2018年6月25日月曜日

夏至(二十四節気)菖蒲華(七十二候)6月27日~7月1日 ”竹かご”と”バッチ笠” ”ヤマホトトギス” に"タマゴタケ"出現 ”昆虫歳時記” 4度目の”ピーター”登場

 二十四節気「夏至」の七十二候次候は、「菖蒲華(あやめはなさく)」です。この”菖蒲”は、”アヤメ””カキツバタ””ショウブ”等どの花のことなのでしょうか。しかし、いずれにしてもこの時期では、遅い”ハナショウブ(花菖蒲)”が咲いている程度でしょうか。「房総のむら」の入口「大木戸」に飾られた”ハナショウブ”です。撮影は6月12日です。
 「房総のむら」では、「風土記の丘資料館」に向かう途中の”池”のほとり(写真:左=6月9日撮影)や、「水車小屋」の下の水田近くの”湿地”(写真:右=6月6日撮影)に”ハナショウブ”が咲いていましたが、すでに終わっています。”池”のほとりの”ハナショウブ”は、後ろの”半夏生”の葉が白くなり始めた頃に撮影しました。この場所は、現在は”ハンゲショウ(半夏生)”が真っ盛りです。今年は、草花の開花が早いこともありますが、「房総のむら」では、”菖蒲”は既に終わってしましました。
 「商家の町並み」「細工の店」の「竹細工講習会」の紹介です。指導は、お馴染みの「間野政勝」さんです。今回は”房州メダケ(雌竹)”を材料にして、”かご”の基本である”四つ目かご”を製作しました。体験では、材料の”房州メダケ”を細かく割いて薄い”竹ひご”を作ることから始めます(写真:上右)。”竹を編む”よりも難しい作業ですし、きれいに仕上げるためには重要な作業ですね。写真下は、「間野」さんの”四ツ目カゴ”のお手本です。今回の体験では、右端の”取っ手の付いたカゴ”を作りました。
 同じ”竹”の利用ですが、こちらは”竹の皮”を使った体験です。”竹の皮”を使った”実演・体験”では「上総の農家」の「竹の皮ぞうり」作りを紹介したこともあります(「寒露」「蟋蟀在戸」(昨年10月))が、「安房の農家」では”竹の皮の笠”に雨があたると”バチバチ”音がすることから「バッチ笠」(写真:上、中)と呼ばれるの”笠”の”製作実演”です。”竹の皮の笠”は、”日よけ”や”雨よけ”に使われますが、形や作り方は地方によっていろいろあるようです。”安房地方”では、”ハチク(淡竹)”の”皮”(写真:下左)で”笠”を作ります。”ハチク”は、”モウソウチク(孟宗竹)”より”筍(たけのこ)”がおいしいといわれる”竹”で、少し前が”たけのこ”の時期でしたが、そのまま大きくなると上の方から”皮”が剥がれて落ちてきます。”竹の皮”は普通(”モウソウチク”や”マダケ”など)、黒褐色の”まだら模様”がありますが、”ハチク”の皮は淡紅色で模様はないのが特徴です。”竹の皮”は、乾燥して”丸まった”まま(写真:下左)では固くてそのままでは加工できませんので、水に浸し柔らかくし、”丸まった皮”を伸ばし板に挟んで”重し”を乗せて一晩”プレス”します(写真:下右)。
 ”笠”は、細く割った竹で”骨組み”を作ります(写真:上左)。そこに、”伸ばした竹の皮”を張っていきます(写真:上左)。一気に”竹の皮”を全部張ると乾燥してしまうので、半分ずつ張っていきます。次に”笠”の端の内側に”竹ひご”をいれ、”竹の皮”を縫い付けていきます(写真:中左)。その後、”笠”の上にも”竹ひご”をのせ、”竹の皮”の上下から挟むようにして縫い付けていきます(写真:中右)。縫い付ける間隔が一定だときれいに見えるそうです。(写真:下左=笠の上から、下右=笠の内側)。”竹の皮”が乾燥すると針で縫う時に”皮”が裂けてしまうので、乾燥しないように湿らせながら作業を続けます。出来上がった”笠”が、前段写真上・中の”笠”です。”頭”に安定させるために、内側に”座布団”と”紐”をつけて完成です。”ぼっち笠”よりも軽く、被りよさそうです。
 埼玉県からおいでの皆さんが、全員そろって「時代衣裳」の”変身体験”です。5人が「風土記の丘」の「古代衣装」(写真後列)で、他の方々も「時代衣裳」(写真前列)に変身です。とても楽しそうでした。「風土記の丘」は「古代衣装」で、「商家の町並み」は”侍・忍者・町娘”の衣装で記念撮影でしょうか。
 「商家の町並み」「菓子の店」の”季節のお菓子”作りは、「水羊羹」です。今回も「大川功修」さんのご指導でおいしい”水羊羹”ができました。これからの季節にぴったりですね。「菓子の店」の7月の体験は、「金魚鉢のおかし」作りです。”水羊羹作りの技術”を生かした、おいしい「金魚鉢のお菓子」作りに挑戦してみませんか。
 ヤマホトトギス(山杜鵑)”が咲きました。小さな花ですが、”紅紫色の斑点”がとてもきれいです。大きく反り返った花弁が特徴的です(写真:下左)。横から見ても、真上から見ても3枚づつの外と内の”花弁”、”花柱”が上部で3本に裂け、”花糸”は6本(3本は放射状に広がった”花頭”の下)が規則正しく配列されていることがわかります。細く3裂した頂部の”花頭”には小さな水滴のような”腺毛状突起”も密集しています(写真:下右)。鮮やかな色に加え、配列の規則正しさもあり、神秘的な感じもする美しさです。
 「房総のむら」では、館内のいたるところで”オカトラノオ(丘虎ノ尾)”の花を見ることができますが、その中でも一番広く群生している”オカトラノオ”です。その範囲は、40m×20mほどでしょうか。ご覧のように一面”真白”です。皆が一斉に同じ方向に”お辞儀”をしているようでもあり、何とも不思議な”姿”ですね。花をよく観察すると、花弁の先端が”星形に尖った花弁”(写真:下左)と”丸い花弁”(写真:下右)があります。「房総のむら」の”オカトラノオ”の花は、そろそろおしまいになります。
 ”オカトラノオ”の花には、”蝶”や”虫”たちもたくさん訪れます。”ヒョウモンチョウ”の仲間が一番多く集まってくるようです(写真:右=”ミドリヒョウモン”)。今回出会ったのは、”ブルー”の色も鮮やかな”カラスアゲハ(烏揚羽)”です(写真:左)。”花”に止まっても、大きな”翅”を忙しく動かす、落ち着かない”カラスアゲハ”でした。
 ”蝶”を紹介したので、続いて”トンボ(蜻蛉)”です。最近は、大きな”トンボ”も見かけたりで、種類も随分増えてきたようです。よく見かける翅の先端が黒い”ノシメトンボ(熨斗目蜻蛉)”です(写真:上左)。全体に”シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)”よりも青味が強い灰褐色で、尻尾(腹部)の先端の黒い部分が少ない”オオシオカラトンボ(大塩辛蜻蛉)”です(写真:上右)。羽の根元が茶色がかったのは”ショウジョウトンボ”の”メス”だそうです(写真:中左)。”オス”はよく知っている”猩猩(しょうじょう)色”で真っ赤ですが、”メス”は茶色っぽいのだそうです。全体に薄いオレンジ色をしているのは”アキアカネ”だそうです(写真:中右)。初夏に生まれて、これから出かけて秋に帰ってくる頃には体が赤くなっているのですね。全身が黒で腹の一部が白い”モノトーン”の”トンボ”は”コシアキトンボ(腰空蜻蛉)”です(写真:下左)。生まれたばかりなのか、弱々しい飛び方で透明な”翅”がきらきら光っているのは”アカネ属”の”雄”だそうです(写真:下右)。今回も虫たちについては、「昆虫談話会」さんにお世話になりました。
 ”トンボ”つながりで、”オオバノトンボソウ(大葉ノ蜻蛉草)”です。上方では葉が小さくなっていますが、根元の葉が大きいことと、花が”トンボ”の姿に似ていることからの命名だそうです。館内あちこちで見られ、数日前までは花は咲いてなく、茎から”頭に尻尾が付いた(卵型の”蕾”に”距(きょ)”が付いた)”ものが出ている状態でしたが、小さな花が開きました。花が開いて、”雄しべ”の先端の”葯(やく)”が”目”のようにも見えます(写真:右下)。左右後ろに大きく反り返った”萼(がく)”と花の後ろに”角状”に突き出した”距”を、”トンボ”の”翅”と”尻尾(腹部)”に見立てたのでしょう。私は、水泳の”バタフライ”の選手のようにも見えるのですが、皆さんはいかがですか。”トンボ”に見えますか。
 ”ネムノキ(合歓木)”の花です。花が咲き始めたことは、前々回 、前回でお知らせしましたが、咲くとすぐに散ってしまうのでまだまだ蕾は多いのですが、”何とも言えないやさしい花”の感じがよかったのでアップしました。
 ”ネムノキの花”にしがみついている虫がいました。調べてみると”ヤブキリ”のようです。4月頃”孵化”し梅雨の今頃に”成虫”となり、若い時には”花粉”や”花弁”を食べ、成長とともに樹上などの高いところに移るようです。しかし、”ネムノキ”は既に十分高いですよ。これから”脱皮”を繰り返し、徐々に”肉食”に適した体になるのだそうです。
 出ました”タマゴタケ(卵茸)”です。去年は、8月末に確認していますが、今年はまだ6月ですので、2か月早いことになります。”タマゴタケ”を見たとの情報で、急ぎ出かけました。雨の中で20日には”笠”が少し開き始め(写真:上左)、21日にはほとんど開きました(写真:上右)。一緒に見ていた人が、「あっ、毒キノコ!」といわれましたので、「赤い色が鮮やかなので、そう見えるのかもしれませんが、毒キノコではありません。”タマゴタケ”です」と説明しました。見かけたら、そっとしておいてください。写真下は、別の”タマゴタケ”です。小さい”赤い笠”が、”白い殻”からでてこようとしています(写真:下左)。明るいところで見ると、赤い色がとても鮮やかな”タマゴタケ”です(写真:下右)。
 ”クワ”の葉の上に、小さな小さな”カタツムリ(蝸牛)”がいました。”殻(から)”の大きさは、5mmほどです。生まれたばかりでしょうか。小さな”カタツム”、”ヒダリマキマイマイ”だそうです。一丁前に”ツノ”や”ヤリ”も出しています。
 ”クワガタ(鍬形)”も発見されました(写真:左)。「房総のむら」には、夏になると”カブトムシ”や”クワガタ”をたくさん見ることができます。先週でした、来館者の方が「”クワガタ”がいた」とおっしゃっていましたが、やはりもういました。しかし、この”ノコギリクワガタ(鋸鍬形)”は”鋸状のハサミ”も左右対称ではなく、”脚”も悪そうでした。写真右は、この時のために撮っておいた写真です。当ブログ「小満」「紅花栄」で紹介しましたが、”伝統的工芸品製作者”で”鍛冶屋”の指導者の「北島和男」さん製作の”虫たち”です。この”クワガタ”と”カマキリ”は、”前回のトンボのような鉄製”ではなく”木”を削って作られています(写真:右)。”形”だけではなく”茶色がかった黒色の具合”までそっくりです。ちなみに、来館者の方がこの”クワガタ”を本物だと思ってさわろうとしたので、「本物ではありません。木でできた非常に繊細な展示品です」と説明しました。それくらい質感も本物そっくりです。ご覧の通り、本物と比べても来館者の方が間違うのもうなずける出来栄えです。”鉄を打つ”「北島」さんですが、その繊細な技にも脱帽です。
 当ブログには4度目の登場の「むら」の”ピーターラビット”(ノウサギ)です。前回(「小満」「麦秋至」)に比べ、毛の色が少し明るくなったような気がします。前回からあまり時間が経っていないので、気のせいでしょうか。”ジッ”としていると少し近寄ってくるのですが、カメラを”ウサギ目線”に構えようと姿勢を低くすると、”ピョンピョン”跳ねて遠ざかります。しかし、”ジッ”としていると、また少し近づいてきます。でも、また遠ざかります。4度目の出会いで、少し慣れてきましたかね?”ピーター”に遊ばれました。また、どこかで会うことを楽しみにしています。

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