2019年1月5日土曜日

小寒(二十四節気)芹乃栄(七十二候)1月6日~9日 寒かったですが穏やかな三が日で「むらのお正月」開催 ”初夢” ”シモバシラ”に霜柱 ”ロウバイ”も開花

 二十四節気は、「小寒」に入りました。お正月は、穏やかな日が続きましたが、日差しはあってもやはりとても寒くなりました。七十二候は「芹乃栄(せりすなわちさかう)」で、”セリ”がよく生育する時期となります。「むら」の”セリ(芹)”が見つかりませんでしたので、”セリ”つながりで年末から花が咲き始めた”コセリバオウレン(小芹葉黄連)”です。もちろん、”コセリバオウレン”は”セリ”とは別の種ですが、名前の通り葉はそっくりです。
 2日・3日は臨時開館して「むらのお正月」を開催しました。開館時間が平日よりも30分遅いとはいえ、まだ太陽も低く寒い中を”大木戸”には開館を待つ行列ができました(写真:上左)。”門松”が飾られた「商家の町並み」でも”天水桶”には氷が張っていました(写真:上右)。「安房の農家」の入口”注連縄”にも”ダイダイ(橙)”と”四手”が付けられました(写真:下右)。「風土記の丘資料館」では、”巫女”さん姿のスタッフがお出迎えしました(写真:下左)。
 今年も大勢の方々に「房総のむら」に”初詣”していただきました。最近は、”昔ながらのお正月の風景”がなかなか見られなくなってきているように感じますが、「房総のむら」では”正月飾り”や”門付け芸”など”昔ながらのお正月の風景”を見ていただけるよう、そして”お正月の遊び”なども体験していただける「むらのお正月」を開催しております。
 2日は、この日限定のプレゼントを行いました。今年最初の夢”初夢”は、江戸時代には2日から3日の夜にみるものとすることが多かったようです。そのため、縁起のいい”初夢”(一富士、二鷹、三茄子(なすび))が見られるようにと、枕の下に入れておく”七福神”が乗った”宝船”の紙を、江戸時代には元旦に「お宝 お宝」の売り声で売り歩いたようです。この”宝船”を「房総のむら」では、2日にプレゼントしました。いい夢は見られましたか?毎年このプレゼントを楽しみにしている方もいる”今年の干支の亥(いのしし)”の描かれた”絵馬”を、今年も2日と3日の9時30分の開館から限定500枚をプレゼントしましたが、早速「むら」の「稲荷境内」の”絵馬懸け”に奉納されていました(写真:下左)。毎年、このプレゼントを楽しみにしている方もいtる「風土記の丘資料館」で展示している企画展「正月を迎える」をご覧になった方にプレゼントしている、”福笑い”も人気があります(写真:下右)。昔懐かしい素朴な遊びを、ご家庭でもお楽しみください。まだ、残部がありますが、なくなり次第プレゼントは終了です。お早めに、企画展「正月を迎える」もご覧ください。
 「商家の町並み」には”凧”が上がり、「安房の農家」では”福笑い”(写真:上右)、「下総の農家」では”羽根つき”(写真:中)や”コマ回し”(写真:下)など、「お正月」らしい”昔の遊び”がいっぱいの「房総のむら」です。”羽根つき”は、なかなかご自宅ではやらないと思いますので楽しめると思います。”コマ回し”は相変わらずの人気でした。教え上手のボランティアさんのおかげで、ほとんどの方が回せるようになります。中には、回したコマを手のひらに乗せることまでできて、「2回目でできた」と満足の方も(写真:下右)。
 今回の”大道芸”は、2日が「獅子舞」(写真:上左、中右)、「鳥追い」(写真:上右)、「滑稽芸」(写真:下右)、3日は「猿回し」(写真:下左)、「チンドン獅子舞」(写真:中左)、「御萬歳」(写真:上中)が登場しました。「鳥追い」は、田畑が採りに荒らされないよう祈念する年中行事ですが、正月の祝い芸として各戸を回って鳥追い歌を歌う”門付け(かどつけ)”芸人のこともさします。「御萬歳」は正月の”祝福芸”です。”門付け芸”として家々を回るほか、座敷芸や舞台芸として残っているものもあります。”太夫”と”歳三”の2役が1組となって、”歳三”が鼓などでリズムをとりながら、目出度い内容や面白おかしいことを節にのせて歌います。
 「総屋」2階では「(こと)」の演奏です。演奏者は、「阿佐美穂芽(あさみほのか)」さんです。お客さんから「箏」が見えないとの要望がありましたので、台の上で演奏していただきました。これで、後ろの方からでも”弦”を弾く指先が見えたと思います。いつものように演奏に入る前と曲の間に、「箏」について説明していただきました。「箏は中が空洞になっています(写真:下右)」。「宮城道雄」の作曲した曲目などを演奏していただきました。”爪”で弾かれた”弦(糸)”が奏でる「箏」の音色は、なんとも”和”を感じさせてくれます。小さい子どもさんがいるということで、最後にはアニメ「トトロ」のテーマソング「さんぽ」も演奏していただきました。風でガラス窓が”ガタガタ”鳴ったり、遠くで”チンドンヤ”さんの音が入ったりと、ちょっと演奏に邪魔が入りましたが、「箏」が演奏されていた時の「総屋」2階は別の世界のようでした。素敵な演奏でした。 
 こちらは、お正月だけの”食の体験”です、「上総の農家」では、「白玉入りのお汁粉」です(写真:上)。庭に並べられた椅子に座って、皆さんで味わっていました。「下総の農家」では、「むら」の”江戸野菜”をたっぷり入れた昔ながらの「すいとん」です(写真:中)。こちらもが作るのが追い付かないほどの人気でした。「安房の農家」では、「福茶ぶるまい」です(写真:下)。”福茶”とは、元日に汲んだ”若水”を沸かして茶を飲むことで、全国各地に見られますが、土地により”昆布”、”黒豆”、”梅干し”などを入れるところもあるようです。「房総のむら」では、”大豆”を煎じたお湯に炒った”大豆”を入れています。
 「房総のむら」の”シモバシラ(霜柱)”の枯れた”茎”に霜柱ができました。常連のお客さんに、年末に”シモバシラ”に”霜柱”が見られたとの連絡を聞いていましたが、ここ数日の寒い朝でまた見ることができました。秋にきれいな白い花を咲かせた”シモバシラ”ですが、この花は多年草で花が終わって枯れてからも根から吸い上げた水を”茎”に供給しているのだそうです。そして、寒い朝に”茎”の中の水分が凍り、”茎”の小さな割れ目から外に向かって”霜柱”ができるのだそうです。(”茎”が割れている下部にのみ”霜柱”が成長していて、上部の”茎”が裂けていない部分には”霜柱”はついていません)確かにそういわれてみれば、地面から成長する”霜柱”は縦に筋が入っていますが、”シモバシラ”では、”茎”に垂直(地面と水平)に筋が入っています(写真:中)。また、”茎”の割れ目から”霜柱”が成長するので、上から見ると、全体に氷が付いているというよりは、薄板を縦にしたように二枚・四枚のプロペラ状に広がっているのがわかります(写真:上中、下左)。面白い植物があったものです。
 「上総の農家」の”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”が年末に咲き始めたことは報告しましたが(写真:下)、年が明けて「風土記の丘」の”ロウバイ(蝋梅)”も花が開き始めました(写真:上)。”ソシンロウバイ”も”ロウバイ”もともに中国原産だそうで、花びらに透明感があり、ロウ細工のようなことからの命名だそうです。”ソシンロウバイ”は黄色一色で(写真:下右)、花びらが同じ色の花を中国では”ソシン(素心)”と呼ぶことが名前の由来のようです。一方の”ロウバイ”は、蕾の段階からうっすらと”エンジ色(臙脂色)”が見えます(写真:上左)。周辺には、甘い香りが漂っています。蕾がたくさんついていますので、これからが見頃です。

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