二十四節気は「立冬」で、七十二候は「地始凍(ちはじめてこおる)」ですが、このところ温かい日が続いていて、とても大地が凍る気候ではありません。まだ、冬という感じではなく、秋の気配がさらに深まってきた「房総のむら」です。「辻広場」に展示中の”江戸の菊”や「農家」の”菊”もかなり咲いてきました。写真は、「上総の農家」の”菊”です。
11月8日は、”鞴(ふいご)”を使い火を扱う「鍛冶屋」や「刀匠」さんたちのお祭り「ふいご(鞴)祭り」の日です。「房総のむら」でも、「商家の町並み」「鍛冶屋」に”祭り”の様子を再現しました。詳細は、当ブログ「商家・鍛冶屋でふいご祭の様子を展示しています!」をご覧ください。
木綿糸づくり② 次に、”綿繰(わたくり)”を使って、”種”を取り除きます。”種の入った綿”を”綿繰”のローラー部分に挟んで回転させる(写真:上)と、”種”は手前に落ちて(写真:右中)、反対側には”綿”だけが出てきます(写真:左下)。ローラーから出てきた”綿”は繊維が固まって”ゴワゴワ”しています(写真:下右)。
木綿糸づくり③ そこで、”糸の張られた弓”を使い”綿打ち”をして繊維をほぐし”フワフワ”な”綿”にします。繊維が固まった状態の綿を”綿打ち弓の弦”に絡めて(写真:上左)”弦”を弾くと、徐々に繊維がほぐれ”フワフワ”な状態になっていきます(写真:上右、下左)。かなり繊維がほぐれてきました(写真:下右)。
木綿糸づくり④ この状態の”綿”から”糸車”を使って”糸”を紡いでいきます。上の状態の”綿”でも”糸”を紡ぐことはできますが、繊維の固まりが残っていると均一な”糸”にはなりません。(繊維の固まりがある糸も趣があっていいのですが)体験では、きれいな糸にするため”綿屋”さんに”綿打ち”していただいた”綿”を使います(写真:上左)。まず、この綿を”一升桝”の上に広げ”箸”に巻きつけて”篠巻き”と呼ばれる状態にします(写真:上右)。”篠巻き”された”綿”に”糸車”の先端の糸を絡めて(写真:下左)、”糸車”を回すと”あら不思議””綿”から”糸”が出てきます。”糸車”を回すことで”糸”も回転し繊維に撚りがかかり糸状にすることができるわけです(写真:中右)。”糸”がある程度できてきたら、”糸車”の先端の”篠棒”に巻き取ります。(写真:下左)。この連続で、”長い糸”を作っていきます。”茶綿”を使えば茶色の糸も作れます(写真:下右)。こうして作った”糸”を草木などで染めて”機織り”の材料にします。皆さんんも、”木綿糸づくり”や”機織り”を体験してみませんか。
「商家の町並み」「紙の店」の「紙漉き」体験の様子です。”楮(こうぞ)”の繊維を水に溶かし、”トロロアオイ”の粘りの強い液体を混ぜた”紙の材料”が入った水槽から、網が張られた”四角い木枠”で紙の原料を漉きます。繊維がよく絡まるよう四方にゆすりながら漉きます。その後、水分を十分に抜き(写真:下左)、最後に蒸気で加熱した鉄板の上で乾燥(写真:下右)して出来上がりです。この日は、”和紙の葉書”を作りましたので、はがきの厚さにするために、和紙の原料を数回漉いて厚くしました。また、繊維の間に千代紙を入れて模様を付けました。
「上総の農家」の庭先の”ヘチマ(糸瓜)”はまだぶら下がっているものもありますが、完熟して乾燥した”ヘチマ”は皮を剥き、種も除いて繊維だけにして”たわし”にしました(写真:右)。今のお風呂には”スポンジ”でしょうが、昔の木桶のお風呂には”ヘチマのたわし”が似合いますね。
花が終わった後の”キバナアキギリ(黄花秋桐)”です。花が付いていた根元の”萼”だけが残っています。普通は緑色なのです(写真:下)が、「濃い紫色のもの(写真:上)は珍しい」と”山野草”に詳しい来館者の方に教えられました。
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