日~22日 「むら」の”醤油作り” 「カマドで昼ご飯」 ”センブリ”、”サラシナショウマ”咲く 今度の”学習院”は「月見会(十三夜)」

 「寒露」の最後の七十二候は「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」です。”きりぎりす”と読みますが、虫としては”コオロギ”のようです。”コオロギ”が家の戸口で鳴く時期との意でしょうか。今回、”コオロギ”は見かけることができませんでしたが、鮮やかな色の”虫”がいました。”ツチイナゴ(土蝗)でしょうか。
 「上総の農家」の”ホウキギ(箒木)”(別名:ホウキグサ、コキア)も随分色がついてきて秋の雰囲気を漂わせています。「下総の農家」では、”ホウキギ”を利用して「土間ぼうき」作りの体験を行います。
 「商家の町並み」「瀬戸物の店」では、”土人形”「芝原(しばはら)人形」作りの実演が行われていました。製作者は、千葉県の”伝統的工芸品製作者”にも認定されている「千葉惣次」さんです。二つの型に粘土を詰め、中に粘土玉を入れ中央でつなぎ合わせ中空の”土人形”を作っています。この後は、乾燥させて”窯”で焼き、”胡粉(ごふん)”を塗り”絵付け”をして完成です。製作しているのは、来年の干支の”イノシシ”です。明治時代のレトロ調をよく表しており、素朴ななかにも鮮やかな色使いが特徴的な、”房総の郷土玩具”です。”土人形”作りの実演の後に、「千葉」さんの指導で、「土人形作り」の体験も行なわれました。
 「商家の町並み」「川魚の店」の、この時期だけの食の体験、日本の”上海ガニ”「もくずがに料理」です。指導は、大多喜町の「高梨喜一郎」さんです。”モクズガニ(藻屑蟹)”が少なくなっており、料理のために採集しているのは、「高梨」さんだけだそうです。”幻の味”、房州の伝統的な”郷土料理”ですので、是非残したいですね。「もくずがに料理」の詳細については、当ブログ「珍しい郷土料理『もくずがに料理』」をご覧ください。 
 ”醤油作り1” 「上総の農家」の「醤油作り」の体験です。指導は、”醤油”作りの専門家でもある「石塚 勲」さんです。事前に「むら」で収穫した”小麦”を”カマド”で炒り(写真:上左)、その後で”石臼”で磨り潰しておきました。そこに、茹でた”大豆”(写真:上右)を入れ(写真:中左)。これを手で混ぜ合わせます(写真:中右)。最後に、”麹菌”を加えて(写真:下左)、さらに混ぜます。「むら」での作業は、ここまでです。実は「醤油作り」には、これからの温度管理が非常に重要になるわけですが、その作業は「石塚」さんに出来た”麹”(材料を混ぜ合わせた状態のものも”麹”と呼ぶそうです)を自宅に持ち帰って作業を続けていただきます。二週間後に、「石塚」さんの自宅から「房総のむら」に戻され、”仕込み”用のポリバケツに移して、”塩水”を加え”じっくり”一年間「むら」で熟成します。
 ”醤油作り2” そして、こちらが一年間熟成させた”もろみ”から”醤油”を搾り出しているところです。”仕込み”されたポリバケツから、”キツネ”と呼ばれる口の付いた”桶”で”もろみ”を”布袋”に入れます(写真:上右)。”もろみ”を入れた”布袋”を”フネ”と呼ぶ木枠の中に並べ(写真:中左)、その上に蓋をして上から圧力を加えていくと(写真:中右)、”フネ”の下から”醤油”が染み出してくるという昔ながらの方法で”醤油”を搾り出します(写真:下)。まだ、”火入れ”をしていない”生の醤油”はまろやかな味でした。この日は、「上総の農家」がまるで「醤油蔵」のように、”醤油””のあの甘くてしょっぱいような香りが強く漂っていて、来館者もその匂いに誘われたか大勢おいでになりました。
 ”醤油作り3” ”もろみ”を”布袋”に入れるための”キツネ”と呼ばれる口の付いた”桶”(写真:左)と、”醤油”を搾った”もろみ”の”かす”(写真:右)です。”かす”とはいっても原料は”小麦”と大豆です。食べてみると、当然”醤油”っぽい感じがしましたが、”うまみ”も感じました。
 「上総の農家」では「かまどで昼ご飯」の体験です。「土間」にある”カマド”を使って自分たちでご飯を炊きました。蓋を開けた時には、「おお~」、「おいしそう」、「ウワー」と歓声も。即、撮影です。お米が光って、立っていました(写真:下左)。「上総の農家」の畑の”小松菜”と”じゃがいも”を具にして、「むら」の”自家製味噌”で”味噌汁”も作りました。味見をして「どうかな?」「ちょっと薄いかも」と(写真:下右)。”かまど”で炊いた炊き立ての”ご飯”を自分で”おにぎり”にして「いただきます」。皆さん笑顔でたのしい「かまどで昼ご飯」のようでした。
 こちらは、お馴染みなりました「下総の農家」の「昔遊び」の「コマ回し」です。こちらのご家族、”ボランティア”さんの指導よろしく、”コマ回し”にはまっていました。妹さんは、”ベーゴマ”はまだ無理なようでしたが、”鉄芯のコマ”を上手に回していました(写真:下右)。お姉さんは、”ベーゴマ”を完全にマスターしていました(写真:下中)。何度も回し、お母さんと競争もしていました。そして、そのお母さんが”ベーゴマ”回しの一番のようで、”しっかり”はまってしまったようです。となると、お父さんですが、、、、。なかなかうまく回らくて苦労しているようでした(写真:下左)。お母さん曰く「投げるときにコマが曲がっている」と、”ボランティア”さんの指導と同じことを言っていました。お父さんガンバレ!
 「商家の町並み」「細工の店」の「竹とんぼ」作りの体験です。講師は、「ざる・かご作り」を指導されている「間野政勝」さんです(写真:中中ほか)。”竹とんぼ作り”は趣味のようで、お店では作っていないそうです。今回は二種類の竹とんぼを作りました。一つは竹を削り出す一般的なタイプのもので(写真:上左の上)、もう一種は中央部を少し削り、羽根の根元を火であぶって少し”ひねり”を加えた”スーパー竹とんぼ”です(写真:上左の下)。羽の形を横から見ると飛行機の”羽根”の断面そっくりです(写真:中右)。これがよく飛ぶ”秘訣”のようです。飛ばし方も「間野」さんが指導してくれました。皆さん楽しく飛ばしていました。
 「安房の農家」の畑には、「さつまいもの収穫体験」に多くの方がおいでです。特に、お子さんに収穫の体験をさせたい親子の方々が多いようです。大きな”さつまいも”を手に満足のようです。
 涼しい日が続き、日も少しづつ短くなってきて秋の到来を感じるようになってきました。そんな最近の草花です。”フジバカマ(藤袴)”(写真:上左)、”センブリ(千振)”(写真:上右)、”サラシナショウマ(更科升麻、晒菜升麻)”(写真:下左)、”アキノキリンソウ(秋の麒麟草)”(写真:下右)が咲きはじめました。”フジバカマ”はかなり前から蕾が膨らんでいましたが、ようやく咲きはじめました。”センブリ”はこれからたくさん咲きそうな気配です。”サラシナショウマ”は、蕾が付いたものが何本もあったのですが、ほとんど枯れて花を確認したのはこの一本だけです。(気が付かないものがあると思いますが)
 ”カラスウリ(烏瓜)”の実です。青いうちは縦に”縞模様”が見え、小さいですが”瓜”という感じがしますね。熟すると鮮やかなオレンジ色になってきます。そして、その中にある種ですが、はじめは黒くて”大黒様”に似ているそうですが、時間が経つと少し金色になり”ぼつぼつ”してきて、この感じが”打出の小槌”にも似ているとか(写真:下右)。お財布に入れておけば、お金が貯まること間違いなし?
 つい先日花が咲いていた”ヤブマメ(薮豆)”ですが(写真:上)、実がつきました。小さいですが、きちんと”鞘に入ったマメ”の形をしています(写真:下)。
 毎年恒例になっております「千葉交響楽団」による「歴史の里の音楽会」を今年も開催しました。秋の気配が漂う「旧学習院初等科正堂」には、きれいな歌声が響きわたっていました。詳細は、当ブログ「『歴史の里の音楽会』開催」をご覧ください。
 21日は、今年二度目の「月見会」です。今度は「十三夜」になります。「十五夜」だけの”片見月”はよくないとする考え方や「十五夜」についで美しく見えるなどで行われる”月見行事”です。昨年はとてもきれいな月を見ることができました(写真:上)。下の写真は、夕暮れに”シルエット”で浮かび上がった「岩屋古墳」です(写真:下)。今年は、午後3時30分から「旧学習院初等科正堂」で、「二胡の演奏会」を楽しんでいただいた後に「岩屋古墳」の上から「十三夜」の月を観ていただこうと思いますが、お天気はどうでしょうか。是非、おいでください。
 13日に開催された栄町の「産業まつり」に「房総のむら」からも、「風土記の丘」の「古代衣装」で出店しました。「高松塚古墳」の壁画に描かれたような”古代衣装”と地元栄町の最後の前方後円墳「浅間山古墳」出土の”冠”などを再現した衣裳です。かわいい体験者もたくさんいらっしゃいました。

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