10月から11月にかけては、「房総のむら」では一年の中でも小学生の”校外学習”が特に多い時期です。一般の方に交じって、多い日には一日に10校を超える学校さんが来館します。子どもさんたちは、「商家の町並み」や「農家」「風土記の丘資料館」などで、展示資料を探したり、館の職員の説明で”電気・ガスがなかった頃”の”昔のくらし”の勉強などもします。
こちらはもうお馴染みなったと思いますが、「下総の農家」の「ぼっち笠作り」です。体験されていらっしゃる方は、東京からの来館とのことですが、これまでに”わらじ”など”農家の手工芸品”も作っているそうです。「ぼっち笠」は、前回”小さいもの”(1日で製作可能)(写真:下左)を作ったので、今回は自分用に”大きな笠”(2日間で製作)(写真:下右)を作るために来館されたそうです。「”ぼっち笠”は涼しくていいです」とのことです。
「農家」の畑では、休日には大勢の方が”新鮮野菜の収穫体験”を楽しんでいます(写真:上)。この”野菜の収穫”を目当てに来館される方も結構おります。”枝豆”、”さつまいも”に続き、この日は”かぶ(蕪)”、”里芋”などの収穫が行われていました。”かぶの収穫”となれば、皆さん、”子どもの絵本”でお馴染みの「おおきなかぶ」を思い出すようで、「うんとこしょ、どっこいしょ」と掛け声をかけます。でも、この”かぶ”は、”おじいさん”に”おばあさん”、”孫娘さん”に”犬”、”猫”、そして”ねずみ”も手伝うような”おおきなかぶ”ではなく、一人で簡単に抜けました(写真:中、下左)。”里芋”は、一株にこんなにたくさん”芋”がついています(写真:下右(洗浄済))。
”八房唐辛子”もいい色になってきました。この”トウガラシ”は、葉の上に先端を上に向けて”房状”に”実を付けます。”赤唐辛子”でも、”青唐辛子”としても食べることができます。そして、真っ赤な”トウガラシ”はインテリアに飾る人も多いようです。「魔よけにいい」という人もいます。「農家」(「総屋」)で販売もしております。
「商家の町並み」「呉服の店」では、「安井永子」さんによる「型彫」の実演です。布に”模様”を染める方法に”型”を使う”型染”がありますが、その”型紙”を彫る実演です。”型”を使うことで、同じ”模様”を繰り返し染めることができます。”型紙”は、”美濃紙”を”柿渋”で張り合わせた”渋紙”を使います。手順としては、①和紙に下絵を描き、②その下絵を渋紙に貼り、③刀(デザインナイフ)で模様を彫ります(写真:下)。④彫り上がったら、下絵を剥がし”紗(目の細かい網)”を漆などで貼って完成です。”型染”については、当ブログ「大暑 大雨時行(8月2日~)」もご覧ください。
館内のあちこちで咲いていますが、ほとんどは花が一つや二つですが、たくさんの花を付けた株がありましたので紹介します。”竜胆色”と呼ばれる”薄い青紫色”の花が、房状に上に向かって咲いています(写真:上中)。
”ゲンノショウコ(現の証拠)”の白い可憐な花は紹介してきましたが(写真:左)、花が終わった後に上に向かって伸びた棒状の根元に”種”が付いています。はじめは緑色ですが、徐々に黒くなってきます(写真:右)
黒くなってきた”種”を朝の9時過ぎに観察したときに、中央の棒の裾が開き始めているのを数本確認しました(写真:上右)。昼前に見た時には傘の骨のように5本開いていました(写真:下)。”種”が飛ぶ瞬間は見ることができませんでしたが、”ゲンノショウコ”が”種”を飛ばした後の姿です。”種”を包んでいる皮が、”板バネ”のような力で巻き上がって”種”を飛ばすようです。この形を見ると、”ゲンノショウコ”の別名”ミコシグサ(神輿草)”も理解できます。確かに”神輿(みこし)”の屋根のようですね。
翌日、同じものを観察すると、昨日よりさらに巻き上がり”シャンデリア”か”金属製の飾り”にも見えます(写真:左)。2本だけ”種”を飛ばして巻き上がってたものもありましたが、まるで”ガッツポーズ”です。(写真:右)。自然が作った形に、”おみごと!”としか言いようがありません。
”種”つながりで、”スミレ(菫)”の種です。「大木戸」で見つけました。朝に袋が割れて種が見え始め(写真:左から2枚目)、昼にはほぼ開きました(写真:右から2枚目)。この”種”は、この日のうちにはじけてしまいました(写真:右)。
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