2018年10月2日火曜日

秋分(二十四節気)水始涸(七十二候)10月3日~7日 「考古学講座」は「金印の真贋」「江戸つまみ細工」の体験 「西郷どん」放映決定 7・8日は「むらの秋のまつり」

 七十二候は、「水始涸(みずはじめてかる)」です。意味としては、実った稲を収穫するために田の水を抜く時期ということでしょうが、収穫が遅い「房総のむら」でも既に稲刈りが行われたことは以前に紹介したとおりで、現在は”天日干し”の”おだがけ”された稲が並んでいます。
 重要文化財「旧学習院初等科正堂」では、近くの”キンモクセイ(金木犀)”からほのかに甘い香りが漂っています。
 また、”イチョウ(公孫樹)”の”ギンナン(銀杏)”も随分黄色に色づいてきています。その「旧学習院初等科正堂」では、9月24日には「十五夜のコンサート」を開きましたが、今回は「考古学講座」を開催しました。また、「秋のまつり」のあとの10月14日(日)には「歴史の里の音楽会」を、10月21日(日)には「十三夜のコンサート(二胡)」も開催します。是非、おいでください。
 30日の「考古学講座」は、重要文化財「旧学習院初等科正堂」で開催しました。講師は明治大学文学部の「石川日出志」教授で、演題は「金印真贋論争を決着する」でした。江戸時代に”福岡県の志賀島”で発見された「金印」は、「漢委奴国王」と文字が刻まれた一辺が約2.3cmのほぼ純金でできた”印章”です。発見当時に「後漢書」に書かれた「光武賜以印綬」にあたるものと考証され、”国宝”にも指定されているわけですが、江戸時代に作られた”偽物”であるとする説もあります。今回の石川先生の講義では、”字体”や”紐(つまみ)”などいろいろな角度から調べても「金印は本物である。江戸時代に作れなかった」との結論でした。本物の大きさの「金印」の”レプリカ”(写真:上右)や”スライド”(写真:中右)を使い、時には体全体で表現(写真:下左)するなど、詳細に説明していただきました。当日は、”超大型の台風”が接近中でしたが、熱心な考古学ファンの方が集まり、細かい質問もされていました。
 「商家の町並み」「細工の店」の「江戸つまみ簪」の実演です。小さく切った色鮮やかな”羽二重”を”つまんで”つくる「つまみ簪(かんざし)」は、江戸時代から続く”伝統的な工芸品”です。作り方は、小さく切った四角の絹の布をピンセットで”つまんで”折り”一枚の花びら”をつくります(写真:上左)。できた”花びら”は、”糊”の塗られた板の上にならべて形を整えます(写真:上右)。糊が付いた”花びら”を星形の”台紙”の上に張って”花”を作ります(写真:下左2枚)。出来上がった花を何本か集め、”簪”の形に組み上げて”髪飾り”の完成です(写真:下右)。
 そして、「江戸つまみ細工」の体験です。指導は「小間物の店」で「江戸つまみ簪」の実演もしていただいている千葉県伝統的工芸品製作者の「穂積 実」さんです(写真:上右)。体験は、指導される先生と同じ伝統的な方法で、小さく切られた絹の布をピンセットで折って、糊の付いた板の上に並べておいて(写真:中左)、それを台紙の上に貼っていきます(写真:中右、下左)。完成した「江戸つまみ細工(髪飾り)」をお持ちになっている方にお話を伺うと、お知り合いの方に”成人式”に使ってもらうそうです(写真:下右)。手作りの”髪飾り”ですので気持ちも伝わると思います。先生のお手伝いもあったようですが、皆さんとてもじょうずにできました。
 「上総の農家」の”秋そば”もここ数日で、いっせいに花が咲き出しました。白い小さな花です(写真:下)が、一面に咲いているとなかなか風情があります。
 ”美味しい”と評判の「商家の町並み」「そば屋(いんば)」の”そば”です。もう”食の体験”されましたか。まだの方は、是非ご賞味ください。なお、”そば”は夏季メニューで、冬季はこれまた評判の”かみなりうどん”になります。
 こちらの落花生は、「上総の農家」の”おおまさり”です。落花生が根ではなく、茎から伸びた太い糸状のものの先についているのがわかると思います(写真:上)。この落花生”おおまさり”は、比較写真がないのでわかり難いかもしれませんが、普通の落花生の2倍近くある品種で大きいものは5cmほどあります。生ですので、当然”ゆで落花生”で食べますが、食べごたいがありそうです。
 「上総の農家」の「炭窯」の近くに、”ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)”がたくさん花をつけていました。
 今、林の中は”キバナアキギリ(黄花秋桐)”が最盛期を迎えています。少し暗い林の緑の草葉の中に、淡い黄色の花がたくさん咲いています。
 「下総の農家」の”ダンゴギク(団子菊)”です。花びらが開く前の状態がとれもかわいかったので写真を撮っておきました(写真:上)。現在は、ほぼ満開状態です(写真:下)。
 「房総のむら」では、映画やドラマにCMなどのロケ撮影がたくさん行われていますが、本日紹介するのはNHKの「大河ドラマ 西郷どん」です。「西郷どん」のロケは開館日にも行われましたので、実際にご覧になった方もいらっしゃると思います。「商家の町並み」「旧学習院初等科正堂」「武家屋敷」において、主演の「鈴木亮平」さんや「西田敏行」さんの登場シーンが撮影されました。「房総のむら」で撮影されたシーンが放映されるのは、10月21日(日)と28日(日)だそうです。「房総のむら」を確認してください。7日(日)、8日(月・祝)は、「秋のまつり」を開催します。ご来館をお待ちしております。詳細は、当館ホームページをご覧ください。

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