2018年11月16日金曜日

立冬(二十四節気)金盞香(七十二候)11月17日~21日 新酒の目印緑色の”杉玉” ”凧” ”くん炭”作り ”茅葺屋根”のコケ ”キッコウハグマ”の白い花に感激 えっ”ハナモモ”が咲いた

 二十四節気「立冬」の末候の七十二候は「金盞香(きんせんかさく)」です。「きんせんか」とありますが、この花は春に円い花が咲くキク科の”キンセンカ(金盞花)”ではなく、”スイセン(水仙)”だそうです。”金盞”は”黄金の杯(さかずき)”のことで、6枚の花びらの中央の黄色い冠のような副花冠をもつ”スイセン”の異名だそうです。「房総のむら」の”スイセン”も葉がかなり伸びてきて蕾もいくつか見られますが、花が咲くのはまだ先になりそうです。
 「房総のむらの写生コンクール」の上位入選作品の展示会場です(写真:上、写真:下左(館長賞)、下右(友の会会長賞))。11日には、表彰式も行われました。今年度の入選作品の詳細は、当ブログ「第40回房総のむら写生コンクール審査結果発表!」をご覧ください。
 「商家の町並み」「細工の店」の店先に、真っ白な”張り子”が干されていました(写真:上)。”張り子”は、”木型”に”和紙”を張り付け、”型抜き”して作ります(写真:中)。できた”張り子”の上に”胡粉(ごふん)”を塗って、真っ白になった状態で干しているところです。「細工の店」では、”張り子の”絵付け”や”キーホルダー”作り(写真:下右)ができますが、”木型”を使って”張り子”を作る体験もできます。
 「商家の町並み」「酒・燃料の店」では、「杉玉作り」の実演と体験です。”新酒”ができた”目印”に、酒屋の店先に下げられる”杉玉”です。竹で編んだ丸い籠を”芯”にして(写真:下右)、そこに”杉の葉”を挿していきます。指導の「吉野正美」さんが作っているのは(写真:下左)、「酒・燃料の店」に飾った”杉玉”です(写真:上)。体験者の皆さんには、ご自宅に飾るのに適当な大きさの”杉玉”を作っていただきました。
 「商家の町並み」「細工の店」では、「凧作り」の体験です。一年に一回の体験です。”竹ひごの骨”に”浮世絵の摺り”でお馴染みの「松崎啓三郎」が摺った”武者絵”の和紙を張り、糸を付けます(写真:下左2枚)。今回はここまでですが、絵に色を付ければ立派な”武者絵の角凧”が完成です(写真:下右)。いつも、指導の「仲田一夫」さんがいろいろな凧を持参して、店先に展示していただいています(写真:上)。
 「上総の農家」の「くん炭作り」の実演です。”くん炭”は、”土壌改良材”や”苗代”の保温材として使います。穏やかな秋の日に、”くん炭”作りの煙が農家や畑全体を包むように漂う景色が昔はどこの農村でも見られたものです。
 ”くん炭”は、”籾殻(もみがら)”を蒸し焼きにして作ります。”火種”(写真:下左)を入れた”煙突”のまわりに”籾殻”を山形にかさねて、”籾殻”が燃えないように(”炎”が出ないようにして)蒸し焼きにします。この日は少し風もあったので、”籾殻”は3時間ほどで”こんがり”黒く焼けました(写真:上右)。でき上がったら、熱を取るために広げて数時間置いておきます(写真:下右)。熱が完全になくなったら袋に入れて保管しておいて、”苗代”の保温材として使用します。
 「下総の農家」では、大きな”ナタマメ(鉈豆)”が干されています。また、「下総の農家」で収穫した一方が太く長ーいかぼちゃ”鶴首かぼちゃ”を販売しています。この”鶴首かぼちゃ”は、”ポタージュ”にするととてもおいしいスープになります。その他にも、焼き物や煮物、てんぷらでもおいしく食べられます。是非、味わってみてください。
 「上総の農家」の”らっきょう(辣韭)”に花が咲きました(写真:上)。”らっきょう”はたくさん植えてあるのですが、花が咲いたのはこの一本だけです。きれいな花なので、もう少し咲いてくれるとよかったのですが、残念です。白い花を楽しませてくれた”秋そば”も、収穫の時期を迎えました(写真:下左)。収穫したばかりの”三角形の実”は、真っ黒ではなくまだ茶色がかっており、まだ青い実もあります(写真:下右)。”そば”は、下の方から花が咲き実が熟していきますので、上の方はまだ熟しきっていない青い実もあります。”黒い殻”を割ると、中に少し薄青い白色の実がはいっています。これが、新そばの特有の色合いと風味になるのだそうです。
 茅葺屋根のあまり日が当たらない北向きの屋根には、”コケ(苔)”などが生えています。「上総の農家」の「長屋門」には、当ブロブ「房総のむらの花だより」でも紹介されている”コアカミゴケ(小赤実苔)”のほかに草も生えています。
 こちらは、同じ「上総の農家」の「母屋」の屋根です。アップで見ると屋根とは思えないように”フカフカ”の緑色の”コケ”が一面に生えています。
 ”キッコウハグマ(亀甲白熊)”に、小さな白い花が咲きました。前回紹介したように”タンポポ”のような”冠毛”だけしか見られないのかと思っていたのですが、花も見ることができたのです。花はダメだと諦めていたので、初めて見る白い花に感激です。
 そろそろ、”リンドウ(竜胆)”も見納めかと思いますが、淡い紫色が鮮やかな花を房状につけた”リンドウ”がありました。
 館内のあちこちに”カタバミ(片喰)”の花が咲いています。白い花は”三角形の葉”が特徴的な”オキザリストライアングラリス”でしょうか。その中に一輪だけピンクの花が咲いていました。少しな離れた場所には黄色の”カタバミ”も咲いていました。
 「商家の町並み」「瀬戸物の店」の横の”ハナモモ(花桃)”が花を咲かせています。全国的にも”サクラ(桜)”が咲いたというニュースもありましたが、「房総のむら」では確認できませんでした。が、”ハナモモ”が咲きました。
 「房総のむら」は、まだ”紅葉狩り”には早いですが、「堀割」の”モミジ”は日ごとに”赤み”が増しています。「風土記の丘」エリアの”モミジ”も色づき始めましたので、もうじき”紅葉狩り”が楽しめるようになると思います。

2 件のコメント:

  1. フルード工業株式会社 鈴木 一大2018年11月16日 16:31

     この10月20日、社員の行楽で訪ねました。
     104基もの大小の古墳群は目を引く光景でした。
     資料館では、受付の女性も大変親切で、学芸員の女性の先生のご説明も分かりやすく、良かったです。
     なお、この先生は博士号も持つ、研究者で、ここの浅間山古墳の発掘にも実際に携わられた、白井久美子先生と言う著書も沢山ある偉い方であることを後で知りました。
     ありがとうございました。

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    1. ご来館ありがとうございました。
      今回は「風土記の丘資料館」と国史跡「龍角地古墳群・岩屋古墳」を中心に見学していただいたようですが、満足していただけたようで安心しました。
      ご丁寧にメールまでいただき感謝いたします。
      「房総のむら」といたしましては、今後とも皆様方に満足していただける展示・案内に心がけてまいりたいと考えておりますので、お気づきの点があれば教えていただければ幸いです。
      四季折々の草花とともに、昔ながらの歴史を体験を通して学べる「房総のむら」を、今後ともよろしくお願いします。
      またのご来館をお待ちしております。

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