二十四節気は「雨水」です。空から降ってくるのが”雪”から”雨”になり、”氷”が溶けて”水”になるという意味だそうです。七十二候は「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」で、雨が降って土が湿り気を含む頃だそうです。そろそろ草木が芽生え始める頃で、昔は農耕の準備を始める目安とされてきたそうです。春一番の季節でもありますね。写真は、すでに”粗起こし”されている「下総の農家」の水田(写真:左)と「上総の農家」の麦畑の”麦踏”の様子です。”麦”は踏まれて、茎が折れ曲がったり傷がついて水分を吸い上げる力が弱まり、寒さや乾燥に強くなります。また、根の成長や増加を促進し、根がしっかり張りまっすぐ伸びる丈夫な”麦”になります。
「安房の農家」の”小松菜”の”寒冷紗のトンネル”の中に、思わぬ”闖入者”がありました。一方が開いた20mほどのトンネル状の被いの中で、鳥が”バタバタ”やっていました。よく見ると”ヒヨドリ”のようです。このあと、奥から開口部の方に追うと、無事外にでていきました。鳥も新鮮な”小松菜”が食べたかったのですかね。
「商家の町並み」「木工所」の実演・体験です。指導者は、栃木県の”伝統的工芸品製作者”に認定されている栃木市の「萩原幹雄」さんです。「萩原」さんは、「房総のむら」で長く”桶・樽作り”の指導をしてきた”野田和樽で”千葉県の”伝統的工芸品製作者”に認定されていた「玉ノ井芳雄」さんのもとで修業された方です。この日は、”樽”に使う”杉板”を緩いカーブのある道具で削るところを実演していただきました(写真:上左)。また、”桶・樽”の細い板を締める”タガ”作りの技法を応用して、長さ40cm、幅2.5mm、厚さは1mmもない”ペラペラ”な緑色の”竹の皮”の薄く細い”竹ひご”を円形に丸めて小さな”タガ”の”指輪”作りの指導もしていただきました(写真:上右・中)。写真右は、「房総のむら」の体験「竹のタガのキーホルダー」(写真:中央、外側は通常の”タガ”です)です。”指輪”は、写真下左の右側のリングのように編みますが、”キーホルダー”は左側のタガ状に丸めたものです。
そして、その「下総の農家」は休日になると、子どもさんたちの元気な声に包まれます。特に「昔の遊び」「ベーゴマ」は人気です。このご家族は、他施設で「ベーゴマ」の回し方を覚えたそうですが、自前の「ベーゴマ」”名付けて「トトロ川上」”を持参しての来館です。「房総のむら」に”樽”に”幌布”が張られたベーゴマ回しの”土俵”があるのを知っていて来たそうです。当然、難しい”紐巻き”も自分たちでします(写真:上左)。お話しでは、”「トトロ川上」最強節”があるそうで、それを守れるか敗れるか勝負のポイントのようでした。このご家族は、高さが低い扁平な”ベーゴマ”が強いことも知っているようでした。それにしても、楽しそうに何度も繰り返していました。負けるな最強伝説の「トトロ川上」!
今が見所でしょうか「上総の農家」の「コセリバオウレン」です。この小さな可憐な花には、”雄花””雌花””両性花”があるそうです。みんな同じような”花”に見えますが、真ん中が赤くない”真っ白い花”があるのがわかりますか、それが”雄花”です(写真:下右はすべて”雄花”)。真ん中が赤く、その回りに白い”雄しべ”があるのが”両性花”です。”雌花”はなかなか見つからないようですが、「むら」でも見ていません。
「安房の農家」の「茅屋根葺替え」工事は完全に終了し、”作業用の足場”も撤去されました。遠くから見ると、”分棟型”の主屋の2つの屋根(カッテなどとダイドコロ)と”馬小屋””灰小屋”の4つの屋根の中で、今回”葺替え”た真新しい屋根が一際まぶしく見えます。「房総のむら」ではロケもかなり行われていますが、ロケの関係者は大抵この新しい屋根を嫌います。今にも朽ちて落ちそうな屋根や、”苔むした”屋根が好きなようです。
”足場”からの近景はこれまでも紹介してきましたが、”足場”がなくなりましたので、”皆さんが見られる目線”で再度載せておきます。”軒下”から上を見上げると”棟”の”竹簾(たけす)”は見えません(写真:中右)。これは「安房の農家」の屋根が全体に少し丸みを帯びているからです。また、南西隅の”軒先”を見ると、”表層の葺替え”をしたところと”差茅”をしたところの境部もわかります(写真:下右)。それにしても、工事の違いでこれほどの”段差”ができるとは思いませんでした(写真:下左)。予算を”ケチ”って、工事が途中で終わってしまったのではなく、これも昔からの伝統的な工法・仕上げ方です。16日から「安房の農家」の見学も再開しましたので、遠くから、近くからご覧ください。
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