七十二候は、「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」です。関東地方ではまだですが、近畿地方では22日には”木枯らし1号”が吹いたとの報道があり、北風が落ち葉を吹き払う季節になってきたようです。「むら」の入口「大木戸」から「上総の農家」に向かう周辺にも落ち葉が溜まりますが、北風に吹き飛ばされるような様子は見られませんでした。
「商家の町並み」の先の「堀割」の”モミジ”は随分色づいてきています(写真:上、中)。「風土記の丘」エリア、「旧御子神家住宅」「旧平野家住宅」周辺にも”モミジ”がありますが、こちらは、部分的に色づいたところがある程度です(写真:下)。
そんな「房総のむら」で、23日に「ユニセフ・ラブウォーク IN 房総のむら」が開催されました。当日は、晴天でウォーキングするには絶好の”小春日和”でした。「ドラムの里」をスタートして、「西郷どん」でも放映されている「房総のむら」の「管理棟」の前を通り(写真:上左)、「商家の町並み」(写真:上右)から”モミジ”が色づく「堀割」を通って(写真:中左)、「風土記の丘」エリアに向かいました。今年からの「房総のむら体験コース(1km)」の参加者の方々は、「茶室」で”茶の湯”の体験もされました(写真:下左)。成田市の「上福田古墳」や「千葉県立成田西陵高校の昆虫館」を見学して戻ってきた5kmコースの皆さんは、「龍角寺101号墳」の”埴輪”を見ながら(写真:中右)、重要文化財「旧学習院初等科正堂」にゴールです(写真:下右)。今年の参加者は167名だそうですが、皆さん元気にゴールされました。世界の子どもたちの幸せを祈り、「ラブウォーク」に参加された皆様に心から感謝いたします。
今年の企画展「正月を迎える」が始まりました。展示の一環で「商家の町並み」の「稲荷境内」前(写真:上)と「風土記の丘資料館」入口(写真:下)に”茅の輪”を展示しました。早速、職員も”茅の輪くぐり”です。”茅の輪”のくぐり方は、一礼して”茅の輪”をくぐり左に回って元に戻り、再び一礼して今度は右に回り、三度目は一礼して左に回り、それから、神社に参拝します。なお、”茅の輪”をくぐる際には、「祓え給え(はらえたまえ)、清め給え(きよめたまえ)、守り給え(まもりたまえ)、幸え給え(さきはえたまえ)」と”神拝詞(となえことば)”をいいながらくぐります。さっそく、かわいいお客さんも体験です。是非皆さんも”茅の輪”をくぐり、”無病息災”を願ってください。”茅の輪”は、本来は”茅(チガヤ)”で作りますが、最近は”アシ(芦)”や”マコモ(真菰)”、”イナワラ(稲わら)”で作ることも多いようです。「房総のむら」の展示品は、”マコモ(真菰)”で作りました。
企画展の会場は、「風土記の丘資料館」2階になります。入口には、市川市「弘法寺(ぐほうじ)」に継承されてきた”天符(てんぷ)”と呼ばれる”伝承切り紙”を再現展示しました(写真:上左)。「弘法寺」では、暮れに「仁王門」に参拝者の”穢れを祓う”ことを目的に取り付けるそうです。正面には、安房地方の正月飾り”懸の魚(かけのい)”を再現しました(写真:上中)。南房総の沿岸地域では、”神棚”に”伊勢海老”や”鰹”、”鮭”、”スルメ”など海で獲れるものをお供えし、大漁や無事を祈願しました。展示では、県内ばかりではなく全国の”正月飾り”(写真:中)や”伝承切り紙”(写真:下左)、それに”お正月”に関連する行事として”オビシャ”(写真:下右)なども紹介しています。この機会に、昔ながらの”お正月”の様子をご覧いただき、ご自宅のお正月飾りの参考にしてみてはいかがでしょうか。関連事業として、「ミニ門松づくり」や「雑煮食べ比べ」などの体験もおこないます。12月2日には、「歴博」の「小池淳一」教授による「正月の民俗学」の講演が開催されますので、是非ご参加ください。詳細は、当館ホームページやチラシなどをご覧ください。
早速、企画展「正月を迎える」の関連ワークショップとして、「商家の町並み」「薬の店」では「屠蘇散(とそさん)」作りの実演が行われました。”屠蘇”というと、”お正月に飲むお酒”のことだと気が付くと思いますが、そのお酒なのですが”ただのお酒”ではないのです。”屠蘇”とは、六種類の”生薬”(写真:下左)を細かく砕いたものを小袋に入れ、一晩酒につけておいた酒で、元旦からその酒を飲むと健康になるといわれているそうです。少し、薬臭い感じがしますが、お正月を迎えた気分になります。講師の「中島慶子」さん(写真:上右)も「最近は、”屠蘇”を知らない人が増えている。暮れになると薬屋さんで売っていますよ」と。「薬の店」の体験では、”生薬”を摺潰す”薬研(やげん)”と分量を量る”上皿天秤(てんびん)”の体験(写真:下右)していただきました。来年は、”屠蘇散”を入れたお酒で”お正月”迎えてみませんか。
そして、「商家の町並み」「紙の店」では、「季節の折り紙(干支)」の体験です。来年の”干支”の”いのしし”の織り方を指導しているのは、「長谷川太市郎」さんです。お腹が少し膨らんだ、かわいらしい”いのしし”が折り上がりました。
「総屋」2階では、「平安装束」の体験を開催しました。東京成徳大学日本伝統文化学科の「青柳隆志」教授(写真:左下)の指導で、学生さんたちにお手伝いしていただいて”平安時代の装束”「十二単(じゅうにひとえ)」や「衣冠(いかん)」(日常着、普段着)「束帯(そくたい)」(正装)の試着をおこない、併せて、その都度「青柳」教授が”装束”の付け方や特徴、時折平安時代の歴史・文化などに触れながら解説をしてくださいました。こちらは、主に男性の方々の”装束”、武官束帯(ぶかんそくたい)、文官束帯(ぶんかんそくたい)、直衣(のうし)です。真っ赤な”武官束帯”が人気があったようですが、”弓矢”など武器も背負い重量もあり、試着された方々は汗だくでした。女性の体験者の方も凛々しくお姿です(写真:中右)。大勢の見学者の方が、「青柳」教授の解説を真剣に聞いていました(写真:中左)。
こちらは、女性の方々の”装束”です。なんといっても”十二単(じゅうにひとえ)”(宮廷女官の正装)が人気のようでした。それ以外にも、”小袿(こうちぎ)”(上流貴族女性の準正装)、”細長(ほそなが)”(上流貴族女性の礼装)、”汗衫(かざみ)”(貴族女性の礼装)、”壺装束(つぼしょうぞく)”(貴族女性の外出着)などの”装束”もありました。皇室の女性を思わせる”おすべらかし(大垂髪)”のかつらもお似合いでした。しかし、何枚も、何枚も重ね着をするので、立っているだけでも大変そうでした。「房総のむら」では「春・秋のまつり」に江戸から明治時代の”時代衣装体験”を行っていますが、今回は”平安時代の装束”の試着体験です。現代の着物に繋がる衣裳とは違った、普段着ることはない”雅”の”平安装束”に皆さんご満足のようでした。
まだまだ咲いています。「武家屋敷」の土手には”ホトトギス(杜鵑草)”が(写真:上)、「風土記の丘」「旧平野家住宅」の庭先には一輪ですが”リンドウ(竜胆)”が咲いていました(写真:下)。春に咲き出した”ホトケノザ(仏の座)”がまだ咲いています。”ほとけのざ”と聞くと”春の七草”の一つを想像し、まさかこの時期に花が咲いているとは思わないのではないでしょうか。そのとおりです。薄紫色の花が咲いているいる”ホトケノザ”と”春の七草”の”ほとけのざ”は別物だそうです。”春の七草”の”ほとけのざ”は、早春に黄色い花をつける”コオニタビラコ(小鬼田平子)”という草でロゼット状に拡がる葉の様子を”仏の座”に見立てたようです。”ビワ(枇杷)”の花が咲きました。”ビワ”は寒さに弱いようですが、今年の冬はどうでしょうか。
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