「立夏」の七十二候の次候は、「蚯蚓出(みみずいづる)」です。”ミミズ”が地上に這い出して来る頃との意でしょう。「房総のむら」では、”端午の節句”にあわせ”青空”に”コイノボリ”が泳ぎました。「農村歌舞伎舞台」には”武者幟(のぼり)”も立てました。前回に続き今回も、3日~5日に開催した「春のまつり」のようすを、体験を中心に紹介します。
”ボタン”に続いて”シャクヤク”も咲いた「武家屋敷」には、”鍾馗(しょうき)様”の”幟”が立てられ、5日には”甲冑試着”の体験が行われました。その「武家屋敷」に、「商家の町並み」にも現れた”時代衣裳”に変身体験した”女新撰組の隊員”さんと”ハイカラ”さんが”参上”しました。
「武家屋敷」の「甲冑試着」の体験をされているのは、”剣道”をしているというお父さんと息子さんです。さすがに、”刀”を構えたところも決まっています。以前に試着したときは、小さなサイズの”甲冑”だったとか、成長とともに”甲冑”のサイズも大きくなり、ますます”様”になってきたようです。
「武家屋敷」の隣の「茶室」の庭では、”野点(のだて)”の体験です。今年の「春のまつり」期間中は、強風のために庭先での”野点”はなかなかできませんでしたが、5日にはやっと青空の下、赤い大きな”野点傘”を広げることができました。傘の下の”軸”は”薫風自南来(くんぷうみなみよりきたる)”、花は”ミヤコワスレ”です。ちなみに、”薫風”は「立夏」(5月5日)以降の、5月に使われる”夏の季語”だそうです。”お姉さん”は”茶道部”に入っていて”お茶”に大変興味をお持ちとのことでしたので、”お茶を点(たて)る”ところを近くで見ていただきました(写真:下左)。お茶をいただく時に、和菓子が季節の花”アヤメ”をかたどったもので、”茶碗の絵柄”が”武者かぶと”で季節の絵柄だということにも気が付いたようです(写真:下右)。次回は、是非「茶室」で”お茶”をお楽しみください。
「農村歌舞伎舞台」では、能楽師「野村太一郎」さんによる「狂言入門」です。「房総のむら」には「能舞台」はありませんので、「農村歌舞伎舞台」の奥に”松”が描かれた「鏡板」が置かれ、「能舞台」に早変わりです。「野村」さんの「鏡板」の説明から始まり、狂言の所作やしぐさ、声の出し方、歩き方など、狂言の基本的なことを教えていただいた(写真:上)後に、体験です。舞台に上がった子供たちが、座り方や歩き方を体験した後に、狂言にでてくる”キノコ”の、ひざを曲げたままでの動き回り方も教えていただきました(写真:中)。最後に、「野村」さんに狂言の一部を披露していただきました。やっぱり”伝統を引き継いだ芸”はすごいですね。ほんの一部のでしたので、できれば全部見てみたくなりました(写真:下)。
同じ「農村歌舞伎舞台」での「猿回し」の上演です。「房総のむら」では、お馴染みの”いちごちゃん”と”みかんちゃん”です。小さな”ニホンザル”ですが、お兄さんお姉さんとのコンビもよく、上手に芸を披露してくれました。一回で成功しないで、会場が盛り上がったところで成功するところが憎いですね。上演が終わった後には「大木戸」まで来てくれて、来館者をお見送りしてくれました。
「農村歌舞伎舞台」のある「おまつり広場」での「かざぐるま」作りの体験です。3日は強風だったので、「上総の農家」の中での体験でしたが、4日・5日は晴天になりましたので、「おまつり広場」で体験です。家族そろって体験中におじゃましました。”篠の細い棒”や”数珠玉”などの自然のものを使っての「かざぐるま」ですが、よく回ります。まだ、風も強いこともあり、留め具の「数珠玉」が取れてしまうとありました。でも、すぐに直してもらえますので、大丈夫です。
こちらもお馴染みの「紙芝居」です。昔ながらのお楽しみですが、先生方の読み方が上手なので、子どもたちも引き込まれて聞いていました。日差しが強くなってきましたが、木陰でのお話は気持ちよく聞けました。特別に”新聞紙で作った兜”のプレゼントもありました(写真:下左)。
日本の伝統的な大道芸「南京玉すだれ」の上演です。唄にあわせて、”玉すだれ”をいろいろな形に変えていきます。”炭焼き小屋”(写真:上左)”魚”(写真:上中)”鳥居”(写真:上右)、そして「♪チョイと伸ばせば、阿弥陀如来か釈迦牟尼か、後光が見えれば、おなぐさみ、、、」と続きます(写真:中左)。そして、体験です。唄の一番最初に出てきた”浦島太郎の魚釣り竿”をもう一度作り、「これを皆で作ります」と説明し(写真:中右)、まずは”玉すだれ”の持ち方を教えていただき(写真:下左)、片手を離して先に延ばすと、”浦島太郎の魚釣り竿”ができました(写真:下右)。
「商家の町並み」「細工の店」では、「和凧」作りの体験です。地域によって、”節句凧”の形はいろいろあるようですが、「房総のむら」では”房州の漁師”の方がお祝い事に着る”万祝(まいわい)”の形が基になったといわれる”袖凧”です。指導は、「仲田一夫」さんです。”骨になる竹ひご”に、”万祝いの形をした和紙”を張り付けて完成させます。「仲田」さんによれば、大きな”凧”は7か所でバランスをとっているので”尻尾”はなくてもよいそうですが、小さな”凧”は2か所で糸を留めているだけなので尻尾があったほうが安定するそうです。早速、「町並み」で揚げて見せてくれました。ちなみに、”凧”の中央部分が丸く白く抜けていますが、ここには子供さんの「名前」をいれたりするのだそうです。ご自宅で、書いてみてください。
「商家の町並み」「堀割」の横のひろばでは、「お箸作り」の体験です。断面四角形の”ヒノキ”の棒を”鉋(かんな)”で削って先端を細くし(写真:左)、最後に”やすり”で”角”などを滑らかにして完成させます(写真:右)。はじめの”ヒノキ材”は長いので、お好みで長さを調整していただきますが、それはご自分で”鋸(のこ)”で切っていただきます。誰ですか、「鋸が切れない」なんて言っているのは。「鋸は押すときには力を入れないで、引く時に力を入れれば、誰でも切れますよ。」「お箸作り」の体験は、実は”鋸と鉋”を使う体験なのでした。あなたも、自分で”お箸”を作ってみませんか。
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