「梅雨入り」です。植物の生育状況は昨年と比べ、1~2週間早いように思うのですが、「梅雨入り」はほぼ平年並みのようです。七十二候は「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」です。「房総のむら」では、まだ”ホタル(蛍)”は見ていませんので、その”ホタル”を入れたことが名前の由来とされる”ホタルブクロ”です。
”ホタルブクロ(蛍袋)”は、ここ1週間くらいで、咲き出しています。花の裏の”萼(がく)”をみると反り返っていますので、”ホタルブクロ”で間違いないですね。この中に”ホタル”を入れると、どんな感じに光るのでしょうか?試してみたいものです。
「安房の農家」の「お荒神様の宿替え」です。東日本では一般に”荒神様(こうじんさま)”は、”火の神様”とされることが多いのですが、全国的にみるといわゆる”屋敷神”として祀られる事例もあります。南房総市の事例では、”川原の丸い石を御神体”とし、”草木を利用して作った宿(仮の祠)”が、”屋敷の鬼門”とされる”艮(うしとら=北東)”に建てられます。”お荒神様の宿替え”は、旧暦の5月7日(屋根材は麦穂)と11月7日(屋根材は稲穂)やその前後に、”宿”を新しく作り変える行事です。しかし、最近は”宿”を石造りにしたり、”宿替え”も年に1度になったりしているようです。「安房の農家」の”お荒神様”も新しい”宿”になりました(写真:右、写真:左が古い”宿”)。
「農家」では、”ムシロ(筵)”の上で干して乾燥させた”小麦”(写真:上左)の脱穀です。脱穀に使用しているのは、”足踏み式回転脱穀機”です(写真:上右)。明治時代の末期に発明され、大正時代には改良が加えられ全国に普及しました。江戸時代から使われてきた”センバコキ(千歯扱き)”と比べると、1時間当たりの作業能率は”センバコキ”が約45把だったのが、その5倍~6倍の約250把となった画期的な機械でした。”足踏み式脱穀機”は、”踏板”を踏むとクランクで連結された”逆U字状の針金”が刺された円筒形の”こぎ胴”が回転します。その”こぎ胴”の”針金”に”稲”や”麦”の”穂”を押し付けると、”穂”から”実”が”こそぎ落とされる”わけです。この機械は、干していた”小麦”に雨が当たって実が落ちるのを見て発明されたそうです。「房総のむら」では、小麦の”穂(ストロー)”を「日ごも」(写真:中左)編みの体験や、「虫かご」(写真:中右)作りの材料にします。下の写真は、脱穀した小麦(写真:下左)と大麦(写真:下右)です。
「農家」の畑です。”シュンギク(春菊)”の花が咲いていました(写真:上左)。”鍋”に欠かせない”シュンギク”ですが、”花”はあまり見たことがないですね。”インゲン(隠元)”の白い花です(写真:上右)。「房総のむら」で栽培している”江戸野菜”の”相模半白胡瓜(さがみはんじろきゅうり)”も花の下に”キュウリの赤ちゃん”ができていました(写真:中左)。同じ”江戸野菜”の”神田小菊南瓜(かんだこぎくかぼちゃ)”も萎んだ”花の根元”に”カボチャ”ができています(写真:中右)。紫の花は”ナス(茄子)”の花です(写真:下左)。”ナス”は、”キュウリ”や”カボチャ”とは違い、”花”の根元が”実”になるのではなく、”黒っぽい萼(がく)”を残して”紫の花”が落ちてから(写真:下中)”実”が大きくなります。”ナス”の下方のスカート状の”萼”は、花の時からそのままなのですね(写真:下右)。
そんな「農家」の畑に、”カカシ(案山子)”さんが登場しました。「安房の農家」の前の”サツマイモ(薩摩芋)畑”の”カカシ”さんです。畑に”サツマイモの苗”を植えたのですが、今年は”カラス(烏)”によくいたずらされるとか。そこで出動を依頼されたのが”農家の警備隊”の”カカシ隊員”です。頑張って”カラス”を追い払ってください。しかし、こんな格好で”カラス”が逃げますかね?一緒に遊ばなければよいのですが。
「商家の町並み」「瀬戸物の店」の「手形・足形」です。「春のまつり」で体験された皆さん、もうすぐ手許に「手形・足形」が届きますよ。体験者の皆さんが”手形”や”足形”を付けた”信楽(しがらき)”産の”白粘土”は、自然乾燥させた後に、まず750度で二日間かけて”素焼き”します(写真:上左)。その後、”木灰釉(もくばいゆう)”(写真:上右)をかけて(写真:下左=窯の中に並べてあります)、さらに1250度で二日間”本焼き”をして焼き上げて完成です(写真:下右)。「房総のむら」の「春のまつり」で作った「手形・足形」は、二度と戻ることのできない平成30年5月時点の”成長の記録”ですね。
梅雨に輝く”ガクアジサイ(額紫陽花)”です。「下総の農家」、”ザクロ(柘榴)”と”ガクアジサイ”です(写真:上、中左)。「おまつり広場」の「茶店」の「墨田の花火」です(写真:中右)。「商家の町並み」の”ガクアジサイ”です。
”ハンゲショウ(半夏生)”が早くもお化粧を始めました(写真:上左)。館内でも少なくなった”カワラナデシコ(河原撫子)”です(写真:上右)。”ウツボグサ(靫草、夏枯草)”(写真:中左)、”ネジバナ(捩花)”(写真:中右)が”花”を付け始めました。”ニコゲヌカキビ(和毛糠黍)”にも小さな小さな”花”が咲いていました(写真:下左)。梅雨の合間に光る”ビョウヤナギ(未央柳)”です(写真:下右)。”ビョウヤナギ”は、そろそろおしまいですね。
千葉県の絶滅危惧種の指定を受けている”ヒオドシチョウ(緋縅蝶)”を時々見ます(写真:上)。羽の縁の青色が特徴的です。”昆虫談話会”の方から、完全な姿の写真は少ないとお褒めの言葉をいただきました。”キタテハ(黄立羽)”もよく見る”蝶”です(写真:中)。”タテハチョウ”などに比べると、静かに草花の上を飛び回っているのが”モンシロチョウ(紋白蝶)”(写真:下左)と”スジクロモンシロチョウ(筋黒紋白蝶)”(写真:下右)です。
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