2018年7月1日日曜日

夏至(二十四節気)半夏生(七十二候)7月2日~6日 「むら」の”御朱印帳” ”ヤマユリ”開花 蝶か蜻蛉か”チョウトンボ”出現

 7月になりました。例年ならば「”梅雨”で”ジメジメ”して暑いですね」という時期でしょうが、今年はなんと6月29日に関東地方は”梅雨”が明けてしまいました。館内では、”ニーニー””ジージー”と高い音で”ニイニイゼミ(蟪蛄)”が鳴き、”朝・夕”には”カナカナ”と”ヒグラシ(蜩)”も鳴き始めました。何という気候なのでしょうか。さて、七十二候は、「夏至」の最後の「半夏生(はんげしょうず)」で、”半夏(ハンゲ)”=”烏柄杓(カラスビシャク)”が出る頃(一説には”ハンゲショウ(半夏生)”の花が咲く頃とも)だそうですが、”カラスビシャク”はもう枯れていますので、名前もそのままの季節の花”ハンゲショウ(半夏生)”を紹介します。
 ”ハンゲショウ”の”葉”が”お化粧”を始めたことは、「芒種」「腐草為蛍」で紹介しました。”お化粧”が始まった頃は、葉の付け根に付いた”総状の花穂(かすい)”は、まだまだ小さかったのですが、徐々に大きくなり”夏至”を過ぎた頃から花が咲き出しました(写真:上左)。”ハンゲショウ”は”ドクダミ(蕺草)科”ということで、花びらはなく花は”穂状”で、”お白粉を塗ったような葉”が花びらの代わりをしているのですね。そして、あの独特の”匂い”も少し感じます。長い”花穂”が直立しないところが、前回まで紹介してきた”オカトラノオ(丘虎ノ尾)”にも似ていますね(写真:上右)。”ハンゲショウ”とは、”お化粧したように葉が半分ほど白くなる”からなのか、「半夏生」のこの時期に花が咲くからなのか、どうなのでしょうか。「房総のむら」では、「上総の農家」と「風土記の丘資料館」間の”池”のほとり(写真:下)と、「風土記の丘水生植物園」に群生していますが、少し”お化粧”が落ちてきた感じもします。
 こちらが、”カラスノビシャク(烏柄杓)”、別名”ハンゲ(半夏)”です。七十二候の規則に従えば、「半夏生」は”はんげしょうず”で”半夏が生える”頃となるわけです。しかし、当ブログ「穀雨 葭始生」でも紹介しましたが、「房総のむら」では4月14日にはすでに花を確認しています(写真:左)。4月21日には数も増え(写真:中)、その後長い間その独特の姿を見せてくれましたが、6月5日には枯れてしまいました(写真:右)。現在は”ドクダミ”などが繁茂し影も形もわからない状態です。今年の状況から見ると七十二候「半夏生」は、”現実”とは約3か月の”ズレ”があることになります。今年の天候の為なのでしょうか。「半夏生開(はんげしょうひらく)」の方がいいと思うのですが。
 ”梅雨”が明け、真っ青な青空に白い雲の夏空です。「房総のむら」では、”麦わら帽子”が似合う季節です。”ボッチ笠”ならもっと似合いますかね。
 「商家の町並み」「紙・瓦版の店」の「御朱印帳」作りです。”神社仏閣”を”参拝した証”としていただく”御朱印”(写真:下右=右(香取神宮)、左(鹿島神宮))ですが、その”御朱印”をいただくための”台帳”(写真:下左)作りです。写真の最下段左は、”御朱印”をいただいた”神社”等で販売されている”御朱印帳”ですが、「房総のむら」で作る”御朱印帳”はちょっと違います。市販品との違いは、まず”表紙”に使っている紙は自分で選べます(写真:上左)が、”浮世絵の摺り師”の方が摺り上げた本物の”浮世絵”を使うことができることです(写真:上右)。そして次に、”表紙”は厚紙だけではなく、その中に”綿”を詰めますので、ソフトな仕上がりになります。自分だけのオリジナルの”御朱印帳”をもって”御朱印集め”をしてみてはいかがですか。この体験は、昨年までは「折り本」作りとして行っていた体験で、当ブログでも1月の「大寒」「水沢腹堅」で紹介しました。「折り本」としてメモ帳に使ってもよいのですが、最近”御朱印集め”が流行っているようなので体験名も替えました。
 「商家の町並み」「小間物の店」の「くくり猿」作りの体験です。”くくり猿”は、四角な布に綿を縫い込み、四隅を”足”として1か所に集めてくくり(写真:下左)、”頭”をつけて”猿”の形にしたものです(写真:下右)。”猿”が”手足”を”くくられている姿”を現しており、欲にかられないよう”猿の手足を縛りつける”ことで、人間に対する”戒(いまし)め”の意味があるそうです。江戸時代に流行し、子供の成長を祈り、着物の背に縫い付けられたり、”まつり”の”幟(のぼり)”に下げられた”お守り”です。今でも奈良市の「元興寺庚申堂」にはたくさんの”くくり猿”が下げられ、周辺の元興寺町では軒先に数匹がつながれた”くくり猿”が下げられているようです(写真:上左のような感じです)。また、京都府「八坂庚申堂」の”くくり猿”も”お守り”として有名だそうです。
 梅雨が明けで畑の気温も上がってきましたが、「上総の農家」の畑では「新鮮野菜の収穫体験」です。この日は、”ジャガイモ(馬鈴薯)”と”ニンジン(人参)”です。たくさん収穫できたようです。おかあさんも、「こんなに収穫できるとは思ってなかった」とのことで、満足いただけたようです。息子さんも「ニンジンは好き」とのことで、いい体験になったでしょうか。
 ついに”ヤマユリ”も開花しました。当館「ヤマユリ情報」で6月29日に開花宣言がありました。写真の”ヤマユリ”は、開花を確認した今年最初の”ヤマユリ”です。開花からあまり時間が経っていないので、汚れもなくとてもきれいでした。しかし、残念ながらこの日は風が大変強く、このきれいな花は数時間後には折れてしましましたので、「総屋」に展示しました。
 開花宣言の29日には”ヤマユリ”の花は2輪確認しましたが、翌日には館内全体では30ほどの花を確認できました。咲いたばかりですので、”中央に黄色い筋”が入り”大きく反り返った6枚の花弁”の”赤褐色の斑点”も鮮やかです。風で”ユラユラ”動く”赤褐色の大きな雄しべ”、そして、”ヤマユリ”特有のあの”芳醇な甘い香り”も漂います。”蕾”もなかり大きくなってきて、花弁の赤褐色の斑点も透けて見える”蕾”も多くあります(写真:下左)。これから毎日、新しい”ヤマユリ”が咲いてくれるものと思います。以前から紹介してきました1本に20個以上の”蕾”を確認した”ヤマユリ”ですが、その後継として観察していた”ヤマユリ”も”虫”にやられて折れてしまいました。たくさんの”蕾”が付いた折れた”ヤマユリ”が、「下総の農家」の”桶”の中に入れてありますが、開花は厳しいようです(写真:下右)。
 今、「房総のむら」に咲いているいろいろな”ユリ(百合)”です。「風土記の丘」では、”ノカンゾウ(野萱草)に続いて、八重の”ヤブカンゾウ(藪萱草)”も咲き始めています(写真:上左)。もう終わったと思った”ノカンゾウ”も咲いていましたので、比較のためにもう一度載せました(写真:上右)。これは園芸種のようですが、「旧御子神家住宅」には”チョコレート色のユリ”の”ヘメロカリス”も咲いています(写真:下右)。「下総の農家」の庭先では、”コオニユリ(小鬼百合)”も咲いています(写真:下右)。
 館内のあちこちで”ヒヨドリバナ(鵯花)”が咲き始めています(写真:上左)。淡紅色を帯びた”サワヒヨドリ(沢鵯)”は、少し遅いようで花が少し開き始めたところです(写真:上右)。旺盛な成長からの命名でしょう、”ヤブガラシ(藪枯らし)”も花が咲いています(写真:下左)。「堀割」に”シモツケ(下野)がまだ咲いています(写真:下右)。
 やっと出会いました「房総のむら」の”チョウトンボ(蝶蜻蛉)”です。6月27日に確認しました。「昆虫談話会」さんからは、「他では確認しているので、「房総のむら」でもすでに出ていると思いますよ」と、言われていたのですが、なかなか出会えませんでした。しかし、やっと出会うことができました。”太陽光”の当たり方で色は少し変わりますが、なんといっても”濃いブルーに光る翅”です(写真上、写真下右)。下から見上げると、黒っぽい茶色に見えました(写真:下左)。写真の”チョウトンボは同じ”個体ですが、個体によって翅の透明部分の形は違うようです。運がよければ、「農村歌舞伎舞台」のある「おまつり広場」で、”翅”を輝かせながら”チョウのようにヒラヒラ”飛ぶ”チョウトンボ”を見ることができますよ。(写真は6月28日に「下総の農家」で撮影しました)
 初めて出会ったのは27日で、「下総の農家」の「水田」近くでしたが、とまってくれないのです。上空を、草の上をゆっくり”ヒラヒラ”と飛び回っているだけなのです。いくら待っても、とまってくれません。しかし、”ジッ”としていると近寄ってきて、目の前を通り過ぎるのです。そこで「もう待てない」と思い、”シャッタースピード”をかなり速くして、”シャッター”を押し続けて撮ったのが、写真下の”チョウトンボ”の飛んでいる写真です(写真:中右、下)。何とか映像を取れたので、少し満足しました。しかし、できればとまったところの写真を、と思い、翌日28日も同じところに行きましたが、どこにも”チョウトンボ”はいません。「今日は、いない」と諦め、通常の観察に「下総の農家」の畑を歩いていると、いるではありませんか”チョウトンボ”です。しかも、とまっている”チョウトンボ”もいます。「やったー」と、後はじっくりと待つだけです。畑の”生垣”の ”ハクチョウゲ”の枝の先端にとまったところを撮りました(写真:前の写真)。29日には、水田近くにいました。枝にとまったところです(写真:上、中左、中中)。時には”尻尾(腹部)”を上空に向けていました(写真:上右)。

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