このところ12月とは思えないような暖かい日が続きましたが、そろそろ本格的に寒くなってきますかね。七十二候は「大雪」になり、二十四節気は「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」になります。天地の気が塞がって冬となる時季だそうです。先日の「商家の町並み」です。空も厚い雲に覆われ、どんよりとした寒々しい日でした。
そんな日、「上総の農家」の「土蔵」の屋根に”アオサギ(青鷺)”が舞い降りました。”アオサギ”は「堀割」等にも時々飛来して、餌を探しているようです。もう少し近くから撮りたいと思ったのですが、飛び立ってしまいました。
この日の「農家」の「新鮮野菜」です。「下総の農家」では、もうそろそろお終いでしょうか”食用菊”(写真:上)や”春菊”(写真:中左)などを収穫していました。「上総の農家」では”小松菜””ほうれん草”(写真:中右)に”大根”です。”大根”は準備をしている最中にもお買い上げです(写真:下)。これからは、”鍋”がおいしくなる季節ですね。「房総のむら」もこれらの新鮮な野菜を持参して、12月9日に開催される栄町主催の「少子化克服なべまつり」に参加します。是非、「房総のむら」特産の”江戸野菜”をご賞味ください。
「下総の農家」では、早々と”冬支度”です。”シュロ(棕櫚)”は、お化けのように”ワラ”で覆われました(写真:左上)。畑の”サヤエンドウ(絹莢、莢豌豆)”などの豆類には、”霜よけ”のために”ワラ”が敷かれ葉が付いた”篠棒”も立てられました(写真:右上)。”ラッキョウ(辣韭)”(写真:下左)と”タマネギ(玉葱)”(写真:下右)の根元には、保温のために”籾殻”が撒かれました。昨年は、この時期には既に”霜柱”も立っていたのですが、今年はまだ見ていません。今年の冬は暖かいとの予報もあるようですが、どうでしょうか。
「商家の町並み」「お茶の店」の「玄米茶作り」の体験です。「房総のむら」では、炭火の入った”七輪”の上の”焙烙(ほうろく)”(写真:上左)で素材を炒って”玄米茶”を作ります。まず、”焙烙”に”モチ米”を入れて焙じます(写真:上右)。少し経つと、”モチ米”が弾けて白い花が咲いたようになります(写真:中左)。そこに主役の炒った”玄米”を入れ(写真:中右)、さらに炒ります。最後に”茶葉”を加えます(写真:下左)。出来上がったら(写真:下中)、ビニール袋に入れて”抹茶”を少し加えて(写真:下右)「むら」の”玄米茶”の完成です。全体にうっすらと緑色がかった感じになります。”玄米”の香ばしくと”お茶”の香りのする、おいしい炒り”玄米茶”ができました。
「商家の町並み」「菓子の店」では、天明元年(1781年)創業の匝瑳市「鶴泉堂」9代目店主の「大川功修」さんによる「祝い菓子」の実演です。「祝い菓子」とは、”米粉”、”砂糖”などを練り合わせて着色し、”木型”で押し固めた”干菓子”です。いわゆる”落雁(らくがん)”です。めでたい絵柄の”落雁”は、昔は祝い事には欠かせないものでした。今回は展示用に、”お正月”にふさわしく”伊勢二見浦”の”夫婦岩”の”初日の出”(写真:中左)と、”鶴”(写真:中右)を作っていただきました。そして、「大川」さんが”何気なく”使っている、展示もさせていただいた”木型”がすごいのです(写真:下)。中には、大正4年(1915年)に皇太子殿下の(大正)天皇即位を祝って作った時の”木型”や、江戸時代から200年くらい使用されているのではないかという”木型”などもありました。まさに、受け継がれてきた歴史と伝統の「祝い菓子」作りの実演です。
「風土記の丘資料館」2階では、今年の企画展「正月を迎える」が始まっていますが、2日には国立歴史民俗博物館民俗研究系教授「小池淳一」さんをお迎えして「正月の民俗学」と題する講演会を開催しました。はじめに、私たちにも馴染みのある”小正月”について”大正月”との比較で解説していただき、本論では 1 正月はいつから 2 白い正月と赤い正月 3 正月ではないのに 4 正月を動かす と、大きく4つの視点から”正月”を説明していただきました。中でも私的には、「一日は朝から始まるのではなく前夜から始まる、新年も大晦日ら始まる感覚があった」。また、「明治5年12月2日までは旧暦で、翌日が明治6年1月1日に改暦されたが、それまでの生活習慣に密着した旧暦をなぜ西洋の新暦に変えたか」など興味ある話がたくさんありました。9日には、”グラフィックデザイナー”で”しめかざり研究家”としても知られる「森 須磨子」さんをお招きして「しめかざり」について講演いただく予定です。是非、ご参加ください。
こちらは、企画展「正月を迎える」の担当職員による解説会の様子です。来館者だけではなく、館職員も「お正月」の勉強です。この時は、企画展会場を入った正面に再現展示された「懸の魚(かけのい)」の解説をしていました。毎年「上総の農家」や「安房の農家」の”正月飾り”でも、”昆布”、”するめ”、”鮭”など海産物を下げる事例を展示しますが、今回企画展で再現したのは千葉県館山市相浜の地区で見られる神棚の”正月飾り”の様子です(写真:上)。下げられているのはいずれも”南房総”の近海で獲れた魚などで、”イセエビ(伊勢海老)”は腰が曲がるまでの長生きを、塩漬けされた”カツオ(鰹)”は”勝男”にかけているのだそうです。しかし、現在はこのような”正月飾り”をする家庭は少なくなってきているようです。皆さんのご家庭ではいかがですか。来年の正月は、地域に伝えられた伝統的な”正月飾り”を飾ってみてはいかがですか。新年を迎える気持ちが、いつもの”お正月”とは違った新鮮な気持ちになれるかもしれませんよ。
”小春日和”の2日に、重要文化財「旧学習院初等科正堂」で「成田国際高等学校吹奏楽部」の「ブラスバンドコンサート」を開催しました。「成田国際高校」の「吹奏楽部」の演奏会は、昨年に続き2回目になります。コンサートでは、クリスマスに因んだ曲などを休憩なしに1時間近く演奏していただきました。とにかく、生徒さんが皆さん明るく、はつらつとしてして、元気なのです。笑顔が絶えません。見ている私たちもなぜかうれしくなります。生徒さんに合わせて体も動き出しそうになりました。そして、元気も分けていただいたような気がします。ブラボー!
「成田国際高等学校吹奏楽部」のレベルが高いことは皆さんもご承知だと思いますが、今年も「千葉県吹奏楽コンクール高等学校A部門」本選大会出場など各種大会で上位入賞されているそうですが、この日も見事な演奏でした。個々の生徒さんを見ると、皆さん自分のパートを自信をもって真剣に演奏されていました。そこがレベルの高さの原点なのでしょうね。秋の気配が色濃くなってきた「旧学習院初等科正堂」に、「房総のむら」に力強い音色が響きわたっていました。大勢のお客様にも満足いただけた”すてきな演奏会”でした。「成田国際高等学校吹奏楽部の皆さん、ありがとうございました。」
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