2018年6月20日水曜日

夏至(二十四節気)乃東枯(七十二候)6月21日~26日 雨の「千葉県民の日」「お点前」体験 「梅酒」造り ”ヤマユリ”残念

 二十四節気は「夏至」です。21日は、一年で”昼の時間”が一番長い日ですね。でも”日の出”が一番早いのは”夏至”より前で、”日の入り”が一番遅いのは”夏至”の後のようです。七十二候は、「乃東枯(なつかれくさかるる)」です。”乃東(なつかれくさ)”は”夏枯草(かごそう)”のことで、一般には”ウツボグサ(靫草)”の方がなじみがありますかね。その”夏枯草”が枯れる頃だそうですが、”ウツボグサ”は今が盛りです。
 七十二候には、「鴻雁来」⇔「鴻雁北」、「玄鳥至」⇔「玄鳥去」、「蟄虫啓戸」⇔「蟄虫坏戸」のように”対”になっているものがあります。「乃東枯」も、「冬至」の初候「乃東生」と”対”になっています。”冬至”に芽が出始め、”夏至”には枯れるというのです。”夏枯草”は、昔から生薬として知られ、そしてどこでも見られれる一般的な草だったので、七十二候にも取り上げられたのでしょうか。「風土記の丘」には、いたるところに”ウツボグサ”が咲いている”古墳”があります。さしずめ”ウツボグサ古墳”といったところでしょうか。
 6月15日は「千葉県民の日」で、休みの学校もあり、”雨のち曇り”のあいにくの天気でしたが、大勢の方に来館いただきました。ありがとうございました。現在の千葉県の県域は、古代から”上総国”、”安房国”、”下総国”の三国で構成されていました。国としては”房総三国”ということになりますが、江戸時代の”藩”は幕末には17藩があり、明治時代になると一時24藩ありました。その結果、明治4年7月の”廃藩置県”では26県が置かれることとなりました。しかし、直後の11月には全国的な県の廃合で、”新治県”、”木更津県”、”印旛県”に統合され、さらに、明治6年6月15日に”印旛県”と”木更津県”が合併して”千葉県”が誕生します。それで、6月15日が「千葉県民の日」となっているわけです。雨の中、「総屋」では”南京玉すだれ”の実演と体験です。初めに、音楽にあわせ調子よく出される”南京玉すだれ”の技を見せていただいた後に、実際に”南京玉すだれ”で”円(後光・満月などとも)”を作り(写真:下左)”、最後は皆さんで”花火を打ち上げ(”しだれ柳”とも)”ていただきました(写真:下右)。終了後に、「これは面白い」「これがほしい」という声も聞かれ、雨の中でも大変盛り上がった”南京玉すだれ”でした。
 こちらは、「商家の町並み」「めし屋」の「太巻き寿司」の実演と販売です。今回の”太巻き寿司”の絵柄は、季節の”アヤメ””アジサイ”それに”ビワ”でした。多くの方が”太巻き寿司”の作り方を熱心にご覧になっていましたが、出来上がって、”では販売”となると、お土産用にと大量にまとめ買いの方もいらっしゃって、あっという間に売り切れてしましました。房総の”郷土料理”の一つ”太巻き寿司”のお味はいかがでしたか。
 「商家の町並み」「薬の店」の「薬研でつくるシナモンパウダー」作りの体験に、シカゴからのお客様です。”V字型”の”薬研(やげん)”に”シナモン”の”粗い粉(桂皮片)”を入れ、”中心に”握手”の付いた円盤”を前後させて挽いていきます。”桂皮”が砕かれて”粉”になっていくことに驚いていました(写真:上左)。ある程度粉状になったら、目の細かい”ふるい”にかけて”きめの細かい粉”だけを取り出します(写真:上右)。出来上がった”シナモンパウダー”からは、何とも言えない”さわやかな甘い香り”が漂います。”シナモンティー”や”トースト”にも合うようです。”シナモン”の”香り”について聞いてみると、これは”smell”ではない”aroma”だと。”good”いただきました。

 「武家屋敷」の「茶室」では「茶の湯・お点前体験」です。”お茶の体験”は、お子さんから大人の方、そして外国人にも人気の”体験演目”です。「茶室」は、本格的な道具が揃っていて、日本の伝統的な”雰囲気”もあります。そのためか、”お茶”に興味があるのか外から覗きますが、「これは”礼儀作法”が大変そうだ」「それはできない」と思うのか、そのまま帰ってします方もいらっしゃるのが”残念”です。しかし、決してそんなことはありません。”礼儀作法”は重要ですが、初めてならば”作法”は知らなくて当然ですし、知らないことは教えてもらえばよいのです。何よりも”体験”なのですから、堅苦しい”礼儀作法”よりも”お茶”を楽しんでいただきたいのです。まさに”掛軸”の”喫茶去(きっさこ)(難しい解釈は別に、”まあお茶でも飲みましょう”の意)”です。大事なことは、”型通りの作法”ではなく、お茶をいただくことに”感謝の気持ち”で対応することです。ですから、自然体で「いただきます」「ありがとうございました」と”礼”をすれば大丈夫です。
 そんな「茶室」に、”千葉県のいいところを見つけて紹介する”というお二人がお見えになりました。(よくぞ、「房総のむら」においでいただきました。感謝。)今回は、”お茶をいただく”だけではなく、自分で”お茶も点(た)てる””お点前(てまえ)”の体験です。「むら」の職員から説明を聞きながら、”お釜”からお湯を汲んで”茶碗”に注ぎ、”茶筅(ちゃせん)”を使って”お茶を点て”ます(写真:上)。次に、”お茶のいただき方”です。①”お茶”が出されたら、右手で”茶碗”を”畳のヘリ(縁)”の内側に引きます(写真:中左)。②ここで、畳に手をついて”亭主”に”礼”です。③右手で左手の上に”茶碗”をのせ、”軽く押し頂きます”(写真:中右)。④右手で時計方向に2度回し”絵柄(茶碗の正面)”を左側に移動させます。⑤3回くらいで”お茶”を飲み干します。最後に”全部飲み干しました”と、”すする音”を出します(音は無理に出さなくてもいいですよ)(写真:下左)。⑥”茶碗の口を付けたところ”を右手の”指先”で拭き、その指は”懐紙(お菓子ののっていた紙)”で拭きます。⑦時計と反対方向に2度回し、”絵柄”が自分に向かうようにしてから、”畳のヘリ”の内側に置きます。⑧畳に両手をついて”茶碗”を拝見します。膝に腕を付けたままの低い姿勢で”高台”も見ます(写真:下右)。⑨”茶碗”を返すために、茶碗をもち右手で時計と反対方向に回して”絵柄”を亭主に向けて”畳のヘリ”の外に置きます。⑩茶碗を取りに来たら、畳に手をついて”礼”をします。一通りの”お茶のいただき方”を学んでいただきました。「房総のむら」の「茶室」での「お点前の体験」はいかがでしたか。よかったら、またおいでください。「房総のむら」は、2年連続で ”TripAdvaisor (旅行の関する口コミサイトで世界で一番閲覧数のあるWEBサイトからの認証)”もいただいています。いい報告を期待しています。
 お子さんたちも、”お茶の体験”に来てくれました。⓪まずはじめに、”懐紙”にのせて出されたお菓子をいただきます(写真:上左)。①②お茶が出されたら、”畳のヘリ”の内側に移動し、ここで”礼(いただきます)”です(写真:上右)。④次に”茶碗”をもって2度回し”絵柄”をずらします(写真:下左)。そして、⑤お茶をいただきます(写真:下右)。この後、”茶碗を拝見”し、茶碗を返し”礼(ごちそうさま)”をしておしまいです。”お茶の体験”はいかがでしたか。「”お茶”はおいしかった」そうです。普段から”お茶”が好きなお子さんたちでした。
 「商家の町並み」「酒・燃料の店」の実演です。講師は「菅谷敦子」さんです(写真:左)。いわゆる”梅酒”づくりですが、昔ながらの方法の紹介です。まず、梅は”木灰(もくばい)を”まぶして”一晩置くそうです(写真:右下方の茶~灰色の梅)。理由はよくわからないとのことですが、”あく抜き”ではないかとのことでした。その後、水でよく洗い水分を切った後に、”へた”(梅の実の枝が付いていた窪み)に”ご飯粒”を詰めるのだそうです(写真:右上方の青梅)。こちらは、江戸時代には”砂糖”は大変貴重品だったので、甘みを出す工夫ではとのことでした。あとは、広口の瓶に”梅”と”氷さとう”と”焼酎”を入れて、熟成を待ちます。おいしい、”梅酒が”が待ち遠しいですね。でもこれは、薬ですよ。疲労回復、血行促進、食欲増進、整腸作用、冷え性、不眠症、、、まさに”万能薬”ですね。でも、この焼酎で”梅酒”を家庭で造るのが許可されたのは、昭和37年と最近のことなのですね。驚きました。
 残念な報告です。これまで紹介してきた、20個以上の蕾が付いた”ヤマユリ(山百合)”が折れて倒れてしまいました。折れたところを見ると”黄色いオガクズ状のもの”が付いていて、”虫”にやられたようです。そろそろ支え棒を付けなくては、と思っていた矢先でした。現在は、「下総の農家」の水の入った”桶”に入れられています(写真:左)。花が咲くとよいのですが、、、同じように”茎”が太く、蕾がたくさん付いた”ヤマユリ”が近くにありました(写真:右上)。また、館内あちこちの”ヤマユリ”の”蕾”も大きくなってきています(写真:右下)。「ヤマユリ情報」が始まりましたが、”蕾のたくさん付いたヤマユリ”についてはここで紹介してきたので、”折れた”こともここで報告しました。
 本格的に”梅雨”に入り、雨の日が多くなってきましたが、”アジサイ(紫陽花)”も随分咲いてきました。写真は、「風土記の丘」「水生植物園」近くの”アジサイ”です。
 そんな時期の花たちです。”ネムノキ(合歓木)”の花が雨に濡れています(写真:上左)。”ネムノキ”の花は、咲いたと思ったらもう散り始めています。”ゴボウ(牛蒡)”の花も随分咲いてきました。花の下の”総苞片”の”棘”の先端は”釣り針”のように丸まっています。ゴボウはもともとは薬用として中国から来たようですね。薄暗い林の中にひっそり咲く”イチヤクソウ(一薬草)”です(写真:下左)。名前の通り、薬としたことが名前の由来だそうです。「商家の町並み」の「堀割」では”キキョウ(桔梗)”も花が咲き出しました(写真:下右)。
 「上総の農家」と「風土記の丘資料館」の間の池のほとりの”ミズトクサ(水木賊)”です(写真:左)。普通の”トクサ”からみるととても細く、繊細な感じがします。林の中のあちこちで、とても細く小さな”ササ”のような植物を見かけます。暗いのでうまく撮れませんが”アズマネザサ(東根笹)”だとか(写真:右)
 ”ナワシロイチゴ(苗代苺)”です。5月18日には”花”が咲いたり、しぼんだ状態でした(写真:左)が、”苺”が実りました(写真:中)。中には色づき始めたものもあります(写真:右)。こうしてみると、花の時に見られる”萼(がく)”はそのまま残り、受粉後に一度閉じて、果実の成長とともに再び開くのですね。
 ”ノカンゾウ”の蜜を吸う”キアゲハ(黄揚羽)”です(写真:上左)。”オカトラノオ”の近くに”ジャノメチョウ(蛇目蝶)”がやってきました(写真:上右)。なかなか翅を拡げてくれない”ベニシジミ(紅小灰)”がやっと翅を拡げてくれました(写真:中左)。”キチョウ(黄蝶)”も”ノアザミ”の蜜を吸っています(写真:中右)。”モンキチョウ(紋黄蝶)”の”ペアー”が”空中デート”です(写真:下左)。奥の”黄色い蝶が雄”で、手前の”白い蝶が雌”だそうです。”イチモンジセセリ(一文字挵)”も求愛行動でしょうか(写真:下右)。

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