2019年1月9日水曜日

小寒(二十四節気)水泉動(七十二候)1月10日~14日 ”雑煮の食べ比べ” ”凧あげ” 自分で焼いた”煎餅”が美味しい 春近し”菜の花”開花 ”紅白の梅”開花近し 13日は”どんど焼き”

 「小寒」の七十二候の次候は、「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」です。地中で凍っていた泉が動き始める頃とのことのようです。「上総の農家」の”水田”横の水路に、「風土記の丘資料館」側からの水が染み出しているようです。水が湧き出しているところは、凍ってはいません。写真中央部に透明の団子状の盛り上がりが確認できると思います。
 今年も「上総の農家」の畑に、変なヤツが現れました。枯れ葉の中央に頭のような部分があり、その先に枯れ葉の間から穴の開いた”竹の棒”が出ています。何でしょうか。実はこの下で、春に植える「種芋」などを”冬眠”させているのです。畑の隅に穴を掘り、その中に”サトイモ”や”ショウガ”を入れ、周りを”籾殻”で被い、その上に小さな”わらボッチ”をのせて寒さから守っているのです。”籾殻”が詰められた穴から、”空気を取り入れるための竹筒”が突き出されているのですが、チョットユーモラスです。 
 「風土記の丘資料館」2階では、今年度の企画展「正月を迎える」を1月20日まで開催中です。展示品の中には、各地の”正月飾り”や年頭行事の”オビシャ”などとともに、”雑煮”(写真:下右)や昔ながらの”正月の遊び”(写真:中右)なども展示されています。「房総のむら」は”体験博物館”ですので、体験していただきましょう。
 まずは、「雑煮の食べ比べ」の体験です。準備したのは、主に千葉県内で食べられている”雑煮”を再現した3種です。①九十九里や市原市・袖ケ浦市などで食べられている”はば海苔”を入れた「ハバ雑煮」(写真:上の上左)、②長生郡白子町の南白亀(なばき)川で採取される”すじ青海苔”を使った「スジ青のり雑煮」(写真:上の下左)、そして旧下総国の内陸部で食べられている”干した大根の葉(干葉(ヒバ))”を入れた「ヒバ(干葉)雑煮」(写真:上の上右)です。”食べ比べ”ですので、お一人様にそれぞれ3種の”雑煮”を配布しました。「雑煮の食べ比べ」の体験は5日と6日に実施したのですがすぐに行列ができ、準備した100人分(300杯)は12時頃には終了してしましました。
 皆さん、お盆に敷かれている「雑煮の解説」を見て、食材を確認しながら”食の体験”をされていました。外国人の方にお話を聞くと、「3つ雑煮の違いは判らない」が、「とてもおいしい」とのお答えでした。また、関西出身の方は、「関西は丸餅の白味噌仕立てなので、醤油仕立ての雑煮は”おすまし”のようだ」と。また「「スジ青のり雑煮」の香りがいい」、「「ヒバ(干葉)雑煮」がおいしい」などの感想がありました。「ハバ雑煮」などは房総の郷土料理かと思っていたのですが、意外と”はば海苔、すじ青海苔”が千葉県産だと知らない方もいらっしゃいました。最後に、「いい企画だ。是非来年も続けてほしい」と。ご自宅の”雑煮”と比べていかがですか。来年はご自宅でもお試しください。そして、房総地方の食材を使った”伝統的な雑煮”を継承させていただければ思います。
 「風土記の丘資料館」の「古墳広場」では、「凧あげの体験」です。前回(12月16日)に続きこの日もあまり風がなかったので、皆さん走って”凧”を上げていました。特に子どもさん達が元気に走り回っていました。時折吹く風にのって、かなり高く上がっている方もいました。「凧上げの体験」は、この後は1月13日と20日にも行われます。是非お楽しみください。詳細はHPでご確認ください。
 こちらは、「商家の町並み」「菓子の店」の「煎餅焼き」の体験です。炭火が入った”七輪”の上で、”煎餅の生地”を焼きます。炭火の火力は強いので、2・3秒でひっくり返しますが、少しづつ焦げ目がついていきます(写真:上)。全体に焼けたら”七輪”から下して、焼けた”煎餅”に刷毛で醤油を塗り海苔で挟んで完成です。また、醤油を塗った後にグラニュー糖を絡めた”煎餅”もおいしいです。”煎餅”をかじると「これはおいしい」と皆さんおっしゃいます。自分で焼いた煎餅があまりにもおいしいので、「えっ!これって自分で焼いた煎餅?」といったところでしょうか(写真:下)。カップルの方は、醤油と砂糖の”煎餅”を作り、当然、半分づつ食べていました(写真:下左)。
 秋に可憐な白い”筒状花”を咲かせた花たちが、この時期になると落ち葉のなかに”冠毛”を光らせています。”カシワバハグマ(柏葉白熊)”は、下の方に枯れた大きな葉を残しています(写真:左)。”コウヤボウキ(高野箒)”は、枯れた花が残っています(写真:中)。”オケラ(朮)”には、周囲に樹枝状の苞葉が付いています(写真:右)。
 「上総の農家」の”ナノハナ(菜の花)”が一つだけですが、花が咲きました。
 「おまつり広場」「茶店」の横の道を下ったところの梅の花が少しですが花が開きました(写真:上)。「武家屋敷」隣の「茶室」の前の”紅梅”も一輪だけですが、蕾がかなり大きくなり花びらが開きそうになってきています(写真:下)。暦の上では、あと半月ほどで春になりますが、寒い中でも着実に”春”が近づいてきているようです。
 1月13日には、「房総のむら」でも”どんど焼き”を行います。写真は昨年の実施状況です。取り外した”お正月飾り”を「房総のむら」にお持ちください。それらを燃やした火で”お餅”を焼いて食べます(写真:下)。燃え上がる炎と爆竹音が勇壮です。かなり遠くで火を見ていますが、それでもかなり熱を感じます(写真:上)。”事前予約分”は既にいっぱいですので、これから参加を希望される方は”当日受付分”に挑戦してください。でも、写真のような状況ですので、”事前予約”と”当日受付”ができた方のみの体験になりますので、ご了承ください。 

2 件のコメント:

  1. うちのお雑煮は大根の葉をほしたものを代々いれた野菜だけのお雑煮です。子供の頃は肉入りなどに憧れましたが、今はこれを食べないとお正月新年ではないきがします。下総地域につたわる歴史あるものだったのですね。

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    1. 情報をありがとうございました。今回の三種の雑煮の食べ比べでは、大根の葉の「ヒバ雑煮」が人気でした。

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