2025年6月15日日曜日

下駄の鼻緒すげ

  本日は、成田で大正時代から続く岩舘履物店の岩舘和己氏を講師にお招きし、下駄の鼻緒すげを行いました。

 鼻緒をすげるだけかと安易に思ったら大間違い。2時間の体験時間に、職人の技術がたくさん詰まっていました。

 最初に、参加者は好きな鼻緒と下駄を選んでいただき、先生から道具と工程の説明があります。

 下駄は、天板とコマ(歯)が、継ぎ目のない一つの桐材。とても良いものです。トクサを使った下駄の角を削る道具、つやを出すイボタロウ(カイガラムシの一種イボタロウムシの分泌物)、磨くための茅を束ねた浮造りなど、昔ながらの道具を使います。


 トクサで角を削り、細かな凹凸をなくすため砥の粉をぬり、しばらく乾かします。

 砥の粉が乾く間に、鼻緒の紐の処理を練習し、鼻緒の準備をします。

 次は、砥の粉を軽く落として、イボタロウを塗り、浮造りで磨きます。力の入れ方に慣れてくると、次第につやが出て、木目が浮き上がってきます。

 

 先生の磨いた下駄のみごとなツヤに、参加者から「なぜ、先生のものと自分のものがこんなに違うのか」という質問があり、先生の回答は「プロですから」。そんな場面もありました。

 最後に鼻緒をつけて完成なのですが、ここにも紐の処理と履き心地の調整など、いろいろな技術が詰まっていました。


 房総のむらの演目の中では、比較的高額な(でも、下駄を仕立てることに比べれば、絶対安い!)演目ですが、作られた皆さん、自分の下駄にうっとりしているようでした。

 下駄の鼻緒すげは、今年度は6月28日・29日、7月12日・13日にも行います。まだ、空いている枠もありますので、ぜひ、体験してみてください。(ひ)


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