2018年11月21日水曜日

小雪(二十四節気)虹蔵不見(七十二候)11月22日~26日 ”富士山”が見える季節 ”トリップアドバイザーエクセレンス認証” 「むら」の油絞り 赤い実、紫の実、黒い実

 七十二候は、「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」で、”虹”を見かけなくなる時期とのことのようです。「房総のむら」からは最近”虹”を見ていませんので、寒くなってきて「房総のむら」からも”富士山”が見えるようになってきましたので紹介します。写真は、太陽が沈む直前に「房総のむら」から見た”富士山”です。太陽は写真の左側ですが、おそらく11月上旬には「房総のむら」からも”ダイヤモンド富士”が見られたのではないかと思うのですが、その時分はあいにく雲が多く太陽が沈むところを確認できませんでした。条件が良ければ、春先まで「房総のむら」からも”富士山”を見ることができます。特に朝日に輝く真っ白な”富士山”、日没直前に真っ赤に染まる”富士山”、そして日没直後の夕闇にシルエットで浮かび上がる”富士山”が見所でしょうか。風が強いと、山頂の雪が舞っている様子を見ることもできます。
 ”旅行口コミサイト”としては世界最大の閲覧数を持つ「tripadvior」から昨年に続き、今年度も「エクセレンス認証」をいただきました。「トリップアドバイザーのエクセレンス認証」について、知らない方も多いかと思いますので「トリップアドバイザー」のホームページから概要を紹介します。「エクセレンス認証は、2011年から世界中で最高のサービスを継続的に提供しているホスピタリティ施設に授与される国際指標の認証です。過去1年間にわたり高評価の口コミを継続的に獲得した施設に授与され、その割合は、トリップアドバイザーに掲載されている全施設の約10%未満です。」そして、エクセレンス認証を獲得するためには、「トリップアドバイザー」の総合評価で5段階中4以上を維持していることなどの条件が必要とされております。「房総のむら」は、全世界に向け”日本文化の情報発信拠点”として、また国内外の来館者の皆様に体験しながら日本文化や歴史を学んでいただける博物館を目指してまいりますので、今後ともご支援よろしくお願いしたします。
 「下総の農家」の「菜種(なたね)油絞り」の実演です。
菜種油絞り①
はじめに、天日で乾燥させた”菜種”を”カマド(竃)”の上に据えた鉄製の”ほうろく(焙烙)”で、焦がさないように炒ります(写真:上)。少し香ばしい香りがしてきます。炒った”菜種”は、新聞紙を敷いた”箕”の上に広げ”粗熱”をとります(写真:中左)。ある程度冷めてきたら、”石臼”で挽いて粗い粉末状にします(写真:中中、中右)。「菜種油絞り」は実演でしたが、熱心に作業をご覧になっている方がいらっしゃいましたので、お話をすると「是非体験してみたい」とのことで、飛び入りで参加していただきました。”石臼”を回すのにはけっこう力が必要なのですが、楽しく体験に参加していただきました。”石臼”のまわりや”石臼”の間に残った粉末状の”菜種”を集め(写真:下左)、蒸すために”せいろ(蒸籠)”に入れます(写真:下右)。
菜種油絞り②
”菜種”を入れた”せいろ”を、”カマド”に掛けたお湯が沸いた”釜”の上にのせて蒸します(写真:上)。蒸している間に、油を絞る準備です。油を絞る方法はいろいろあると思いますが、「房総のむら」では昔ながらの”圧搾法”で実演します。使用する”圧搾機”は、昭和20年代に使われていた”螺旋式搾油機”です(写真:左下)。準備としては、”搾油機”の”円筒”の中に、乾燥した”シュロ(棕櫚)”の繊維を袋状にして敷き詰めて機械にセットします(写真:中中)。そこに、蒸しあがった”菜種”を入れます(写真:中右)。蒸した”菜種”が冷めないうちに手早く詰めていきます(写真:下中)。詰めたら、”円筒”に敷き詰めた”シュロ”を巻き込んで上も閉じます(写真:下右)。
菜種油絞り③
後は、”螺旋式搾油機”の円形の”ハンドル”を回して”油”を絞るだけです。”螺旋式”ですから、”ネジ山”が切られた”軸”を回転させて”押し板”を下方に押し下げることで、”円筒”の中の”菜種”に圧力を加えて油を絞りだすわけです。はじめは、”ハンドル”も軽く回りますが、徐々に”ハンドル”は重くなり”油”は簡単には絞れません(写真:上左)。”上のハンドル”が抵抗で重くなってきたら、”横のハンドル”に切り替えます(写真:上中)。”横のハンドル”は一回転させても”上のハンドル”が四分の一回転しか回らないギア比になりますが、それでも”菜種”の抵抗に”ハンドル”はなかなか回りません。見学していたお父さんにも手伝っていただきました(写真:上右)。この頃になると、”円筒”の下部の”穴”から”油”が染み出してきました(写真:中左)。もっと”ハンドル”を回して圧力を加えなければなりません。続いては、小学校の女性の先生二人にも応援していただきました。もう”ハンドル”は動かないだろうと思ったのですが、、。えっ!、我々、男性職員でも体重をかけてやっと回していた”ハンドル”を、女性の先生一人が腕の力だけで回してしまったのです(写真:中中)。一回転、二回転と回してしますのです。さすがに疲れた様子でしたが、すごいです。同僚の先生も驚いたようです(写真:中右)。おかげさまで、何とか”油”が絞れました(写真:下)。結局、この日は”二升”の”菜種”で約200ccの”菜種油”を絞ることができました。”
菜種”から人力で”油”を絞ることの大変さを実体験しました。先生、是非、子どもたちに電気・ガスがなかった頃の生活の大変さを教えてください。そのためにも、「房総のむら」での「昔のくらし」の勉強を役立てください。”油”が絞れて香ばしい香りが立ち込める中、にぎやかな実演になりました。体験者の方々には”菜種油”の味見もしていただきました。参加していただいた皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
 「風土記の丘」エリアの重要文化財「旧御子神家住宅」や千葉県指定有形文化財の建造物「旧平野家住宅」の”センリョウ(千両)”と”マンリョウ(万両)”、そして館内の林の中の”ジュウリョウ(十両)=ヤブコウジ(藪柑子)”が赤い実を付けています。
 ”ムラサキシキブ(紫式部)”や”ガマズミ(筴蒾)”も実がついていますが、今年は少し少ないような気がします。
ハマヒサカキ(浜姫榊)”です。5弁の白い花びらの花が下向きに並んで咲いています。別な木には紫色から黒くなった果実もついています。この実を食べに鳥が集まるようで、小鳥たちが葉の下を飛び回っています。
 ”トネアザミ(利根薊)=タイアザミ(大薊)”です。利根川周辺に多いので”トネアザミ”と命名されたようです。紫色の花の下の”総苞(そうほう)”が外に反り返っています。蕾の時は濃い紅紫色で、開花始めた頃には淡い紅紫色になり、やがて脱色して白くなり、種が実る頃には茶色に変化していきます。花が細い糸状で、横向きのところが、”ハバヤマボクチ(葉場山火口)”に似た感じもします。
 稲刈りの終わった水田のまわりには、小さな花が咲いています。”ハキダメギク(掃溜菊)”は、「牧野富太郎」が世田谷の”掃溜(ゴミ集積場)”で発見したのでこの名前になったそうです(写真:上左)。きれいな場所で見つけられれば、きれいな名前になったのでしょうに。”オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)”(写真:上右)や”コハコベ(小繁縷)”(写真:中左)は春から咲いています。”タカサブロウ(高三郎)”は果実もできています(写真:中右)。”アメリカイヌホウズキ(亜米利加犬酸漿)”は、少し紫がかった花も咲いています(写真:下左)。林の中の明るい場所に花びらが丸まった花がありました。”シロヨメナ(白嫁菜)”でしょうか(写真:下右)。
 花が終わった後の草花の果実や種子の様子です。種を飛ばした”ゲンノショウコ(現の証拠)=ミコシグサ(神輿草)”が並んでいます(写真:上)。農家の畑の”ニラ(韮)”も種ができていました。濃い黄色の花が咲いている”コセンダングサ(小栴檀草)”の痩花の先端には棘があり衣服にくっつきます(写真:中右)。薄い緑色をしていた”ノダケ(野竹)”の果実も淡褐色になってきました(写真:下左)。”フヨウ(芙蓉)”の実も弾けて、毛が密集した中から種が顔を出しています(写真:下右)。

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