2018年6月5日火曜日

芒種(二十四節気)螳螂生(七十二候)6月6日~10日 注意!”チャドクガ”発生 「旧学習院初等科正堂」に”澄んだフルートの音色♪”

 二十四節気は、「芒種」に入ります。「芒種」とは、”芒(のぎ)(イネ科の植物の籾殻(もみがら)の”とげ”のような”突起”)”のある植物の”種”をまく頃とされています。七十二候は、「螳螂生(かまきりしょうず)」です。”ドクダミ”に小さな”オオカマキリ(大螳螂)”でしょうか”赤ちゃん”がいました。
 ”カマキリの赤ちゃん”がいた”ドクダミ(蕺草)”です。「房総のむら」では今が盛りです。遠くから見ると”白い花”がきれいですが、近寄ると臭いが強烈ですね。”ドクダミ”の名前は、”毒矯み(たみ)(毒を抑える)”が由来だそうです。煎じて飲んだり”漢方薬”としても知られていますね。臭いがきつい分、効き目もよいのでしょうか。しかし、”花”は白くてきれいと思いきや、花びら状の白いのは”花びら”ではなく、これは”蕾”を包んでいた”総苞(そうほう)”と呼ばれるものだそうです。”花”は、中央の棒状に直立して”房状”についている淡黄色の密生した”小花”だそうです。”小花”には”花弁”もなく”雄しべ”と”雌しべ”だけでできているそうです。普通は4枚の白い花弁状の”総苞”には、赤い色が付いたものや、枚数も5枚、6枚、7枚のものもありました。
 ”ツユクサ(露草)”も咲き出しました。”梅雨入り”間近でしょうか。朝咲いた花が昼にはしぼみ”朝露”を思わせることが、名前の由来とも。3枚の花弁の内、上方の2枚の花びらは特徴的な青さで分かりますが、下方の1枚は小さく白っぽいのでわかりにくいですね。
 ”ノビル(野蒜)”の花です。4月にはまだ”ネギ坊主”(写真:左)の状態でしたが、5月になると”ネギ坊主”が割れて、”珠芽(むかご)”と”蕾(つぼみ)”が出てきました(写真:中)。そして、花が咲きました(写真:左)。小さな花ですが、きれいな花です。
 「上総の農家」の畑です。七十二候の「紅花栄(べにばなさかう)」には、咲いていなかった”ベニバナ(紅花)”もここ数日で咲きました(写真:上左)。花の色は、まだオレンジ色でも黄色が強いですが、これから赤味を増していきます。”ホオズキ(鬼灯)”も、花が咲いた後に”果実を包む袋”が大きくなってきましたが、まだ緑色です(写真:上右)。写真の下左は何だかわかりますか(写真:下左)。”ミニトマト”ではありませんよ。”ジャガイモ(馬鈴薯)”の”実”です。”ジャガイモ”は土の中にできると考えていると少し驚きますよね。食べているのは、”地下茎”が肥大化した部分(塊茎(かいけい))ですね。この緑色をした”ジャガイモの実”は、食中毒を引き起こす危険性があるのだそうで食べないほうがいいですね。”タマネギ(玉葱)”も大きくなってきました(写真:下右)。収穫体験も始まっています。自分で抜いた”タマネギ”は、特別においしいと思いますよ。
 不気味な虫たちです。「上総の農家」の畑の周りの”お茶の木”に”チャドクガ(茶毒蛾)”が発生しました(写真:上)。”幼虫(毛虫)”が固まって”お茶の葉”を食べています。近づいたり、大声などの刺激で、一斉に”頭”を上げ左右に振ります(写真:上右)。見ているとユーモラスなのですが、小さな”毒針毛”があり触れると”かぶれ”ますので、手を出さないでください。”毒針”に触ると、2~3時間後に赤く腫れあがり痒くなるそうです。そんな時は、お医者さんに診てもらうのが一番だそうです。くれぐれも注意してください。次は、つい最近までたくさんの花が付いていた”アマドコロ(甘野老)”の葉を食べている”真っ黒なイモムシ”です(写真:下左)。この”イモムシ”は、”ヒゲナガクロハバチ(鬚長黒葉蜂)”の幼虫だそうです。”アマドコロ”が大好物だそうです。最後は、”ヤマトシリアゲムシ(大和尻揚げ虫)”の”雄”です(写真:下右)。”シリアゲムシ”は、英語では”SCORPIONFLY(サソリ蠅?)”と呼ばれるそうで、尾の先端が”サソリ”のように上に丸まっています。先端の”ハサミ”は攻撃用ではなく”交尾器”で、顔は馬のように長く先端の口で果汁などを吸うそうです。”不気味”な顔と尾をもつ”ヤマトシリアゲムシ”は、2億5千年前から生息しているのだそうですが、千葉県では”絶滅危惧種”にも指定されています。
 「武家屋敷」で「松の手入れ」をしているのは、「房総のむら」の”庭師”「宮﨑 弘」さんです。これまでも「果樹の手入れ」や「竹垣作り」の指導を紹介してきましたが、今回は、”庭木”のこの時期の仕事「松の緑摘み」です。「宮﨑」さん曰く、「松の木は管理が大変といいますが、この時期に”新芽”を摘むだけでかなり違います。新芽を摘む”松の緑摘み”は、松葉を密集させて傘状にするために細かい枝を出させるために、この時期に行う重要な作業」だそうです。「武家屋敷」の”松”もいい姿になりました。ありがとうございました。
 6月2日に重要文化財「旧学習院初等科正堂」において、コンサートを開催しました。コンサートは、これまでも「マタニティコンサート」を開催してきたフルート演奏者の「吉川久子」さんの新たな企画、「吉川久子 愛のフルートコンサート 未来の子供たちへのオマージュ」です。今回は、47都道府県を回るそうですが、その2番目の開催地として「房総のむら」で演奏していただきました。「吉川」さんには、これまでも「旧学習院初等科正堂」で5回も演奏会を開いていただいております。また、その演奏会がきっかけとなり、「房総のむら」の豊かな自然をイメージした「房のささやき」も作曲されています。今回も会場いっぱいの来館者をお迎えし、あの”澄んださわやかなフルートの音色”を聞かせていただきました。これからの「吉川」さんのご活躍を心から祈っております。
 そして、今回は「栄町立安食台小学校」の皆さんも特別参加してくれました。「吉川」さんのフルートの演奏に合わせて”ふるさと”を合唱していただきました。子供さんたちにとっても、「吉川」さんとの”コラボ”はいい思い出になったのではないでしょうか。ありがとうございました。
 コンサートが開かれた「旧学習院初等科正堂」を紹介します。この建物は、明治32年に当時の「学習院初等科の正堂」、”講堂”として建てられました。その後、昭和12年に当時の千葉県印旛郡遠山村(現成田市)に移築され、同村立尋常高等小学校、現在の「成田市立遠山中学校」の”講堂”として使用されてきました。昭和48年には明治期の学校の講堂建築を伝える代表的な建造物として「重要文化財」に指定され、昭和50年に現在の場所に再び移築されました。外観は、”木造平屋建て”左右対称のプロポーション、”白い壁”に、ルネサンス調の細部装飾が施された”青い柱”、軒の出の深い”石敷きのベランダ”、黒い”天然スレート石葺き”の屋根は勾配が低く二重に重ねられ、棟には”屋根飾り”が付き、美しさの中にも落ち着いた気品と格調高い雰囲気を感じるデザインです。
 続いて、室内です。内部は、”講堂”ですので広い空間となっていますが、床は”寄木張り”、壁は”白の漆喰”、そして、天井は”格天井”と日本の伝統的な様式が見られます。さらに部屋の後方(入口側)には、装飾の付いた柱が並んで空間を仕切っていますが、「成田山」の「本堂」など日本の”寺院建築”などでも見られる構造です。その一方、”円形や四角形の柱”には”ギリシャ”の”パルテノン神殿”の柱を思わせるように、縦に溝が彫られ上部に飾りが付き、正面の演壇には”半円形に階段”が付くなど、西洋建築のデザインを取り入れながら我が国の伝統的な木造建築技術で造られています。そして、この建物は音響も大変よいのです。多くの”文化財建造物”などでも演奏されている「古川」さんのフルートの演奏会場には、ぴったりの会場だったわけです。「房総のむら」では、この貴重な文化財を知っていただくために、今年も、今回の「吉川」さんのコンサートのほかに、秋の「千葉交響楽団のコンサート」、「ブラスバントの演奏会」なども計画しております。是非おいでください。

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