2020年4月23日木曜日

下総の農家(生活歳時記)

 4月19日(日)に安産を願って行われる行事の一つ、犬供養の展示を行いました
 犬供養とは、犬卒塔婆(いぬそとば)と呼ばれている二股に分かれた木の棒に供養の文言が書かれ、村外れの道がわかれている場所に立てる行事です。
 犬はお産が軽いのでそれにあやかりたいという考えや犬が軽いお産で死ぬのはただごとではないとして、供養することから犬供養と呼ばれたとされています。
 


 女性たちは、犬塔婆を持ち鉦(かね)や太鼓を叩きながら村外れの道まで行き、犬塔婆を立てます。そして、握り飯を入れた藁で作られたツトッコと呼ばれる入れ物を塔婆に結び付けて、線香を供えます。
 当時のお産の大変さが窺える資料で、現在も行っている犬の日に、神社にお参りすると安産祈願のお守りなどが売られているのは、今も変わらぬ願いであることを示していると思われます。
 房総のむらでは、栄町龍角寺の事例をもとに、供養の文言と梵字を書いた犬塔婆を立てています。(ひ)

 次回は、近隣の事例について紹介いたします。

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