2018年3月30日金曜日

春分(二十四節気)雷乃発声(七十二候)3月31日~4月4日 春爛漫 桜に桃に野の花も 「祝言の料理」

 「春分」の七十二候末候は、「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」で、遠くで雷の音がなり始める頃です。ここ数日は天気も安定し雨の予報はなく、気温も20度を超え少し体を動かすと汗ばむくらいです。「房総のむら」の桜は、早くも”ソメイヨシノ”がほぼ満開を迎え、まさに”春爛漫です。今咲いている館内の桜を紹介します。「商家の町並み」です(写真:上左)。「稲荷境内」の桜です(写真:上右)。「商家の町並み」の”瓦屋根”越しに見た桜です(写真:中左)。「武家屋敷」の桜です(写真:中右)。「上総の農家」の菜の花と桜です(写真:下左)。「堀割」の桜と柳です(写真:下右)。
 続いて、「風土記の丘」の桜です。日本一の方墳「岩屋古墳」墳頂の桜です(写真:上左)。「龍角寺101号墳」の埴輪と桜です(写真:上右)。「古墳広場」の古墳の墳丘裾にある山桜です。館内で一番素晴らしいといわれています(写真:中左)。重要文化財「旧学習院初等科正堂」と桜です(写真:中右)。「風土記の丘」の町道に被る桜です(写真:下左)。重要文化財「旧御子神家住宅」と桜です(写真:下右)。
「おまつり広場」ほぼ中央の桜です(写真:上左)。こちらは一本の木ではありませんが、あたかも樹冠を大きく広げた一本の木のようです。お隣の「茶店」の下では、ゆっくりと花見です(写真:上右)。「茶店」の”ヤエベニシダレ”です(写真:中)。「おまつり広場」の”ジュウガツザクラ”です(写真:下左)。「下総の農家」の”コウメザクラ”です(写真:下右)。
 ”ソメイヨシノ”は遠くから見ると白っぽく見えます(写真:上)。”オオシマザクラ”は、緑の葉も鮮やかです(写真:中)。”ヤマザクラ”の葉は、やや茶色を帯びています(写真:下)。
 ”ハナモモ”もかなり咲いてきました。「安房の農家」の畑横の”ハナモモ”です(写真:上左)。「上総の農家」の梅畑の赤白の花が咲く”ハナモモ”です(写真:上右)。「下総の農家」の”ハナモモ”です(写真:中左)。「商家の町並み」「瀬戸物の店」の横の”ハナモモ”です(写真:中右)。「上総の農家」の梅林の”ハナモモ”です(写真:下左)。”蝶”も随分飛び回っていますが、”ハナモモ”でひと休みです(写真:下右)。
 「商家の町並み」「めし屋」の「祝言の料理」の展示です。江戸時代までは、料理を作りもてなすことができたのは限られた裕福な家だけだったようですが、千葉県でも明治以降昭和30年代頃までは多くの家で婚礼が行われるようになりました。そこでふるまわれた”本膳”を用いた料理は、郷土色豊かな料理でした。展示は、千葉県印旛郡栄町龍角寺で昭和20年代に”もてなしの料理を作る仕事を頼まれた「料理番」”と呼ばれる方のお話をもとに再現したもので、当時の家々で行われた”祝言”の様子がうかがえます。
①”祝言”の時には、あらかじめ「料理番」が”蓬莱山”を作って式の間”床の間”に飾っておきます。”蓬莱山”は、米を一升山盛りにし、この上に”半紙で折った鶴”と、”聖護院大根を半分に切り墨でこけら(甲羅)を書き、頭と手足は里芋でかたどった亀”を飾ります。
  ②お嫁さんが婚家に入ると、まず”お茶とお菓子”を出します(写真:上左)。戦前は、八重桜の蕾を塩漬けしておいたものに湯を注いだ”桜湯”を出したそうです。お菓子は、主に饅頭だったようです。③次に、「落ち着き」として、”赤飯”と”きんぴらごぼう”、”豆腐の吸い物”が出されます(写真:上右)。これには、”酒宴の腹ごしらえ”としての意味もあるそうです。④その後に蛤の吸い物がでます(写真:下左)。夫婦が仲良くなるようにと、一つの椀に二つの蛤を互い違いに組んで入れてあります。しかし、客はここではこの”吸い物”を食べてはいけないそうです。⑤”仲人”の采配で、子どもが扮する”雄蝶雌蝶”が”三三九度”の銚子を回し、杯を酌み交わして式は終了となり、”鮒の腹合わせ”(写真:下右)を”床も間”に飾ります。本当は”鯉”を使うようですが、この地域では”鮒”を使うことが多かったそうです。”腹合わせ”が出たら宴会となり、客はようやく”蛤の吸い物”を口にすることができます。
⑥この後、大皿に5品(または7・9・10111315品でもよい)の料理を盛った「口取り」が出されます。”尾頭付魚の焼き物”や”羊羹”、”きんとん”、”蓮”などです(写真:上左)。”尾頭付”は”小鯛”が正式とされるそうですが、高価だったので”イシモチ”や”ホウボウ”などが使われたそうです。次は、「皿盛り」です。”刺身”の膳です(写真:上右)。そのほかに、茶わん蒸し鮒のピン焼き天ぷら鯉こくも出されました(写真:下左)。”鮒のピン焼き”は、”祝言の料理”の中で最高の料理とされ、”小鮒”を背から二枚に裂いて串を打ち砂糖と醤油で味をつけながら炭火で焼くものです。「料理番」の家では、このために大きな四角い”七輪”を当家に持参して料理をしたそうです。そんなもっとも重要な料理ですから、「房総のむら」では、川魚料理で指導いただいている「髙城良平」さんに料理していただきました。”太巻き寿司”は、三切れまたは五切れを盛りつけたそうです(写真:下右)。
これらの料理が出る合間に、途中で「一の折り」が、大きな家では「二の折り」も出されたそうです。「一の折り」は、奥に”鯛の尾頭付”、”海老”、手前中央に”かまぼこ”、”伊達巻”、”錦巻”、”白豆のきんとん”、”羊羹”などが詰められています(写真:左)。⑨宴がお開きになる時には、「本膳」が出されます。”白飯”、”鮒のたたき汁”に”たくあん”や”白菜の漬物”が付きます(写真:右)。この後で、最後に”お茶”が出て終わりになります。  展示をご覧になっていた方が、「すごい料理ですね」「随分上手に作ってありますね。本物みたい」と。そこで、皿の上の生きている”鮒”を示しながら「3日間の”祝言の料理”のために実際に作った本物の料理です」と説明しますと、「すごい、料理サンプルだと思った」と感心してました。
 「下総の農家」では”豆”も花(写真:下左=サヤエンドウ、右=ソラマメ)が咲き、少しづつ大きくなってきましたので、つる性の豆には”手”を付けました(写真:上)。
 「房総のむら」の春の”山野草”です。小さな”センボンヤリ”です(写真:上左)。暗紫色の”ミツバアケビ”も小さな花です(写真:上右)。”ミツバツチグリ”は館内のあちこちで見られます(写真:中左)。”ヤマブキ”も咲き始めました(写真:中右)。”カタクリ”も花が増えてきました(写真:下左)。そして、なんと早くも”ニリンソウ”です(写真:下右)。
 ”ホトケノザ”です(写真:上左)、”タチツボスミレ”(写真:上右)、”ヒメオドリコソウ”もあちこちで見られます。最後に”ワラビ”(写真:下左)、”ゼンマイ”(写真:下中)、そして、”タンポポ”の綿毛(写真:下右)です。道端散策路、林の中などの山野草を大事にしていますので、ご協力ください。

0 件のコメント:

コメントを投稿