二十四節気は、「立春」の前の「大寒」です。一年中で一番寒い時期ですかね。そして、七十二候は「款冬華(ふきのはなさく)」です。昨年はこの時期に”フキの葉”の近くで”フキノトウ(蕗の薹)”が見られたのですが、今年は落ち葉がたくさん積もっているためか見られません(写真:上)。そこで、落ち葉を払ってみると、、、ありました。”フキの葉”の間から小さな”フキノトウ”が顔を出していました(写真:下)。この冬は、これまでのところ、”雪”や”つらら”などを見ることはできませんが、このまま”春”を迎えるのでしょうか。
皆さんご覧になりましたか?企画展「正月を迎える」に展示されている柏市泉地区の「鳥ビシャ」の「鬼」の字が書かれた紙に”矢”が刺さっています。展示が始まった時には、”矢”は刺さっていなかったはずなのですが?新しい年を迎えましたので、”箭弓(せんきゅう)の儀”で「鬼」の字の書かれた”的”に”矢”が射られた状態を再現しました。「オビシャ」とは、利根川沿いの地域で、年の始めに”作物の占い”や”悪霊退治祈願”をする”的射神事”です。企画展「正月を迎える」は1月20日までです。展示期間が残り少なくなってきました。まだご覧になっていない方はお急ぎください。
「安房の農家」の「普段の食事」の再現展示です。私たち日本人の食生活は、第二次世界大戦中・戦後の”食糧難”時代に行われた”配給”により全国的に”米のメシ”が行きわたり、”学校給食”により洋風の”パン”などが広く食べられるようになるなど、特にそれまで変化が緩やかだった農村部での食生活が一変したといわれています。「安房の農家」の「普段の食事」は、それ以前の農村部における一般的な食事の例です。いわゆる「メシ(飯)・オツケ(御付け)=(御御御付け)(味噌汁)・コウコ(香香)=(漬物)」などを基本とした「普段の食事」です。(大麦を混ぜた”麦御飯”、葱の”味噌汁”、”大根の煮物”と”沢庵漬け”)
同じ「安房の農家」の「豆腐作り」の実演です。”豆腐”は、遅くとも12世紀の初めには中国から伝わっていたようですが、江戸時代には、”江戸の錦豆腐”や”大坂の高津豆腐”がよく知られ、また、”豆腐のレシピ本”「豆腐百珍」なども刊行されており、”豆腐”が一般化してきています。さて、「房総のむら」の「豆腐作り」です。材料は、「房総のむら」で収穫した”大豆”です。”大豆”は、前日から水に浸しておきます(写真:上左)。この”大豆”をミキサーにかけます(写真:上右)。完全に”汁状”になるように二回繰り返します。写真ではわかり難いかもしれませんが、ミキサーに二回かけるとかなり”クリミー”になります(写真:中右、右=一回、右=二回)。出来上がった”大豆汁(生呉)”を”七輪”にかけた”沸騰した鍋”に浮かべるように入れます(写真:下左)。そして、”大豆汁”が下から噴いてきて、鍋全体に盛り上がってきたら”菜箸”で鍋の周りをそっと回してから”七輪”から鍋を降ろします(写真:下右)。”大豆汁”を煮るのに”七輪”を使うのは、”カマド”の強い火ではなく”七輪”の火を使うことで、”大豆汁”が鍋に焦げ付くのをふせぐためのようです。
煮えた”大豆汁”は、鍋にのせた半截した太い竹を繋いだ大きな”簀の子”の上に準備しておいた”布袋”に入れます(写真:上左)。”布袋”に入れただけでも水分は染み出しますが、口を閉めて”手のひら”で押したり、”麺打ち棒”を利用してしっかり搾ります(写真:上右)。この時に”鍋”の上の”竹の凹凸”が役立つわけです。熱くないと搾り難くくなるので、手袋をして頑張ります。ここで絞られてできたのが、”豆腐の素”となる”豆乳”です(写真:中左)。そして、”布袋”に残った”大豆かす”が”おから”です。次の工程は、この”豆乳の入った鍋”を鍋ごと”カマド”にかかっている沸騰した鍋に入れて”湯煎”します(写真:中右)。”豆乳”の温度が80度になったら、”しゃもじ”を伝わるようにして”にがり”を入れます(写真:下左)。時々”しゃもじ”で切るようして”豆乳”をかき混ぜながら、さらに”にがり”を入れていきます。適量の”にがり”を入れ、”豆乳”が”うわずみ液”と”固形物”に分離すればオーケーです(写真:下右)。
最後の工程は、濡れた”木綿布”を敷いた穴の開いた”豆腐箱(木型)”に”豆乳がおぼろ状に固まったもの”を入れ(写真:上左)上にも布を袋状に被せ、その上に木製の蓋をします(写真:上右)。蓋の上には水を入れた湯飲み茶碗を置いて”重石”とします。お好みにもよるかもしれませんが20分ほどで立方体に固まりますので、そうしたら木型を外し水の中で布を外せば”豆腐”の完成です(写真:中)。この日の実演では、ここまでおよそ1時間くらいでした。完成した”豆腐”を試食すると、市販の”豆腐”よりもしっかり”大豆”の味がします。”こく”と”豆の甘み”も感じる”豆腐”ができました。そして、”豆乳”の搾りかす”おから”(写真:下右)ですが、加工せずそのままで「上総の農家」で作った”醤油”をたらしていただきましたが、こちらも”大豆”そのものを食べているような味わいを感じることができました。やはり、昔ながらの手作りはおいしいです。しかし、二丁ほどの”豆腐”づくりでしたが、準備と手間暇はかなりの仕事量だとも感じました。
「房総のむら」ではお馴染み「込田匡美」さんの「あめ細工」作りの実演です。久しぶりでしたので、「あめ細工」づくりの様子を実況します。まず、暖められた箱の中から材料となる”あめ”を必要量だけちぎり取ります(写真:上右)。”あめ”が硬くてもやわらかくても加工し難いようですので、この箱の中の”あめ”の温度が重要なようです。”あめ”全体に色を付ける時には、この段階で”色の素”を入れて捏ねます。その”あめ”を棒に付けて形を整え(写真:中左)、そこから細工が始まります(写真:中右)。”ハサミ”で切ったり模様を付けていきます(写真:下左)。時には指で引っ張って伸ばします(写真:下右)。あっという間に出来上がりました。すごい!早い!
最後に、色を付けて完成です(写真:上)。「こみちゃん(込田さんの愛称)」の得意は、”干支”などの動物です。リクエストにも応えていただけます。目の前で、お好みの動物などを作ってもらうことができます。男の子には”龍(ドラゴン)”が人気があるとか(写真:中左)。見ていたご夫婦から、今年の干支”イノシシ”の注文が入りました(写真:中左から2枚目)。犬を作ってもらった娘さんもうれしそうです(写真:下左)。しかし、いつまで食べないでいられるでしょうか。男の子たちは、「あめ風船」作りです(写真:下右2枚)。ストローの先に付けられたやわらかい”あめ”の塊に空気を入れて膨らまします。”あめ”が薄く伸びて、”ゴム風船”のように膨れて大きくなります。これ以上膨らますと、”パーン”と破裂してしまいますよ。でも大丈夫、”ゴム風船”は萎んでしまいますが、”あめ風船”は”あめ”が固まり穴が開くだけで風船の形を保っています。まん丸の風船の状態では食べにくいので、破裂した方が食べやすいかもしれませんね。この日は、”自分で焼いた煎餅”と”あめ風船”を両方一緒に食べる子どもさんが多くいました。”しょっぱい”のと”甘い”ので、味はいかがですか。どちらもおいしいそうです。
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