2018年5月15日火曜日

立夏(二十四節気)竹笋生(七十二候)5月16日~20日 ”たけのこ”は”竹”に 農家の「手もみ茶」「縄文かご」 木に咲く”白い花” 「緑の里親」

 七十二候は、「竹笋生(たけのこしょうず)」です。今年は全ての植物の成長が早く、「房総のむら」では4月6日には”孟宗竹”の「たけのこ」を確認しました(写真:上左)。その後も「たけのこ」は順調に成長し(写真:上右)、4月14日・15日・28日の「たけのこ掘り」の体験では、”ニョキニョキ”生えている大きくなった「たけのこ」林の中で、地面から顔を出した程度の小さな「たけのこ」を掘りました(写真:下左)。「風土記の丘」の”金明孟宗竹”も同じような生育状況で、現在「たけのこ」は”古い竹”と同じくらいの高さにまでなり、”今年の竹”であることを証明するように根もと付近に”竹の皮”が残っています(写真:下右)。
 「商家の町並み」「菓子の店」の季節の和菓子は、「よもぎ餅」でした。詳細は、ブログ「よもぎ餅作り体験」をご覧ください。”よもぎ”の香りを美味しくいただきました。
 「上総の農家」では、「手もみ茶」作りの実演です。千葉県では、室町時代に”寺社の荘園”などで”お茶”が栽培されており、江戸時代中期以降は農家では”お茶の木”を畑や屋敷の周りに植え、自家用の”お茶”を自分たちで作るようになりました。明治7年には千葉県の”お茶”の生産は全国6位で、特に”佐倉茶””東金茶””八街茶”は有名でした。「上総の農家」には、”かまど(竃)”だけではなく”ほいろ(焙炉)”もあります(写真:上右)ので、それらを使って「手もみ茶」を作ります。①前日に「上総の農家」の前の”茶葉”(写真:上左)を摘んで陰干ししておきます。②”かまど”にのせた”せいろ(蒸篭)”で”茶葉”を蒸します(写真:中左)。時々箸でかきまぜ、青臭みが消えたら、”むしろ(筵)”に広げ団扇であおぎ手早く冷まします。③その後、”むしろ”の上で力を入れて水分をしぼり出します(写真:中右)。④”茶葉”が冷めてきたら、”むしろ”に広げて乾燥させます(写真:下左)。”ほいろ”に移動する前に、”ゴミ”などを取り除きます(写真:下右)。
 ”ほいろ”の準備をします。”茶葉”を蒸す前に”ほいろ”には”炭火”が入れられ全体を暖めてありますが、使う直前に”わら(藁)”を入れて火力を上げます(写真:上左)。その上に和紙を張った”フタ”をして準備が完了です(写真:上右)。⑥”ほいろ”の”和紙”の上に生乾きの”茶葉”をのせ(写真:中左)、両手で”茶葉”を”よじり”ながら乾燥させます(写真:中右)。初めは、まだ乾燥してなくくすんだ緑色といった感じです(写真:下左)が、3時間ほど”ほいろ”の上で”手もみ”を続けると乾燥して濃い緑色になり完成です(写真:下右)。今年は、”茶葉”も生育がよく”一芯二葉・一芯三葉”でも葉が大きく少し硬かったためか、「商家の町並み」「お茶の店」で”プロ”の方が作る「手もみ茶」のようにきれいな”針状”にはなりませんでした。
 「下総の農家」では、「木綿糸作り」「機織り」の実演です。昔ながらの”糸車”を右手で回して、左手に持つ”綿”から”ヨリ(撚り)”をかけながら糸を紡ぎます(写真:上左)。”綿”が”糸”になるのです。職人技です。「機織り」は、”高機(たかはた)”と”地機(じばた)”があります(写真:上右)。中央の”地機”は、文字通り地面(床)に座った状態で織ります。”高機”は、椅子に座った形で織り上げていきます。”地機”は扱いが難しそうです。「房総のむら」では、”高機”の”綜絖(そうこう)”が金属のもの(写真:下左)と、”かけ糸”を使うもの(写真:下右)があります。ご自分で”生地”を織り上げてみませんか。 
 「風土記の丘」では「縄文かご」作りの体験です。”フジ(藤)”などの植物の”つる(蔓)”(写真:中右)を使って、”かご”を作ります。縄文時代には”かご”でも、現代では”インテリア”ですね。写真下は、指導者の先生がおつくりになった作品です。「風土記の 資料館」の入口にも展示してあります。中には、”ぼうじろーの巣”もありました(写真:下右)。19日は吊り下げ型の”かご”を作ります(写真:下左から2枚目)。予約体験ですので、お申し込みはお早めにどうぞ。
 4月21には「上総の農家」で「水口まつり」が、5月13日には「下総の農家」で「人形送り」も行われ(詳細は、ブログ「田植えの無事と五穀豊穣を祈る『人形送り』」」をご覧ください)、”水田”でも田植えの準備が進んでいます。この日は”代掻き(しろかき)”をしていました(写真:左)。”稲の苗”も大きくなってきています(写真:中)。「下総の農家」の水田の水の取り入れ口のところに、”水田”見守るように”カキツバタ(杜若)”が咲いています(写真:右)。
 「房総のむら」の花については、ブログ「花だより」で詳しく紹介していますのでそちらをご覧いただくとして、こちらでは今が盛りの”木に咲く白い花”を集めてみました。はじめに”ヤマボウシ(山法師)”です。花が葉の上に咲くので、撮影に苦労します。秋には赤い実がなります。
 こちらは、エゴノキ(売子の木)です果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことに由来した名前とか。昔から人々の生活とつながりが深い樹木で、材が硬くて粘り強いことから”傘のロクロ”に使うので”ロクロギ”、材が丈夫で割れにくいことから”しゃもじ”の材料になったことから”シャクシギ”、果皮をすりつぶして洗剤に使ったので”石鹸の木”とも。小さな白い花ですが、”ヤマボウシ”とは反対に枝の先にたくさんの花が垂れ下がります
 ”ガマズミ(莢蒾)”です。名前の”ガマ”はこの枝を”鎌の柄”に使い、”ズミ”は実が酸っぱいからだとの説もあるそうです。秋には”赤い実”がつきます。”果樹酒”や”ジャム””としても人気があるようです。こちらは、林の中でも明るいところに多いので、陽射しを浴びると光り輝く白さになります。
  続いては、”ウツギ(空木)”です。今でも歌われているのでしょうか、「♪ウノハナの匂う垣根に、、、」で始まる小学校唱歌「夏は来ぬ」の「ウノハナ」とは、この花”ウツギ”のことだそうです。”ウツギ”は、旧暦の4月(卯月)頃に咲くことから「卯月(うつき)の花」と呼ばれたのだそうです。”空木(うつぎ)”の名前は、”茎が中空”であることに由来しています。
 ”マユミ(真弓)”です。こちらは、材質が強い上によくしなることから、昔から”弓”に用いられてきたことが名前の由来だそうです。小さな四弁の花です。
 ”イボタノキ(水蝋の木)”です。こちらも小さな白い花が咲き始めました。”イボタロウムシ(疣蝋虫)”がつくことが名前の由来とか。
 ”ユリノキ(百合の木)”の花です。白い花というよりは、少し黄緑色を帯びていますが、、、高く茂った葉の間に咲いていてなかなか気が付きませんが、「風土記の丘資料館」横の”ユリノキ”は、「資料館」の建物からかなり低い位置で観察することができます。”ユリノキ”と言いながら”チューリップ”のような花です。秋にはTシャツ状の大きな葉が、見事に黄色になります。
 ”ナルコユリ(鳴子百合)”です。これまで、”ホウチャクソウ(宝鐸草)””アマドコロ(甘野老)”と紹介してきたので、似たような花の最後は”ナルコユリ”です。たくさんの花がついています。
 一雨ごとに、緑が濃くなっていく「房総のむら」の雑木林です。半月前は、”陽射し”もかなり入り込み林全体が淡緑色に輝く感じでしたが、最近は葉が大きくなったためか下草まで届く”陽射し”も少なくなり緑色も濃くなってきました。園路では、”森林浴”を楽しむ方も見られます。「房総のむら」の林は、定期的に下草刈りをし、成長した樹木は”染料”にしたり、”炭”の原料にするために伐採したり、また傷んだ木は取り除くなどの手入れをして”里山の雑木林”を維持しています。
 そんな”林”を維持しようと始めたのが、「下総の農家」の「緑の里親」体験です。「房総のむら」で春先に”どんぐり”から発芽した”コナラ(小楢)”を自宅に持ちかえり、夏の間自宅で育てていただきます。11月に「むら」に持ってきていただいて、”林”に植樹する体験です。あなたの育てた木が「房総のむら」の”林”になります。この体験を利用して、ご自宅で”苗木”を育ててみませんか。

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