2018年11月1日木曜日

霜降(二十四節気)楓蔦黄(七十二候)11月2日~6日 ”もみじ”色づく 「房総座」は”柳家三之助”師匠 「むら」の”醤油”完成 ”組紐” ”大工の技”

 「立冬」前の二十四節気「霜降」最後の七十二候は、「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」です。「堀割」の”もみじ(紅葉)”が少し色づき始めました。館内で色づき始めたのは、まだ「堀割」周辺だけのようです。
 よく見ると、葉の中央に一回り小さい葉があるかのように赤く色づいた葉もあります(写真:上左)。部分的に色が付き始めたところですので、緑と赤のグラデーションが見られます(写真:上右、下左)。ほかの木の葉は、まだまだ緑色です(写真:下右)。
 重要文化財「旧学習院初等科正堂」の周辺には、”イチョウ(公孫樹)”がたくさんあり、例年ならば”まっ黄色”に色づく時期なのですが、今年は”台風”によるの”塩害”で黄色くなる前に一部が枯れてしまいました。
 今年度二回目の「房総座」を開催しました。今回は、「柳家三之助」師匠の登場です。はじめに、「昨年は、台風の影響でガラス窓が”ガタガタ”なる中での落語会」だったとの話もありましたが、今年は穏やかな秋晴れで「三之助」師匠も汗をかいていました(写真:下右)。”まくら”の部分では、”まんじゅうを食べる”(写真:中左2枚)”煙管でタバコをのむ”(写真:下左2枚)などの落語の仕草も紹介していただきました。今回の出し物は、”棒鱈(ぼうだら)”と”黄金(きん)の大黒”でした。”棒鱈”は、”柳家小さん系統”に継承されている”噺”のようです。”江戸っ子が痛快なタンカで田舎侍を罵倒するイキのよさ”が見事でした。”黄金の大黒”では、”大家に招かれておろおろする長屋衆の様子”が目に浮かぶようでした。次回の「房総座」は、平成31年2月16(土)に「柳家三三」師匠が出演します。
 「上総の農家」では、「むら」の「醤油作り」の二回目です。前回(二週間前)は、”大豆”や”小麦”に”種麹菌”を混ぜて”麹”を作り、指導の「石塚」さんに管理をお願いしたところまででしたが(当ブログ「寒露 蟋蟀在戸(10月18日~)」)、今回はその続きです。”温湿度”管理の重要な二週間を「石塚」家で過ごした”麹”が、「むら」に戻ってきました。”麹箱”に入っている”大豆”や”小麦”は、表面が少し硬くなっています(写真:上左)。この”麹”を”木ベラ”でそぎ落として、仕込み用の”ポリバケツ”の中に入れます(写真:上右)。この時に黄色い”麹菌”の”胞子”がたくさん飛びます。”麹”を入れ終えたら、前日に作っておいた”塩水”を加えます(写真:中左)。”塩水”は下に沈んでおり、表面は”麹”だけですのはじめはかなり力が必要ですが、先端に板がついた棒で混ぜます(写真:中右)。この時がまたすごいのです、”黄色の胞子”が飛んで手許が見えないくらいです(写真:下左)。完全に混ぜ合わさるまで続けて完了です(写真:下右)。これから数週間は、毎日一回はかきまぜます。一年後が楽しみです。
 前回、一年熟成させた”もろみ”から”生の醤油”を搾りましたが、その後”火入れ”をし、”灰”を入れ汚れをとり「むら」の”醤油”の完成です。味見をしてみると、香りがよく、まろやかです。体験者の皆さんも「おいしい」と。「石塚」さんも「へたな市販の醤油よりはよっぽどうまい」と太鼓判です。体験者の方々には、この”醤油”をお持ち帰りいただきました。「この醤油どうやって味わいますか?」「さしみ」「卵かけご飯」「焼きおにぎり」でと。お話をしているだけで、醤油の香りが漂う中、口の中には唾液があふれてきました。
 こちらは、「商家の町並み」「小間物の店」の「むらの達人講座」の一つ「組紐土曜コース」の様子です。”組紐”もこれまで何度か紹介してしてきていますが、「佐久間さち子」さんの指導(写真:上左の中央)で、”丸台”(写真:左中、下)や”高台”(写真:右)を使って”組紐”を組んでいきます。皆さんベテランの方ですので、黙々と組み上げていきます。でも、「組紐」は、「話をすると間違いそうなので、作業をしながら話ができない」ともおっしゃっていました。
 たくさんある糸から好きな色の糸を選び(写真:上左)、細い糸10本をひとまとめにして”コマ”(”糸車”のようなもの)に巻いておいて、その”コマ”を動かして組んでいきます。この”コース”には、「作品の展示」も組み込まれています。平成31年3月14日~30日まで展示します。皆さんの作品が楽しみです。
 「商家の町並み」「木工所」では「大工の技」の体験です。まずは、”かんな(鉋)かけ”の体験です。ご家庭で”日曜大工”を楽しむ方もいらっしゃるでしょうが、”かんな”はおそらく”電動かんな”でしょうか。「房総のむら」の「大工の技」では、昔ながらの”かんな”を体験します。はじめはうまくいかなくても、二度三度と繰り返すと”コツ”を覚え、きれいな長い”かんな屑”ができました。”ヒューッ”と”かんな”を滑らすと、”スー”と薄い”かんな屑”が切れないで出てくると気持ちがいいです。”ヒノキ”のいい香りです。皆さん、記念にお持ち帰りです。中には、大きなビニール袋を持参の方もいらっしゃいました。お風呂に入れるとやわらかい”ヒノキ”の香りも楽しめます。
 そして、次の「大工の技」は、”サシガネ(指矩)”と”のこぎり”を体験していただきながら、「サイコロ」作りの体験です。一本の棒を”サイコロ”の大きさにするために、”サシガネ”を使って、”直角”に、”直線”をひいて(写真:上左)、そこを”のこぎり”で切ります(写真:上右)。この後は、”紙ヤスリ”で表面を滑らかにし”角”を丸くしてオリジナルの”サイコロ”の出来上がりです。
 赤い花ゲンノショウコ(現の証拠)”も”種”を飛ばしました。”種”を飛ばした後の”板バネ”は、白い”ゲンノショウコ”よりも大きく”カール”しています。”種”を3つ飛ばし、まだ2つ残っているものもありました(写真:下右)。
 「風土記の丘」の県指定文化財「旧平野家住宅」の”ツワブキ(石蕗)”です。”ツヤ”のある大きな濃い緑の葉の間から伸びた茎に、”キク(菊)”のような黄色の花がついています。”山陰の小京都”とも呼ばれる、島根県津和野の語源は、「つわぶきの生い茂る野」だとか。
 「上総の農家」の”カリン(花梨)”と”ムベ(郁子)”です。今年は、”カリン”の実がたくさん付きました(写真:上)。”アケビ(木通)”のように蔓になる”ムべ”は、熟して赤紫色になってきました(写真:下)。”アケビ”は熟すると口が開くので(開け実→アケビ)で、”ムベ”は実が割れないので(無辺→ムベ)なんだそうです。また、その昔、「天智天皇」が”長生きの秘訣”の果物と教えられ、それを食し「むべなるかな」と得心したからとも言われているようです。”ムベ”という名前には諸説があるようですが、昔から親しまれてきた果物のようです。
 ”花”が終わった”ヒガンバナ(彼岸花)”に”葉”が出てきました(写真:上)。”花”が咲いた時には、”葉”はありませんでしたが(写真:下)、秋が深まりつつある今頃、深緑色で光沢がある”葉”が出てきました。このまま冬を越しますが、春には枯れてしまいます。そして、夏の終わりごろに”花”が咲くのですね

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