2019年2月8日金曜日

立春(二十四節気)黄鶯睍睆(七十二候)2月9日~13日 珍しい”黒化シジュウカラ” 「むら」の鳥たち ”針供養” ”浮世絵の摺り” ”米俵”と”土間ぼうき”作り ”里山”作り ”コセリバオウレン” やっと”ダイヤモンド富士”🗻  

 「立春」を迎え、温かかったのですが、5日・6日は再び冬に戻ったような気温、かと思うとまた暖かく、そして今週末はこの冬一番の寒波の予想だそうです。三度目の雪でしょうか?そんな繰り返しで、少しづつ温かくなるのでしょう。さて、七十二候は、「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」ですが、鳴き声どころか姿を見ることもできませんでした。その代わりに、珍しい鳥を見ることができましたので報告します。”シジュウカラ(四十雀)”の”黒化個体”のようです(写真:上)。普通の”シジュウカラ”(写真:下)と比べてみてください。
 ネット上では、平成29年11月に「国立科学博物館」が「つくば市」で国内初の”シジュウカラの黒化個体”を発見したことを発表しています。その写真の鳥と比べると、「房総のむら」の”黒化シジュウカラ”は”頬”も白っぽく(写真:上)”真っ黒”ではありません。しかし、”黒いネクタイ”姿の普通の白い”シジュウカラ”と比べると全体に黒っぽく、明らかに違います。鳥たちが集まる「むら」の”小さなプール?”近くでよく見かけます。大抵枯葉や地面を突いていますが、この日は、”ドングリ”の中の”虫”を引っ張り出して食べていました(写真:下右)。
 その「むら」の”小さなプール”に集まった鳥たちです。”メジロ(目白)”が”ジョウビタキ(尉鶲)”が見ている前で、顔を水に突っ込んで洗っています(写真:上)。”ビンズイ(便追)”も水浴びです(写真:下左)。”ヤマガラ(山雀)”がやってくると、”ビンズイは”場所を開けるように水から出て羽根を開いていました(写真:下右)。鳥たちは寒くないのでしょうか。夕日に照らされて、水しぶきを飛ばす鳥たちです。
 「むら」の”小さなプール”の続きです。もちろん、”シジュウカラ”も水遊びをしています(写真:上左)。時には、頭から水中に突っ込む鳥(写真は”ビンズイ”)もいます。場所は変わりますが、水田横の水路の中で”ヒヨドリ(鵯)”が水を飲んでいるようです(写真:中左)。”キジバト(雉鳩)”は、「商家の町並み」にできた雪解けの”水たまり”で水を飲んでいました(写真:中右)。水から離れますが、「上総の農家」の「果樹園」を”ツグミ(鶫)”が駆け回っていました(写真:下左)。「おまつり広場」の「茶店」近くで、お腹が少しオレンジ色で尻尾がブルーの”ルリビタキ(瑠璃鶲)”を見かけました(写真:下右)。
 南斜面のあたたかな林にも鳥たちが集まっています。松林に、”ヤマガラ”(写真:上右)や”シジュウカラ”(写真:下左)いますが、そんな中に、白っぽくて尾が長い鳥がいました。”エナガ(柄長)”のようです(写真:上左)。鳥たちを見ていると、どこからともなく”バタバタバタ”と音が聞こえ、音の方を見ると”ドクターヘリ”が林の上を飛び去りました(写真:下右)。
 「房総のむら」の「針供養」です。「商家の町並み」の「お茶の店」と「本・瓦版の店」の間の奥に”いらっしゃる”「お地蔵様」に、折れたり、曲がったり、また錆びて使えなくなった”針”を刺した”豆腐”をお供えして”針供養”です。なぜ、”豆腐”に”針”を刺すのかというと、”針”は”硬い生地”に刺してきたので、最後は柔らかいものに包まれて成仏してもらうためともいわれます。香取市佐原の事例では、2月8日に寺宿の「諏訪神社」境内に祀られている「淡島様」に、”お針子”さん達が”針”を使い古しの”針刺し”や”瓶”に入れて納め、この日は”針”を使わないで”茶話会”などで楽しんだそうです。
 「商家の町並み」「本・瓦版の店」では、「林 勇介」さんの「浮世絵の摺り」の実演です。「林」さんは、大学で「木彫り芸術」を学んだ後に、伝統の技を受け継ぐ”摺師”になったそうです。今回は、「喜多川歌麿」の「歌撰恋之部 物思恋」を摺っていただいています(写真:下左)。”版木”に色と糊をのせ(写真:上左)、しっかり”見当”を合わせ(写真:上中)、”バレン”で圧をかけて摺ります(写真:上右)。何ともなまめかしい”歌麿の美人画”が摺り上がります。
 「上総の農家」では、「米俵作り」実演です。昔、”米”を入れていた”俵(たわら)”を”わら”で作ります。まず、”俵”の側面になる”縦紐”の間隔が広い”むしろ”(写真:上左)と”俵”の上下の蓋にする”桟俵(さんだわら)”を作ります。”むしろ”は、”わら”を編み台を使い細い縄で結んで編みます(写真:上左)。”桟俵”は、厚さが均等になるように”わら”を足で踏みながら円形に編み上げます(写真:上右)。次に編み上がった”むしろ”を円筒状にして、上下を”桟俵”で蓋をして内側ができます。(蓋をする前に”米”を入れます)この上にもう一枚の”むしろ”で包み、側面と上下を縄で縛れば完成です(写真:中中、中右)。しかし、この”縄”をきつく縛り上げるのはなかなかの力仕事です。運搬するときに”米俵”が緩んでしまっては大事な”米”がこぼれてしまいますから、”米俵”はしっかり作らなければなりません。そのために”むしろ”を二重にし、”桟俵”で蓋をしてさらに”縄”でしっかり縛るわけです。現在は30kg入りの袋詰めですが、これが一俵が約60kgの昔の”米俵”です(写真:下右)。
 「下総の農家」では「土間ぼうき作り」の体験です。”ほうき(帚)”には、”竹ぼうき”や”棕櫚(しゅろ)ぼうき”などがありますが、”土間ぼうき”は、夏に緑色の細い枝が”トトロ”のように”フワフワ”に拡がり、秋には赤くなる”ホウキグサ(帚木)=コキア”で作ります。乾燥した大きく拡がっている枝をまとめて”ほうき”にします。体験者の方にお聞きしたところ、「”ほうき”の作り方がわかったので、来年は自分の家の”コキア”で作る」のだそうです。”土間”はないけれども、庭先の掃除に使うのだそうです。
 館内の林の中などの”下草刈り”を行いました。草がなくなったので、新しくした園路境のアーチ状の”竹の矢来”が目立ちます(写真:上右)。そんな「下総の農家」の林の中に、十文字に組まれたアーチ状の竹が見られます。よく見るとその中央部に、2、30cmほどの”小さな木”があります。「緑の里親(どんぐりの木を育てよう)」の体験で植えられた”苗木”がまだまだ小さいですが、”すくすく”と育っているようです。林の中のアーチの竹は、”小さな苗木”が草刈りの時に刈り取られないように目印として付けられているのです。
 草刈りの終わった林の中に、まだまだ小さいですが、”キツネノカミソリ(狐の剃刀)”の葉が出てきました。8月頃にオレンジ色の花が咲く”キツネノカミソリ”は、ご存知のように”ヒガンバナ(彼岸花)”などと同じで、花が咲く時には葉はありません。冬から春にかけて葉を伸ばし栄養を蓄えます。もう少したつと、林の枯葉の中に緑色の葉の群落がみられます。
 ”コセリバオウレン(小芹葉黄連)”が、ここ数日で”大繁殖”です。小さい花ですが、かなり咲いてきました。ご覧になっていた方も、「昨年よりも花が多くないですか」と。雨上がりのこの日は、朝方の深い霧もかかり水滴を付けた”コセリバオウレン”となりました。「房総のむら」の”コセリバオウレン”は2か所に群生していますが、真っ白に見える”雄花”は「上総の農家」に近い所には多いようです(写真:下左)。しかし、”雌花”は確認できませんでした。
 この写真は、2月2日午後5時頃に撮影した「房総のむら」から見た「富士山」です。この感じだと、おそらく4日~6日あたりに”ダイヤモンド富士”が見られるのではないかと思うのですが。3日、4日は上空は晴れ上がって雲がなく期待したのですが、低い雲が「富士山」を隠すようにあってダメでした。5日は完全に厚い雲で「富士山」見られませんでした。”ダイヤモンド富士”が今日ではと、一緒に見ていた方々も、非常に残念がっていました。
 6日は、朝から雨でしたが、午後3時頃に雨が上がり急激に晴れてきました。それでも薄暗いので「今日もダメだろう」と思ったのですが、確認に出かけたところ、なんと”ダイヤモンド富士”が見られました!。しかし、全体に”靄”がかかったようで「富士山」も太陽がかかる前はほとんど見えず、太陽がかかってやっと見えるような状況でした。条件はよくありませんがなんとか「房総のむら」から”ダイヤモンド富士”を見ることができました。しかし、この日の観察者は私一人でした。ほかの方々は、雨が降っていたので諦めたのだと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿