2023年8月15日火曜日

江戸の花卉 朝顔;自分なりに名前を考えてみる

 伝統的な変化朝顔の名前は葉の形や状態、花の色や形を表し、「団十郎」として知られているのは、「黄(き)蝉葉(せみば) 栗皮茶(くりかわちゃ)丸咲(まるざき)大輪(たいりん)」という名前です。黄色でセミのおなかのようにぷっくりひろがった葉をもち、栗の渋皮のような茶色で丸い大輪の花が咲いています。

また、蔓が出ない「木立」は、「青(あお)並葉(なみば) 木立(こだち)牡丹紅(ぼたんべに)覆輪(ふくりん)星咲(ほしざき)」と房総のむらでは伝えられており、今年の花もその名の通りで、青っぽい普通の朝顔の葉っぱをしていて、茎は蔓にならず、花は(牡丹の意味がまだ分かりませんが)紅色で周辺が白い覆輪で、花びらの先がとがった星咲です。


「石化」という系統は、「青(あお)班入(ふいり)孔雀葉(くじゃくば) 石化茎(せっかくき)薄青(うすあお)爪覆輪切咲(つまふくりんきれざき)」と伝えられています。しかし、葉や茎の特徴には異存はありませんが、花弁の縁は覆輪にならず切れ込みも深い形をしています。「爪切咲」というのは、浅く切れ込むことのようです。ということで、この「石化」の株は「青班入孔雀葉 石化茎薄青切咲(きれざき)」ということではないでしょうか。

同様に、「姫千鳥」。「青(あお)水晶班入(すいしょうふいり)姫葉(ひめば) 紅(べに)覆輪(ふくりん)丸咲(まるざき)」と伝わっています。青緑色に葉裏まで通る班が入る小さな葉をつけています。しかし、花は覆輪ではなく切れ込みの無い丸咲きではありません。「青水晶班入姫葉 紅切咲」というのでしょうか。表現が乏しい気がしますが。

今回疑問に感じた系統は、長い栽培の中で別の遺伝子が混入したのかもしれません。なお、名前につけた読み仮名には少し自信はありません。(ひ)
 


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