2019年7月2日火曜日

涼しい足元~下駄の鼻緒すげ~

6月29日(土)・30日(日)の2日間、商家の町並みの木工所で「下駄の鼻緒すげ」の体験を行いました。祖父の代から下駄を作り続けている岩舘和己先生に指導して頂きました。岩舘先生は成田山のお坊さんが履く下駄も作り続けています。

下駄は木の台に歯を付け鼻緒を付けた日本の伝統的な履物です。3つの穴が台にはあいていて、鼻緒を穴に取り付けます。鼻緒の「緒」とは、 繊維をよった細長い紐のようなもののことを指します。

まず、下駄の台を選び「との粉」を塗ります。次に鼻緒を準備します。鼻緒は布の中に綿と紐が入っていて、逆V字形になっています。2股に分かれている鼻緒の先に錐で穴をあけます。そこから紐が伸びているので独特の結び目を作ります。この作業が難しく少し練習が必要ですが、先生が誰にでもやさしく教えてくれます!!



鼻緒に穴をあける(左)と独特の結び目を作る(右)
鼻緒をつける準備が終わると、下駄の台を磨いていきます。「伊保田蝋(いぼたろう)」というロウを台に塗り、「浮造り(うづくり)」というブラシで磨きます。浮造り(うづくり)とは、植物の萱(かや)の根を集めて紐で縛った道具で、「浮造り」で磨くほどに台の木目がきれいに表われます。


台に伊保田蝋を塗る作業(左)と浮造りで磨く様子(右)

3か所の台の穴から鼻緒を取り付けます。まず後ろの穴に紐を通し、次に前の穴に紐を通して鼻緒を取り付けます。先ほど鼻緒に準備した紐の結び目がここで活きてきます。後ろの鼻緒は、左右の紐を互いに絡め、さらに紐を巻きつけていきます。

前の穴に紐を通す様子(左)と後ろの紐を止める作業(右)
最後に「前金(まえがね)」を付けて完成します。付ける前に何度も下駄を履いて最終の調整を行います。余分な紐を切り前の鼻緒の結び目に、小さい釘で「前金」を付けます。


前金を付ける様子(左)ときれいに完成した下駄(右)
「下駄の鼻緒すげ」では、鼻緒を選ぶ楽しさと伝統的な紐の結び方を体験できます。体験した2人の方は、それぞれの下駄に満足していた様子でした。次回の「下駄の鼻緒すげ」の体験は、7月13日(土)・14日(日)に行います。詳しくは、房総のむらのホームページで日程をご確認ください。(い)


0 件のコメント:

コメントを投稿