2018年1月24日水曜日

大寒(二十四節気)水沢腹堅(七十二候)1月25日~29日 むらも大雪 大寒でも体験です 茅屋根葺替え


 「大寒」の七十二候次候は、「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」です。沢の水が氷となり、厚く張り詰める頃だそうです。「下総の農家」の下の”調整池”も一面に氷です。表面が細かく波打っています。
 こちらは、「商家の町並み」の”天水桶”です。氷が張っていますが、大きな”三角形”ができる日もあれば、同心円状に境目ができる日もあり、日によって氷のでき方が変わります。
 22日に大雪が降りました。春が近いと思ったのですが、やはり「大寒」なのですね。これから、この冬一番の寒気が来るそうです。写真は、23日の「房総のむら」です。朝の内は”雪化粧”でしたが、午後にはかなり溶けだしていました。体験を予定していた学校など多くの団体さんが、”キャンセル”されました。でも、この”雪”では仕方ないですね。改めてのご来館をお待ちしております。
 「商家の町並み」「畳の店」(写真:左)「木工所」(写真:右)の「太子講」の展示です。「太子講」は、旧暦の1月21日か22日に「聖徳太子」を”職能神”として信仰する”大工”や”畳屋”などの同業の職人達が集まって”太子像”を祀り、飲食や会合を行います。この日に行われる講は、飲食をするほか賃金の協定をしたり、様々な申し合わせをしたり、職人仲間の運営にとっては大切な日でした。
 「商家の町並み」「細工の店」の「間野政勝」さんの「ざる・かご」作りの実演です。隣の”手桶”は、「間野」さんが修理した「房総のむら」の”手桶”です。修理前は長く「商家の町並み」で風雨に曝され”白木”の表面が古色を帯び”タガ”が外れた状態でしたが、なんと”芸術作品”に生まれ変わってしまいました。”タガ”を締め直すだけではなく”桶”の表面を焼いていただき、”木目”が浮かび出た茶色の”桶”に黄白色の”タガ”がしっくりしています。「間野」さんが”房州”から持ち帰った「スイセン」を入れて、店先に飾らしていただきました。
 こちらも、ブログには時々登場していただいている「商家の町並み」「菓子の店」の「大川功修」さんです。今回の実演は、「黄味しぐれ」です。中心に”餡”を入れ、回りを”卵黄”が入った”生地”で被い、表面に乾燥させた”粉末状の乾燥餡”をまぶします。出来上がったら”せいろ”に並べ蒸すこと5分ほどで、”卵黄”が膨張して細かい亀裂が入って完成です。伝統的な手法で作られた「黄味しぐれ」は、見た目もきれいなおいしい和菓子です。「商家の町並み」「茶店」で提供させていただきました。

「商家の町並み」「本・瓦版の店」の「折り本」作りの体験です。「折り本」は、横に長くつなぎ合わせた紙を一定の間隔で折り畳んで製本した”本”です。先頭の部分と最後の部分に”厚手の表紙”を取り付けますが、「房総のむら」では表紙の紙には”千代紙”や”浮世絵”などを使用します(写真:右)。はじめに紙をつなぎ合わせ、表紙は厚紙の上に薄い綿をのせて、その上にお好みの紙を貼って完成させます。作業は単純ですが、より”きれいな製本”にするためには紙の張り合わせなどに丁寧な作業が求められる体験です。
 「商家の町並み」「瀬戸物の店」の「七宝のキーホルダー」作りの体験です。「七宝」は、伝統的な金属工芸で、”金属の素地”に高温で溶けた”釉薬”で美しい彩色をするものです(写真:右)。基盤となる形を選び、その上にお好みの”ガラス小片(フリット)”を並べて模様を作ります。その後、”高温の炉”に入れて”ガラス”を溶かします。最後に、金具を付けて完成です。”ガラス”が思いどおりの模様に溶けたようで、きれいな「七宝」に満足していただけたようです。
 「安房の農家」の「茅葺屋根」の改修工事の進捗状況です。建物正面の表層の”茅”の”葺き替え”もずいぶん進んできました(写真:上左)。「安房の農家」の現在の”茅屋根”は、いろいろな”茅”が混ざった”茅”で葺かれているので、同じように葺き直します。そのために、屋根のコーナー(隅)部分などを葺く場合には、はじめに地上でいろいろな”茅”を混ぜて”束”を作って(写真:中左)おいてその”茅の束”で作業をしています(写真:上右)。しかし、「母屋」中央部のように面的に広い場所は、”ツイタテ(衝立)”を設置しその中に何種類かの”茅”を置いてその場で整えながら(写真:中右)並べ最後は”長い茅”で押える(写真:下左)のだそうです。こうすると、”茅”が下にずり落ちるのを防ぐこともでき効率的だそうです。また、この方法だと”子どもたちの体験”などもやり易いということでした。そして、”押し鉾竹(おしぼこたけ)”で押え、最後に”ガンギ”と呼ばれる道具で表面を整えます。時々、屋根の横から見て、茅屋根の表面が”平”になっているかを確認しながら、細かく”ガンギ”で叩いて調整していました(写真:下右)。
 地面にも一面にかなりの”実”が落ちています(写真:下)が、それでも枝にたくさんの”実”を付けているのは、「商家の町並み」「呉服の店」の裏の「センダン」です。「センダン」の”実”は、秋から冬にかけ黄褐色に熟し、葉が落ちても枝についています。”実”には「サポニン」を多く含んでいるそうですが、樹皮や実は薬としても利用されたり、固い実の核は”数珠”などにも利用されるようです。また、”草木染”の”染料”にも利用できるようです。この季節にもかかわらず、枝についた”実”が目にとまる「センダン」です。

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