2018年12月11日火曜日

大雪(二十四節気)熊蟄穴(七十二候)12月12日~16日 ”わらのリース” ”下総のお飾り” 講演会も”しめかざり” ”茅葺屋根”葺き替え ”江戸野菜鍋”

 ”師走”に入り、今年も残り少なくなってきて何かと忙しくなってきました。”北国”では大雪の情報も聞かれ、七十二候は「熊蟄穴(くまあなにこもる)」になります。「房総のむら」では動物などの”冬眠”を確認できませんので、そろそろおしまいだと思いますが、店先で”鉄瓶”から”湯気”も立っている「茶店」の”モミジ”です。温暖な”房総”ならではの”初冬の風景”です。
 「商家の町並み」「細工の店」での「間野政勝」さんの「ざる・かご」作りの実演です。随分浅い入れ物のようでしたので確認すると、「”うなぎ”を入れる”かご”の蓋のような物でしょうか」との答えでした。この日も見事な”手さばき”で実演を披露していただきました。実演は午前中で、午後には体験の指導もしていただきました。
 「商家の町並み」「酒・燃料の店」では、「果樹酒・健康酒造り(ゆず酒)」の紹介が行われていました。指導の「菅谷敦子」さんが、並べたいろいろな”健康酒”の説明をしてくれました。この日の演目の”ゆず”については、「”ゆずの種”も栄養価が高いのですよ。利用価値があります。そんな紹介もしますよ。」とのことでした。
 「上総の農家」の「わらのリース」作りです。材料は、稲穂が出る前に”青刈り”して”天日干し”した”お正月飾り”を作る”わら”と同じものを使用します。ですから、ほんのり緑色が残っています。「上総の農家」でも15日・16日にはお正月の「お飾り作り」の体験がありますが、その”わら”と”お飾り”を作る技術を使った新しい演目です。体験されたお子さんのお母さんは「お正月のお飾りに」とおしゃっていましたが、出来上がった”リース”には何も飾りが付いていません(写真:左)ので、お好みでいろいろ付けて飾ることができます(写真:右)から、”お正月飾り”だけではなく、”ヒイラギ”などをつければ”クリスマス”などにも使えると思います。
 こちらは、「下総の農家」の”お正月”の「お飾り」作りの体験です。「下総の農家」で作る”お飾り”は、「房総のむら」の地元栄町など下総地方で一般的な”ゴボウジメ”です(写真:上)。”ゴボウジメ”は、一方が太く反対側に向かって細くなっていきます。このほかに、”輪飾り”も作っていただきました(写真:下)。
 「風土記の丘資料館」2階で開催中の「正月を迎える」の展示では、県内の”お飾り”だけではなく全国各地の”お飾り”も展示しています。代表的なものを紹介すると”伊勢の飾り”(写真:上左)は、一年を通して飾られているものです。撚り始めが左になるのが特徴で、”出船飾り”と呼ばれるそうです。ほかには福岡県の”竹じめ”、”宝珠”の輪郭をかたどった宮城県の”ホシノタマ”(写真:中左)、島根県の”鶴と亀”(写真:中中)、香川県の”五社”(写真:中右)、山形県の”俵じめ”(写真:下左)、蛇がとぐろを巻いたような広島県の”しめ飾り”(写真:下中)、まさに鶴が羽を拡げたような福岡県の”紅鶴”(写真:下右)など多数展示しておりますので、ご覧ください。
 と、いうことで、9日には企画展「正月を迎える」の関連行事二つ目の講演会として、しめ飾り研究家・グラフィックデザイナーの「森 須磨子」さんをお招きしました。「森」さんの講演のタイトルは「しめかざりー各地の多様な形とそこに込められた思いー」です。お話は、〇しめかざりって何 〇しめかざりのかたち 〇装飾を取ってみる 〇しめかざり探訪 という流れで進められました。”しめなわとしめかざり”の話から始まり、全国の”しめ飾り”の事例を示しながらいろいろな”しめ飾り”があることを紹介していただきました。〇しめかざり探訪では、12月末から準備されお正月に飾られる全国の”しめ飾り”を求めて、毎年数か所づつ数分刻みで巡っている苦労話などもありました。本来ならば、お正月を迎えた後は”どんどやき”などで燃やしてしまう”正月飾り”ですので、いつでも見られるものではないので調査にも苦労しているようです。講演会最後の、「新年の思いは人それぞれ」(新年を迎えるにあたっての)「選手宣誓」「人の数だけしめ飾りはある」ということばが印象に残りました。
 来館者の皆様には、ご迷惑をおかけしておりますが、「下総の農家」の「木小屋」の”茅葺屋根”の改修工事が始まりました。「木小屋」は、「主屋」などに比べると小さく2間(けん)(約3.6m)×3間(約5.4m)の”茅葺屋根”の建物です。今回は、”茅葺屋根”が傷み雨漏りするようになってきましたので、屋根全体を吹き替えることになりました。はじめに、現在の傷んだ”カヤ”をすべて除去し(写真:上)、雨漏れで腐った個所を新しい部材で修繕しました(写真:中左)。その後、屋根材の上にのせられた”竹材”も傷んだものは交換し(写真:中右)、部材に固定する”縄”も新たに結び直しました(写真:下)。時間の経過とともに、”繩”も「しょうがぬけて」でちょっと引っ張るとちぎれてします程”ボロボロ”になっていました。”縄”の結び方は”つぼむすび”というそうです。ただ縛っているようですが、皆同じく結ばれきれいに並んでいます(写真:下右)。
 「上総の農家」の”大根と人参”です。”大根”は二股に分かれ、まるで人間の足のようです。「上総の農家」では、以前からこんな形の根菜類が収穫できた時には、近くの「庚申様」にお供えしてきたそうです。”人参”は、人参とは思えないほど大きく成長しました。品種は、”江戸野菜”として栽培している”子安三寸(こやすさんずん)”です。”三寸”ですから、普通ならばおよそ10cmほどなのでしょうが、なんと20cmほどに大きくなっていました。今年の秋は、根菜類にとってはよかったのでしょうか?
 そんな”江戸野菜”で、今年も栄町主催の「少子化克服なべまつり」に参加しました。「なべまつり」には、10店舗ほどのが出店がありましたが、「房総のむら」は具材に「むら」で収穫した”大根”や”人参”、”牛蒡”などを使用し”みそ仕立て”にした”江戸野菜鍋”です(写真:上右)。”江戸野菜”の甘みのある、おいしい”鍋”に仕上がりました。スタッフも”てんてこ舞い”の中、大変好評で昼過ぎには完売してしまいました(写真:中)。この日は、近くの「大鷲神社」の”酉の市”も開催されて(写真:下左)おり、また、平成26年に復活された女性の方だけが引く「大鷲神社」境内に祀られている「魂生(こんせい)大明神」の”御神体”の曳き廻しも行なわれ(写真:下右)、会場周辺は大勢の方であふれていました。

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