二十四節気は「清明」です。「清明」は「清浄明潔」の略で、すべてのものが清らかで生き生きする頃とされています。晴れ渡った空にすがすがしい風が吹きわたり、まさにすべての生物が明るく美しい季節になってきました。木々にも新芽が出始めて、遠くから見ると灰色だった樹木も淡い緑色に変わりつつあります。七十二候は、「玄鳥至(つばめきたる)」です。「房総のむら」では見ていませんが、館内で鳥を観察していた方のお話では先週「印旛沼」で見たそうです。もう南から”ツバメ”もやってきたのですね。「房総のむら」では、散り始めた”ソメイヨシノ”の下でのんびりお花見です(写真:中)。「堀割」には”花筏(はないかだ)”も見られます(写真:下左)。今が盛りの”桜”ですが、”遅咲きの桜”はこれからです。
これから本番を迎える”桜”です。”オオヤマザクラ”は、花が”ヤマザクラ”よりも大きく、色も淡いピンク色です(写真:左)。ピンク色の八重の大きな花の”カンザン”も、少し開いてきました(写真:右)。中央に2本の雌しべがはっきりわかります。これからも”ウコンザクラ”、”ゴショザクラ”、そして”ウワミズザクラ”と続きます。
「上総の農家」です。畑には”菜の花”が、茅葺建物の後ろには”ソメイヨシノ”や”ヤマザクラ”が咲き、その手前の梅林には”モモ”も咲いています。「上総の農家」は、”黄色の菜の花”に”白色の桜”、そして”淡い深紅の桃”と華やかになってきました。
「商家の町並み」「細工の店」の「楊枝」作りの実演と体験です。指導は、千葉県伝統的工芸品”雨城楊枝”製作者の君津市久留里の二代目「森 光慶」さんです。”雨城楊枝”は、香り高い”クロモジ”に美しい細工が施された”楊枝”です。この日は、午前は館の職員を指導しながら”楊枝作りを実演”(写真:上左)、午後は体験者の指導です(写真:上右)。”雨城楊枝”は、白樺の木を桂剥きして機械で切断して加工する一般的な楊枝ではなく、一本一本を手で削って作ります。店先に置かれた額には、20種類の楊枝が飾られています。お話をしている間に、10本近くの楊枝を作ってくれました。左から”大通、ザク、末広、竹、梅”です(写真:下右)。左端の”大通”は、舞妓さんなど女性の方が楊枝を使っているところを見られないように、通常のサイズよりも短いのだそうです。中央の”末広”は、扇子をとじた形だそうです。右端の”梅”は、薄く削られた木で輪を作り、梅の花を表しているのだそうです。”クロモジ”の香りがする、見た目も上品な”楊枝”です。
「下総の農家」の「ぼっち笠作り」の実演です。”ぼっち笠”は、日よけ雨よけとして主に女性の方が利用する被り笠です。下総地方では、突起のことを”ぼっち”と呼ぶことが多く、”笠のてっぺんの突起”からこの笠は”ぼっち笠”と呼ばれています(写真:下右)。”いぐさ”を束ねて(写真:上左)、円錐形に広げ(写真:上右)末広がりにするために”いぐさ”を少しづつ足しながら(写真:下左)、横糸の”いぐさ”を螺旋状に編んでいきます(写真:下右)。形の良い”ぼっち笠”を作るためには、”いぐさ”のたし加減が難しい熟練の作業です。
「商家の町並み」「呉服の店」では、「型紙から作る合羽摺り」の体験です。準備してある季節の柄の型紙(写真:右中央)から、好きなデザインのものを選び、ナイフで文様を切り出して型紙を作ることから始めます。出来上がった”型紙”を使って巾着袋(写真:上右)やバックに”柿渋”で模様を摺り込んで仕上げます。日本の体験者の方は、子どもさんが”桜”と”とんぼ”の型紙を作り、巾着袋に刷り込みました(写真:上左)。東京にお住いの外国人の方は家族4人で体験してましたが、それぞれが彫った型紙を家族で使って絵柄を摺り込んでいました(写真:下)。皆さん、十分に楽しく体験していただけたようです。”合羽摺り”は、「さくらまつり」でも体験できます。
4月7日・8日は「さくらまつり」です。”桜”に因んだ体験では、前段の「呉服の店」の”桜の型紙”を使った”色をすりこんでオリジナルバックを作ろう”(写真:上左)のほか、「紙の店」の”桜色の葉書作り”(写真:上右)、「下総の農家」の”桜のかざぐるま作り”(写真:下左)、そして「細工の店」の”畳のストラップ”では桜の模様の縁を付けることもできます(写真:下右)。このほかにも、”古代衣装体験”や”野点””和船”の体験などもできます。「さくらまつり」で是非体験してください。
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