「大暑」の最後の七十二候は、「大雨時行(たいうときどきにふる)」です。七十二候の”大雨”とは、ジリジリ太陽が照りつける暑い日に、突然降りだす”夕立”などのことだと思いますが、台風接近に伴い「房総のむら」にも”大雨”が降りました。強い風を伴った雨は「商家の町並み」にも叩きつけ、一時は傘もさしていられないほどでした。また、大粒の雨が打ち付けられた”商家の瓦葺きの屋根”では、飛び散った水しぶきが強い風で舞い上がり”霧”のようになるほどでした(写真:左)。”昔ながらの夕立”ならば風情があるかもしれませんが、とてもそんな状況ではなく、この日は少し早めに店じまいしました。
”ヤマユリ(山百合)”がほぼ終わったかと思ったら、続いては、”キツネノカミソリ(狐剃刀)”も咲き出しました。昨年は8月6日に確認していますので、やはり1週間ほど早い開花です。「武家屋敷」から「風土記の丘資料館」に向かう園路の横や、「農村歌舞伎舞台」のある「おまつり広場」と「下総・安房の農家」の間の谷の”鹿島人形”近くで花を見ることができます。今年も、林の中の少し暗い所に大きな群落がみられると思います。”キツネノカミソリ”の花の時期に葉がないことについては、当ブログ「春分 雀始巣」(3月21日~)をご覧ください。
「農家」の畑の”ラッカセイ(落花生)”の花が、糸状のもので伸びてきました。”ラッカセイ”の花が咲きだしたことは、当ブログ「小暑 鷹乃学習」(7月18日~)でも紹介しましたが、その後花の基のところが伸びて、”萎んだ花”が随分下がってきました。これからどんどん伸びて、、、、今後どうなるのでしょう?
「下総の農家」では”むらの達人講座”の”機織りコース”です。体験者の方は、かなりベテランの方で、「呉服の店」でも”型紙”から作る”型染め”体験されている方です。織りあがったら自分で何かを”仕立て”るようです。”茅葺屋根”の「下総の農家」で暑い中、”黙々”と”機織り”をしていました。もう指導者はいらないですね。それくらいの熟練度です。
「商家の町並み」「木工所」では、「竹のタガのキーホルダー」作りの体験です。子供さんたちの「夏休み七宝焼教室」に参加できないお母さんが、「木工所」で”竹のタガ”を作っていました。「竹のタガのキーホルダー」作りは、当ブログ「雨水 土脉潤起」(2月19日~)をご覧ください。
こちらも夏休みの演目です。同じ「木工所」の「親子木箱作り教室」です。写真左の”木箱”や”棚”を参考に、”鋸”や”ノミ”など”大工道具”を使い、親子でオリジナルの作品を作ります。この親子さんは、”蓋の付いた道具箱型の木箱”を上手に完成することができて大変満足のようでした。
「商家の町並み」「呉服の店」の「藍のうつし染」です。「呉服の店」の裏の畑で育てた”藍の生葉”(写真:上左)を”絹のコースター”の上に置いて叩いて”藍の葉”の形を染め付けます(写真:上右、下左)。新鮮な”藍の生葉”があるこの時期だけの体験です。強く叩きすぎると”槌”の形に丸く染まるだけになりますので、”葉の形”や”葉脈”を綺麗に”うつす”ためには力を入れすぎないように叩くのが”コツ”だそうです。「房総のむら」には、”夏休みの宿題”にもなりそうな”体験”がたくさんあります。是非、ご活用ください。
同じ「呉服の店」の「型彫」の展示から「型染」の紹介です。左上の”型染”された布は、講師の「安井永子」先生の作品です(写真:上左)。”型染”は、”渋紙”を”刀(とう)=デザインカッター”で彫った型紙(写真:左下、右上)を使って紋様を染め出します。布の上に”型紙”を置き、切り抜いた紋様の部分に”糊”を置きます(写真:中右)。”糊”を置いた部分には、色が染まらないので紋様になります(写真:下右)。”糊”は、”もち粉”と”小紋糠”に”消石灰”を加え湯で練って団子状にし蒸して作ります(写真:中左)。安井先生のお話ですと、”布の素材”や”型紙の紋様の細かさ”などによって調整する”糊”作りが難しそうでした。その後、糊を置いた布を「むら」で建てている”藍”の甕に漬けて染めます。最後に、”糊”を洗い流し(水元)て、”藍の型染”の完成です(写真:右下)。「呉服の店」では、型紙を彫るところからはじめる「型染」の体験も行なっています。ちなみに、紋様が彫られた型紙には、紋様の形が崩れないように、粗いネット状の”紗”が張られています(写真:下左)。
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