2019年12月25日水曜日

むらの竹の利用~珍しい種類のもあります~

 房総のむらでは、体験する材料や展示において「竹」を使うことが多くあります。今回はその「竹」を簡単に紹介します。竹は、温暖で湿潤な地域に分布します。日本では、竹の持つ丈夫さと柔軟なしなり具合を持つことから、建築資材や工芸品などに昔から利用されてきました。むらには、竹林が何か所かあり、体験で使う「竹」を自分たちで採取、加工します。

旧平野住宅の竹林(左)とキンメイチク(右)
 加工して使うマダケやモウソウチク以外にも、緑色の節間(ふしかん)に短冊状に黄色が混ざるキンメイチクの生育も見られます(逆の色合いのこともあります)。旧平野家住宅のまわりには、さまざまな種類の竹が生育しており、その種の竹の特徴を理解しやすくなっています。

体験で使う竹ひご(左)と竹ひごを作る道具(右)
 竹を使う木工所の体験では、事前に竹ひごを作ります。そのためには、状態の良い竹を切り出し、丸い一節(ひとふし)の竹を鉈(なた)で細く縦に切り裂き、竹内側の白い部分を道具を使い取り除きます。そのあと外の皮に近い緑色の部分をひごとして使える細さと薄さに仕上げます。竹ひごを一本作るのにも時間と手間がかかっています。

農家での飾り付け準備
 竹ひご以外の竹の利用として房総のむらでは12月に門松を飾ります。正月を迎えるにあたり、1月2日(木)~8日(水)までの期間、それぞれの異なる門松の飾り付けを農家・商家・資料館で展示しています。今では見かけることの少なくなった、生活に根差した正月飾りを見ることが出来る絶好のタイミングです。

商家での飾り付け準備
冬でも青く、成長の早い竹を昔の人々は神聖なものとして考えていました。竹ひご、門松のほかにも、いろいろな用途の竹をぜひご覧になりに体験しにいらしてください!!(い)

2019年12月24日火曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家、むらの架け橋周囲、下総の田んぼ、水車小屋、下総の農家、草木の観察路、武家屋敷を巡りました。


●資料館脇のトウカエデの種子がプランターで芽生え、小さく紅葉していました。その他の草木の紅葉・黄葉・褐葉もきれいです。
 ガマズミ、キンミズヒキ、ウグイスカグラ、ウツギ、ハリギリ、コナラ、モミジイチゴ、ヤマコウバシ、クサイチゴ、マユミ、エノキなどです。

●ヒイラギの開花が続いています。ソシンロウバイは一輪咲き、これから本番に入ります。

●イボタノキ、ヘクソカズラ、ハマヒサカキの果実が少し残っていました。

●草木の観察路のセンニンソウに名札を付けました。

●以前、武家屋敷のヤマコウバシが伐採されてしまいましたが、「ひこばえ」が出てきたので名札を付けました。
 ヤマコウバシの葉は春の新しい葉が出るまで、枝に付いていてなかなか落ちないので、「試験に落ちない」と縁起をかつぐ人がいるようです。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。12月20日(金)の観察に基づいています。(風)


※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 1月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 1月19日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○テーマ : 「オウレン(黄連)の仲間」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

2019年12月19日木曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、武家屋敷裏、上総の農家、おまつり広場、下総の農家、安房の農家、草木の観察路、水車小屋、下総の田んぼを巡り、帰りに商家の町並み、堀割、復元竪穴住居周辺を観察しました。


●武家屋敷の裏の土手にはタイワンホトトギスが群生していて、花が一輪残っていました。

●開花していたものは、ヒイラギ、ジュウガツザクラ、ビワでした。ビワは良い香りを放っています。

●コナラ、クヌギ、エノキの落葉は、園路を覆いつくしています。

●ジュウガツザクラやカスミザクラの紅葉が見事です。

●堀割のイロハモミジは、落葉が済んでいましたが、茶店横のものは紅葉の盛りでした。

●コバノズイナやドウダンツツジの紅葉も味わいがあります。

●復元竪穴住居のまわりでは、センブリやイヌコウジュ、サネカズラの果実が出来ていました。

●おまつり広場の北の坂道脇で、キッコウハグマの綿毛が付いた果実が見つかりました。果実の写真は撮れませんでしたが、亀の甲羅の模様に似た葉を確認することが出来ました。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。12月13日(金)の観察に基づいています。(風)


※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 1月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 1月19日(日)午後1時30分から1時間程度

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「オウレン(黄連)の仲間」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)


2019年12月13日金曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家、むらのかけ橋周辺、おまつり広場、草木の観察路、安房の畑、下総の農家、水車小屋、下総の田んぼを巡り、戻りに武家屋敷、資料館連絡通路周辺を観察しました。


●果実を観察したものは、クズ、ヤマユリ、ヤマノイモ、イササゲ、ムクノキ、ガマズミ、ナンテン、センナリホオズキ、コセンダングサ、ウツギ、ヒヨドリジョウゴ、ムラサキシキブなどです。前回シロダモの赤い果実が沢山生っていましたが、今回は全くありませんでした。

●ヒイラギが咲き始めました。その他開花しているものは、カンツバキ、ジュウガツザクラ、ヤツデ、マツヨイグサ、ウシハコベでした。マツヨイグサは寒くなると朝が過ぎてもなかなかしぼみません。

●ヤマユリの果実が割れ、中に種子が詰まっているのが見えました。種子は軽く、風により飛ばされます。

●カラムシの葉は枯れても茶色になりません(藍も同じ)。
 この茎の皮から繊維を取り、糸にして織ったものは越後縮(小千谷縮)となります。葉は草木染の原料のひとつです。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。12月6日(金)の観察に基づいています。(風)



※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 12月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 12月15日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「粟(アワ)とエノコログサ」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

2019年12月5日木曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、資料館連絡通路、堀割、商家の町並み、武家屋敷、上総の農家、竹林の坂、上総の田んぼを観察しました。
 その後、風土記の丘エリアの旧御子神家住宅まで足を伸ばしました。


●小さな果実が実っています。
 アオツヅラフジ、キンミズヒキ、ノダケ、ヒカゲイノコズチ、ムラサキシキブ、コムラサキ、スズメウリ、センダン、ナズナ、ガマズミ、フヨウ、ヘクソカズラ、ツルウメモドキ、クズ、イヌビワ、ホトトギス、ヤマハギ、センリョウ、ガクアジサイ、ウメモドキなどです。

●ムベの果実はアケビのように開裂しませんが、亀裂が生じたものがあり、小鳥が突いたような状態のものが見られました。

●旧御子神家住宅では、サンシュユのツボミが出来ていました。同じ敷地のナギイカダにもツボミが出来ていました。ともに3月には開花しそうです。
 ここのナギイカダは雄花ですので、赤い果実は生りません。 

●武家屋敷では、ユキヤナギが咲いています。本来の花期は4月ですが、冬でもポツポツ咲くことがあります。
 フヨウの種子を“お猿さんの顔の様だ”と感じる人がいます。

●堀割のイロハモミジの紅葉が最盛期を迎えました。

●昔の主食であった粟(アワ)、稗(ヒエ)、黍(キビ)を上総の農家の作業小屋で展示してあります。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。11月29日(金)の観察に基づいています。(風)



※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 12月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 12月15日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「粟(アワ)とエノコログサ」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)


2019年11月29日金曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家、商家の町並み、堀割、上総の林の中道を観察しました。



●むらの木々が黄葉、褐葉、紅葉してきました。


●掲載写真以外に観察した樹木は以下のとおりです。

〔落葉樹〕クロバナキハギ、トサミズキ、トウカエデ、シダレヤナギ、ゴンズイ、サルナシ

〔常緑樹〕ヤマツツジ、アカマツ、シラカシ、ニッケイ、カンツバキ


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。11月22日(金)の観察に基づいています。(風)



※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 12月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 12月15日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「粟(アワ)とエノコログサ」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)

2019年11月20日水曜日

房総のむらの花だより

 本日は資料館を出発し、資料館連絡通路、上総の農家、むらの架け橋、下総の田んぼ、草木の観察路、安房の農家、下総の農家、水車小屋を巡り、戻りに武家屋敷裏を観察しました。


●ホオズキの袋(萼)の筋が残り、透けて見えます。袋ごと水に漬けておくと、人工的に筋だけを残すことが出来るそうです。

●ヒイラギのツボミが見えてきました。

●カンツバキの開花が盛んになってきました。

●下総の田んぼの畔では、タネツケバナ、メヒシバ、オヒシバ、スカシタゴボウ、イヌガラシ、ハハコグサ、アメリカイヌホオヅキ、オニノゲシ、タカサブロウ、コセンダングサ、ハキダメギク、ホソアオゲイトウなどが観察できました。

●キバナアキギリがまだ開花しているものがありました。

●武家屋敷裏の土手に、タイワンホトトギスが咲いています。資料館脇のホトトギスは、すでに果実になっていました。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。11月15日(金)の観察に基づいています。 (風)


2019年11月15日金曜日

おいしく料理が出来ます~包丁作り~

 毎年11月10日(日)、房総のむらの鍛冶屋では、「包丁作り」の実演を行っています。今年も、農具作りなどで鍛冶屋に来ていただいている君津市の鈴木啓支氏に実演を行ってもらいました。

  包丁は、〈和と洋〉〈両刃と片刃〉〈包丁の材料となる素材〉などでさまざまに区別することができます。包丁作りは地金と鋼を接合する鍛接(たんせつ)し、形を整えた後焼き入れをして、最後に研ぐことで刃を付ける一通りの工程を一日かけて実演します。今年は、職員の研修を兼ねて片刃の和包丁を作ってもらいました。

鋼を付ける様子
 包丁を作る場合に苦労するのは、鋼を地金につける工程です。軟らかい鉄である地金と硬い鉄である鋼は、熱によりそれぞれとける温度が違います。二つの鉄が一つの鉄になるには、地金の上にのせた鋼は液状化する直前に鍛接しなければなりません。
鋼の“フツフツ”となるタイミングは毎回条件が異なるためかなりの経験が必要となります。


親方と相方で整形する様子
 鋼を付けた後は、素材を薄く広げて包丁の形に整えます。その際の鍛接は、二人一組で鉄を叩きます。親方が小槌を振るい、親方の指示のもと相方が向槌(むこうづち)で所定の厚さ大きさに整形します。


焼き入れ
包丁の計測(左)とヤスリで削る(右)
最終工程の研ぎ
   ほぼ一日の作業で刃渡り15センチほどの出刃包丁が完成しました。何通りかの製作方法が包丁作りにはありますので興味のある方は、実演をぜひ見にお越しください!!(い)

2019年11月13日水曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家、武家屋敷、堀割広場、竪穴住居の周辺を観察しました。


●リンドウは風土記の丘エリアで咲き始めました。

●ヤマノイモは、種子の他に「ムカゴ」でも増えます。ムカゴは、葉が全部黄色くなる頃には黒くなります。

●秋の果実では、ハマヒサカキ、アオツヅラフジ、ガマズミ、クサギ、コムラサキなどを観察しました。
 アオツヅラフジの果実は、まだ緑色のものがありました。
 ガマズミの果実は、あちこちにありますが、武家屋敷の庭のものが一番沢山生っています。
 クサギの果実は、藍と並んで青を染めることのできる2大原料となります。

●オオバコの果実は、水に濡れると粘り気がでて、人や動物や車にくっつき運ばれます。道端に多いのはそのためで、葉は踏まれてもいいように丈夫に出来ています。

●田んぼでは、タネツケバナやヨメナが咲いていました。

●ソメイヨシノの葉は、秋の初め頃に落葉してしまいますが、ウワミズザクラは晩秋まで残り、きれいに黄葉してから落葉します。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。11月8日(金)の観察に基づいています。 (風)

2019年11月8日金曜日

感謝と安全と繁栄と~ふいご祭り~

 11月8日(金)商家の町並み鍛冶屋では、「ふいご祭り」の様子を再現しました。鍛冶屋を初めとする鉄にかかわる仕事をしている人々の神事が「ふいご祭り」で旧暦の11月8日に行われていました。「ふいご祭り」がこの日になったのは、稲刈りが一段落した時期だからと言われています。
ふいご祭り展示
 ふいごは炭などの燃料を燃やすために空気を送る道具で鍛冶屋には欠かせません。祭りは火を大切に思い火に感謝し仕事の安全を祈る目的で続けられてきました。鍛冶屋に展示した掛軸の〈金山彦大神(かなやまひこのおおかみ)〉も左手に火種をかざし、右手には作業用のタガネを持っています。展示台中央にはみかんが供えられています。これには諸説ありますが、ふいごが天から降ってきてみかんの木に引っかかったという言い伝えがもととしてあるようです。

調理する鮒(左)と土井清孝氏(右)
 房総のむらでは、土井清孝氏に指導していただき印西市瀬戸地区の鍛冶屋の事例を再現しました。供えるものは全国でさまざまなものがありますが、印旛沼周辺では〈鮒〉を使ったお供えが特徴として挙げられます。

鮒のピン焼き(左)とお供えの膳(右)
〈鮒〉は冬場大きく太り漁で取ることができます。この時期の印旛沼のご馳走であったから使われたと考えられます。本日は普段あまり見ることのないお祭りを店先に展示しています。(い)

2019年11月6日水曜日

房総のむらの花だより

 本日は、資料館を出発し、上総の田んぼ、竹林の坂、上総の農家、おまつり広場を巡り、帰りは呉服の店裏、堀割広場、資料館裏の広場、竪穴住居の周辺を観察しました。


●センブリが竪穴住居のそばで一斉に咲き始め、沢山の花が見られます。

●遅い時期に咲くヤクシソウは、晩秋を飾るようです。上総の林に群落があります。

●ツルウメモドキは、ようやくオレンジ色の種子を現しました。この蔓の皮は丈夫で、蝦夷人(アイヌ)は舟の板を張り合わせる時の材料としたそうです。

●ジュウガツザクラは、10月に盛んに咲いていましたが、やや下火になってきました。

●秋の果実としてノササゲ、ヘビイチゴ、アオツヅラフジ、ムラサキシキブ、ムクノキ、サワフタギ、ガマズミ、ムベ、コミカンソウ、ツルウメモドキ、カンツバキ、スズメウリ、サネカズラ、フユヅタなどを観察しました。

●ホトケノザが早くも開花していました。


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◎以上は、むらの自然ガイドボランティアさんからの写真と記録です。11月1日(金)の観察に基づいています。(風)


※自然観察会のお知らせ
 自然ガイドボランティアでは、月に一回、土日のいずれかを利用して来館者を対象とした「自然観察会」を開催しています。
 11月は下記の予定で行いますので、興味のある方是非ご参加下さい。

○日時 : 11月10日(日)午後1時30分から1時間程度(雨天中止)

○集合場所 : 総屋前

○今月のテーマ : 「ナタマメの話」

○参加費 : 無料(むらの入場券必要)


2019年11月3日日曜日

ふるさとまつり

本日11月3日(日)「ふるさとまつり」を開催しています。時おり雲が切れて青空が見える天気です。駐車場はほぼ満杯となり、開館前から来館者で賑わっています。

ぼうじろー登場
 「すいとんの販売」や「浮世絵の摺り 実演」などの各種体験・実演をはじめとして、特別イベントでは祇園囃子・大道芸・お菓子プレゼントを行います。

祇園囃子
スーパー紙とんぼ
農村歌舞伎舞台では、14:30から餅まきを行います。今ではほとんど見られなくなりましたが、房総のむらでは体験できますのでぜひ来館してください。お待ちしています!!(い)










 
 
 
 
 
 
 
 
 
 












2019年11月1日金曜日

栽培の技術~房総のむら 菊・菊人形~

 10月29日(火)~11月10日(日)まで商家の町並み、辻広場において「江戸の花卉(かき)」〈菊の展示〉を行います。今年も千葉市の島田清司さんが育てた菊を展示しました。展示初日はあいにくの雨でしたが、慎重な作業で展示を終えました。

トラック内部(左)と飾り付けの様子(右)
 菊人形は「餅搗くうさぎ」「女船頭さん」、菊の鉢は「江戸黄八丈」「荏原の霞」などの品種を展示しました。

後列左「江戸黄八丈」、後列右「荏原の霞」、前列左「トリニン」
 菊の栽培は「枝数を増やして大株」にすることが肝心です。そのためには、伸びていく先端部の芯(芽)を摘み取る摘芯(てきしん)を行い、脇から芽が出るようにします。


「荏原の霞」のつぼみ(左)と根元(右)
 本来であれば真っ直ぐな芽先(めさき)が一本伸びて枝になります。その芽先(めさき)を摘み取ると脇から新しい芽先(めさき)が二本伸びます。さらに二本の芽先(めさき)を取ると四本の芽先(めさき)になり、それを繰り返すことで枝・葉・花を増やしていきます。
「江戸黄八丈」
 江戸時代の菊の栽培書には、この“摘芯”のことも書かれていて、秋の風物詩として菊が愛されていたことがわかります。この黄菊は摘芯で八本の枝を伸ばし小菊などの大株とは違ったおもむきをかもしだしています。


「トリニン」
 いろいろな種類の中菊や小菊がどう咲き揃っていくのか、菊の花の毎日の変化を、ぜひ房総のむら商家町並みでご覧ください!!(い)