2018年12月26日水曜日

冬至(二十四節気)麋角解(七十二候)12月27日~31日 ”冬至”です ”お正月を迎える”準備が着々と進んでいます ”茅葺屋根”葺き替え完了 ”幻想的な風景”

 今年最後の七十二候は、「麋角解(おおしかのつのおつる)」です。日本の”シカ(鹿)”は、春先に”角”が 生え変わるようですが、”大鹿(トナカイの一種)”は、今頃”角”が落ちるようです。毎年、”暮れ”が来ると、今年もあっという間に一年が過ぎたなぁ、と思います。今年も一年間、「房総のむら」をご利用いただきまして誠にありがとうございました。写真は、「房総のむら」から見た日没直前の”富士山”です。
 22日は、「冬至」でした。「房総のむら」では、「上総の農家」と「下総の農家」で、”かぼちゃ(南瓜)”と”ゆず(柚子)”の料理(写真:上)、”ゆず湯”(写真:下左)を再現展示しました。外国からのお客様は香りのいい”ゆず湯”に感心していました(写真:下右)。皆さんのご家庭ではいかがでしたか。”かぼちゃ”は食べましたか。”ゆず湯”には入りましたか。”ゆず”が浮いたお風呂に入ると、”ゆず”の甘酸っぱい香りとともに、体もあったまるようです。
 そして、「農家」では、お正月の”お飾り用”の”餅つき”が行われました。使用する”もち米”は「房総のむら」で収穫した”マンゲツモチ”です(写真:上左)。まずは、この”餅米”を”カマド”にのせた”セイロ”で蒸します(写真:上右)。蒸しあがったら、すぐに”臼”に移して”餅つき”です。はじめに”こめ粒”をつぶします。これをしないと”こめ粒”が飛び散ってしまいます。見学されていた男性の方が、”餅つき”はかなり経験されているようでしたので、つぶすところから手伝っていただきました(写真:下右)。
 見学されていた方々にも”餅つき”を体験していただきました。この日は外国からの来館者も多く、その方々には「ワン、ツー、ストップ」の声掛けで、”杵”を2回搗いだら休んでいただき、その時にスタッフが”餅”に水をつけました(写真:下左)。このリズムで、”餅つき”を数回繰り返していただきました。日本人の方が”杵”を打ち下ろすと、まわりから「ヨイショ!」の掛け声もかかっていました。
 最後に、再び最初の男性の方にお手伝いいただいて、”餅”が搗きあがりました(写真:上左)。搗きあがった”餅”はボールに移して(写真:上右)、別の場所で早速”お飾り用”の”丸餅”にしました(写真:下)。”お飾り用”に丸めた”餅”は柔らかく重ねると形が崩れてしまいますので、硬くなるまでそのままにしておきます。”餅つき”体験に参加した皆さん、ご協力ありがとうございました。おかげさまで”あっと”いう間に”餅”が搗きあがりました。「なつかしいね。今は”餅つき機”ですよ」とおっしゃっていた見学者の方もいらっしゃいました。また、”試食”を楽しみにしていた方もいらっしゃるようでしたが、申し訳ありませんでした。
 「房総のむら」では、”大そうじ”も終わり、”餅つき”だけではなく、”お正月のお飾り”の準備も始まりました。「大木戸」では、大きな”門松”が作られていました(写真:上左)。「商家の町並み」では、店によって違う”門松”を準備しています(写真:上右)。「農家」では、門や入口の”門松”を準備しながら、それぞれの「農家」で形が違う”お飾り”に”ダイダイ”、”裏白”、”ユズリハ”、それに”四手”などを付ける作業をしていました。”お正月のお飾り”については、「風土記の丘資料館」で現在開催中の企画展「正月を迎える」でも展示していますので、ご覧ください。
 お正月飾りに使う「房総のむら」の”ユズリハ(楪)”(写真:左)と”ダイダイ(橙)”(写真:右)です。”ユズリハ”はたくさんありますが、”ダイダイ”は数が少なく、”裏白”はありませんので購入しました。
 茅葺屋根”の葺き替え工事が終わった「下総の農家」の「木小屋」では、工事用の足場も撤去されました。遠くから見ると、葺き替えされた「木小屋」の屋根だけがやけに目立ちます(写真:上)。しかし、そんなに時間がかからないで周りの景観に馴染んでくると思います。”茅葺屋根”を真下から見上げると、”屋根裏”では改修した新しい竹材や新しい縄のきれいな結び目が見られます(写真:中)。また、”軒先”では「主屋」などの”茅葺”に比べ厚みは薄いですが、それでも”茅”の種類の違いがきれいな模様になって見えます(写真:下)。
 久しぶりに”霧”がかかりました。「房総のむら」から隣の「ドラムの里」の芝生の広場を見ると真っ白でした(写真:上左)。”門松”を準備中の「商家の町並み」も、うっすらと霧がかかっています(写真:上右)。「農家」の畑では、”光芒”も見られました(写真:中)。前日雨が降ったためでしょうか、朝日があたった畑からは”水蒸気”が”湯気”のように立ち上っていました(写真:下左)。最後は、林の中の”光芒”です(写真:下右)。太陽が高くなるにつれ、”幻想的な風景”はあっという間に消えてしまいました。
 晩秋に花を咲かせていた植物も、冬を感じさせてくれています。”コウヤボウキ(高野箒)”(写真:上左)や”オケラ(朮)”(写真:上中)、”シロヨメナ(白嫁菜)”(写真:上右)などは、果実が白い綿毛に被われています。”ススキ(薄)”が冬の日差しを受けて白く輝いていました(写真:下)。
 ”アオジ(青鵐)”でしょうか。寒くなってきて、垣根の下や林の中を飛び回っているのを見ていましたが、なかなか写真に撮れませんでしたが、「むらの架け橋」の近くで捉えることができました(写真:上)。「茶店」の裏の垣根の近くでしきりに枯葉を突っついている鳥がいました。こちらは”シロハラ(白腹)”でしょうか。枯葉を突っついたかと思うと、ピョンピョン跳ねて移動し、また枯葉を突っついていました(写真:下)。「農村歌舞伎舞台」の前の芝生広場に、立ち止まって”尾羽”を上下に振っていたかと思うと、足早に”ツツツツッ”と移動し、急に立ち止まってはまた”尾羽”を上下させる”ハクセキレイ(白鶺鴒)”がいました。じっと見ていると、睨み返してきました(写真:下右)。

今年一年間大変お世話になりました。よい年をお迎えください。来年は、1月2日、3日の臨時開館で「房総のむら」は始まります。ご来館をお待ちしております。

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