2018年6月15日金曜日

芒種(二十四節気)梅子黄(七十二候)6月16日~20日 ”梅もぎ”に”新鮮野菜の収穫体験” ”むらの達人コース組紐” ”ノカンゾウ”咲く 今度は”蓑虫”です


 二十四節気「芒種」の七十二候の次候は、「梅子黄(うめのみきばむ)」です。今年の”梅”は、豊作でした。この時期になると、落下した黄ばんだ梅の実が目立ちます(写真:右)。まだ多くの”梅の実”が木に付いていますが、こちらもかなり黄ばんおり、木の下にいると時々自然に落下してきます(写真:左)。
 「房総のむら」では6月2日・3日に「梅もぎ」の体験がありました。この時にも落下した”黄ばんだ梅の実”もありましたが、木には”青い梅の実”がいっぱいです(写真:左)。ご自宅で”梅漬け”や”梅ジュース”を作るために”もいで”いる方もいらっしゃいましたが、お子さんたちに”自分の手で実際に梅の木から梅の実を採る体験”をさせることを目的にしている方もいらしゃいました(写真:右)。
 こちらは、「上総の農家」の「新鮮野菜の収穫体験」です。このご家族のお目当ては、”ジャガイモ(馬鈴薯)”で、お父さんと娘さんが土の中から”ジャガイモ”を探していました(写真:上左)。そして、驚いたことには、例の”ミニトマト”(当ブログ「芒種」「螳螂生」の項参照)にも気がつきました(写真:中左)。”ジャガイモ掘り”が楽しかったようで、続いて畑に少し顔を出した”タマネギ(玉葱)”もあっという間に”抜きました”(写真:中右)。それで終わりかと思ったら、近くに”ダイコン(大根)”もあると知り、幼稚園で掘ったことがあるとのことで三度挑戦です。しかし、”ダイコン”は、”タマネギ”のように少しぐらい引っ張っても抜けません。”ダイコン”のまわりを少し掘っては、”葉っぱ”をもって「エ~イ」(写真:下左)。「やったー!」、やっと抜くことができました(写真:下右)。”新鮮野菜の収穫”に大変満足していただきました。おいしくいただいてください。自分で収穫した”野菜”ですから、絶対おいしいですよ。でも、お父さん急に荷物が増えてしまいましたね。
 「上総の農家」の”ゴボウ(牛蒡)”の花が咲きました(写真:左)。背丈ほどに大きくなった”木”の先に、”アザミ(薊)”の花のような形と色のきれいな花が咲いているので、チョット見るとあの”ゴボウ”の花だとは信じられないくらいです。畑に蒔かれた”ラッカセイ(落花生)”からは”芽”がでました(写真:右)。”種”が赤いことをお気づきですか。赤い”ラッカセイ”ですかって?違います。畑に蒔いた”種豆”が”カラス(烏)”などの”鳥”に食べられるのを避けるために、事前に色を付けてあるのです。”ラッカセイ”も今から収穫が楽しみです。”生のゆでラッカセイ”のおいしさを今から想像してしまいます。ですから、”カラス”さん”ハト”さんいたずらしないでください。”カカシ”警備隊員が出動しますよ。
 七十二候「紅花栄」(5月26日~30日)では、”花”さえ開かなかった「上総の農家」の”ベニバナ(紅花)”が今やっと”盛り”になってきました。「延喜式」(927年完成)には、ベニバナの生産地として”上総国”、”下総国”、”安房国”の”房州三国”も記されています。”ベニバナ”は「房総半島でも古くから栽培されていたんです。
 「上総の農家」では、”ワラボッチ”を作っていました(写真:左)。これから畑などで使う”ワラ(藁)”を、畑の隅に積んでおきます。表面は雨で濡れますが、一番上の”ワラ”が屋根のように積まれているので、中の”ワラ”はきれいに保たれます。手前の”ワラボッチ”は昨年作ったものです。”農家の畑の景観”にも欠かせない”アイテム”です(写真:右)。
 「商家の町並み」「小間物の店」の「むらの達人講座」「組紐木曜コース」のようすです。指導は「佐久間さち子」さんです(写真:上左の上)。”達人講座”ですので、基本的な「組紐講習会」を終了した方々の体験です。当然、かなり高度な技術を必要とします。使用する組台は、「高台(たかだい)」「丸台(まるだい)」です。出来上がった作品は、来年3月に「組紐コース作品展」として店先に展示します。サンプルの”組紐”(写真:上右)は、左から”高麗組””畝組””笹浪組””常組”で、ここまでが「高台」で組み上げた”紐”です。5本目から「丸台」で組み上げた”紐”で、左から”白菊”、6本目と7本目は”冠組”、8本目と9本目が”奈良組”、10本目から12本目までが”唐組”、13本目が”笹浪組”、14本目は”御岳組”、右端の2本は”丸源氏組”だそうです。いずれも、20本ほどの細い”絹糸”を1束として、”玉(又は”コマ”)”と呼ばれる、中心に”おもり”が入った糸車状のものに巻かれた糸を組んでいきます。この”玉”は16個、24個、32個と、組む”紐”により”玉数”を変えるそうです。よく順番を間違わないですね。もはや、”職人技”ですね。
 「高台(たかだい)」です。”椅子”に座って作業をします。横方向からの糸を”ヘラ”(竹を薄くした”物差し”のような物)で打ち込みながら組んでいきます。セットしてあるのは、上下二枚物になる「西海波組」です。上下二段の糸の色を変えることで部分的に模様を出すことができ、”玉数”を多く使えるので模様の変化も多く複雑な柄出しができるそうです。
 こちらは、体験では使いませんが「綾竹台(あやたけだい)」です。糸は「高台」のように横からではなく、手前に並んだ”矢羽根”状に切り込みの入った板に掛けられた”上の糸”と、枠から下がった”下の糸”の間に、左右の枠に掛けられた”緯糸(よこいと)”を入れ、”ヘラ”で打ちながら組んでいきます。組み方は”平組”ですが、伸縮が少ない”紐”が組めるそうです。この台の”紐”は柄が多いそうですが、いずれも線を基調としたバリエーションのようです。セットされているのは、「西海波組」です。
「丸台(まるだい)」です。シンプルでありながら、いろいろなものが組める”万能台”だそうです。”上板の穴”から”玉に巻いた糸”を出し、”組みあがった紐”は下に下がっていきます。セットされているのは、”玉”を32個使った「御岳組」です。「丸台」に4個の玉を使った”四ツ組”で組む”眼鏡紐”でも、2時間はかかる体験です。サンプルのような鮮やかの模様の”帯締め”や”羽織紐”(予約体験)など作るためには、大変な技術と時間がかかるのですね。”達人コース”の皆さん頑張ってください。「佐久間」先生、ご指導よろしくお願いします。
 今が見頃の”オカトラノオ(丘虎の尾)”です。館内のあちこちで”群落”を見ることができます。「風土記の丘」では、古墳の大部分が”オカトラノオ”で被われている古墳もあります。(”オカトラノオ古墳”とでも呼びましょうか)一つの群落の”オカトラノオ”は、すべて同じ方向に”尾=花穂(かすい)”が向いています(写真:上)。”尾”の下面には花はありません(写真:下左)。花が少ないこの時期にあって、林の中などに”白い花”はよく目立ちます。同じ花ですが全面に花が付き、直立し”尾”が短いものもあります(写真:下右)。
 ノカンゾウ(野萱草)”の花が咲きました。今回は、「風土記の丘」の1基の古墳だけでしか確認できませんでした。古墳の”墳丘”に”群生”していました。”木々の葉や草の緑”の中で”オレンジ色の花”ひときわ目立っています。「小満(二十四節気)蚕起食桑(七十二候)」で紹介した”ワラビ塚古墳”、そして前項の”オカトラノオ古墳”に続き、この古墳は”ノカンゾウ古墳”と呼びたいです。
 ”ノカンゾウ(野萱草)”です。”ヤマユリ(山百合)”の開花の前に先に咲きました(写真:上左)。「万葉集」では”萱草(わすれぐさ)”、「古今和歌集」では”忘れくさ”として詠われているようです。「商家の町並み」「辻広場」の「よしず屋根」の上の”ノウゼンカズラ(凌霄花)”が咲きました(写真:上右)。「風土記の丘」「万葉植物園」の”インドハマユウ(印度浜木綿)”も花が咲きました。「万葉集」の「柿本人麻呂」の歌に”浜木綿(ハマユウ)”がでてきます(写真:中左)。「下総の農家」の白い”ムクゲ(槿)”の花も咲きました(写真:中右)。同じ「下総の農家」の”ネムノキ(合歓木)”の花です(写真:下左)。下方が白く徐々にピンク色となり、扇形に拡がった様子が何とも言えない”やわらさ”を感じます。最後は、来館されていた方に教えていただいた”チダケサシ(乳茸刺)”です(写真:下右)。白色から薄桃色といった感じの小さな花が咲き始めました。似た花は”園芸種”にあるそうですが、そのもととなった”原種”だそうです。ご教示ありがとうございました。これからが見頃ですね。
 「安房の農家」の”ユズリハ(楪、譲葉)”には”新しい葉”が伸びてきました。それに伴って、”古い葉”は垂れ下がっています。”新しい葉”が出ると、昨年の”古い葉”が”新しい葉”に”代”を”譲る”ように落葉します。このことを親から子への継承に見たて、”縁起物”として”お正月の飾り”などに使われます。
 ”アジサイ(紫陽花)”の”葉”に”カタツムリ(蝸牛)”がいました。昆虫談話会さんに確認したところ”ニッポンマイマイ(日本舞々)”だそうです。”梅雨”の季節に合う風景です。
 ”ナンテン(南天)”の”花”を見ていたら(写真:上左)、”ミノムシ(蓑虫)”がぶら下がっているのを見つけました(写真:上右)。”ミノムシ”は秋から冬の”風物詩”、”越冬”の姿だと思っていたので、”季節外れ”だと思いながら見ていると、なんと左右に動くのです。さらに見ていると、”蓑”の上部から”虫”がでてきました。”虫”は、目だけが大きく爪のような足先で枝を掴みながら先端の葉に向かい(写真:中左)、ついには口で葉を折ってしましました(写真:中右)。その後、”蓑”のところまで運んでいきました(写真:下左)。”ナンテン”の”葉”は餌なのでしょうか、”蓑”を大きくするための材料なのでしょうか。”蓑虫”といえば、有名なのが「枕草子」ですね。「蓑虫いとあわれなり。鬼のうみたりければ、親に似てこれも恐ろしき心あらむとて、親のあやしき衣ひき着せて、、、、」まさにそんな感じでした。枝を固めた”みすぼらしい衣”を着て”怖い顔”をしていました。”心は恐ろしい”のでしょうか。「昆虫談話会」からの情報では”チャミノガ”の幼虫のようです。よく見たら、1本の”ナンテン”の木にたくさんの”蓑虫”がぶら下がっていました(写真:下右)。(黒く見える”蓑虫”が7匹?以上ぶら下がっています。)

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