2019年2月28日木曜日

雨水(二十四節気)草木萌動(七十二候)3月1日~5日 春の訪れ🌱 ”綱つり・鹿島人形・大蛇”で”災いよけ” ”オオイヌノフグリ” ”ユキヤナギ” 鳥たちの水浴び🐣 ”河津桜”🌸

 「寒い」、「雪」だといっていたのですが、少しづつ日も伸び暖かくなり、気が付けば3月になります。「雨水」の末候の七十二候は、「草木萌動(そうもくめばえいずる)」です。春の訪れを感じさせてくれる”フキノトウ(蕗の薹)は、「大寒 款冬華(1月20日)」には固い蕾だったのですが、この時期になると花が顔を出しています。まわりの葉の先端が丸い”フキの葉”になっている個体がありました(写真:下)。
 枝の先に”ふかふかの毛”で被われて暖かそうな”花芽”から、春の訪れを告げる白い花が咲きます。”ハクモクレン(白木蓮)”は、”ふかふかの毛の帽子”を3重に被っているそうで、今は2枚目の帽子を上空に向かって脱いだところでしょうか(写真:左)。横を向いている”コブシ(辛夷)”は、暖かい毛に包まれた”花芽”が破れて筆の穂先のような花が見え始めました(写真:右)。もうすぐ白い花が見られると思います。
 ”アジサイ(紫陽花)”も活動を開始したようです。”アジサイ”の”冬芽”は、”コブシ”のような暖かい毛に被われることもなく”裸”のようで寒そうでしたが、新しい葉がでてきました。
 「雨水 土脉潤起(2月19日~)」に続き、新しく交換した”災いよけ”の続報です。今回は、「上総の農家」と「安房の農家」が担当した”災いよけ”の紹介です。「房総のむら」に「大木戸」から入館された方が「農家」に向かって歩き出して、最初に目に入るのが「上総の農家」の手前に何やらいろいろなものがぶら下がった”縄”でしょう(写真:下左)。これは、「東京湾アクアライン」の千葉県側陸地の木更津市金田地区の”綱つり”を再現展示したものです。”左綯いの縄”にワラで作った”海老”、”蛸”、”男女のかしま人形”、”タワシ”に”お札”や”サイコロ”がぶら下がっています。”蛸”は”災い”を吸い、”かしま人形”は”災い”を追い払い、”タワシ”で洗い”むら”が平和で栄えることを願います(写真:上)。「安房の農家」では、鴨川市打墨地区の”綱つり”の事例です。こちらでは、”縄”に”わらじ”、”わらぞうり”、”杉の葉を挿した瓢箪”、”唐辛子を挟んだツットコ”と”お札”が下げられています(写真:下右)。
 「水車小屋」近くの谷には、いろいろな”災いよけ”が再現展示されています。”ワラ”で作られた等身大の”武者人形男女一対”の”かしま人形”は、袖ケ浦市阿部地区の事例です。すだれ状に編んだ”ワラの衣”をまとい、”桟俵の鐔”の竹の刀を二本差し、手には”男人形(写真:右=頭に髷)は袖がらみ”を、”女人形(写真:左)は薙刀”を持ち両手をひろげて立ちはだかっています。「災いは通さないぞ!」
 こちらは、南房総市和田町仁我浦地区の3例の”綱つり”の再現展示です。仁我浦地区では、上台(写真:下左)、中台、下台(写真:下中)、橋の下(写真:下右)の4つの地区ごとに、”むら境”に”流行り病”など悪いものが入らないように”御神酒”をかけた”大蛇”を飾ります。ワラで作られる1.9mほどの”大蛇”の頭部は”三つ編み”の要領で作りますが、胴部は”三つ編み”(下台、橋の下)と”ゴボウジメ”(上台)と違い、さらに胴部から下げる”ぞうり”、”桟俵”、”タワシ”、”サイコロ”、”お札”の有無によって違いがあります。「ノロウイルスやインフルエンザが入ってきませんように」
 「上総の農家」の「果樹園」では、梅の花が咲き「梅園」が解放された隣で「果樹の手入れ(柿)」の「わざ指南道場」が行われていました。初めに指導者の「宮﨑 弘」から”柿”の木の剪定の説明を受け(写真:上)、その後にそれぞれが剪定作業を行っていました(写真:下)。しかし、枝を見て考えながらで難しそうです。「宮﨑」さんの説明で驚いたのですが、柿の花は一般的には”雌花”だけが咲き、”雄花”が咲く種類は少ないのだそうです。そして、”柿”は受粉しなくても実が大きくなるのだそうです。ですから、”柿”を生産する畑では”受粉樹”と呼ばれる”雄花”が咲く木を植えるところもあるのだそうです。知りませんでした。そこで、”柿”の剪定ですが、”柿”の実は前年度に伸びた枝から出る新しい枝にできるのだそうで、その枝の見極めと葉に光がよくあたるようにすることが重要のようです。”柿”の剪定も難しいようです。さすがにこれは「わざ指南道場」レベルですね。「上総の農家」の”柿”は、一昨年はたくさん実がついたのですが、昨年はあまり実がつきませんでした。”柿”にはよく見られる「隔年結実」という現象のようすが、今年はどうでしょうか。
 ”雄花”と”雌花”があるといえば、「上総の農家」近くのに”コセリバオウレン(小芹葉黄連)”ですね。「房総のむら」では、”雄しべ”だけの真っ白な”雄花”とそこに”雌しべ”が混じった”両性花”は見られるのですが、”雌しべ”だけの花は確認していません。昨年の12月16日に今シーズン最初の開花を確認した”コセリバオウレン”ですが、花が終わった株も目立つようになってきました。春の花が咲き始めて、そろそろ”冬の妖精””コセリバオウレン”の見頃は過ぎそうです。この花だけを目的に遠くから来館させる方もいらっしゃいますが、お急ぎください。
 ということで、春を待っていた小さな花もすこしづつ増えてきています。”オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)”は、花がかなり増えてきました(写真:上)。近くに”ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)”(写真:下左)と”ホトケノザ(仏の座)”(写真:下中)も咲いていました。田んぼのまわりでは、”ナズナ(薺)の白い花が咲いていました(写真:下右)。
 重要文化財「旧御子神家住宅」前の「むら」の”鳥のプール”には、たくさんの鳥たちが集まっていました。プール中央の”ヤマガラ(山雀)”が両サイドで水浴びする”シジュウカラ(四十雀)”を見ています(写真:上左)。そして、次は自分の番と、”ヤマガラ”も”シジュウカラ”の前で水浴びです(写真:上右)。”シジュウカラ”と”メジロ(目白)も交互に水の掛け合いです(写真:中左2枚)。その”メジロ”がプールサイドにやってきた”エナガ(柄長)”に両翼を広げています(写真:中右)。”エナガ”は場所を移って”シジュウカラ”の前で水浴びをしましたが(写真:下左)、”シジュウカラ”にも「あっちへ行け」とばかりに一方の翼を広げられました(写真:下中)。(ほんとかな?) 最後は、同じく「風土記の丘エリア」の”紅梅・白梅”の花が咲く「水生植物園」からですが、ほとんど花が咲かなくなった”梅の木”にたくさんの”アオジ(青鵐)”が集まって”苔むした木”をつついていました(写真:下右)。
 「茶室」をたずねると、床の間に”桃の花”と”菜の花”が活けられていました。「房総のむら」では、まだ”桃の花”は咲いていませんが、”雛祭り”が近いので”桃の花”だそうです。”軸”は「一華開五葉(いっかごようひらく)」、難しい解釈はともかく”花が開く”ということで季節感のある吉祥句ですね。庭先の”紅梅”を見ながら、「茶の湯・お点前」の体験はいかがですか。館内の”梅”は、日ごとに花が増えてきています(写真:右上)。「旧平野家住宅」の”ユキヤナギ(雪柳)”が数輪ですが花をつけていました(写真:右下)。
 「房総のむら」に隣接する栄町の「ドラムの里」の早咲き桜、”河津桜”です。”お花見”にはまだ早いかもしれませんが、こちらも少しづつ花が増えてきています。昭和30年に発見され、昭和49年に”河津桜”と命名されたそうですが、まだ発見から60年ほどだというのにその広がりはすごいですね。昔ながらの”ソメイヨシノ”などの桜が咲く前に、桜の花が見られるのがうれしいですね。

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