2018年1月14日日曜日

小雪(二十四節気)雉始雊(七十二候)1月15日~19日 加曾利貝塚特別史跡記念ミニミニ展示 「どんど焼き」 茅屋根葺替え 梅一輪

 二十四節気「小雪」の七十二候末候は、「雉始雊(きじはじめてなく)」です。写真は、2年前の初夏に「加曾利貝塚」で撮影した「雉」です。「房総のむら」でなくて申し訳ありません。今回は、千葉市の「加曾利貝塚」を紹介するために、この写真にしました。
 千葉市の「加曾利貝塚」が昨年10月13日付けで国の「特別史跡」に指定されました。「加曾利貝塚」は、開発から守られ昭和46年に国の「史跡」に指定されていましたが、今回は”昇格”して”史跡の国宝”に相当する「特別史跡」に指定されたのです。千葉県は貝塚が日本一、世界一多い地域です。皆さんのお住いの近くにも「貝塚」があるのではないですか?そんな中でも、教科書にも登場する「加曾利貝塚」が一番知られているのではないでしょうか。その「加曾利貝塚」の「特別史跡」指定を記念して、千葉県では「千葉県まるごと加曾利貝塚イヤー」として県内各地で展示会などを開催しています。「房総のむら」では、1月28日まで「風土記の丘資料館」で「加曾利貝塚のミニミニ展示」を行っております。この機会に、「加曾利式土器」がどんなものかご覧ください。
 「上総の農家」の”生活歳時記”「どんど焼き」です。「どんど焼き」は、”小正月”の日に”正月”に使った”門松”や”注連縄”などの”正月飾り”を燃やして、その年の”無病息災”などを祈る行事です。「どんど焼き」(長生郡長柄町など)、「大火焚き」(南房総市山名など)、「お飾り焚き」(市原市菊間など)、「上り正月」(銚子市名洗など)と地域によって呼び方に違いはありますが、各地で行われてきました。”焚いた炎”の熱を浴びると病気にかからないとか、燃やした”書初め”が高く舞い上がると字が上達するなどと言われています(防災の観点から「房総のむら」では紙類を除いています)。また、”その火で焼いた餅”を食べると”風邪”をひかないとも言われます。積み上げられた”やぐら”に火をつけた時には、”やぐら”の周りは霜で白かった(写真:上左)のですが、炎が大きくなるにつれ真っ白な水蒸気に変わりました(写真:上中・上右・中左)。体験者の皆さんは、”先端に餅のついた竹”を持ってかなり下がって”炎”を浴びていましたが、それでもかなりの”熱気”を感じていました。時々、「どーん」と竹が爆ぜる音が聞こえました。”やぐら”が燃え尽きたら、残り火を広げて「餅焼き」です。ほとんど燃え尽きてはいますがそれでもかなりの熱気ですので、「餅」は竹の先に挿して焼きます。皆さんで円陣を組んで「餅焼き」です(写真:中右・下左)。焼きあがった「餅」は、”砂糖醤油”をつけて食べていただきました。体験者のお子様も「おいしい!」と(写真:下右)。これで、皆さん今年も”無病息災”間違いなしですね。届けられた”正月飾り”もすべて焚き上げました。今年も100個の餅は完売でした。
 こちらは、「下総の農家」の「ユウガオ細工」です。”ユウガオ(夕顔)”は「干瓢(かんぴょう)」を作る植物ですが、実の外皮を乾燥させると「瓢箪(ひょうたん)」のように固くなることから、昔からいろいろな生活用具を作る材料にもなってきました。一般的には、「炭入れ」や「花器」などの容器が多かったようですが、栃木県では”魔よけのお面”なども作られてきました。「下総の農家」で採れた野菜を持った体験者の方は、”ランプシェード”にするのだそうです(写真:右=外皮に小さな穴が穿けられています)。やわらなかい”ほのあかり”が目に浮かびます。
 「商家の町並み」「川魚の店」の「なまず料理」です。「なまず」(写真:上左)は、今は”魚やさん”でも見かけませんが、かっては全国で食されていました。日常の食べ物以外にも、”お祝いの時”や、”産後の肥立ち”など”滋養強壮”によいとして食べられる例もありました。食べる時期としては、「なまず」が大きくなりしまってくる冬場がよいとされています。「うなぎ」に比べると、脂も少なくさっぱりした淡泊な味です(写真:上右)。”むらのメニュー”は、印旛沼周辺に伝わる「ひっこがし」(なまずのみそ汁)とフライです(写真:下)。魚の姿からは想像できないあっさりしたおいしさに、「もう一つ食べたい」との”お替り”の注文もいただきました。年に一度の体験ですので、来年もお楽しみに。

 「安房の農家」「茅葺屋根の葺替え」の進捗状況です。「主屋」の正面の”茅の表層の葺替え”も進んできました。古い茅を剥がした後に、”水切り茅(ヨシ)”が一面に敷かれています(写真:上左・上中)。(写真:上右=赤囲いの”茅”)そして、写真下が、その上に一番外(表)になる”茅(シマガヤ)”が軒先から葺かれ始めたところです。(写真:上右=青囲いの”茅”) 

 「下総の農家」と「安房の農家」の間の「スイセン」です。11月17日の「金盞香(きんせんかひらく)(七十二候)(「スイセン」は、白い花冠の中央を飾る濃黄色の盃状の副花冠のようすから、金盞(金の盃)呼ばれたとも)」には咲かなかった「スイセン」が、やっと咲き出しました。 
 「武家屋敷」「茶室」の「紅梅」です。「梅」の花が一輪咲きました。「梅(むめ)一輪一輪ほどの暖かさ(服部嵐雪)」。「大寒(二十四節気)」を前にした寒い冬の日ですが、梅の蕾が”一輪ほころび”、また”一輪ほころび”ながら日ごとに春が近づいて来るのですね。「房総のむら」では、今年最初の「梅」の開花です。

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