二十四節気「清明」の七十二候の次候は、「鴻雁北(こうがんきたへかえる)」です。七十二候の前候は「玄鳥至(つばめきたる)」でしたので、南から”ツバメ”がやってきたと思ったら、”ガン”が北に帰る頃でもあるのですね。「房総のむら」では、7日・8日に「さくらまつり」を開催しました。一番多い”ソメイヨシノ”は散ってしましましたが、遅咲きの「八重の桜」などがほぼ満開の中での「さくらまつり」でした。「堀割」周辺には”八重桜”も多く、その下でお弁当を広げていました(写真:上左、上右)。”ピンクの桜”と”淡い緑の柳”がとてもきれいです(写真:中右)。重要文化財「旧御子神家住宅」から「風土記の丘資料館」にかけては、八重咲きの”カンザン”と”オオヤマザクラ”のトンネルができていました(写真:中左)。「房総のむら」の玄関口「大木戸」の”八重桜”もほぼ満開を迎えました(写真:下左)。”ソメイヨシノ”も強風に飛ばされましたが、まさに””花に嵐のたとえもある”ように、今日も強風です。これでは、”八重の桜”も””ひさかたの 光のどけき 春の日に 静こころなく 花の散るらむ”とはいかないようです。
”八重の桜”観察していると、”雌しべ”の違いに気が付きました。”雌しべ”の形状の違うものを並べてみました。”雌しべ”が2本あり、その下に小さな”葉”が見えます(写真:上左)、2本の”雌しべ”が”葉化”しています(写真:上右、中左)、2本の”雌しべ”の内1本だけが”葉化”しています(写真:中右)、”雌しべ”は1本のようですが”葉化”しています(写真:下左)、”雌しべ”が1本だけ見えます(写真:下右)。はじめは、ピンクの”八重の桜”はすべて”カンザン・セキヤマ(関山)”かと思っていましたが、2本の”雌しべ”が”葉化”したものは”普賢象”なのでしょうか?1本の”雌しべ”が葉化したのは”一葉”なのでしょうか?でも、1本の木でも”雌しべ”の形状が同じではないようですので、判断ができませんでした。ほかにも”紅華”?などもあるのでしょうか?専門家にも園芸種の桜の特定は難しいと言われましたので、名前は特定はしないで”八重の桜”としておきます。
こちらは、館内の各所にある”オオシマザクラ”です。開花時には葉が開き始めて、この時期になると葉もかなり大きくなり、遠くから見ると花はあるのですが、新緑の緑の葉がとても印象的です。”オオシマザクラ”は花は大きめで白色、葉は”桜餅”の材料ともなりますが、花も香りがします。
”ゴショザクラ”と呼ばれている桜です。「農村歌舞伎舞台」のある「おまつり広場」にあります。基本的には、”花びら”は5枚なのですが、”雄しべ”が”花弁化”したのでしょうか5枚以上のものが多くあります。平たく広がる5枚の”花弁”のほかに、花の中央部から直立気味の”花弁”が確認できると思います。”雌しべ”が”葉”になったり、”雄しべ”が”花びら”になったりと、私たちに一番なじみのある桜でこのようなことが観察できたことにビックリです。
重要文化財「旧御子神家住宅」の町道際と、「おまつり広場」にある”ウコン”です。”ウコン”は、咲き始めは薄緑色でやがて中心部が赤味を帯びてくるそうです。白色やピンク色ではなく、少し緑色、黄色を帯びている珍しい桜です。桜とは思えないような、きれいな色合いです。
こちらも、この時期に咲く桜ですが、名前ははっきりしません。「風土記の丘資料館」近くに咲いています。花びらは、基本が5枚で”雄しべ”が”花弁化”して”八重桜”になっているようです。花は、ほんの少しピンク色でやや大ぶり、”縮れ”が入っているようで少し”しわ”があります。「むら」の中で、一番好きな”桜”です。
「おまつり広場」から「安房・下総の農家」に向かう坂道の、”カスミザクラ”です。”花”は一重で白色、小さめです。”葉”も開き始めています。遠くから見ると、白色の小さな花が”霞”のように見えるのでしょうか。
”ソメイヨシノ”は散ってしましましたが、”八重の桜”などまだまだたくさんの”桜”が咲く中で7日・8日に「さくらまつり」を開催しました。”花に嵐”のたとえもありますが7日は強風でした。8日は、少し風はあるものの”光のどけき 春の日”でした。
”桜”に因んだ演目です。「上総の農家」では、”桜茶”の体験です(写真:上左)。「商家の町並み」「瀬戸物の店」では、桜の花びら形の皿に”絵付け”の体験です(写真:上右)。「下総の農家」では、桜の花の形の”桜のかざぐるま”作りです(写真:下左)。「商家の町並み」「めし屋」の”太巻き寿司”の実演では、桜の花をかたどった模様の”太巻き寿司”を作っていました(写真:下右)。この寿司を求める人で行列もできるほど好評でした。
「上総の農家」では、「箏の演奏」も行われました。演奏は、生田流筝曲演奏家の「阿佐美穂芽」さんです。桜に因んだ曲を演奏していただきました。なんとも”光のどけき 春の日に”桜をみて、桜茶の飲みながらのゆったりとした雰囲気の中での演奏会でした。
こちらは、「商家の町並み」「鍛冶屋」実演です。実演者は、「房総のむら」ではお馴染みの「北島和男」さんです(写真:上左)。今回は、全て手造りの「総火造り」による”ラシャ鋏”作りの実演です。一般に市販されている”鋏”は、”握り”の部分は”型”で造り、後で”刃”の部分を接合して作っているようですが、北島さんは1本の鉄の棒から”指を入れる握り”の部分まで作ります(写真:上右)。それが「総火造り」なのです。実際に”鋏”を動かしてみると、堅すぎず、かといって緩いわけではない、”シュート”と刃先が滑るように滑らかにかみ合います。その技術を生かした”切出し”(写真:下左)や”篆刻刀”なども展示していただきました。見るからに刃先が鋭そうな、”職人わざ”の作品です。
「商家の町並み」や「農村歌舞伎舞台」では、いくつもの”大道芸”を上演しました。「辻広場」では、江戸時代から続く日本の伝統芸「南京玉すだれ」の体験です。”♪ア さて、ア さて、ア さて、さて さて さて、さては南京玉すだれ~”。子供さんたちが、お父さん、お母さんたちに手伝ってもらいながらも、見事いに”釣り竿”などを作り、最後は皆で揃って、カメラマンに向かってポーズです(写真:下)。
「商家の町並み」「紙の店」では「桜色の葉書作り」に挑戦です。はじめに、紙の原料が溶けている”舟”から”はがき”サイズの簀の子の張られた”枠”で紙の原料を漉きます(写真:上、中左)。漉いては水分を落として、再び”舟”に”枠”を入れて原料を漉きます。この作業を5回繰り返し、紙の厚さを増していきます。乾燥前に、出来上がった紙の上にアクセントの模様の千代紙を置き、その上から紙の原料をかけます。これで、千代紙は剥がれません。最後に、水分を切り乾燥させますが、今回はこの日持ち帰っていただくために、機械で水分を抜いて(写真:中右)、その後に乾燥させます(写真:下左)。完成した紙に、郵便番号の枠をつけて完成です(写真:下右)。誰に出す葉書ですか?はじめは、紙を漉く要領がわからなくて心配そうでしたが、楽しそうに体験していました。お疲れ様。
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