2021年5月30日日曜日

館内の植物情報

館内で見られる花などを紹介します。

上総の農家の前の畑にニンジンの花が咲いていました。
観察・撮影される場合は畑内に立ち入らないようご協力をお願いいたします。

ニンジン


オカトラノオ


シモツケ


ヤマアジサイ


キリンソウ(とモンシロチョウ)

危険ですので、園路外への立ち入りはご遠慮ください。
館内での植物・昆虫採集は禁止となっております。
里山環境の保護にご協力いただきながらご見学いただくようお願いします。

(2021年6月2日修正)

2021年5月29日土曜日

杉玉作り


5月15日(土)、16日(日)、酒・燃料の店で講師の先生をお招きして「杉玉作り」の実演と予約体験を実施しました。

杉玉とは、杉の葉を束ねて球状にし、軒先にかけて酒屋の看板としたものです。新酒ができた目印としても用いられました。



                  (国立国会図書館ウェブサイトから転載)


江戸時代の正徳2(1712)年に成立した『和漢三才図会』にも、「…望子は、多くは杉の葉を束ねてこれをつくる。形は鼓のごとし。…自ら醸(つく)らずして酒を沽(う)る家には看板を出して幟(しるし)となす」とあります。「望子」とは、商品などを表す標として店先に掲げた看板です。




球状の竹かごに杉の葉を差し込む様子





杉の葉を球状になるように刈る様子


先生は手慣れた手つきで刈られていましたが、シュロ縄で吊るされた杉の葉は、刃を入れる度に左右に揺れてしまい、実際はとても難しい作業です。

体験者の方は、各々満足のいく形を目指して、丹念に刈っていらっしゃいました。



体験者の方と出来上がった杉玉の記念撮影!

とても綺麗な形に仕上がっていますね。

次回は9月に予定しています。ご興味のある方は、総合案内所(総屋)までお尋ねください。(そ・あ)

2021年5月26日水曜日

下駄の鼻緒すげ

 5月22・23日に木工所の予約体験、「下駄の鼻緒すげ」を行いました。講師は岩舘和己先生です。

 昨年度は新型コロナウイルスの影響により体験ができませんでしたが、今年度は感染対策を行ったうえで体験を実施しました。

 「下駄の鼻緒すげ」の体験では、

①桐下駄の台の角をヤスリ(木片にトクサを張り付けたもの)で研磨します。

②水と混ぜた砥の粉を塗り、布で拭きとった後、乾燥させます。

③下駄を乾燥させている間に、鼻緒の準備をします。
鼻緒の紐の端を調整し、すげられるように準備します。


④乾燥した下駄は、いぼた蝋を塗り、うずくりで磨く作業を繰り返します。


⑤下駄に鼻緒をすげて完成です。

 今年度は、6月12・13・26・27日、7月17・18日に体験を予定しています。自分用の下駄を作ってみませんか。ご予約お待ちしています。(T)



遺跡ガイド

房総のむらの周辺の遺跡を紹介する「遺跡ガイド」を実施しました。

今回は龍角寺まで歩き、職員が解説を行いました。


龍角寺は奈良時代に国分寺が建てられるよりも前に建てられたとされており、千葉県内でも屈指の歴史あるお寺です。
本尊は薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)で、国指定の重要文化財です。

創建期の龍角寺は、金堂(こんどう)の東に塔を配した奈良の法起寺と同じ配置であったと推定されています。
火災により当時の建物は残っていませんが、金堂の基壇や塔の心柱(しんばしら)の礎石(そせき)は現在も残っています。



金堂の基壇で解説をしている様子です。
参加者の皆さんは十分な間隔を取りつつ解説に耳を傾けていました。


次回の「遺跡ガイド」は7月18日(日)の開催予定です。
古墳広場の古墳をご案内します。
お楽しみに!(そ)


2021年5月25日火曜日

むらの花だより

 現在は活動を中止していますが、房総のむら自然ガイドボランティアさんの有志から花情報をいただきました。(風)

●観察日 令和3年5月20日(木) 

●観察者からのコメント

・樹木の白い花がたくさん咲いています。

 (ウツギ、ヤマボウシ、エゴノキ、ガマズミ、コバノズイナ、イボタノキ)

・樹木の果実が観察できました。

(ユスラウメ、コウメザクラ、ウグイスカグラ、ヤマグワ、ヤマザクラ)

・野草では、ナルコユリがあちこちで咲いています。

・下総の田んぼの畔でアゼムシロの花が沢山、安房の農家横にマンテマが2株咲いていました。




●観察された植物と場所
・ウツギ(安房の畑) ・ヤマボウシ(総屋前、堀割) ・エゴノキ(上総の農家横) ・ウグイスカグラ(下総の農家) ・ユスラウメ(下総の農家) ・コウメザクラ(下総の農家) ・ヤマアジサイ(上総の農家) ・ガマズミ(上総の竹林) ・コバノズイナ(安房の農家) ・イボタノキ(上総の森) ・ヤマザクラ(茶店前) ・ヤマグワ(上総のため池) ・ザクロ(下総の農家) ・アゼムシロ(下総の田) ・ノアザミ(上総のため池) ・マンテマ(安房の農家横) ・ナルコユリ(上総・下総の林) ・スイカズラ(武家屋敷前) 





 

2021年5月21日金曜日

生活歳時記 人形送り

5月15日(土)に下総の農家で「人形送り」の実演を行いました。

人形送りとは、人形にケガレを背負わせてムラの外へ送り出す行事です。

人形は神霊(しんれい)が宿るものとして信仰され、人間の身代わりとして悪病災難避けとされていました。

ケガレを背負った人形は恐ろしいものであるため、悪しきものが外からムラの中に入るのを防ぐ力があると信じられていました。

房総のむらでは、成田市台方(だいかた)の事例を再現しています。

台方では、田植え前の5月下旬(以前はこの時期は田植えの季節でした)に、田植えが無事に終わることを祈って行われたといわれています。

ワラ人形に紙でかたどった服を着せた武者(むしゃ)人形を作り、竹にさして立てます。

そして、上の写真のように竹を叩き合わせて戦わせます。

お兄さんの人形が最後まで勝ち残りました。おめでとうございます!

勝った人形はムラの境に立てられました。(そ)


2021年5月18日火曜日

むらの花だより

  現在、房総のむらではボランティア活動が中止のため、自然ガイドボランティア活動も中止となっていますが、メンバーが個人的に房総のむらを訪れ、花情報を送ってくれました。貴重でタイムリーな情報ですので、本人の了解を得てこのブログに掲載することとしました。不定期の掲載になると思いますが、お楽しみにしていただければと思います。 (風)        

●観察日 令和3年5月14日


●観察された植物と場所 

・ルリニワゼキショウ(おまつり広場・上総の林) ・ニワゼキショウ(上総の農家前) ・オオニワゼキショウ(上総の農家前) ・イモカタバミ(商家の町並み) ・ノアザミ(上総のため池ほか) ・スイレン(上総のため池) ・エゴノキ(上総の林・下総の農家横ほか) ・イボタノキ(資料館への道脇) ・ガマズミ(下総の農家ほか各所) ・ナルコユリ(下総の林ほか各所) ・カラタネオガタマ(下総の農家) ・ナワシロイチゴ(上総の田排水路) ・ノヂシャ(竹林の坂) ・タイサンボク(安房の農家横) ・コバノズイナ(安房の農家) ・ウグイスカグラ(下総の農家) ・ヤマザクラ(茶店前ほか) ・カスミザクラ(おまつり広場の北の坂)


 


2021年5月16日日曜日

黄味しぐれ

菓子の店で、菓子職人の大川先生による「黄味(きみ)しぐれ」の実演を行いました。

黄味しぐれは和菓子屋では「朝生(あさなま)」という分類に入ります。

「朝生」とは、朝生菓子のことでその日に売ることを目的に朝から作り始める和菓子を指します。他に餅菓子や団子などが挙げられます。
羊羹や練りきりといった上生菓子と比べると安価で、日常的に食べられているものであることが特徴です。

割れ目が特徴的な黄味しぐれですが、綺麗な割れ目を作ることが難しく、うまくできないこともあるそうです。

また、作り手によって形や材料などが変わるので様々な見た目のものがありますが、今回はよく見られる基本的な形のものを作りました。


卵を練り込んだ黄味餡はほろほろとしていて、口の中で溶けてしまいます。

中のあんこはふんわりとした甘さで何個も食べたくなってしまうような優しい味わいです。(そ)

2021年5月12日水曜日

張り子の絵付け②

細工の店では、「張り子の絵付け」という演目を実施しています。前回のブログでは、期間限定のだるまの絵付けについてご紹介しましたが、今回は普段の演目で行っている絵付けについてご案内します。



この演目では、伝統的な技法で作った「お面」や「動物」などの張り子に絵付けができます。

木型や粘土で作った型を使い、その上にくわちりがみを貼り重ね、ふんを塗って乾かします。このきつねのお面は、一つ一つ職員が製作したものです。


                   


ぼうじろーも、お面をつけてもらえて嬉しそうでした。

本演目にご興味のある方は、総合案内所(総屋)にお尋ねください。(あ)

2021年5月11日火曜日

くくり猿

呉服の店では、「くくり猿」という演目を実施しています。

くくり猿は、子どもの無事成長を祈り、着物の背縫いにつけたり、祭りの幟に下げられたお守りです。5月5日の節句の飾幟の下の端にけ、のぼりざるもいったそうです。

体験では、好みの色柄の布を選び、綿を入れ、糸で四隅を絞っていきます。


最後に、お好きな柄の紐と鈴をつけたら、マイくくり猿の完成です!ちょこんと出た頭がかわいらしいですね。

本演目は、不定期で行っております。ご興味のある方は、総合案内所(総屋)にお尋ねください。(あ)


「牛乳豆腐作り」の実演

安房の農家で「牛乳豆腐作り」の実演を行いました。

江戸時代中頃、嶺岡牧で白牛(乳牛)が飼育され始めたことから、安房地域は日本酪農発祥の地として知られ、昔から酪農が盛んな地域でした。

子牛が生まれてからしばらく出る「初乳」は、脂肪などの濃度が高いことから商品にならず、各農家ではこの初乳を消費するため、初乳に酢を混ぜて固め、簡単なチーズのようなものを作るようになりました。

この料理は安房地域で「乳っこを固めたの」と呼ばれ、現在では「チッコカタメターノ」として親しまれています。

①牛乳を温める

②煮立ったら酢を入れる

③かき混ぜる(固形物と乳清が分離し始めます)

④漉して固める

完成!

※初乳ではなく、通常の牛乳を使用して実演しています。
牛乳と酢のみで作れるので、ご自宅で挑戦してみてはいかがでしょうか。(は)


2021年5月8日土曜日

張り子の絵付け

  細工の店では、5月3日から5日まで、期間限定でだるまの絵付けを行いました。コロコロとしてかわいい姿の「だるま(達磨)」ですが、江戸時代には縁起物として飾られていました。

 「だるま」の赤色は、魔除け効果があると信じられており、様々な病や災いは赤色を持って防げると考えられてきました。それが徐々に変化し、現在では願い事を叶えてくれる置物として飾られるようになりました。

 今回は、赤・黒・白・水色・黄色・桃色の6色のだるまを用意して、顔や体を自由に描いてもらいました。 

 上の写真は、佐倉市からいらっしゃった4人家族のお客様が描いてくれたものです。

メガネをかけた黒いだるまはおとうさん。自分のお顔だそうですが、とてもそっくり!

青いだるまはおかあさん。うっすらとほお紅を入れた美人さん。

黄色のトラさんと赤のフクロウさんはお子さんたちの作品です。とってもかわいく仕上がりました。

 むらでの記念に、皆さん楽しそうにだるまを仕上げてくださいました。(み)



2021年5月4日火曜日

鎧作り

429日(木・祝)に細工の店で鎧作りの実演を行いました。
講師の加藤良先生をお招きし、端午の節供に飾られる伝統的な鎧の作り方の実演や鎧に関する説明をしていただきました

鎧の種類・各パーツの名前やその由来をわかりやすく解説してくださいました。
お客様も興味津々な様子でお話を聞いていました。
鎧作りの実演は1年に1度ですが、またお話を聞くのが楽しみです。


55日の端午の節供は、ショウブやヨモギを屋根にかけ、ショウブ湯に入って病気や災いを払う行事であり、鯉のぼりや武者人形などを飾って男の子の無事な成長を願う行事でもあります。

武者人形や飾り具足を飾る風習は江戸時代の中頃から盛んになったとされています。
『守貞漫稿(もりさだまんこう)』という本によると、江戸の町並みで幟(のぼり)や飾り具足などの市が立ったことが記されています。

次回の実演は米井仁先生による6月6日(日)の「畳作り」です。この実演は畳の店で行います。

日本人に馴染みの深い畳の表替えを手縫いで行います。
お楽しみに!(そ)

2021年5月3日月曜日

まがたま、勾玉(3)

5月3日(月・祝)に総屋(総合案内所)2階で「勾玉作り」体験を実施しました。

なんと、今回から勾玉の色が白とピンクの2種類からお選びいただけるようになりました!

少し色がわかりづらいですが左がピンク、右が白の完成見本です。


早速ピンク色の勾玉を作ってくださったお客様を発見!
ほんのり淡いピンク色がとても素敵ですね!


5月は16日(日)、30日(日)に「勾玉作り」を行う予定です。

お立ち寄りの際は是非ご参加くださいね。(そ)


体験時間◇10:00~、11:00~、13:00~、14:00~、15:00~(40分)

定  員◇各回10名

体験費用◇300円

備  考◇年齢制限なし。

     小学4年生以下は引率者の補助が必要です。

     引率者は小学生1人につき1人までです。

館内の植物情報

 館内で見られる植物を紹介します。

上総の農家前の畑では、可愛らしいソバの花が広がっています。

ソバ

ジャガイモ

ヤマツツジ

キリ


危険ですので、園路外への立ち入りはご遠慮ください。
館内での植物・昆虫採集は禁止となっております。
里山環境の保護にご協力いただきながらご見学いただくようお願いします。

端午の節句飾り~菖蒲葺き~

 端午の節句では、男の子の健やかな成長を願い、災いを避けるため、よもぎと菖蒲を束ねて軒下に飾り、菖蒲湯も沸かします。

房総のむらでは、菖蒲と蓬の葉を束ねた菖蒲葺きを再現しました。

商家の町並み、武家屋敷、農家において、職員が一軒一軒飾りつけました。


今回飾ったものは、2種類あります。5月5日(水)まで展示していますので、是非この機に、当時の様々な端午の節句の様子をご覧ください。(あ)

2021年5月1日土曜日

さくら草の展示②

424(土)より、商家町並みの辻広場において、さくら草を展示しています。



前回のブログでは別種を紹介しましたが、もう一種、おすすめをご紹介します。



「無礼講」という品種です。今回の展示では、紫と薄紫の2種を展示しています。その名のごとく、無礼講で楽しめるような種で、花弁の縁に切り込みがあり、見ていてとても華やかな気持ちになるさくら草です。江戸時代の書物『桜草作伝法』には、「寛政文化の時に専ら作られた花で、何方にも流行した花」の一つとして、記されています。

さくら草の展示は、55日(水)まで行っています。是非この機に、自分の好みのさくら草を見つけてみてはいかがでしょうか。(あ)

薬の実演―桂枝茯苓丸―

425日(日)、講師の方をお招きし、薬の店にて薬の実演を行いました。

今回作った薬は、けいぶくりょうがんという丸薬です。



実演では、桂枝の代わりに桂皮を用い、

薬研で磨り潰すところから行っていただきました。




完成した丸薬です。

房総のむらでは、年に数回、薬の講師の方をお招きして実演を行っています。

次回は8月に予定しておりますので、是非おいでください。(あ)